248 / 301
243話、魔法披露大会へ
しおりを挟む
「二人共、次を頼む!」
ルシルとノームに新たな岩石の注文をすると、分厚い氷に覆われて、そこら中荒々しく抉れて原型を留めていなかった岩石が、再生を開始。
その再生と同時。私が、氷の杖から風の杖に持ち替えている中、ルシルが氷の除去を始めたらしく。
氷の表面が凄まじい速度で削れ始め、数秒もすれば、岩石を覆っていた氷は完全に消失していた。
「魔女の嬢ちゃん、準備出来たぞお」
「ありがとう! よし。サニー、今度は風の魔法を使うぞ!」
「うんっ!」
無邪気な笑みが絶えないサニーを認め、風の杖先を岩石にかざす。
しかし、風、土、光の最上位魔法は、どれも地上に被害が及ぶ魔法ばかりなので、ここからは召喚魔法を使用させてもらう。
『色褪せぬ追憶を謳い、新たな生命へ叡智を繋ぐ風に告ぐ! “風壊砲”。たゆたう追憶の風を止め、今一度叡智を放棄せよ!』
力強く詠唱を唱えると、杖先に風の渦をいくつも巻いた模様が描かれた、若草色の魔法陣が出現。
静かに詠唱を唱えても、魔法はちゃんと発動するものの。普段の私では、あまり出ない張った声で唱えている。
たぶん今の私は、自分でも思っている以上に、気持ちが昂っているんだろうな。
『“風壊砲”に告ぐ! 空中にある岩石を、力の限り砕いてくれ! 契約者の名は“アカシック”!』
簡単な指示を出しながら詠唱を唱え終えると、風の魔法陣を纏う光が、一度鼓動し。
より一層強い若草色の光を帯びると、緑色をしたふわふわな前髪により、目元まで隠れた妖精の姿をした約二十以上もの光が、魔法陣から飛び出してきた。
「わぁっ! 何かを持った妖精さんが、いっぱい出てきたーー!!」
「うわぁ……。あの召喚獣、攻撃が当たるとヤバいやつじゃん」
やはり、私の体調が万全になり、魔力が一気に向上したことあってか。召喚された者の見た目も、少しだけ異なっている。
ノームと戦っていた時に召喚した『風壊砲』の身長は、おおよそ九十cm前後と小柄だったのに対し。今回召喚された『風壊砲』は、大体百二十cmぐらいまで成長していた。
両手で大事に持っている大砲の砲身も、そう。更に巨大化したせいで、より強固な見た目になっていて、本物の大砲と見分けがまるで付かない。
初めに召喚された『風壊砲』が、私の指示通りに岩石へ攻撃を始めたが、鋭い螺旋状の竜巻の威力も、格段に上がっている。
岩石に攻撃が着弾するや否や。竜巻が急激に膨らみ、新たな竜巻を四つほど生み出しては爆ぜ。
その小型化した竜巻も、岩石に攻撃すると同じ挙動を繰り返しつつ増殖し、攻撃を続けていく。
なんだ、あれ? 増殖を繰り返す挙動なんて、今まで一度も見た事が無いぞ。あの挙動こそが、『風壊砲』本来の攻撃なのだろうか? 一応、ルシルに聞いてみよう。
『なあ、シルフ。『風壊砲』の攻撃って、本来はあんな感じなのか?』
『そうそう。ノーム爺さんと戦ってた時と、まるで違うだろ? 対象物に何度も追い討ちをかける、あの攻撃こそが本来の『風壊砲』だぜ』
『はぁ、なるほど……』
『『天翔ける極光鳥』とあれが大量に来てたら、流石の俺様でも骨が折れてただろうなあ』
そうだ。今の『風壊砲』なら、移動距離や射程が大幅に上がっているかもしれない。だとすれば、ノームは更に、私へ近づくのが困難になっていただろう。
ノームやウンディーネと戦っている時に、最初から力を最大限に引き出せていたら、流れは全然違っていたかもしれないな。
『“風壊砲”に告ぐ! 一旦下がり、私の背後で待機しててくれ!』
