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271話、一人だけ抜け駆けは許しません
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生きた伝説を前に、サニーの興奮度はどんどん更新されていき。丸一日、不死鳥姿のベルラザさんを描き続けた後。そこからも、サニーの興奮は冷めることはなかった。
まず、夕食後。みんなと外へ出て、静かに揺れる焚き火を囲い、ベルラザさんの過去について詳しく教えてもらった。
羽や尾羽、体のあらゆる貴重な部位を欲しがる欲深き者達から、襲われ続けていただの。捕まる一歩手前で逃げ切り、そこから身を潜めて暮らしていただの。
不死鳥専門の商人に扮し、資金集めを始めただの。資金集めをしている内に、似た境遇の者達と出会い、助け合いながら旅を続けただの。
ここら辺の話は、前にアルビスの口からも聞いていたが……。やはり、改めて実体験として聞くと、心に締め付けられるような物がくる。
サニーもベルラザさんを、終始不安な眼差しで心配していたが。ベルラザさんは過去の話だと笑い飛ばし、サニーの心に芽生え始めていた苦痛を一蹴し。
話は、アルシュレライ領へと入り。そこでアルビスも加わった頃。話が進むに連れ、サニーはアルビスに対しても心配し出し。
自分の秘薬を差し出したり、焦りを浮かべた表情をしながら、『ねえ、お母さん。アルビスさんとベルラザさんに、フェアリーヒーリングをしてあげて!』って、震えた声で懇願してきていた。
当然、私は断れるはずもなく。ベルラザさんの話が終わるまでに、私は五回ぐらい『フェアリーヒーリング』を使用して、サニーが抱いた不安と共に夜闇を払った。
しかし、本題はここからだ。ウィザレナ達、ヴェルイン達、各大精霊が帰った後。ベルラザさんだけ私達の家に残り。
ベルラザさんがサニーに、ここに住んでもいいかとお願いした所。サニーの落ち着きを取り戻した興奮が、再び大爆発を起こし、笑顔で即快諾。
そこからサニーは、ベルラザさんから一切離れず、一緒に風呂へ入り。私達に、過去の話の後日談を話してくれた後。四人で一つ屋根の下、静かに眠りに就いた。
そして、次の日。サニーは、昨日まったく相手をしてくれず、拗ねていたイフリート様と付きっ切りで相手をすることになり。
アルビスは、窓際にある自分の特等席にベルラザさんを案内しては、ハーブティーと菓子を用意し、水入らずな時間に入っていった。
「おい小僧。昨日はよくも、俺を描かなかったな? めちゃくちゃ淋しかったぞ」
「すみません! だから今日は、一日中イフリートさんを描きますね!」
強面な表情や尊厳深い雰囲気を壊しかねない文句を、開口一番にサニーへ向かって垂れたイフリート様が、満足気に口角を緩めた。
昨日は一言も発さず、ただひたすらにサニーとベルラザさんのやり取りを、静かに眺めていたけれども……。内心、淋しがっていたんだ。
「当たり前だ。もし、途中で投げ出してみろ? 怒って戦闘形態になるからな」
「戦闘形態っ!? よかったら、その姿も描かせて下さいっ!」
「おう、いいぞ。全部描け」
イフリート様。ようやくサニーに構ってもらえて、喜んでいるんだろうな。鼻を大きく鳴らし、期待に満ちた顔をしながら、サニーの頭をガシガシ撫でている───。
待てよ? 戦闘形態って、もしかして変身魔法を解いた元の姿じゃないだろうな? 大精霊本来の姿を、絵として現世に残すのは、かなりマズイ気がするのだけれども。
いや。急に表情が強張ったかと思えば、シルフ達が居る方を凝視し出したぞ。たぶん『伝心』で、何か言われていそうだ。
「……すまん小僧。今日は体調が良くないから、この姿だけ描いてくれ」
「ええっ!? 大丈夫ですか!? よかったら、私の秘薬を飲んで下さい! これを飲めば、すぐ良くなりますよ!」
