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116話、ここにある全て、私からの贈り物だと思え
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先を行くサニーに引っ張られ、絵本の奥へと続く階段を駆け上っていく。上り切ると、新たな景色を認めたであろうサニーの足が止まり、今度は首がひっきりなしに動き出した。
「すごいっ! さっきよりもお店が多いし、人もいっぱいいるっ!」
視界の中、遠目にぼんやりと見える大広場。その左右にあるは、大広場へ誘う様に伸びている、数多の店。そして道には、あらゆる方向に足を運ぶ人々の姿。
まだ朝だというのに、眠気が吹き飛ぶ喧騒や、体に力が漲る程の活気に満ち溢れている。匂いもそう。朝食をしっかり食べたというのに、食欲を刺激する匂いが風に乗ってきているな。
「どうしよう、お母さん。見たい物が多すぎて、どこを見ればいいのかわかんないや……」
どうやらサニーは、視線が迷子になっているようだ。まあ、仕方ない。どこを見渡せど視界に入ってくるのは、全てが真新しい物語みたいなもの。
ここは、案内人となった私がしっかりと導いてあげるべきだ。とりあえず、城が見える大広場を目指して歩こう。質問が入れば、その都度説明してやればいい。
「見たい物を見ればいいさ。まずは、ゆっくり先に進もう。気になる物があったら、私に知らせてくれ」
「気になる物……。お母さん、あれっ!」
「む?」
歩き出そうとした矢先、サニーがとある方角に指を差す。小さな指先を見てから、指が差し示した方へ顔を滑らせていく。そこには、白い棒状の食べ物を売っている店があった。
「なんだ、食べたいのか?」
「うんっ!」
絶対に食べるという気迫を見せたサニーが、腹をか弱く鳴らした。『くぅ』という可愛らしい腹の虫よ。そんな隙の無い二段構えの催促をされたら、応えるしかないじゃないか。
「よし、じゃあ食べよう」
「やったーっ!」
とは言ったものの。あれは、どういう食べ物なのだろうか? はしゃいでいるサニーと共に、店の前まで来てみたけれど、まったくもって分からない。
すなわち、この食べ物について質問をされたら、私は説明が出来ない事を意味する。いや、違う。タートで間食をしたのは、昨日食べた菓子が初めてなので、食べ物について説明する事自体が不可能だ。
まずい、これだと案内人の示しがつかないぞ。……ここは、質問される前に食べ物を差し出してしまおう。それか、「食べたら分かる」と投げ出してしまえばいい。よし、それでいこう。
「いらっしゃいませー」
「すみません、これを二本下さい」
「二本ですね。銅貨八枚になります」
言われた枚数の銅貨を店員に渡し、代わりに二本の白い棒を貰う。そして質問をされる前に、すぐさまサニーへ差し出した。
「ほら」
「わあっ、いい匂いがする! ありがとう、お母さん! おいしそう~」
「食べるなら、店から離れてからにしろよ」
「あっ、そうだね」
その場で食べようとしていたサニーに注意し、店から離れつつ、串に刺さった白い棒に目をやった。見た目は柔らかそうで、両面に焦げ目の線が走っている。
匂いは、そことなく覚えがある。香ばしいながらも、ほのかに感じる魚特有の―――。
「これ、魚のすり身か」
匂いのお陰で、白い棒の正体が分かった。ほとんど生臭くないから、捕ってから間もない魚を使っているのだろう。
しかし、魚のすり身を焼いた物か。すり身は何度も作ってきたけど、焼いた事がないので味の想像がつかない。
「もう我慢できない! あむっ」
待ち切れなかったのか。店から離れている途中に立ち止まったサニーが、大口を開けて食べ始めてしまった。味が気になるし、私も食べてしまおう。
サニーのすぐ横に付き、裏表を確認してから、魚のすり身棒を一口だけ齧った。
「おおっ、すごい弾力だ」
一回一回、それなりに力を込めないと噛み切れない程の弾力。いざ咀嚼をしてみれば、菓子とはまた違った、魚の旨味を含んだ甘さがほんのりと口の中に広がっていく。
すり潰してから焼くという、一手間かけた工程を挟んでいるけども、普通に焼いただけでこの風味や弾力を出すのはまず無理だ。何か別の物を加えているはず。しかし、何よりも……。
「美味いな、これ」
「おいしい~っ!」
もう駄目だ。一口食べてしまったせいで、理性とタガが完全に外れている。口と手がまるで止まらない。味わいながらも、一分もしない内に完食してしまった。
