上 下
154 / 294

151話、今まで分からなかった新薬の材料

しおりを挟む
 アルビスやベルラザの過去に少し触れて、赤い流星群に沢山の願いを託した後。あいつと共に家へ戻ると、ちゃっかりと起きていたサニー達も、流星群を見ていたようで。数枚の絵を私達に見せてくれた。
 アルビス達と家へ出る前は、サニーも疲れていて、すぐに寝てしまったというのに。夜が更けるまで、鼻をふんふんと鳴らし、興奮しながら赤い流星群についてずっと話していた。

 そして、少し寝不足気味になった次の日。本当はこれから、一人でハルピュイアの集落へ行こうとしたのだが。
 アルビス曰く、ウンディーネ様に、ウィザレナとレナを連れて来てほしいと言われているらしいので、サニーと一緒に行く事となった。

 だが今日は、ハルピュイアの絵を描かせないで、すぐに帰宅する。一応、ハルピュイア達全員に秘薬を飲ませたものの、気疲れ自体は癒えていないはずだ。
 ゆっくり休ませてあげたいので、ピピラダに会って状況を聞き、大丈夫だと判断したら帰ってしまおう。家を出る前、サニーにその旨を伝えたら、笑顔で了承してくれた。
 しかし、二回も空ぶってしまったんだ。表情だけでは分からないけども、きっと落ち込んでいるに違いない。だから今日の夕食は、うんと豪勢にしてやらないとな。










「うわぁ~っ。お母さん、見て見て! ハルピュイアさんが、いっぱい空を飛んでるよ!」

「本当だ。すごい数だな」

 サニーと共に家を飛び立ち、焼け野原が点在する渓谷地帯へ入り、約十分前後が経った頃。睡眠の邪魔にならぬよう、静かにハルピュイアの集落へ近づこうとしたのだが。
 その気遣いは無用だったようで。集落周辺の空には、昨日の寂れ具合が嘘のように、大勢のハルピュイアが飛んで遊んでいた。
 その数は圧巻で。最早、色付いた霧がかかっているようにしか見えない。確か昔は、あんな風に活気が溢れていたっけ。なんだか懐かしい景色だな。

「なら速度を上げて、ピピラダの元へ行ってしまうか」

「そうだね! ハルピュイアさん達、またギュッてしてくれないかなー」

「あ、私もやってほしい」

 昨日、全てを終えて集落へ帰った時。私とアルビスは、集落を救った英雄になってしまい。秘薬を飲んで元気を取り戻したハルピュイア達全員から、順番に抱き締められていった。
 ちょっとクセになりそうな固さがあったり。時には布団よりも柔らかく。同じ感触は二つと無い、心地よい眠気を誘う祝福の抱擁攻めよ。あれは本当に最高だった。是非とも、またやってほしい。

「……サニー。ハルピュイア達が大勢飛んでる場所を、あえて通ってからピピラダの所に行かないか?」

「わあっ、楽しそう! 行こう行こうっ!」

「よし、行くぞ」

 あの瞬間を再び味わいたいが為だけに、欲を抑えず全面に押し出し、速度を出しながら進行方向を変える私。
 少し近づけば、目の良いハルピュイアが私達の存在に気付き。更に距離を詰めていけば、半数以上との視線が合い。間近に迫れば、ハルピュイア達は眩しい笑顔で、私達の元へ飛んで来てくれた。
 そして、その場に滞空してみると。瞬く間に百を超えるハルピュイア達に囲まれ、空路を全て塞がれてしまった。

「英雄様! また来てくれたんですね!」

 私の視線先に居たハルピュイアが、今にも抱きついてきそうな勢いで詰め寄り、嬉しそうな顔をしながら言う。

「その、英雄呼ばわりは恥ずかしいから、せめて名前で呼んでくれ」

「あっ、すみません! それで、アカシックさん。今日は、何をしにここへ来たのですか?」

「お前達の様子を見にと、ピピラダに状況を聞きにだ。一見、みんな元気そうにしてるが、調子の方は大丈夫か?」

「はい! アカシックさんがくれた薬のお陰で、皆こうして空を飛べるまでに回復しました! 本当にありがとうございます!」

 倦怠感を一切見せつけず、大きな声でハキハキとお礼を叫ぶと、周りに居た大人数のハルピュイア達も、一斉にお礼を言い出した。
 四方八方から全身を押してくる声量の圧よ。まるで声の壁に挟まれた気分にさえなってきた。これならば、私が心配する必要は無さそうだな。

「大丈夫そうで何よりだ。それじゃあ、ピピラダの所へ行ってくる」

「なら、私達が案内します! 付いてきて下さい!」

 ピピラダが居る壁穴は、目視出来る距離にあるのだが。喉元まで上がってきた『いや』が、口から出る前に、ハルピュイア達は一つの壁穴を目指して飛んで行ってしまった。
 ピピラダが居る場所は、それなりに広いけど……。まさか、あいつら全員入り込んでくるつもりか? それだけはまずい。二度と抜け出せない天国になってしまう。

「お母さん、早く行こうよ! みんな、こっちを見て待ってるよ」

「行ったら、夜まで帰れなくなりそうだな」

 確信すら持てる自信の無さを漏らし、ハルピュイアが群がっている壁穴に向かって発進する。百人以上のハルピュイアに抱き締められてしまうんだ。絶対に帰りたくなくなる。
 だが、あいつらを休ませてあげたい気持ちがあるのも事実。なんとも複雑な心境だ。あまり待たせ過ぎるのも悪いので、そそくさと壁穴に入り、地面に足を付ける。
 サニーが箒から降りている最中。待っていましたと言わんばかりに、一人のハルピュイアが私に抱きついてきた。……ああ、とてもいい抱擁感だ。
 私も箒を降りて消すと、更に二人増え。苦笑いしているピピラダに顔を合わせた頃には、サニーもハルピュイアまみれになっていた。

「いきなり大勢入ってきたから何かと思えばー、アカシックとサニーちゃんじゃんかー。……二人共、羽玉みたいになっちゃってるけどー、迷惑じゃなーい?」

「いや、迷惑だなんてとんでもない。最高のもてなしだ」

「こんにちは、ピピラダさん。とても温かくて気持ちいいですぅ……」

 そう、苦笑いに深みが増していくピピラダに伝えている間にも、ハルピュイアの数は容赦無く増えていく。
 なんとかして、ピピラダの近くまで行けて座れたが。露出している顔以外から、ふわふわな羽毛の感触がする。もう一歩も動けない。いや、動きたくない。

「二人共ー、みんなに相当気に入られちゃったねー。まあ、無理もないかー。アカシックー。昨日は集落を救ってくれて、本当にありがとうー」

 喋り方や態度は普段通りだけども、気持ちを抑えられないでいるのか。若緑色の瞳には涙が滲んでいて、その落としたくなさそうな涙を誤魔化すかのように、柔らかく微笑んだ。

「困った時はお互い様だ。お前らが無事ならそれでいい。で、ピピラダ。お前の容態や、折れた翼は大丈夫か?」

「うん、問題無く空を飛べてるよー。今朝、みんなで水浴びをして、さっきまで日向ぼっこもしてたしー。体調もすこぶるいいよー」

「そうか。なら、よかった」

 水浴びが出来るほどの元気があれば、狩りも今まで通りおこなえるだろう。心配要素が全て無くなり、胸を撫で下ろした矢先。ピピラダが「あ、そうだー」と口にした。

「む? どうした?」

「水浴びをしてた時にさー、こんな物を見つけてねー」

 おもむろに立ち上がったピピラダが、部屋の左隅まで歩き出し。右足の屈強な鉤爪で何かを掴むと、翼を広げて羽ばたき、私の元まで飛んできた。

「これこれー」

 右足を私の元まで伸ばしてくると、鉤爪で掴んでいた物を目の前に落とした。
 陽の光を浴び、鈍い光沢を走らせている、くすんだ色をしていて滑らかな曲線を描いた何かの欠片。……この欠片、どこか見覚えがあるぞ。
 確か、氷魔法で自身の右足を凍らせたアルビスが、不死鳥の顔を蹴り上げた時の事だ。血飛沫の中に、これが一緒に混じっていたはず。つまり、この欠片は……。

「……まさか、これ。不死鳥のくちばしの欠片か?」

「そうそうー。川底にたくさん沈んでたから、一番大きいのを選んで拾ってきたんだー」

「はあ、本体から離れても消えないのか。なら、羽とかもどこかにありそうだな。……ん、待てよ?」

 違う。私は、このくちばしの欠片を、もっと遥か昔に見た覚えがある。いつだ? サニーと出会っていない時なのは確実だ。けど、そう近い過去でもない。
 必死に思い出そうとしてしまい、全意識がくちばしの欠片に集中していき、体全体を覆っている柔らかな感触が遠ざかっていく。
 十年前、二十年前……。いや、もっと前だ。そうなると、五十年以上前? 何かのくちばしの欠片……。そういえば、そんな話を、ヴェルインやアルビスにもした記憶が―――。