気まずそうに嘘をついたイフリート様に、追い討ちとして懐から秘薬入りの小瓶を取り出しては、グイグイ詰め寄って小瓶を渡そうとするサニー。
「あいや、その、なんだ? 一日寝りゃあ治るから大丈夫だ。それよりも、外に出るぞ。広くて明るい場所の方が、俺を描きやすいだろ?」
「そうですけど……。本当に大丈夫ですか? お母さんがたくさん作ってくれたので、まだいっぱいありますよ?」
が、サニーの気遣いや心配は止まらず。頬に汗を伝わせているイフリート様に、追撃を仕掛けていく。
イフリート様。シルフ達に、一体何を言われているのだろうか? 焦っているように見えるし、相当キツく言われているのかもしれない。
「大丈夫、マジで大丈夫だ。気持ちだけ受け取っておく。だから小僧、早く外に行くぞ」
「わ、分かりました!」
「ルシルさん、ノームさん、プネラさん。イフリートさんが、サニーさんに粗相をおかさないよう、私達も同行して見張りますよ」
「お、おう……。そうだな」
「俺もなのかよお……」
「で、ディーネ様、なんだか怖い……」
この場から逃げ出すように外へ出たイフリート様と、サニーの背中を追う形で、ディーネ、呼ばれたルシルとノーム、プネラが渋々続いていく。
ああ。怒気を含んだディーネの言葉に、イフリート様が急に大人しくなった理由が、なんとなく分かった気がする。
おそらく、ある意味ノームよりも傍若無人に振る舞おうとしたイフリート様に、そうはさせまいとディーネがちゃんと怒ったか。もしくは、自分だけずるいと嫉妬したかの二択だろうな。
「おい! なんで、てめえらまで付いて来てんだよ!?」
「イフリートさん? 一人だけ抜け駆けは、絶対に許しませんからね」
やはり、後者だったか。というか、サニーの前で、あまりその話を広げない方が、いいのでは? 下手すると全員に、サニーの好奇心という名の飛び火が掛かるぞ?
というか、ノームはいいのかな? あいつだって、ほぼ大精霊の時の姿と変わりないぞ? ノームだからという理由で、許されているのかもしれないが……。
「なんだか賑やかになってきたから、俺達も行くか?」
「そうね。面白そうだから付いていきましょ」
サニーのお守りが出来ず、暇を持て余したヴェルインとカッシェさんも、のそのそと外へ出ていく。
「レナ。私達も行くぞ」
「うん、そうだね。ファート様、フローガンズ様。私達と一緒に、外へ行きましょう」
興味本位というよりも、どこか空気を読んだウィザレナが、レナに催促し。何かを察したレナも、未だ椅子に座っていた二人を呼んだ。
「え? 我も? アルビス様達の神々しい姿を、拝んでいたいんだが」
「私もなのぉ? まだ御二方の魔力の熱に慣れてないから、ここで涼んでたいんだけどぉ~」
「いいですから、ほら! 行きますよ」
二人のワガママな意見に聞く耳を持たないレナが、立とうとすらしない二人の腕を掴み、そのまま引っ張りながら扉へ向かっていく。
このままだと、家に残っているのは私とアルビス、ベルラザさんだけになってしまう……。
あっ、なるほど。その二人に気を遣って、ヴェルイン達やウィザレナ達は、率先して外に出ていった訳か。
ならば、水入らずな空間を二人に提供してあげたいから、私も外に出よう。そう決めた私は、菓子を一つだけ口に入れ、そっと立ち上がった。
「それじゃあ、アルビス。ベルラザさんと二人で、ゆっくりしててくれ」
「すまないな、余に気を遣ってくれて。ありがとう」
「お前の家だってのに。ほんとすまねえ、アカシック!」
気まずい申し訳なさが伝わってくる謝罪を述べたベルラザさんが、両手を前に合わせ、頭を深く下げた。
「いえいえ。ここはもう、ベルラザさんのお家でもあるんです。私達のことは気にしないで下さい。では、二人でゆっくりしてて下さい」