攻撃指示を取り下げ、待機指示を与えると、『風壊砲』は攻撃を止めて私の後ろへ付いた。
『ありがとう“風壊砲”』「二人共、次を頼む!」
休む暇も無く、ノーム達に追加の岩石を注文し、風の杖から土の杖に持ち替える。
岩石は、『不死鳥の息吹』に次いで損傷が激しい。荒々しくも細かな小石状まで砕かれていた。
けど、完全に再生されるまで、ものの数秒で終わってしまうし。先に詠唱を始めてしまおう。
「サニー。次は、土の竜を見せてやる!」
「土の竜! なんだかすごそうっ!」
「一瞬で見えなくなってしまうから、ちゃんと見てろよ?」
「うんっ!」
サニー。さっきから大声を出し続けて、ちょっとガラガラ声になってきているな。これが終わったら、白湯に溶かした秘薬を飲ませてやらないと。
「よし、じゃあ行くぞ!」
と言っている間に、再生を終えた岩石へ、土の杖先をかざす。
『生命を宿す者の基部にして、生命の残した証を慈悲なる心で抱擁せし台地! その証を護る絶対暴君に告ぐ! “竜の楔”、慈悲なる心を今一度捨てよ!』
よく使用していた土の最上位召喚魔法だが、やはりこいつも強化されていそうだ。いつもの魔法陣なら、おおよそ全長二十m前後だったのだが。
今浮かび上がってきた、尊厳深い山の模様が描かれた土色の魔法陣の大きさは、三十m前後にまで大きくなっている。
『“竜の楔”に告ぐ! 宙に浮いた岩石を貫いてくれ! 契約者の名は“アカシック”!』「……あっ」
合図まで一気に出すも、一瞬。ほんの一瞬だけ、目の前に岩の壁が現れて、轟音と強烈な突風を巻き上げたかと思えば。
気付いた頃には、『竜の楔』の姿は跡形もなく、粉々に四散した岩石だけが視界内に映っていた。
「ちょっとお母さん! 何か出てきたけど、全然見えなかったよ!」
「……何、今のあれ? あたしの目でも捉えられなかったんだけど? あんなの避けられる訳ないじゃん……」
サニーの文句により、ようやく理解が追い付いたけれども……。移動速度まで、目視出来ないほど段違いに向上しているん、だよな?
今の今まで、なんとか目で追えていたものの。とうとう召喚した直後ですら、目視出来なくなってしまったか。しかし、どこまで行ったんだ? 『竜の楔』は。
「すまない、サニー。少々やり過ぎた」
「ほんとだよ! ねえ、お母さん! もっとすごい魔法はないのっ!?」
「もっとすごい魔法、ねぇ」
地上に及ぶ被害を度外視すれば、光属性最上位召喚魔法『光柱の管理人』。悪い印象をサニーに与えたくないので、使用を控えようとしていた『天翔ける極光鳥』。
地上が水没する事を懸念し、元より使う予定が無かった、水属性最上位魔法の一つ『海王の怒葬』。『人魚の鎮魂歌』は、聴いた者を強制的に数日間眠らせてしまうので、論外だとして。
どうせなら、奥の手の『語り』も使用したい。空に掛ければ下位の魔法でも、見た目が派手になる。
が、ここで語りを使うと、沼地帯に甚大な被害が及んでしまう。どこか、適した場所があれば───。
「……あるじゃないか、すごくいい場所が」
あそこなら、いくら暴れても現実世界に被害は及ばない。なんだ。最初からシルフ達にお願いをして、あそこに行けばよかったじゃないか。
「ディーネ、ルシル、ノーム。すまないけど、私のわがままを聞いてくれないか?」
「私も、ですか?」
己も加わった事により、きょとんとした顔を指差すディーネ。
「そうだ。三人の中で、瞑想場を荒らされても構わないって奴が居たら、名乗り出て欲しい」
「……ああ、なるほど? お前、とことん暴れるつもりだな?」