手に残っているのは、もの寂しくなってしまった一本の串のみ。そして芽生えてきたのは、昨日必死になって抑え込んでいた強烈な食欲。
……そうだ。今日は、別に我慢しなくてもいいんだ。欲望に抗わず、辺りに点在している美味しそうな食べ物を、何の気兼ねもなく食べても、いいんだよな。
「サニー」
「んあっ、なに?」
欲望に忠実となった視界を、サニーへ移す。そのサニーも、魚のすり身棒を綺麗に完食していた。
「食べたい物があったら、すぐ私に言え。全部買ってやる」
「全部? いいのっ!?」
「もちろんだ。いいか? 決して我慢するな。食べたいと思ったら、その思いを私にぶつけてこい。私は必ず、その思いに応えてやる」
勢いあまり過ぎて、串をへし折りながら握り拳を作る私。私の罪深い欲も混じっているが、これでいい。サニーは、わがままをあまり言わない子だ。
こうやって先に言っておかなれけば、どうしても遠慮しがちになってしまう。その証拠に、サニーは気になっているであろう店に、申し訳なさそうな横目をチラチラと送っていた。
「本当に、いいの?」
「ああ、いいぞ。今日は、お前の誕生日だからな。ここにある物全てが、私からの贈り物だと思ってくれ」
「ここにある物全部が、お母さんからの、贈り物っ……!」
そう考え方を変えさせてやれば、サニーの遠慮深い欲も解放されたようで。年相応の明るい笑顔になっていった。これだ、この万物をもひれ伏せかねない笑顔よ。何度見ても最高だっ。
「ありがとうっ、お母さん! じゃあ、今度はあれが食べたいっ!」
「あれだな。よし、行くぞ」
サニーが再び指を差したのは、魚のすり身棒を買ったすぐ隣の店。売っている物の見た目は、果汁や果肉を、氷魔法で棒状に固めた氷菓子。
あれは確か、昨日、食べないよう我慢していた物の一つじゃないか。いいぞサニー! その調子で、どんどんわがままを言ってきてくれ!
欲がサニーと一致してしまったせいで、私の歩く速度が倍になっていく。ほぼ駆け足状態で目的の店まで来ると、私は指を二本立たせている右手を、目線の高さにまで挙げた。
「すみません、二本下さ―――」
逸る気持ちを一切抑えず、会釈をしてきた店員に注文している途中。視界に入った紙に書かれている文章を読み、注文している口が止まった。
紙には『三本購入すれば、一本おまけで付いてきます』と書かれている。つまり三本買えば、サニーと私、二本ずつ食べられるという訳か。ならば!
「やっぱ、三本下さい」
「三本ですね。それでは一本おまけが付きまして、銅貨六枚になります」
既に用意していた銅貨を店員に渡すと、店員は四本の棒が飛び出している紙袋をくれた。ちゃんと四本入っているな、よしよし。
「サニー、喜べ。一本おまけを貰ったから、二本食べられるぞ」
「二本もいいの? やったー!」
「もちろん、お前が三本食べてもいい。氷魔法で冷やしておくから、いくら経っても溶ける事はない。焦らずゆっくり食え」
店から離れつつ氷菓子を差し出すと、サニーは歩きながら舐め始めてしまった。ちょっとはしたないが、私も早く食べてみたいので、今日だけサニーを習ってしまおう。
紙袋から氷菓子を一本取り出し、まじまじと眺めてみる。色は、全体的に白みを帯びた薄緑色。氷だから固いはずなので、ペロリと舐めてみた。
サッパリとした甘みを感じるも、すぐに爽やかな酸味へと変わった。うん、果汁や果肉が入っている事もあってか、果物を直接食べている感覚に近い。
これも美味いな。果物さえあれば、私も作れそうだ。今度、果物を風魔法で細かく砕き、氷魔法でこの形に凍らせてみよう。
「う~んっ! 冷たくておいしい~っ」
「そうだな。冷たくて……、ん?」
冷たくて、美味しい? ……そうだ。私達は今、もっと簡単に言ってしまえば、氷を舐めている事になる。そういえば、氷って冷たいんだったな。
過去、私が作った新薬の副作用のせいで、熱や冷たさを感じ取れない体になっているから、今舐めた氷菓子も、当然冷たさを感じなかった。ただ、果物の味が分かっただけである。
「今日は暑いから、すごくおいしく感じるね!」
「……ああ、美味いな」
冷たいと言うと嘘になってしまうから、とりあえず美味いとだけ返したけれども。そうか。昨日、肉屋の店員も言っていたが、この時期は暑いんだな。
その暑さとやらも、まったく感じ取れていない。今まで幾度となく、この新薬の副作用を恨んできたが……。まさか、ここでも弊害を及ぼすだなんて。
だんだん悔しくなってきたけど、今は一旦忘れよう。深く考え込んでしまうと、気分が沈んでいくだけだ。サニーに感付かれて心配でもされたら、今日という日が台無しになってしまう。