話が長引くと、ベルラザさんに罪悪感までも湧いてきてしまいそうなので、無難に話を終わらせた私は、だんだん騒がしくなってきた扉に向かい歩き出す。
さてと。二人だけの会話が、みんなの耳に入らないよう、家からもっと離れた場所に行かせないとな。
まず、夕食後。みんなと外へ出て、静かに揺れる焚き火を囲い、ベルラザさんの過去について詳しく教えてもらった。
羽や尾羽、体のあらゆる貴重な部位を欲しがる欲深き者達から、襲われ続けていただの。捕まる一歩手前で逃げ切り、そこから身を潜めて暮らしていただの。
不死鳥専門の商人に扮し、資金集めを始めただの。資金集めをしている内に、似た境遇の者達と出会い、助け合いながら旅を続けただの。
ここら辺の話は、前にアルビスの口からも聞いていたが……。やはり、改めて実体験として聞くと、心に締め付けられるような物がくる。
サニーもベルラザさんを、終始不安な眼差しで心配していたが。ベルラザさんは過去の話だと笑い飛ばし、サニーの心に芽生え始めていた苦痛を一蹴し。
話は、アルシュレライ領へと入り。そこでアルビスも加わった頃。話が進むに連れ、サニーはアルビスに対しても心配し出し。
自分の秘薬を差し出したり、焦りを浮かべた表情をしながら、『ねえ、お母さん。アルビスさんとベルラザさんに、フェアリーヒーリングをしてあげて!』って、震えた声で懇願してきていた。
当然、私は断れるはずもなく。ベルラザさんの話が終わるまでに、私は五回ぐらい『フェアリーヒーリング』を使用して、サニーが抱いた不安と共に夜闇を払った。
しかし、本題はここからだ。ウィザレナ達、ヴェルイン達、各大精霊が帰った後。ベルラザさんだけ私達の家に残り。
ベルラザさんがサニーに、ここに住んでもいいかとお願いした所。サニーの落ち着きを取り戻した興奮が、再び大爆発を起こし、笑顔で即快諾。
そこからサニーは、ベルラザさんから一切離れず、一緒に風呂へ入り。私達に、過去の話の後日談を話してくれた後。四人で一つ屋根の下、静かに眠りに就いた。
そして、次の日。サニーは、昨日まったく相手をしてくれず、拗ねていたイフリート様と付きっ切りで相手をすることになり。
アルビスは、窓際にある自分の特等席にベルラザさんを案内しては、ハーブティーと菓子を用意し、水入らずな時間に入っていった。
「おい小僧。昨日はよくも、俺を描かなかったな? めちゃくちゃ淋しかったぞ」
「すみません! だから今日は、一日中イフリートさんを描きますね!」
強面な表情や尊厳深い雰囲気を壊しかねない文句を、開口一番にサニーへ向かって垂れたイフリート様が、満足気に口角を緩めた。
昨日は一言も発さず、ただひたすらにサニーとベルラザさんのやり取りを、静かに眺めていたけれども……。内心、淋しがっていたんだ。
「当たり前だ。もし、途中で投げ出してみろ? 怒って戦闘形態になるからな」
「戦闘形態っ!? よかったら、その姿も描かせて下さいっ!」
「おう、いいぞ。全部描け」
イフリート様。ようやくサニーに構ってもらえて、喜んでいるんだろうな。鼻を大きく鳴らし、期待に満ちた顔をしながら、サニーの頭をガシガシ撫でている───。
待てよ? 戦闘形態って、もしかして変身魔法を解いた元の姿じゃないだろうな? 大精霊本来の姿を、絵として現世に残すのは、かなりマズイ気がするのだけれども。
いや。急に表情が強張ったかと思えば、シルフ達が居る方を凝視し出したぞ。たぶん『伝心』で、何か言われていそうだ。
「……すまん小僧。今日は体調が良くないから、この姿だけ描いてくれ」
「ええっ!? 大丈夫ですか!? よかったら、私の秘薬を飲んで下さい! これを飲めば、すぐ良くなりますよ!」
気まずそうに嘘をついたイフリート様に、追い討ちとして懐から秘薬入りの小瓶を取り出しては、グイグイ詰め寄って小瓶を渡そうとするサニー。