察しの良いルシルが、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべた。
「まあな。どうせだし、お前達もサニーに何か見せてやったどうだ?」
「えっ!? ルシルさん達の魔法も見れるのっ!? 見たい見たいっ!」
私の誘いで、即座に興味の対象が移り変わったサニーが、ギンギンに輝いた青い瞳をルシル達へ向けた。
「なんだあ、魔女の嬢ちゃん? 面白そうな事言うじゃあねえかあ。よし、俺様の瞑想場を貸してやらあ!」
途端に乗り気になったノームが、右手をかざし、『水鏡の扉』に似た物を召喚した。
薄い土色の波紋を立たせた先に、『天照らす極楽鳥』の『黎明』により、地面が綺麗に抉れた『土の瞑想場』が見える。まだ直していなかったんだな、あれ。
「まあ、ノームさんったら。ルシルさん、どうします?」
「あのよ? サニーちゃんに魔法を見せたくて、ウズウズしてる顔をしながら聞いてくるんじゃねえ」
「あら、分かっちゃいましたか」
おしとやかでニヤケ顔のディーネへ、呆れた様子のルシルがツッコミを入れる。
「まあ、ここまで期待されたら仕方ねえか。つーことだ、サニーちゃん。俺達の魔法も見てみるかい?」
「はいっ、見たいです!」
「よーし、いいだろう! アカシックのよりすごい魔法を、沢山見せてやる!」
「はいっ、よろしくお願いします!!」
そう豪語したルシルが、サニーを手招きしつつ『土の瞑想場』に入っていき。ニコニコ顔のサニーも、小走りで付いていった。
ルシルは、ああ言っていたけど。私だって負けないぞ。誰がサニーの気を引けるか、勝負といこうじゃないか。
ルシルとノームに新たな岩石の注文をすると、分厚い氷に覆われて、そこら中荒々しく抉れて原型を留めていなかった岩石が、再生を開始。
その再生と同時。私が、氷の杖から風の杖に持ち替えている中、ルシルが氷の除去を始めたらしく。
氷の表面が凄まじい速度で削れ始め、数秒もすれば、岩石を覆っていた氷は完全に消失していた。
「魔女の嬢ちゃん、準備出来たぞお」
「ありがとう! よし。サニー、今度は風の魔法を使うぞ!」
「うんっ!」
無邪気な笑みが絶えないサニーを認め、風の杖先を岩石にかざす。
しかし、風、土、光の最上位魔法は、どれも地上に被害が及ぶ魔法ばかりなので、ここからは召喚魔法を使用させてもらう。
『色褪せぬ追憶を謳い、新たな生命へ叡智を繋ぐ風に告ぐ! “風壊砲”。たゆたう追憶の風を止め、今一度叡智を放棄せよ!』
力強く詠唱を唱えると、杖先に風の渦をいくつも巻いた模様が描かれた、若草色の魔法陣が出現。
静かに詠唱を唱えても、魔法はちゃんと発動するものの。普段の私では、あまり出ない張った声で唱えている。
たぶん今の私は、自分でも思っている以上に、気持ちが昂っているんだろうな。
『“風壊砲”に告ぐ! 空中にある岩石を、力の限り砕いてくれ! 契約者の名は“アカシック”!』
簡単な指示を出しながら詠唱を唱え終えると、風の魔法陣を纏う光が、一度鼓動し。
より一層強い若草色の光を帯びると、緑色をしたふわふわな前髪により、目元まで隠れた妖精の姿をした約二十以上もの光が、魔法陣から飛び出してきた。
「わぁっ! 何かを持った妖精さんが、いっぱい出てきたーー!!」
「うわぁ……。あの召喚獣、攻撃が当たるとヤバいやつじゃん」
やはり、私の体調が万全になり、魔力が一気に向上したことあってか。召喚された者の見た目も、少しだけ異なっている。
ノームと戦っていた時に召喚した『風壊砲』の身長は、おおよそ九十cm前後と小柄だったのに対し。今回召喚された『風壊砲』は、大体百二十cmぐらいまで成長していた。
