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243話、魔法披露大会へ
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「二人共、次を頼む!」
ルシルとノームに新たな岩石の注文をすると、分厚い氷に覆われて、そこら中荒々しく抉れて原型を留めていなかった岩石が、再生を開始。
その再生と同時。私が、氷の杖から風の杖に持ち替えている中、ルシルが氷の除去を始めたらしく。
氷の表面が凄まじい速度で削れ始め、数秒もすれば、岩石を覆っていた氷は完全に消失していた。
「魔女の嬢ちゃん、準備出来たぞお」
「ありがとう! よし。サニー、今度は風の魔法を使うぞ!」
「うんっ!」
無邪気な笑みが絶えないサニーを認め、風の杖先を岩石にかざす。
しかし、風、土、光の最上位魔法は、どれも地上に被害が及ぶ魔法ばかりなので、ここからは召喚魔法を使用させてもらう。
『色褪せぬ追憶を謳い、新たな生命へ叡智を繋ぐ風に告ぐ! “風壊砲”。たゆたう追憶の風を止め、今一度叡智を放棄せよ!』
力強く詠唱を唱えると、杖先に風の渦をいくつも巻いた模様が描かれた、若草色の魔法陣が出現。
静かに詠唱を唱えても、魔法はちゃんと発動するものの。普段の私では、あまり出ない張った声で唱えている。
たぶん今の私は、自分でも思っている以上に、気持ちが昂っているんだろうな。
『“風壊砲”に告ぐ! 空中にある岩石を、力の限り砕いてくれ! 契約者の名は“アカシック”!』
簡単な指示を出しながら詠唱を唱え終えると、風の魔法陣を纏う光が、一度鼓動し。
より一層強い若草色の光を帯びると、緑色をしたふわふわな前髪により、目元まで隠れた妖精の姿をした約二十以上もの光が、魔法陣から飛び出してきた。
「わぁっ! 何かを持った妖精さんが、いっぱい出てきたーー!!」
「うわぁ……。あの召喚獣、攻撃が当たるとヤバいやつじゃん」
やはり、私の体調が万全になり、魔力が一気に向上したことあってか。召喚された者の見た目も、少しだけ異なっている。
ノームと戦っていた時に召喚した『風壊砲』の身長は、おおよそ九十cm前後と小柄だったのに対し。今回召喚された『風壊砲』は、大体百二十cmぐらいまで成長していた。
両手で大事に持っている大砲の砲身も、そう。更に巨大化したせいで、より強固な見た目になっていて、本物の大砲と見分けがまるで付かない。
初めに召喚された『風壊砲』が、私の指示通りに岩石へ攻撃を始めたが、鋭い螺旋状の竜巻の威力も、格段に上がっている。
岩石に攻撃が着弾するや否や。竜巻が急激に膨らみ、新たな竜巻を四つほど生み出しては爆ぜ。
その小型化した竜巻も、岩石に攻撃すると同じ挙動を繰り返しつつ増殖し、攻撃を続けていく。
なんだ、あれ? 増殖を繰り返す挙動なんて、今まで一度も見た事が無いぞ。あの挙動こそが、『風壊砲』本来の攻撃なのだろうか? 一応、ルシルに聞いてみよう。
『なあ、シルフ。『風壊砲』の攻撃って、本来はあんな感じなのか?』
『そうそう。ノーム爺さんと戦ってた時と、まるで違うだろ? 対象物に何度も追い討ちをかける、あの攻撃こそが本来の『風壊砲』だぜ』
『はぁ、なるほど……』
『『天翔ける極光鳥』とあれが大量に来てたら、流石の俺様でも骨が折れてただろうなあ』
そうだ。今の『風壊砲』なら、移動距離や射程が大幅に上がっているかもしれない。だとすれば、ノームは更に、私へ近づくのが困難になっていただろう。
ノームやウンディーネと戦っている時に、最初から力を最大限に引き出せていたら、流れは全然違っていたかもしれないな。