「あいや、その、なんだ? 一日寝りゃあ治るから大丈夫だ。それよりも、外に出るぞ。広くて明るい場所の方が、俺を描きやすいだろ?」
「そうですけど……。本当に大丈夫ですか? お母さんがたくさん作ってくれたので、まだいっぱいありますよ?」
が、サニーの気遣いや心配は止まらず。頬に汗を伝わせているイフリート様に、追撃を仕掛けていく。
イフリート様。シルフ達に、一体何を言われているのだろうか? 焦っているように見えるし、相当キツく言われているのかもしれない。
「大丈夫、マジで大丈夫だ。気持ちだけ受け取っておく。だから小僧、早く外に行くぞ」
「わ、分かりました!」
「ルシルさん、ノームさん、プネラさん。イフリートさんが、サニーさんに粗相をおかさないよう、私達も同行して見張りますよ」
「お、おう……。そうだな」
「俺もなのかよお……」
「で、ディーネ様、なんだか怖い……」
この場から逃げ出すように外へ出たイフリート様と、サニーの背中を追う形で、ディーネ、呼ばれたルシルとノーム、プネラが渋々続いていく。
ああ。怒気を含んだディーネの言葉に、イフリート様が急に大人しくなった理由が、なんとなく分かった気がする。
おそらく、ある意味ノームよりも傍若無人に振る舞おうとしたイフリート様に、そうはさせまいとディーネがちゃんと怒ったか。もしくは、自分だけずるいと嫉妬したかの二択だろうな。
「おい! なんで、てめえらまで付いて来てんだよ!?」
「イフリートさん? 一人だけ抜け駆けは、絶対に許しませんからね」
やはり、後者だったか。というか、サニーの前で、あまりその話を広げない方が、いいのでは? 下手すると全員に、サニーの好奇心という名の飛び火が掛かるぞ?
というか、ノームはいいのかな? あいつだって、ほぼ大精霊の時の姿と変わりないぞ? ノームだからという理由で、許されているのかもしれないが……。
「なんだか賑やかになってきたから、俺達も行くか?」
「そうね。面白そうだから付いていきましょ」
サニーのお守りが出来ず、暇を持て余したヴェルインとカッシェさんも、のそのそと外へ出ていく。
「レナ。私達も行くぞ」
「うん、そうだね。ファート様、フローガンズ様。私達と一緒に、外へ行きましょう」
興味本位というよりも、どこか空気を読んだウィザレナが、レナに催促し。何かを察したレナも、未だ椅子に座っていた二人を呼んだ。
「え? 我も? アルビス様達の神々しい姿を、拝んでいたいんだが」
「私もなのぉ? まだ御二方の魔力の熱に慣れてないから、ここで涼んでたいんだけどぉ~」
「いいですから、ほら! 行きますよ」
二人のワガママな意見に聞く耳を持たないレナが、立とうとすらしない二人の腕を掴み、そのまま引っ張りながら扉へ向かっていく。
このままだと、家に残っているのは私とアルビス、ベルラザさんだけになってしまう……。
あっ、なるほど。その二人に気を遣って、ヴェルイン達やウィザレナ達は、率先して外に出ていった訳か。
ならば、水入らずな空間を二人に提供してあげたいから、私も外に出よう。そう決めた私は、菓子を一つだけ口に入れ、そっと立ち上がった。
「それじゃあ、アルビス。ベルラザさんと二人で、ゆっくりしててくれ」
「すまないな、余に気を遣ってくれて。ありがとう」
「お前の家だってのに。ほんとすまねえ、アカシック!」
気まずい申し訳なさが伝わってくる謝罪を述べたベルラザさんが、両手を前に合わせ、頭を深く下げた。
「いえいえ。ここはもう、ベルラザさんのお家でもあるんです。私達のことは気にしないで下さい。では、二人でゆっくりしてて下さい」
話が長引くと、ベルラザさんに罪悪感までも湧いてきてしまいそうなので、無難に話を終わらせた私は、だんだん騒がしくなってきた扉に向かい歩き出す。
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