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144話、絶対防御
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狭まっていた視界が外へ出て広がったので、辺りの索敵を開始。正面、疎らに落下している隕石に、罪の無い大地を貫く稲妻。
空、赤みを帯びていない黒雲のみ。火球が落ちてこない所を推測するに、こちら側には火の海を広げていないようだ。
地面。隕石と稲妻のせいで、緑豊かな森が燃え盛っている景色が点在している。どうにかして鎮火させたいが、まずは元凶を止めないと意味がない。
そして背後。遥か後方の空から飛来してきている、複数本の大熱線。未だ健在な氷山。見当違いの方へ『不死鳥の息吹』を放っている魔法陣群。
見るからに統率が取れていない。どうやら不死鳥は、ウンディーネ様みたいに、全てを操る技量は持ち合わせていないのだろう。
ならば、ここから気を付けるのは、遠くの空から私達を狙ってきている大熱線と、真上から降り注ぐ隕石と稲妻だけ。
最悪、それらの攻撃は『怨祓いの白乱鏡』で防げるから、直撃覚悟でウンディーネ様を召喚してしまうか。
「アルビス! 周りの警戒を頼む!」
「無論だ! 貴様は安心して、ウンディーネ様の召喚だけに集中してろ!」
即座に返ってきた頼り甲斐のある言葉に、頷きで答える私。そのまま振り返りながら急停止し、持っていた火の杖を水の杖に持ち替え、杖先を氷山へかざした。
『司るは水。全ての生命の起源にして、善悪問わず、平等に命脈を保つ者に告ぐ!』
詠唱を始めると、杖先に繊麗な慈母を彷彿させる横顔が描かれた魔法陣が出現。まだ詠唱段階なのに、底知れぬ尋常じゃない力を感じる。それに、魔力の消費量も凄まじい。私の魔力が全部持っていかれそうだ。
歯を食いしばり、暴れる水の杖を力で抑え込んでいる中。視界横から漆黒の大斬撃が二つ現れ、向かって来た大熱線を裂いていく。
『グッ……! 大精霊“ウンディーネ”! 今一度現世へ降り立ち、散りゆく命脈に救いの道を指し示し給え!』
魔法陣が淡い紺碧色の光を放ち出すと、それと呼応するかのように、淀んだ大気は大きく震え。意気消沈していた大地からは、再起を知らしめる頑健な地鳴りが聞こえ出してきた。
『契約者の名は……“アカシック”!!』
最後の合図を唱え終えると、魔法陣が目を瞑りたくなる程の一際強い光を放ち。思わず目を細め、霞がかった光の先に、風にたなびく薄水色の長髪が現れた。
その光はだんだん収まっていき、光に隠れていた全体像が露になっていく。そういえば、あの人の後ろ姿を拝むのは、これが初めてになるな。
「……ウンディーネ様」
華奢な背中から感じる、無尽蔵かつ独特で気圧されそうな魔力。たおやかながらも、清流を思わせる清らかな殺意を含んだ気配。
この人とは何度か相見えたけども。あの人に戦闘意欲があると、私がここまで怖気づいてしまうなんて。肌を刺してくる恐怖に、手先が震えてきてしまった。
現状況をより把握する為か。静かに氷山がある方角を見据えていたウンディーネ様が、左手に携えていた紺碧の三叉槍を前へかざし、横に倒す。
『水鏡』
……詠唱を省いた魔法だろうか? ウンディーネ様が何かの名前を唱えると、私達は青が濃い球体に囚われてしまった。
天井を起点にして、輪っか状の波紋が静かに走っている。……この水のような球体、どこかで見た事があるような?
呆気に取られて辺りを見渡していると、ウンディーネ様が私達の方へ体を向け、まるで聖母のような微笑みを浮かべた。
「アカシックさん、アルビスさん。不死鳥相手に、よくぞご無事で。たった今『水鏡』を張りましたので、もうあなた方に攻撃が届く事はありません。どうぞ楽にして下さい」
背景の終末具合には似つかない、平和にありふれた癒しの声に、強張っていた私の肩がストンと落ちた。
やはり、魔力の消費量が激しかったようで。突然息が上がり、呼吸が乱れだしてきた。
「ハァハァハァ、ハァ……。ありがとうございます、ウンディーネ様」
「無理に喋ってはいけません。アカシックさんは、そのまま呼吸を整えていて下さい」
「……はい。お気遣い、感謝します」
「ウンディーネ様。この『水鏡』というのは、一体?」
アルビスが少し前へ出て、私も気になっていた事を問い掛ける。
「『水鏡』とはですね、こういう物です」
直後、ウンディーネ様に赤い後光が差したかと思えば。視界一杯が、静かな爆発の連鎖を伴う『不死鳥の息吹』の断面で埋まり、すぐさま視界が晴れた。
ほぼ一瞬の出来事だったので、何も反応が出来なかったが……。横目を流した先に居るアルビスは、後ろを振り向き、驚いた様子で斜め下の地面を見据えていた。
「大熱線が、すり抜けた……?」
「はい。アカシックさんのお家の近くに、『水鏡の扉』がありますよね? あれの真の姿が、この『水鏡』になります」
「……つまり『水鏡』全体が、出入口の役割を果たしているのでしょうか?」
「その通りです。外側だけに限りますが、触れた箇所が入口となり。ちょうど真反対側が、出口みたいになります。ですので、中に居る私達とは一切介入が出来なくなり、攻撃が届かなくなる訳です」
人差し指を立て、得意げに『水鏡』の効果を語るウンディーネ様。説明を聞く限り、どんな手段も効かない絶対防御になるぞ?