『“風壊砲”に告ぐ! 一旦下がり、私の背後で待機しててくれ!』
攻撃指示を取り下げ、待機指示を与えると、『風壊砲』は攻撃を止めて私の後ろへ付いた。
『ありがとう“風壊砲”』「二人共、次を頼む!」
休む暇も無く、ノーム達に追加の岩石を注文し、風の杖から土の杖に持ち替える。
岩石は、『不死鳥の息吹』に次いで損傷が激しい。荒々しくも細かな小石状まで砕かれていた。
けど、完全に再生されるまで、ものの数秒で終わってしまうし。先に詠唱を始めてしまおう。
「サニー。次は、土の竜を見せてやる!」
「土の竜! なんだかすごそうっ!」
「一瞬で見えなくなってしまうから、ちゃんと見てろよ?」
「うんっ!」
サニー。さっきから大声を出し続けて、ちょっとガラガラ声になってきているな。これが終わったら、白湯に溶かした秘薬を飲ませてやらないと。
「よし、じゃあ行くぞ!」
と言っている間に、再生を終えた岩石へ、土の杖先をかざす。
『生命を宿す者の基部にして、生命の残した証を慈悲なる心で抱擁せし台地! その証を護る絶対暴君に告ぐ! “竜の楔”、慈悲なる心を今一度捨てよ!』
よく使用していた土の最上位召喚魔法だが、やはりこいつも強化されていそうだ。いつもの魔法陣なら、おおよそ全長二十m前後だったのだが。
今浮かび上がってきた、尊厳深い山の模様が描かれた土色の魔法陣の大きさは、三十m前後にまで大きくなっている。
『“竜の楔”に告ぐ! 宙に浮いた岩石を貫いてくれ! 契約者の名は“アカシック”!』「……あっ」
合図まで一気に出すも、一瞬。ほんの一瞬だけ、目の前に岩の壁が現れて、轟音と強烈な突風を巻き上げたかと思えば。
気付いた頃には、『竜の楔』の姿は跡形もなく、粉々に四散した岩石だけが視界内に映っていた。
「ちょっとお母さん! 何か出てきたけど、全然見えなかったよ!」
「……何、今のあれ? あたしの目でも捉えられなかったんだけど? あんなの避けられる訳ないじゃん……」
サニーの文句により、ようやく理解が追い付いたけれども……。移動速度まで、目視出来ないほど段違いに向上しているん、だよな?
今の今まで、なんとか目で追えていたものの。とうとう召喚した直後ですら、目視出来なくなってしまったか。しかし、どこまで行ったんだ? 『竜の楔』は。
「すまない、サニー。少々やり過ぎた」
「ほんとだよ! ねえ、お母さん! もっとすごい魔法はないのっ!?」
「もっとすごい魔法、ねぇ」
地上に及ぶ被害を度外視すれば、光属性最上位召喚魔法『光柱の管理人』。悪い印象をサニーに与えたくないので、使用を控えようとしていた『天翔ける極光鳥』。
地上が水没する事を懸念し、元より使う予定が無かった、水属性最上位魔法の一つ『海王の怒葬』。『人魚の鎮魂歌』は、聴いた者を強制的に数日間眠らせてしまうので、論外だとして。
どうせなら、奥の手の『語り』も使用したい。空に掛ければ下位の魔法でも、見た目が派手になる。
が、ここで語りを使うと、沼地帯に甚大な被害が及んでしまう。どこか、適した場所があれば───。
「……あるじゃないか、すごくいい場所が」
あそこなら、いくら暴れても現実世界に被害は及ばない。なんだ。最初からシルフ達にお願いをして、あそこに行けばよかったじゃないか。
「ディーネ、ルシル、ノーム。すまないけど、私のわがままを聞いてくれないか?」
「私も、ですか?」
己も加わった事により、きょとんとした顔を指差すディーネ。
「そうだ。三人の中で、瞑想場を荒らされても構わないって奴が居たら、名乗り出て欲しい」
「……ああ、なるほど? お前、とことん暴れるつもりだな?」
察しの良いルシルが、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべた。
「まあな。どうせだし、お前達もサニーに何か見せてやったどうだ?」
「えっ!? ルシルさん達の魔法も見れるのっ!? 見たい見たいっ!」
私の誘いで、即座に興味の対象が移り変わったサニーが、ギンギンに輝いた青い瞳をルシル達へ向けた。
「なんだあ、魔女の嬢ちゃん? 面白そうな事言うじゃあねえかあ。よし、俺様の瞑想場を貸してやらあ!」
途端に乗り気になったノームが、右手をかざし、『水鏡の扉』に似た物を召喚した。
薄い土色の波紋を立たせた先に、『天照らす極楽鳥』の『黎明』により、地面が綺麗に抉れた『土の瞑想場』が見える。まだ直していなかったんだな、あれ。
「まあ、ノームさんったら。ルシルさん、どうします?」
「あのよ? サニーちゃんに魔法を見せたくて、ウズウズしてる顔をしながら聞いてくるんじゃねえ」
「あら、分かっちゃいましたか」
おしとやかでニヤケ顔のディーネへ、呆れた様子のルシルがツッコミを入れる。
「まあ、ここまで期待されたら仕方ねえか。つーことだ、サニーちゃん。俺達の魔法も見てみるかい?」
「はいっ、見たいです!」
「よーし、いいだろう! アカシックのよりすごい魔法を、沢山見せてやる!」
「はいっ、よろしくお願いします!!」
そう豪語したルシルが、サニーを手招きしつつ『土の瞑想場』に入っていき。ニコニコ顔のサニーも、小走りで付いていった。
ルシルは、ああ言っていたけど。私だって負けないぞ。誰がサニーの気を引けるか、勝負といこうじゃないか。
ルシルとノームに新たな岩石の注文をすると、分厚い氷に覆われて、そこら中荒々しく抉れて原型を留めていなかった岩石が、再生を開始。
その再生と同時。私が、氷の杖から風の杖に持ち替えている中、ルシルが氷の除去を始めたらしく。
氷の表面が凄まじい速度で削れ始め、数秒もすれば、岩石を覆っていた氷は完全に消失していた。
「魔女の嬢ちゃん、準備出来たぞお」
「ありがとう! よし。サニー、今度は風の魔法を使うぞ!」
「うんっ!」
無邪気な笑みが絶えないサニーを認め、風の杖先を岩石にかざす。
しかし、風、土、光の最上位魔法は、どれも地上に被害が及ぶ魔法ばかりなので、ここからは召喚魔法を使用させてもらう。
『色褪せぬ追憶を謳い、新たな生命へ叡智を繋ぐ風に告ぐ! “風壊砲”。たゆたう追憶の風を止め、今一度叡智を放棄せよ!』
力強く詠唱を唱えると、杖先に風の渦をいくつも巻いた模様が描かれた、若草色の魔法陣が出現。
静かに詠唱を唱えても、魔法はちゃんと発動するものの。普段の私では、あまり出ない張った声で唱えている。
たぶん今の私は、自分でも思っている以上に、気持ちが昂っているんだろうな。
『“風壊砲”に告ぐ! 空中にある岩石を、力の限り砕いてくれ! 契約者の名は“アカシック”!』
簡単な指示を出しながら詠唱を唱え終えると、風の魔法陣を纏う光が、一度鼓動し。
より一層強い若草色の光を帯びると、緑色をしたふわふわな前髪により、目元まで隠れた妖精の姿をした約二十以上もの光が、魔法陣から飛び出してきた。
「わぁっ! 何かを持った妖精さんが、いっぱい出てきたーー!!」
「うわぁ……。あの召喚獣、攻撃が当たるとヤバいやつじゃん」
やはり、私の体調が万全になり、魔力が一気に向上したことあってか。召喚された者の見た目も、少しだけ異なっている。
ノームと戦っていた時に召喚した『風壊砲』の身長は、おおよそ九十cm前後と小柄だったのに対し。今回召喚された『風壊砲』は、大体百二十cmぐらいまで成長していた。
両手で大事に持っている大砲の砲身も、そう。更に巨大化したせいで、より強固な見た目になっていて、本物の大砲と見分けがまるで付かない。
初めに召喚された『風壊砲』が、私の指示通りに岩石へ攻撃を始めたが、鋭い螺旋状の竜巻の威力も、格段に上がっている。
岩石に攻撃が着弾するや否や。竜巻が急激に膨らみ、新たな竜巻を四つほど生み出しては爆ぜ。
その小型化した竜巻も、岩石に攻撃すると同じ挙動を繰り返しつつ増殖し、攻撃を続けていく。
なんだ、あれ? 増殖を繰り返す挙動なんて、今まで一度も見た事が無いぞ。あの挙動こそが、『風壊砲』本来の攻撃なのだろうか? 一応、ルシルに聞いてみよう。
『なあ、シルフ。『風壊砲』の攻撃って、本来はあんな感じなのか?』
『そうそう。ノーム爺さんと戦ってた時と、まるで違うだろ? 対象物に何度も追い討ちをかける、あの攻撃こそが本来の『風壊砲』だぜ』
『はぁ、なるほど……』
『『天翔ける極光鳥』とあれが大量に来てたら、流石の俺様でも骨が折れてただろうなあ』
そうだ。今の『風壊砲』なら、移動距離や射程が大幅に上がっているかもしれない。だとすれば、ノームは更に、私へ近づくのが困難になっていただろう。
ノームやウンディーネと戦っている時に、最初から力を最大限に引き出せていたら、流れは全然違っていたかもしれないな。
『“風壊砲”に告ぐ! 一旦下がり、私の背後で待機しててくれ!』
攻撃指示を取り下げ、待機指示を与えると、『風壊砲』は攻撃を止めて私の後ろへ付いた。
『ありがとう“風壊砲”』「二人共、次を頼む!」
休む暇も無く、ノーム達に追加の岩石を注文し、風の杖から土の杖に持ち替える。
岩石は、『不死鳥の息吹』に次いで損傷が激しい。荒々しくも細かな小石状まで砕かれていた。
けど、完全に再生されるまで、ものの数秒で終わってしまうし。先に詠唱を始めてしまおう。
「サニー。次は、土の竜を見せてやる!」
「土の竜! なんだかすごそうっ!」
「一瞬で見えなくなってしまうから、ちゃんと見てろよ?」
「うんっ!」
サニー。さっきから大声を出し続けて、ちょっとガラガラ声になってきているな。これが終わったら、白湯に溶かした秘薬を飲ませてやらないと。
「よし、じゃあ行くぞ!」
と言っている間に、再生を終えた岩石へ、土の杖先をかざす。
『生命を宿す者の基部にして、生命の残した証を慈悲なる心で抱擁せし台地! その証を護る絶対暴君に告ぐ! “竜の楔”、慈悲なる心を今一度捨てよ!』
よく使用していた土の最上位召喚魔法だが、やはりこいつも強化されていそうだ。いつもの魔法陣なら、おおよそ全長二十m前後だったのだが。
今浮かび上がってきた、尊厳深い山の模様が描かれた土色の魔法陣の大きさは、三十m前後にまで大きくなっている。
『“竜の楔”に告ぐ! 宙に浮いた岩石を貫いてくれ! 契約者の名は“アカシック”!』「……あっ」
合図まで一気に出すも、一瞬。ほんの一瞬だけ、目の前に岩の壁が現れて、轟音と強烈な突風を巻き上げたかと思えば。
気付いた頃には、『竜の楔』の姿は跡形もなく、粉々に四散した岩石だけが視界内に映っていた。
「ちょっとお母さん! 何か出てきたけど、全然見えなかったよ!」
「……何、今のあれ? あたしの目でも捉えられなかったんだけど? あんなの避けられる訳ないじゃん……」
サニーの文句により、ようやく理解が追い付いたけれども……。移動速度まで、目視出来ないほど段違いに向上しているん、だよな?
今の今まで、なんとか目で追えていたものの。とうとう召喚した直後ですら、目視出来なくなってしまったか。しかし、どこまで行ったんだ? 『竜の楔』は。
「すまない、サニー。少々やり過ぎた」
「ほんとだよ! ねえ、お母さん! もっとすごい魔法はないのっ!?」
「もっとすごい魔法、ねぇ」
地上に及ぶ被害を度外視すれば、光属性最上位召喚魔法『光柱の管理人』。悪い印象をサニーに与えたくないので、使用を控えようとしていた『天翔ける極光鳥』。
地上が水没する事を懸念し、元より使う予定が無かった、水属性最上位魔法の一つ『海王の怒葬』。『人魚の鎮魂歌』は、聴いた者を強制的に数日間眠らせてしまうので、論外だとして。
どうせなら、奥の手の『語り』も使用したい。空に掛ければ下位の魔法でも、見た目が派手になる。
が、ここで語りを使うと、沼地帯に甚大な被害が及んでしまう。どこか、適した場所があれば───。
「……あるじゃないか、すごくいい場所が」
あそこなら、いくら暴れても現実世界に被害は及ばない。なんだ。最初からシルフ達にお願いをして、あそこに行けばよかったじゃないか。
「ディーネ、ルシル、ノーム。すまないけど、私のわがままを聞いてくれないか?」
「私も、ですか?」
己も加わった事により、きょとんとした顔を指差すディーネ。
「そうだ。三人の中で、瞑想場を荒らされても構わないって奴が居たら、名乗り出て欲しい」
「……ああ、なるほど? お前、とことん暴れるつもりだな?」
察しの良いルシルが、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべた。
「まあな。どうせだし、お前達もサニーに何か見せてやったどうだ?」
「えっ!? ルシルさん達の魔法も見れるのっ!? 見たい見たいっ!」
私の誘いで、即座に興味の対象が移り変わったサニーが、ギンギンに輝いた青い瞳をルシル達へ向けた。
「なんだあ、魔女の嬢ちゃん? 面白そうな事言うじゃあねえかあ。よし、俺様の瞑想場を貸してやらあ!」
途端に乗り気になったノームが、右手をかざし、『水鏡の扉』に似た物を召喚した。
薄い土色の波紋を立たせた先に、『天照らす極楽鳥』の『黎明』により、地面が綺麗に抉れた『土の瞑想場』が見える。まだ直していなかったんだな、あれ。
「まあ、ノームさんったら。ルシルさん、どうします?」
「あのよ? サニーちゃんに魔法を見せたくて、ウズウズしてる顔をしながら聞いてくるんじゃねえ」
「あら、分かっちゃいましたか」
おしとやかでニヤケ顔のディーネへ、呆れた様子のルシルがツッコミを入れる。
「まあ、ここまで期待されたら仕方ねえか。つーことだ、サニーちゃん。俺達の魔法も見てみるかい?」
「はいっ、見たいです!」
「よーし、いいだろう! アカシックのよりすごい魔法を、沢山見せてやる!」
「はいっ、よろしくお願いします!!」
そう豪語したルシルが、サニーを手招きしつつ『土の瞑想場』に入っていき。ニコニコ顔のサニーも、小走りで付いていった。
ルシルは、ああ言っていたけど。私だって負けないぞ。誰がサニーの気を引けるか、勝負といこうじゃないか。
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