両手で大事に持っている大砲の砲身も、そう。更に巨大化したせいで、より強固な見た目になっていて、本物の大砲と見分けがまるで付かない。
初めに召喚された『風壊砲』が、私の指示通りに岩石へ攻撃を始めたが、鋭い螺旋状の竜巻の威力も、格段に上がっている。
岩石に攻撃が着弾するや否や。竜巻が急激に膨らみ、新たな竜巻を四つほど生み出しては爆ぜ。
その小型化した竜巻も、岩石に攻撃すると同じ挙動を繰り返しつつ増殖し、攻撃を続けていく。
なんだ、あれ? 増殖を繰り返す挙動なんて、今まで一度も見た事が無いぞ。あの挙動こそが、『風壊砲』本来の攻撃なのだろうか? 一応、ルシルに聞いてみよう。
『なあ、シルフ。『風壊砲』の攻撃って、本来はあんな感じなのか?』
『そうそう。ノーム爺さんと戦ってた時と、まるで違うだろ? 対象物に何度も追い討ちをかける、あの攻撃こそが本来の『風壊砲』だぜ』
『はぁ、なるほど……』
『『天翔ける極光鳥』とあれが大量に来てたら、流石の俺様でも骨が折れてただろうなあ』
そうだ。今の『風壊砲』なら、移動距離や射程が大幅に上がっているかもしれない。だとすれば、ノームは更に、私へ近づくのが困難になっていただろう。
ノームやウンディーネと戦っている時に、最初から力を最大限に引き出せていたら、流れは全然違っていたかもしれないな。
『“風壊砲”に告ぐ! 一旦下がり、私の背後で待機しててくれ!』
攻撃指示を取り下げ、待機指示を与えると、『風壊砲』は攻撃を止めて私の後ろへ付いた。
『ありがとう“風壊砲”』「二人共、次を頼む!」
休む暇も無く、ノーム達に追加の岩石を注文し、風の杖から土の杖に持ち替える。
岩石は、『不死鳥の息吹』に次いで損傷が激しい。荒々しくも細かな小石状まで砕かれていた。
けど、完全に再生されるまで、ものの数秒で終わってしまうし。先に詠唱を始めてしまおう。
「サニー。次は、土の竜を見せてやる!」
「土の竜! なんだかすごそうっ!」
「一瞬で見えなくなってしまうから、ちゃんと見てろよ?」
「うんっ!」
サニー。さっきから大声を出し続けて、ちょっとガラガラ声になってきているな。これが終わったら、白湯に溶かした秘薬を飲ませてやらないと。
「よし、じゃあ行くぞ!」
と言っている間に、再生を終えた岩石へ、土の杖先をかざす。
『生命を宿す者の基部にして、生命の残した証を慈悲なる心で抱擁せし台地! その証を護る絶対暴君に告ぐ! “竜の楔”、慈悲なる心を今一度捨てよ!』
よく使用していた土の最上位召喚魔法だが、やはりこいつも強化されていそうだ。いつもの魔法陣なら、おおよそ全長二十m前後だったのだが。
今浮かび上がってきた、尊厳深い山の模様が描かれた土色の魔法陣の大きさは、三十m前後にまで大きくなっている。
『“竜の楔”に告ぐ! 宙に浮いた岩石を貫いてくれ! 契約者の名は“アカシック”!』「……あっ」
合図まで一気に出すも、一瞬。ほんの一瞬だけ、目の前に岩の壁が現れて、轟音と強烈な突風を巻き上げたかと思えば。
気付いた頃には、『竜の楔』の姿は跡形もなく、粉々に四散した岩石だけが視界内に映っていた。
「ちょっとお母さん! 何か出てきたけど、全然見えなかったよ!」
「……何、今のあれ? あたしの目でも捉えられなかったんだけど? あんなの避けられる訳ないじゃん……」
サニーの文句により、ようやく理解が追い付いたけれども……。移動速度まで、目視出来ないほど段違いに向上しているん、だよな?