「あっ、思い出した」

「え、急にどうしたのー?」

「へ? ああ、いや。個人的な話だ。気にしないでくれ」

「うーん?」

 間違いない。私の体の成長を止め、不老にしてしまった材料の一つだ。もう一つの材料は、ファートから貰った『女王の包帯』。
 今までずっと、何のくちばしかは分からなかったのに。まさか、不死鳥のくちばしだったとは。私の体が不死にならなかったという事は、効果は不老と考えるのが妥当。そして、『女王の包帯』の効果は束縛。
 ……何か違うな。束縛というよりも、効果を永続させると思った方がいい。この二つを調合した薬を飲んだのは、八十年以上も前だ。
 が、しかし、私の体は未だに老いていない。効果がずっと続いている。まるで、時が止まってしまったかのように。

「時、か……」

「時? ああ、時間ー? 大体昼過ぎぐらいだよー」

「……ふぇ? あ、そうか。ありがとう」

 もしかすると、『時の魔法』を開発する手掛かりになるかもしれない。あと、赤ん坊だった頃のサニーを育て始めてから、ほとんどやっていないけども、新薬の開発にも使えそうだ。
 ……欲しい。この『不死鳥のくちばしの欠片』が、喉から手が出るほどに欲しい。この欲求、かなり久々に湧いてきたな。
 が、ここで暴走しては駄目だ。もう、心にまるで余裕が無かった昔の私ではない。ピピラダ曰く、まだ川底に沢山沈んでいるんだし。慌てずゆっくり拾っていけばいいさ。

「ちなみに、ピピラダ。これを何かに使う予定はあるのか?」

「ううん、無いよー。欲しかったらあげるー」

「えっ、いいのか?」

「うん。固いから食べられないだろうし、あたし達が持ってても意味がないからねー。でも、アカシックは魔女でしょー? きっと何かに使えるだろうし、あげるよー」

「そ、そうか! 恩に着る。ありがとう、ピピラダ」

 自分でも分かってしまうほど高ぶった感謝の声に、ピピラダは陽気な笑顔を見せつける。

「そんなに喜んでくれると、あたしも嬉しいよー。まだまだたくさんあるし、後でくちばしの欠片が沈んでる場所に案内してあげるねー」

「それもありがたいな。それじゃあ、落ち着いたら―――」

 ……目先の欲にくらんでしまい、忘れかけていたが。このくちばし、アルビスも知っている人物であり。ベルラザの仲間であろう、メリューゼのくちばしだったな。
 とどのつまり、これは遺品になってしまう。そんな大事な物を、新薬の開発に使ってしまってもいいのだろうか? いや、考えるまでもない。使ってしまっては駄目―――。

 ―――おいおい。そいつは『時の穢れ』に冒され切った代物だぜ? そう無闇やたらと触るんじゃねえ。

「……む?」

「え? 誰ー?」

「……なに? 今の声?」

 やはり、受け取るのはやめようとした途端。突然、頭の中からワンパクな少年を彷彿とさせる、やや高めの声が響いてきた。
 その声は、ピピラダやサニー達にも聞こえていたのか。私の視界の中で、何も無い天井を仰ぎ、目を丸くさせながら辺りを見渡していた。

「お前達にも、今の声が聞こえたのか?」

「うん、聞こえたー。『時の穢れ』ーとか、無闇にーとか言ってたー」

「私も、そう聞こえた。頭の中から声が聞こえてきたから、なんだか不思議な感じがするや」

 ―――それに、てめえらだってそうだぜ? 先の戦いのせいで、かなり冒されてやがる。払ってやるから、ちょいと眠ってもらうぜ。

「は? ……グッ!?」

 再び、謎の声が響いてきた直後。ハルピュイアの翼に何重も抑えられている腹部から、背中が反るほどの衝撃が走った。
 同時に、抗う事が出来ない強烈な睡魔が襲い始め。視界が勝手に瞬き、大きくふらつく景色の中に見えたのは、床に倒れ込んでいるピピラダの姿。
 視界が急激に動き、下半分が床に埋め尽くされた後。同じく床に倒れているも、だんだんと体が沈んでいっているサニーの姿が映った。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました

市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。 私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?! しかも婚約者達との関係も最悪で…… まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!

転生調理令嬢は諦めることを知らない

eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。 それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。 子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。 最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。 八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。 それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。 また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。 オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。 同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。 それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。 弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。  主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。  追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。  2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

【完結】母になります。

たろ
恋愛
母親になった記憶はないのにわたしいつの間にか結婚して子供がいました。 この子、わたしの子供なの? 旦那様によく似ているし、もしかしたら、旦那様の隠し子なんじゃないのかしら? ふふっ、でも、可愛いわよね? わたしとお友達にならない? 事故で21歳から5年間の記憶を失くしたわたしは結婚したことも覚えていない。 ぶっきらぼうでムスッとした旦那様に愛情なんて湧かないわ! だけど何故かこの3歳の男の子はとても可愛いの。

処理中です...