それと、サニーが熱そうな食べ物を選んだ時、熱いから気を付けろ、と注意しておかないと。……今の私に、その判断がつくだろうか? 自信が無いな。
「すごいっ! さっきよりもお店が多いし、人もいっぱいいるっ!」
視界の中、遠目にぼんやりと見える大広場。その左右にあるは、大広場へ誘う様に伸びている、数多の店。そして道には、あらゆる方向に足を運ぶ人々の姿。
まだ朝だというのに、眠気が吹き飛ぶ喧騒や、体に力が漲る程の活気に満ち溢れている。匂いもそう。朝食をしっかり食べたというのに、食欲を刺激する匂いが風に乗ってきているな。
「どうしよう、お母さん。見たい物が多すぎて、どこを見ればいいのかわかんないや……」
どうやらサニーは、視線が迷子になっているようだ。まあ、仕方ない。どこを見渡せど視界に入ってくるのは、全てが真新しい物語みたいなもの。
ここは、案内人となった私がしっかりと導いてあげるべきだ。とりあえず、城が見える大広場を目指して歩こう。質問が入れば、その都度説明してやればいい。
「見たい物を見ればいいさ。まずは、ゆっくり先に進もう。気になる物があったら、私に知らせてくれ」
「気になる物……。お母さん、あれっ!」
「む?」
歩き出そうとした矢先、サニーがとある方角に指を差す。小さな指先を見てから、指が差し示した方へ顔を滑らせていく。そこには、白い棒状の食べ物を売っている店があった。
「なんだ、食べたいのか?」
「うんっ!」
絶対に食べるという気迫を見せたサニーが、腹をか弱く鳴らした。『くぅ』という可愛らしい腹の虫よ。そんな隙の無い二段構えの催促をされたら、応えるしかないじゃないか。
「よし、じゃあ食べよう」
「やったーっ!」
とは言ったものの。あれは、どういう食べ物なのだろうか? はしゃいでいるサニーと共に、店の前まで来てみたけれど、まったくもって分からない。
すなわち、この食べ物について質問をされたら、私は説明が出来ない事を意味する。いや、違う。タートで間食をしたのは、昨日食べた菓子が初めてなので、食べ物について説明する事自体が不可能だ。
まずい、これだと案内人の示しがつかないぞ。……ここは、質問される前に食べ物を差し出してしまおう。それか、「食べたら分かる」と投げ出してしまえばいい。よし、それでいこう。
「いらっしゃいませー」
「すみません、これを二本下さい」
「二本ですね。銅貨八枚になります」
言われた枚数の銅貨を店員に渡し、代わりに二本の白い棒を貰う。そして質問をされる前に、すぐさまサニーへ差し出した。
「ほら」
「わあっ、いい匂いがする! ありがとう、お母さん! おいしそう~」
「食べるなら、店から離れてからにしろよ」
「あっ、そうだね」
その場で食べようとしていたサニーに注意し、店から離れつつ、串に刺さった白い棒に目をやった。見た目は柔らかそうで、両面に焦げ目の線が走っている。
匂いは、そことなく覚えがある。香ばしいながらも、ほのかに感じる魚特有の―――。
「これ、魚のすり身か」
匂いのお陰で、白い棒の正体が分かった。ほとんど生臭くないから、捕ってから間もない魚を使っているのだろう。
しかし、魚のすり身を焼いた物か。すり身は何度も作ってきたけど、焼いた事がないので味の想像がつかない。
「もう我慢できない! あむっ」
待ち切れなかったのか。店から離れている途中に立ち止まったサニーが、大口を開けて食べ始めてしまった。味が気になるし、私も食べてしまおう。
サニーのすぐ横に付き、裏表を確認してから、魚のすり身棒を一口だけ齧った。
「おおっ、すごい弾力だ」
一回一回、それなりに力を込めないと噛み切れない程の弾力。いざ咀嚼をしてみれば、菓子とはまた違った、魚の旨味を含んだ甘さがほんのりと口の中に広がっていく。
すり潰してから焼くという、一手間かけた工程を挟んでいるけども、普通に焼いただけでこの風味や弾力を出すのはまず無理だ。何か別の物を加えているはず。しかし、何よりも……。
「美味いな、これ」
「おいしい~っ!」
もう駄目だ。一口食べてしまったせいで、理性とタガが完全に外れている。口と手がまるで止まらない。味わいながらも、一分もしない内に完食してしまった。
手に残っているのは、もの寂しくなってしまった一本の串のみ。そして芽生えてきたのは、昨日必死になって抑え込んでいた強烈な食欲。
……そうだ。今日は、別に我慢しなくてもいいんだ。欲望に抗わず、辺りに点在している美味しそうな食べ物を、何の気兼ねもなく食べても、いいんだよな。
「サニー」
「んあっ、なに?」