今の今まで、なんとか目で追えていたものの。とうとう召喚した直後ですら、目視出来なくなってしまったか。しかし、どこまで行ったんだ? 『竜の楔』は。
「すまない、サニー。少々やり過ぎた」
「ほんとだよ! ねえ、お母さん! もっとすごい魔法はないのっ!?」
「もっとすごい魔法、ねぇ」
地上に及ぶ被害を度外視すれば、光属性最上位召喚魔法『光柱の管理人』。悪い印象をサニーに与えたくないので、使用を控えようとしていた『天翔ける極光鳥』。
地上が水没する事を懸念し、元より使う予定が無かった、水属性最上位魔法の一つ『海王の怒葬』。『人魚の鎮魂歌』は、聴いた者を強制的に数日間眠らせてしまうので、論外だとして。
どうせなら、奥の手の『語り』も使用したい。空に掛ければ下位の魔法でも、見た目が派手になる。
が、ここで語りを使うと、沼地帯に甚大な被害が及んでしまう。どこか、適した場所があれば───。
「……あるじゃないか、すごくいい場所が」
あそこなら、いくら暴れても現実世界に被害は及ばない。なんだ。最初からシルフ達にお願いをして、あそこに行けばよかったじゃないか。
「ディーネ、ルシル、ノーム。すまないけど、私のわがままを聞いてくれないか?」
「私も、ですか?」
己も加わった事により、きょとんとした顔を指差すディーネ。
「そうだ。三人の中で、瞑想場を荒らされても構わないって奴が居たら、名乗り出て欲しい」
「……ああ、なるほど? お前、とことん暴れるつもりだな?」
察しの良いルシルが、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべた。
「まあな。どうせだし、お前達もサニーに何か見せてやったどうだ?」
「えっ!? ルシルさん達の魔法も見れるのっ!? 見たい見たいっ!」
私の誘いで、即座に興味の対象が移り変わったサニーが、ギンギンに輝いた青い瞳をルシル達へ向けた。
「なんだあ、魔女の嬢ちゃん? 面白そうな事言うじゃあねえかあ。よし、俺様の瞑想場を貸してやらあ!」
途端に乗り気になったノームが、右手をかざし、『水鏡の扉』に似た物を召喚した。
薄い土色の波紋を立たせた先に、『天照らす極楽鳥』の『黎明』により、地面が綺麗に抉れた『土の瞑想場』が見える。まだ直していなかったんだな、あれ。
「まあ、ノームさんったら。ルシルさん、どうします?」
「あのよ? サニーちゃんに魔法を見せたくて、ウズウズしてる顔をしながら聞いてくるんじゃねえ」
「あら、分かっちゃいましたか」
おしとやかでニヤケ顔のディーネへ、呆れた様子のルシルがツッコミを入れる。
「まあ、ここまで期待されたら仕方ねえか。つーことだ、サニーちゃん。俺達の魔法も見てみるかい?」
「はいっ、見たいです!」
「よーし、いいだろう! アカシックのよりすごい魔法を、沢山見せてやる!」
「はいっ、よろしくお願いします!!」
そう豪語したルシルが、サニーを手招きしつつ『土の瞑想場』に入っていき。ニコニコ顔のサニーも、小走りで付いていった。
ルシルは、ああ言っていたけど。私だって負けないぞ。誰がサニーの気を引けるか、勝負といこうじゃないか。
0
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。


【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる