ぶっきらぼう魔女は育てたい

桜乱捕り

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設定集②

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・レム

 約百十年以上前。定期的に各地を教会ごと移り住んでいたレムは、『タート』の近辺にある街道付近に移動してきた後。
 周辺に魔物が出現しないよう、森の中へ入り、魔除けの魔法を設置している最中。川を流れている血が付着した木のカゴを発見し、その木のカゴを魔法で浮かせて手元まで持ってきた。
 中を見てみると、安らかに寝ている赤ん坊がおり。木のカゴに血が付着している事から、家族は何かしらの事件に巻き込まれて赤ん坊だけを逃したと推測し、一時的に引き取る事を決めた。

 赤ん坊を抱えつつ、魔除けの魔法を設置し終えたレムは帰路に就くも。教会の前に不審な木のカゴが置かれていて、中からは中身の正体を自ら明かすかのように、赤ん坊の泣き声が湧いていた。
 周りに誰も居ない事から、捨てられたのだろうと察したレムは、肩を落としてため息をつきながらも、その赤ん坊も拾って教会へと招く。

 一日で二児の父親になってしまったレムは、しばらく教会を閉鎖して育児に勤しみ、二人が喋られるようになるまで育った頃。
 レムは、名の無かった男の子に『ピース』という名前を付け。『ピース』と名付けられた男の子は、女の子の名前はどうしても自分が決めたいと言って聞かず。
 そこから女の子の意見を尊重しつつ、二人で話し合った結果。女の子の名前は『アカシック』となり、ピースとアカシックの間に、誰にも崩す事は出来ない強い絆が生まれていった。

 仲の良い二人が五歳になると、率先して教会内の掃除を手伝うようになり。人を招いても大丈夫だろうと予想したレムは、『タート』近辺に移り住んできてから五年後に教会を開放。
 開放してから百日も経過すれば、教会の存在が『タート』に知れ渡り始め。『タート』から徒歩で行くと、二十分前後掛かるものの、子供から老人、多種多様な種族も訪れるようになっていった。
 その中には、もちろん魔法使いや魔女も居り。人懐っこいアカシックが、訪れた人々と交流をしていると、とある魔女から『あなたには、とても強い魔力が宿っているわね』と指摘され、自分は魔女なのだと自覚した。

 そこからアカシックは、一つの決心を固め、ピースとレムに報告。ピースはアカシックの決心に賛同し、レムもアカシックの熱意に負け、魔法を教える事となる。
 火、水、風、土、氷、闇の魔法は基礎すらままならなかったのにも関わらず、光属性の魔法だけはメキメキと上達していき。
 まだ箒で飛ぶ事すら出来ていなかったアカシックは、六歳になる頃には下位の回復魔法を大体扱えるようになっていて。決心した通り、教会へ来た者を回復魔法で癒し始めていく。
 そんな、感謝を述べられて暖かい笑顔で答えるアカシックに、レムは心を強く打たれて感動し。まだ六歳のアカシックを認め、『最上級の光のマナの結晶体』をアカシックに譲った。
 
 二人が七歳になると、アカシックは中級までの回復魔法を。ピースは、十種類以上の回復ポーションを作れるようになっており。
 その頃には、レムの情もすっかりと移って親心も芽生えていて、愛する二人の親になる事を決意。以後、他の大精霊にその日起きた出来事を嬉々と語り、二人の知らぬ間に子煩悩と化す。
 特に、既にアカシックを認めていた風を司る大精霊『シルフ』とは馬が合い、日の入りするまで語り明かす事もしばしば。

 しかし、永遠に続くと思っていた暮らしも、大人になった二人が教会から独立するいう旨をレムに伝え、終わりを迎えた。
 二人が教会から独立をしたい理由を知っていたレムは、本当であれば引き留めたかったが。身を裂く思いで二人の意見を尊重し、移住先の『タート』まで見送った後。
 一時的に教会ごと『精霊界』へ帰り、気落ちしながら無と時を司る大精霊『フォスグリア』が居る『時の墓場』へ行き、大精霊にとっては短い二十年分の近況報告を、十五分程度に纏めて簡潔に済ませる。
 が、いざ帰って来てみれば。こちらの世界では十日間以上が過ぎており、その間にピースは『アンブラッシュ・アンカー』に殺されていて。
 心が闇に堕ちたアカシックが、ピースを生き返らせる為に『迫害の地』へ行った事をシルフから聞かされるも、唐突過ぎる二人の現状を受け入れられなかったレムは、膝から崩れ落ちて二時間ほど放心状態に陥った。

 結婚まで誓い、結婚式を自分の教会で挙げたいと楽しみにしていた二人の人生が、たった十日間の間で全て崩壊し。
 運命とタイミングを呪ったレムに、初めて怒りの感情が込み上げてきて、その怒りの矛先を『時の墓場』へ向けてしまい。
 冷静な判断が出来なくなっていたレムは、再度フォスグリアの元へ向かい、言動を荒げて恫喝をしながら『今すぐ十日間前まで、時を巻き戻してくれ』と直談判するも、即却下されて更に激情。
 実力行使でフォスグリアを従えさせようとして、禁断の召喚魔法を使おうとするも、他の大精霊全員から止められてしまう。
 更には、その行為がフォスグリアの逆鱗に触れ。今後、契約を交わすまでアカシックとの接触を禁じられしまい、この世の全てに絶望したレムは、悲痛な慟哭を上げて『時の墓場』を後にした。

 愛する家族の一人を失い、変わり果てたアカシックに手を差し伸べる事すら叶わず。光の大精霊としての責務を疎かにし、嘆きながらアカシックを見守るレム。
 苦痛しか生まれない生活を強いられてから、約九十年後。アカシックが『針葉樹林地帯』でサニーと出会った事を切っ掛けに、レムにとっても僅かな光明が差し始める。
 約九十年以上もの間、魔物や獣を狩り続けていたアカシックが、だんだんと育児に専念し出し。
 風邪をひいて死にかけていたサニーを助けると、レムはアカシックの精神面に変化が訪れていると確信。
 クロフライムを通し、ウンディーネがアカシックに『最上級の水のマナの結晶体』を渡している事も知っていたレムは、最大の好機を見逃さぬべく、とある行動に出る。

 アカシックが『タート』へ買い物に行った際。サニーの為に購入した絵本をしまっている本棚に、過去の思い出が絵本の物語として反映される『記憶の代弁書』という魔法具。
 更に、自分の存在に気付いて欲しいという願いを込め、各精霊や大精霊の名前、全体像が載った『精霊簿』を忍ばせた。

 結果は予想以上に事が運び。アカシックは『記憶の代弁書』を途中まで読み、幼少期の頃に決めた決心を思い出し、闇に堕ちていた心が浄化していき。
 サニーは『精霊簿』を絵本だと勘違いして読み、火の大精霊『イフリート』、風の大精霊『シルフ』。そして光の大精霊『レム』の容姿を覚え、『53話、砂漠地帯にある神殿へ』にてファートの神殿へ行っている道中、アカシックに伝えた。
 その会話を嬉々と耳にしたレムは、二人がファートの神殿に居る隙を見図い、『記憶の代弁書』と『精霊簿』を回収。

 ほっとしたのも束の間。翌日、ファートから譲り受けた『エリィ』の骸骨を埋葬するべく、自らの手で墓を掘っているアカシックを目の当たりにして、レムやシルフ、ウンディーネ達が驚愕し。
 せめて、安らかにあの世へ行けるようにと、アカシックが約九十年振りに『フェアリーヒーリング』を使用すると、レムは『……ようやく、ようやく昔のアカシックさんが、戻ってきてくれた……!』と喜びの感情を爆発させ、シルフ達の前で大量の感涙を流した。

 こうしてはいられないと、レムはあの世で夫と再会したエリィの魂と接触。感謝の意味も込め、願いを一つだけ叶えるとエリィに伝えると、『アカシックさんと、また出会える機会が欲しい』と返答が来て、レムはその願いを承諾。
 このままあの世へは行かず、精霊となり生きていく道を教示すると、エリィと夫は考える時間が欲しいとレムに断りを入れ、半日ほど話し合った結果。精霊として生きていく事を決断。
 『70話、夜空を駆ける流星群に願いを込めて』にて、アカシックとサニーが『精霊の祝福』を流星群だと勘違いして願いを込めている最中。
 『精霊の祝福』を受けたエリィ達は、無事に光の精霊に生まれ変わり。帰路に就いたアカシック達を最後まで見守り、あの世ではなく『精霊界』へ行った。

 『105話、脳筋を司る大精霊の妙案』にて、ウンディーネが暴走してアカシックに敗北した後。
 エリィに『大精霊権限』を与え、アカシックと契約を交わさせる約束をしたのは、レムとエリィの二人を想ったウンディーネの計らい。

 『155話、決して忘れてはいけない記憶や思い出』時に、アカシックが夢を見始めて、プネラと合流して別れた後。すれ違う形で、レムがアカシックの夢の中へと入る。
 しかし、意識を覚醒させるのに手間取ってしまい。アカシックに消えた理由を問われるも、意識が覚醒していないレムは本当に分かっておらず、ただただ困り果てていた。
 ようやく意識が覚醒したのは、アカシックの目が覚める寸前であり。百十年以上前、アカシックとピースが『アンブラッシュ・アンカー』に襲われている時、助けに行けなかった事を謝れなかったレムは、アカシックが最後に『これが、夢じゃなければいいのに』と呟いた言葉に対し、『ええ、同感です』という一つの相槌しか打てなかった。

 フォスグリアの怒りを買い、アカシックとの接触を禁じられていたレムにとって、この機会がアカシックと接触出来る唯一のタイミングだったらしく。
 それを逃したせいで、今度会えるとしたら『エリィ』がアカシックと契約を交わした後のみらしい。なので、その瞬間が訪れないと、レムはアカシックと再会を果たす事が出来ない。



・ベルラザ

 『アルシェライ領』に拠点を構えてから数年後。とある日の夜。匿った仲間達と領地内を散歩していると、仲間の一人が、血溜まりを作って倒れているアルビスを発見した。
 すぐさま駆け寄っていくと、ベルラザはアルビスの正体を瞬時に見抜き。黒龍について、ある程度の噂を耳にしていて、過去の自分と境遇を重ねたベルラザは、アルビスを死なせはしないと、その場で応急処置を開始。
 出来る限りの事を尽くすと、急いで屋敷まで運び込み、本格的な治療を施した。そこからアルビスが意識を取り戻すまで、約三十日間以上。
 傷が完治するまで、約二十日間以上もの間。不死鳥以外の種族は屋敷内への出入りを一切禁じ、アルビスの存在を徹底的に隠した。

 アルビスが意識を取り戻した当初。アルビスは、目に映る全ての生物に強烈な敵意と殺意を放ち、近づいて来る者を威嚇し、一向に心を開いてはくれなかった。
 しかし、日を重ねてアルビスの傷が癒えていく度に、ベルラザは肌を刺す敵意と殺意をものともせず、男勝りながらも無垢な笑顔で喜んでいく。
 そんな楽天家にも見えるベルラザに、アルビスは警戒するのすら馬鹿馬鹿しくなっていき。傷が完治した頃には、皆にも多少心を開いていた。

 傷が完治した、次の日。すっかりと警戒心を解いてくれたアルビスに、ベルラザは『今日からこの部屋は、お前の部屋だ。屋敷内にある物は、全て自由に使っていい。自分の家だと思って、ゆっくりくつろいでくれ』と言い、屋敷内の一角にある部屋を提供。
 何か裏があるのではないかと、アルビスは疑心に思って詮索するも。裏表が無いベルラザの表情を見て、余計な詮索だったと安堵し。ベルラザを信用し始めたアルビスは、屋敷に身を置く事にした。
 最初はベルラザに言われた通りくつろぎ、自由の身になった日々を噛み締め、生涯で初めて感じた暇な時間を謳歌していくアルビス。
 そのまま、平和な時を過ごせるのが当たり前になり出した頃。ベルラザに恩返しがしたくなったアルビスは、ベルラザに相談して従者になり、屋敷の警備をする事にした。

 が、それだけでは飽き足らず。とにかくベルラザに尽くしたいと願ったアルビスは、更に色々話し合った結果。ベルラザの執事になった。
 とはいえ、逃亡生活が当たり前な日常だったアルビスにとって、いきなり家事をこなそうとするが、当然出来るはずもなく。
 掃除をすれば、いつの間に壁に大穴を開け。皿を洗えば、持ち前の握力で粉砕し。ごく普通の食材を使って野菜汁を作るも、何故か溶岩みたいな紫色の物体が出来てしまい、味見をしたベルラザを毒殺する始末。
 『150話、ベルラザという、死すとも消えぬ炎』にて。アルビスは、アカシック達にベルラザを一回だけ毒殺をした事があると語っていたが、危篤状態に追い込んだ回数は、二人して覚えていない。

 数年して、アルビスが執事として恥じぬ振る舞いを行えるようになり。家事全般も極め、皆の提案によって料理長に就任。
 持ち前のお節介焼きも拗らせていき、皆の手は煩わせまいと、率先して各持ち場を手伝うようになり。家事以外にも、屋敷の修繕、伐採、薪作り、硝子細工などなど、他の分野も極めていった。
 そんな、屋敷内の仕事を全部奪う勢いで働くアルビスに、ベルラザは気に掛けるも。凛と笑うアルビスは『余がやりたくてやってるんだ。皆の仕事内容は把握してるから、貴様が指示を出す必要もない。貴様は、日々くだらん接客をしてて疲れてるだろ? だから、ゆっくり休んでてくれ』と逆に心配までされ、聞く耳を持たないアルビスの言葉に甘えて一旦は折れてしまう。
 それでも諦めなかったベルラザは、アルビスを定期的に不死鳥の茶会へ誘うようになり、お気に入りのハーブティーや菓子を振る舞うようになる。

 そうした平和な日々が、四十年以上続いたものの。アルビスが屋敷に住み始めてから五十年以上経った、とある日。
 今まで会合に来ていた人間を、よく脅して突っ返していたが、傷だけは絶対に付けなかったベルラザが突然暴れ出し、目の前に居た人間を瀕死に追い込む事件が発生。
 その場に居たアルビスが止めに入るも、異常なまでに腕っぷしが強くなったベルラザにまったく歯が立たず。逆に返り討ちに合い、体を倒されてから股がられ、がむしゃらに殴り続けられた。

 いくら呼び掛けようとも、錯乱状態のベルラザに言葉は届かず。明らかに様子がおかしく、正気を失っていると確信するも、無抵抗のまま拳を浴び続ける事しか出来ないアルビス。
 そこから数分後。アルビスの意識が飛びかけようしている中。いきなり拳の雨が止み、代わりに『……あれ? アルビス?』という、あっけらかんとしたベルラザの声が割って入る。
 状況をまったく把握していないベルラザに、仲間や不死鳥達が説明するや否や。ベルラザの顔がこの世の終わりを見たかのように青ざめていき、号泣しながらアルビスに何度も謝罪をした。

 そして、ベルラザが落ち着きを取り戻した後。自分の身に、何が起きていた事を説明し出す。
 『ふと、抗えない強烈な睡魔に似た倦怠感に襲われ、意識が途切れた』、『意識が戻ったかと思えば、目の前に血だらけのアルビスが居た』、『その間は何も覚えていない』。
 以後の内容から、不死鳥の一人がベルラザの身に起きた症状を『時の穢れ』という、不死族にだけ発症する不治の病だと疑い。もし発症してしまったのであれば、治す術はなく、全てが手遅れだとベルラザに宣告する。

 一度は絶望するも、頑なに認めたくなかったベルラザは、皆に提案して鉄の鎖でがんじがらめにしてもらい、時間経過で様子を見る事にした。
 実験を開始してから一日半後。数十秒前まで『暇だ』と連呼していたベルラザが、突然白目を剥いて暴れ出し。
 数十分間、奇声を発して鉄の鎖から逃れようと暴れ続けるも、突然首をカクンと垂らし、何事も無かったかのように意識を取り戻した。
 更に十日間診た結果。意識を失い暴れ出す間隔が、だんだん早まっている事も発覚。『時の穢れ』が発症した決定的証拠になり、意気消沈した不死鳥が改めて、ベルラザが『時の穢れ』に侵された事を告げる。

 『時の穢れ』についてある程度知っていたベルラザは、不死である己の死期を悟り。死ぬ前に色々と準備をするべく、まずは不死鳥達に、仲間達に新たな居場所を作ってもらうよう相談。
 全員に新たな居場所先が決まると、断腸の思いで仲間達と別れの言葉を交わし、共に涙を流しながら見送っていく。
 そして、意識を失っている間の方が長くなってきた頃。最後まで残っていたアルビスに、先人の不死族が開発した、不死の肉体を滅ぼしてあの世へ送る事が出来る、禁断の魔法『冥府の門』を授ける。

 それでもベルラザと別れたくなかったアルビスに、次なる居場所である『迫害の地』という場所を強引に教え。泣き崩れて無防備なアルビスへ、『アルビス。私は、お前を殺したくないんだよ。だから早く、私を殺してくれ』と懇願。
 数時間して、ようやく決心が付いたアルビスが『冥府の門』を発動すると、ベルラザは『死を求める不死を殺すのに、罪悪感を覚えんな。良い事をしたんだと、胸を張って誇れ』と言い残し、『冥府の門』と一体化した。

 そこから六十年後。アカシック達と激戦を繰り広げ、ウンディーネの『慈雨』により『時の穢れ』が少しだけ払われて、一時的に意識を取り戻した『メリューゼ』が、アルビスに死を求めて『冥府の門』に取り込まれていく最中。
 肉体が消滅して、一瞬のように過ぎていた六十年間の眠りから覚めたベルラザが、アカシック達と共に居たアルビスと再会を果たす。
 予想外の再会に、ベルラザは困惑するも。アルビスに新たな居場所が出来た事を知って心底嬉しくなり、次なる再会を果たす約束を交わした後、あの世へ旅立っていった。
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