欲望に忠実となった視界を、サニーへ移す。そのサニーも、魚のすり身棒を綺麗に完食していた。
「食べたい物があったら、すぐ私に言え。全部買ってやる」
「全部? いいのっ!?」
「もちろんだ。いいか? 決して我慢するな。食べたいと思ったら、その思いを私にぶつけてこい。私は必ず、その思いに応えてやる」
勢いあまり過ぎて、串をへし折りながら握り拳を作る私。私の罪深い欲も混じっているが、これでいい。サニーは、わがままをあまり言わない子だ。
こうやって先に言っておかなれけば、どうしても遠慮しがちになってしまう。その証拠に、サニーは気になっているであろう店に、申し訳なさそうな横目をチラチラと送っていた。
「本当に、いいの?」
「ああ、いいぞ。今日は、お前の誕生日だからな。ここにある物全てが、私からの贈り物だと思ってくれ」
「ここにある物全部が、お母さんからの、贈り物っ……!」
そう考え方を変えさせてやれば、サニーの遠慮深い欲も解放されたようで。年相応の明るい笑顔になっていった。これだ、この万物をもひれ伏せかねない笑顔よ。何度見ても最高だっ。
「ありがとうっ、お母さん! じゃあ、今度はあれが食べたいっ!」
「あれだな。よし、行くぞ」
サニーが再び指を差したのは、魚のすり身棒を買ったすぐ隣の店。売っている物の見た目は、果汁や果肉を、氷魔法で棒状に固めた氷菓子。
あれは確か、昨日、食べないよう我慢していた物の一つじゃないか。いいぞサニー! その調子で、どんどんわがままを言ってきてくれ!
欲がサニーと一致してしまったせいで、私の歩く速度が倍になっていく。ほぼ駆け足状態で目的の店まで来ると、私は指を二本立たせている右手を、目線の高さにまで挙げた。
「すみません、二本下さ―――」
逸る気持ちを一切抑えず、会釈をしてきた店員に注文している途中。視界に入った紙に書かれている文章を読み、注文している口が止まった。
紙には『三本購入すれば、一本おまけで付いてきます』と書かれている。つまり三本買えば、サニーと私、二本ずつ食べられるという訳か。ならば!
「やっぱ、三本下さい」
「三本ですね。それでは一本おまけが付きまして、銅貨六枚になります」
既に用意していた銅貨を店員に渡すと、店員は四本の棒が飛び出している紙袋をくれた。ちゃんと四本入っているな、よしよし。
「サニー、喜べ。一本おまけを貰ったから、二本食べられるぞ」
「二本もいいの? やったー!」
「もちろん、お前が三本食べてもいい。氷魔法で冷やしておくから、いくら経っても溶ける事はない。焦らずゆっくり食え」
店から離れつつ氷菓子を差し出すと、サニーは歩きながら舐め始めてしまった。ちょっとはしたないが、私も早く食べてみたいので、今日だけサニーを習ってしまおう。
紙袋から氷菓子を一本取り出し、まじまじと眺めてみる。色は、全体的に白みを帯びた薄緑色。氷だから固いはずなので、ペロリと舐めてみた。
サッパリとした甘みを感じるも、すぐに爽やかな酸味へと変わった。うん、果汁や果肉が入っている事もあってか、果物を直接食べている感覚に近い。
これも美味いな。果物さえあれば、私も作れそうだ。今度、果物を風魔法で細かく砕き、氷魔法でこの形に凍らせてみよう。
「う~んっ! 冷たくておいしい~っ」
「そうだな。冷たくて……、ん?」
冷たくて、美味しい? ……そうだ。私達は今、もっと簡単に言ってしまえば、氷を舐めている事になる。そういえば、氷って冷たいんだったな。
過去、私が作った新薬の副作用のせいで、熱や冷たさを感じ取れない体になっているから、今舐めた氷菓子も、当然冷たさを感じなかった。ただ、果物の味が分かっただけである。
「今日は暑いから、すごくおいしく感じるね!」
「……ああ、美味いな」
冷たいと言うと嘘になってしまうから、とりあえず美味いとだけ返したけれども。そうか。昨日、肉屋の店員も言っていたが、この時期は暑いんだな。
その暑さとやらも、まったく感じ取れていない。今まで幾度となく、この新薬の副作用を恨んできたが……。まさか、ここでも弊害を及ぼすだなんて。
だんだん悔しくなってきたけど、今は一旦忘れよう。深く考え込んでしまうと、気分が沈んでいくだけだ。サニーに感付かれて心配でもされたら、今日という日が台無しになってしまう。
それと、サニーが熱そうな食べ物を選んだ時、熱いから気を付けろ、と注意しておかないと。……今の私に、その判断がつくだろうか? 自信が無いな。
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