……私と戦っていた時に、『水鏡』を張られなくてよかった。先に張られていたら、たとえ『奥の手』を使おうとも、間違いなく負けていただろう。
「……あ、アカシック・ファーストレディ? 貴様、ウンディーネ様と戦って、本当によく勝てたな……。余だったら、即降参するぞ?」
「私と戦った時は、これを張られなかったからな……。運が良かったとしか思えない」
「あの時は、私もだいぶ熱くなっていましたからね。とにかくアカシックさんを捕え、説得を試みようと躍起になっていました」
「そ、そうだったのですね……」
頬に手を添えたウンディーネ様が、おしとやかな苦笑いをした。言われてみれば、最初は直線的な水柱ばかり飛んで来ていたっけ。あれは、私を捕えようとしていたのか。
しかし『水鏡』のお陰で、過去の戦いを振り返る余裕すら出てきたけれども。ウンディーネ様の背後からは、大熱線が何本も飛来してきては、物静かに通り抜けていく。
そして触れた箇所が黒ずみ、黒い粒子を昇らせているけど、その粒子はすぐに収まり、消えていっている。きっとあの粒子が、アルビスが言っていた『時の穢れ』という物―――。
「そういえば、ウンディーネ様」
「はい、なんでしょう?」
「私を『水の瞑想場』へ連れて行った時、『時の穢れ』を払うとか言ってましたよね? その『時の穢れ』については、まだ何も知らないんですが……。あの不死鳥を『水の瞑想場』に連れて行って、穢れを払うを事は出来ないんでしょうか?」
「いや、それはもう不可能だ」
私なりに、不死鳥をあの世へ送る以外の道を見出したと思ったら。真横から即座に飛んで来た、アルビスの一蹴。
更に追い打ちをかけるように、表情を暗くしたウンディーネ様の頷き。
「あの不死鳥は、既に心まで穢れ切っています。言わば、時の穢れそのものの状態。もう数年早くそうしていたら、穢れだけを払う事が出来て、救い出せていたでしょう」
哀れみを宿したウンディーネ様の眼差しが、左下へ逸れていく。
「ですが、今の状態で『水の瞑想場』へ連れて行ったとしても、時の穢れと化した不死鳥を救う事は出来ません。そして不死鳥は、名前の通り不死身。存在を消滅させるのも叶わず、『水の瞑想場』で一生死に続ける事になるでしょう」
「……そ、そう、なんですか」
……一生死に続ける。惨いなんて次元じゃない。地下深くへ連れて行かれ、いずれ死にゆくであろう拷問を受け続けた方が、全然マシに思えてくる。まるで救いが無い。
「ですので、現在不死鳥を救える唯一の方法は、対象者をあの世へ直接送る事が出来る、アルビスさんの『奥の手』のみです」
「そういう事だ。ここから余は『奥の手』を発動させる為の準備をするから、手出しが出来なくなる。恐れ多いながら、不死鳥の捕縛をよろしくお願い致します、ウンディーネ様。アカシック・ファーストレディも、頼んだぞ」
黒炎が揺らめく剣を消したアルビスが、頭を深く下げながらウンディーネ様にお願いし。私の方へ顔を向け、神妙な面立ちで言う。
「分かりました。それではアカシックさん、始めましょう」
「はい、分かりました」
ここからは、ウンディーネ様との共闘戦になる。しかし、『水鏡』のお陰で『不死鳥の息吹』の脅威が去った今、私が出来る事は何も無い。
私の『奥の手』は発動していないし、邪魔になるだけかもしれないな。けど、ウンディーネ様は、私に向かって始めましょうと言ってくれた。
ならばウンディーネ様は、この場でも私を何かしらに使える人物だと判断してくれているはず。だから私は、必死になってその想いに応えなければならない。
一方的に募っていく不安を感じつつ、私達はアルビスの前へ出て、大熱線の集中砲火を浴びている『水鏡』を視界に入れた。
空、赤みを帯びていない黒雲のみ。火球が落ちてこない所を推測するに、こちら側には火の海を広げていないようだ。
地面。隕石と稲妻のせいで、緑豊かな森が燃え盛っている景色が点在している。どうにかして鎮火させたいが、まずは元凶を止めないと意味がない。
そして背後。遥か後方の空から飛来してきている、複数本の大熱線。未だ健在な氷山。見当違いの方へ『不死鳥の息吹』を放っている魔法陣群。
見るからに統率が取れていない。どうやら不死鳥は、ウンディーネ様みたいに、全てを操る技量は持ち合わせていないのだろう。
ならば、ここから気を付けるのは、遠くの空から私達を狙ってきている大熱線と、真上から降り注ぐ隕石と稲妻だけ。
最悪、それらの攻撃は『怨祓いの白乱鏡』で防げるから、直撃覚悟でウンディーネ様を召喚してしまうか。
「アルビス! 周りの警戒を頼む!」
「無論だ! 貴様は安心して、ウンディーネ様の召喚だけに集中してろ!」
即座に返ってきた頼り甲斐のある言葉に、頷きで答える私。そのまま振り返りながら急停止し、持っていた火の杖を水の杖に持ち替え、杖先を氷山へかざした。
『司るは水。全ての生命の起源にして、善悪問わず、平等に命脈を保つ者に告ぐ!』
詠唱を始めると、杖先に繊麗な慈母を彷彿させる横顔が描かれた魔法陣が出現。まだ詠唱段階なのに、底知れぬ尋常じゃない力を感じる。それに、魔力の消費量も凄まじい。私の魔力が全部持っていかれそうだ。
歯を食いしばり、暴れる水の杖を力で抑え込んでいる中。視界横から漆黒の大斬撃が二つ現れ、向かって来た大熱線を裂いていく。
『グッ……! 大精霊“ウンディーネ”! 今一度現世へ降り立ち、散りゆく命脈に救いの道を指し示し給え!』
魔法陣が淡い紺碧色の光を放ち出すと、それと呼応するかのように、淀んだ大気は大きく震え。意気消沈していた大地からは、再起を知らしめる頑健な地鳴りが聞こえ出してきた。
『契約者の名は……“アカシック”!!』
最後の合図を唱え終えると、魔法陣が目を瞑りたくなる程の一際強い光を放ち。思わず目を細め、霞がかった光の先に、風にたなびく薄水色の長髪が現れた。
その光はだんだん収まっていき、光に隠れていた全体像が露になっていく。そういえば、あの人の後ろ姿を拝むのは、これが初めてになるな。
「……ウンディーネ様」
華奢な背中から感じる、無尽蔵かつ独特で気圧されそうな魔力。たおやかながらも、清流を思わせる清らかな殺意を含んだ気配。
この人とは何度か相見えたけども。あの人に戦闘意欲があると、私がここまで怖気づいてしまうなんて。肌を刺してくる恐怖に、手先が震えてきてしまった。
現状況をより把握する為か。静かに氷山がある方角を見据えていたウンディーネ様が、左手に携えていた紺碧の三叉槍を前へかざし、横に倒す。
『水鏡』
……詠唱を省いた魔法だろうか? ウンディーネ様が何かの名前を唱えると、私達は青が濃い球体に囚われてしまった。
天井を起点にして、輪っか状の波紋が静かに走っている。……この水のような球体、どこかで見た事があるような?
呆気に取られて辺りを見渡していると、ウンディーネ様が私達の方へ体を向け、まるで聖母のような微笑みを浮かべた。
「アカシックさん、アルビスさん。不死鳥相手に、よくぞご無事で。たった今『水鏡』を張りましたので、もうあなた方に攻撃が届く事はありません。どうぞ楽にして下さい」
背景の終末具合には似つかない、平和にありふれた癒しの声に、強張っていた私の肩がストンと落ちた。
やはり、魔力の消費量が激しかったようで。突然息が上がり、呼吸が乱れだしてきた。
「ハァハァハァ、ハァ……。ありがとうございます、ウンディーネ様」
「無理に喋ってはいけません。アカシックさんは、そのまま呼吸を整えていて下さい」
「……はい。お気遣い、感謝します」
「ウンディーネ様。この『水鏡』というのは、一体?」
アルビスが少し前へ出て、私も気になっていた事を問い掛ける。
「『水鏡』とはですね、こういう物です」
直後、ウンディーネ様に赤い後光が差したかと思えば。視界一杯が、静かな爆発の連鎖を伴う『不死鳥の息吹』の断面で埋まり、すぐさま視界が晴れた。
ほぼ一瞬の出来事だったので、何も反応が出来なかったが……。横目を流した先に居るアルビスは、後ろを振り向き、驚いた様子で斜め下の地面を見据えていた。
「大熱線が、すり抜けた……?」
「はい。アカシックさんのお家の近くに、『水鏡の扉』がありますよね? あれの真の姿が、この『水鏡』になります」
「……つまり『水鏡』全体が、出入口の役割を果たしているのでしょうか?」
「その通りです。外側だけに限りますが、触れた箇所が入口となり。ちょうど真反対側が、出口みたいになります。ですので、中に居る私達とは一切介入が出来なくなり、攻撃が届かなくなる訳です」
人差し指を立て、得意げに『水鏡』の効果を語るウンディーネ様。説明を聞く限り、どんな手段も効かない絶対防御になるぞ?
……私と戦っていた時に、『水鏡』を張られなくてよかった。先に張られていたら、たとえ『奥の手』を使おうとも、間違いなく負けていただろう。
「……あ、アカシック・ファーストレディ? 貴様、ウンディーネ様と戦って、本当によく勝てたな……。余だったら、即降参するぞ?」
「私と戦った時は、これを張られなかったからな……。運が良かったとしか思えない」
「あの時は、私もだいぶ熱くなっていましたからね。とにかくアカシックさんを捕え、説得を試みようと躍起になっていました」
「そ、そうだったのですね……」
頬に手を添えたウンディーネ様が、おしとやかな苦笑いをした。言われてみれば、最初は直線的な水柱ばかり飛んで来ていたっけ。あれは、私を捕えようとしていたのか。
しかし『水鏡』のお陰で、過去の戦いを振り返る余裕すら出てきたけれども。ウンディーネ様の背後からは、大熱線が何本も飛来してきては、物静かに通り抜けていく。
そして触れた箇所が黒ずみ、黒い粒子を昇らせているけど、その粒子はすぐに収まり、消えていっている。きっとあの粒子が、アルビスが言っていた『時の穢れ』という物―――。
「そういえば、ウンディーネ様」
「はい、なんでしょう?」
「私を『水の瞑想場』へ連れて行った時、『時の穢れ』を払うとか言ってましたよね? その『時の穢れ』については、まだ何も知らないんですが……。あの不死鳥を『水の瞑想場』に連れて行って、穢れを払うを事は出来ないんでしょうか?」
「いや、それはもう不可能だ」
私なりに、不死鳥をあの世へ送る以外の道を見出したと思ったら。真横から即座に飛んで来た、アルビスの一蹴。
更に追い打ちをかけるように、表情を暗くしたウンディーネ様の頷き。
「あの不死鳥は、既に心まで穢れ切っています。言わば、時の穢れそのものの状態。もう数年早くそうしていたら、穢れだけを払う事が出来て、救い出せていたでしょう」
哀れみを宿したウンディーネ様の眼差しが、左下へ逸れていく。
「ですが、今の状態で『水の瞑想場』へ連れて行ったとしても、時の穢れと化した不死鳥を救う事は出来ません。そして不死鳥は、名前の通り不死身。存在を消滅させるのも叶わず、『水の瞑想場』で一生死に続ける事になるでしょう」
「……そ、そう、なんですか」
……一生死に続ける。惨いなんて次元じゃない。地下深くへ連れて行かれ、いずれ死にゆくであろう拷問を受け続けた方が、全然マシに思えてくる。まるで救いが無い。
「ですので、現在不死鳥を救える唯一の方法は、対象者をあの世へ直接送る事が出来る、アルビスさんの『奥の手』のみです」
「そういう事だ。ここから余は『奥の手』を発動させる為の準備をするから、手出しが出来なくなる。恐れ多いながら、不死鳥の捕縛をよろしくお願い致します、ウンディーネ様。アカシック・ファーストレディも、頼んだぞ」
黒炎が揺らめく剣を消したアルビスが、頭を深く下げながらウンディーネ様にお願いし。私の方へ顔を向け、神妙な面立ちで言う。
「分かりました。それではアカシックさん、始めましょう」
「はい、分かりました」
ここからは、ウンディーネ様との共闘戦になる。しかし、『水鏡』のお陰で『不死鳥の息吹』の脅威が去った今、私が出来る事は何も無い。
私の『奥の手』は発動していないし、邪魔になるだけかもしれないな。けど、ウンディーネ様は、私に向かって始めましょうと言ってくれた。
ならばウンディーネ様は、この場でも私を何かしらに使える人物だと判断してくれているはず。だから私は、必死になってその想いに応えなければならない。
一方的に募っていく不安を感じつつ、私達はアルビスの前へ出て、大熱線の集中砲火を浴びている『水鏡』を視界に入れた。
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