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115話、本来あるべき日常は、絵本に綴られた物語のように珍しく
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一秒でも速く、サニーを『タート』へ連れて行きたかったけれども。街道に着き、タートへ続く直線の道に来てからは、人通りが多い事もあり、比較的安全な速度での飛行を強いられてしまった。
強靭な足を持った動物が牽いている客車。世界を股に掛ける旅人達。街から村、国を渡り歩く商人。ただ買い出しに来たであろう、他種族の一般客。
まだ朝食を過ぎてから間もない時間帯だというのに、今日はやたらと人が多い。当然、サニーは初めて見る人混みなので、眩しい笑みを浮かべた顔を、ひっきりなしに動かしていた。
「お母さん、見て見て! 人がいっぱいいるよ!」
「タートに入れば、もっと増えるぞ」
「もっと増えるの!? へぇ~」
うん、良い反応だ。期待が高まっている証拠である。しかし、何もすごいのは人の数だけじゃない。膨大な人数が居るのにも関わらず、長年保たれ続けてきた平和と秩序。
建物の件数もさることながら、国の中央に威風堂々と佇んでいる城にも着目してほしい。あとは、そうだな。高高度から見たタートの景色。
しかし街中で高高度を昇るには、街に居る兵士から許可を得て、監視してもらわなければならないので、後で話を付けておかなければ。
だが、四階層から飛行は禁止されている。近くで城を見るとなると、徒歩で七階層まで行かなければならない。時間にして、おおよそ三、四十分前後。
そこから絵を描き、二階層まで戻るとなると……。むう、時間配分が難しい。せめて五階層まで飛べればいいのに。法令が厳しすぎる。だからこそ、平和や秩序が保たれているのだけれども。
「お母さん、鎧を着た人がいる!」
「む?」
法令に文句を垂れている最中。思考を遮るサニーの声が聞こえてきたので、地面にやっていた顔を前へ向ける。
移り変わった視界の中には、タートの城門と、城門へ入っていく人々を見守っている、二人の衛兵の姿が映り込んだ。危ない、またよそ見飛行をしていた。
今日はサニーが居るというのに。みっともなく叱られている情けない姿だけは、絶対に見せたくない……。とりあえず、あの衛兵にはサニーと会わせる約束をしているから、まずはそれを果たさないと。
「すみません」
「お、魔女さんじゃないですか。む?」
城門を通り過ぎて行く人々に挨拶を交わしていた衛兵が、私の存在に気付くや否や。視線が下へ落ち、口を軽くすぼめた。
「この子が、昨日言ってた例の?」
「ええ、愛娘です」
「うわぁ~、本物の兵士さんだ!」
サニーの後頭部しか見えないから、表情は窺えないものの。この嬉々とした声から察するに、瞳は太陽の如く輝いているだろうな。
「そうですか、可愛いですね。君、名前は?」
「はいっ! 初めまして、サニーです! あの、握手してください!」
「握手? ああ、いいよ」
わがままを快諾してくれた衛兵が、持っていた槍を壁に立てかけ、サニーと握手を交わす。衛兵の手、鎧を纏っているせいもあってか、かなり大きく見える。サニーの手がすっぽりと隠れてしまった。
「うわ、うわっ! ありがとうございますっ! お母さん! 兵士さんっ、本物の兵士さんだよ! かっこいいーっ!」
「よかったな」
弾けんばかりの喜びに満ちたサニーの笑顔よ。まだタートに入っていないけど、今日は連れて来て本当によかった。
「あっはは。長年この城門を見張ってきたけど、ここまで喜ばれるのは初めての事だ。ありがとうね。それと、誕生日おめでとう」
「えっ? なんで私の誕生日を知ってるの!?」
「そりゃあ、兵士だからね。なんでも知ってるよ」
優しい嘘をついた衛兵が、私に顔を合わせてきて、得意気に口角を上げる。私も感謝の意を込めて、頭を軽く下げた。
「兵士さんって、なんでも知ってるんだ……。すごいや!」
「そう! だから君が悪い事をしたら、俺がすっ飛んで行くからね~」
「ふぇっ!? わ、私、悪いことなんて絶対にしないよ、本当だよ! お母さんも! 絶対にしちゃダメだからね!」
不意に忠告され、思い当たる節があり過ぎるが故に、体に大波を立たせる私。
昨日の醜態もそうだが……。迫害の地で、法外な新薬や魔法の開発をしているだなんて、口が裂けても言えない。もしバレたら、即刻死刑になってしまう……。
「はっはっはっ! しっかりしたお子さんじゃないですか。これなら大丈夫だ。それじゃあ」
豪快に笑った衛兵が、先が光しか見えない城門内に向かい、手をかざす。
「小さな姫君様、ようこそタートへ。今日は、ごゆるりとお楽しみ下さい」
「ひめぎみ……! お母さん! 私、お姫様になっちゃった!」
ああ、サニーはなんて素直な子なんだ。だが、衛兵よ。一つ間違えている事がある。サニーは姫様なんかじゃない。女神そのものだ。
そう訂正させたいけども、流石に大人げない。我慢しろ、私よ。我が強い文句を喉に引っ掛けた私は、寝起きざまに聖水で清めた手を、サニーの頭の上に置いた。
「よかったな、サニー」
「うんっ! お母さん、はやく行こっ!」
「そうだな、行くか」
お姫様となったサニーの催促に応える為、乗っている箒をゆるりと発進させる。衛兵を横切ろうとすると、サニーは大きく手を振り出したので、私も深くお辞儀をした。
軽く小話しただけなのに、とても粋な計らいをしてくれるだなんて。明日にでも、あの衛兵に改めてお礼を言っておかねば。
私の耳を癒してくれる鼻歌を聴きつつ、薄暗い城門内を抜けていく。抜けた直後、サニーが鼻歌をピタリと止め、息を大きく飲んだ。
「うわぁ~っ……!」
小さなお姫様を出迎えたのは、なんて事はない日常的な風景。右側には、海鳥の鳴き声と、微かなさざ波の音が交互に流れてくる、太陽の光を乱反射させている大海原。
ちょうど正面は、整備されたクリーム色のレンガ道。とんでもなく長いので、果てにあるはずの城門が目視出来ない。先の景色が霞んでいる。
そして左側。一件一件丁寧に回るとなると、何日間要するのか分からない程に並んでいる、店の数々。多種多様の種族が同じテーブル席に座り、わいわいと談笑している姿が窺えるな。
「うわ、うわっ、うわっ! 人がいっぱいいる! お店もたくさんっ! すごいすごいっ! まるで絵本の中にいるみたいだっ!」
しかし、サニーの目に映り込んだ、本来であれば何気ない日常的な風景は、絵本に綴られた物語の様に珍しかったようで。喉が枯れてしまいそうな大声を出して興奮していた。
「すごいだろ? でも、これはほんの一部にすぎない。もっと深く、絵本の中に入ってみたいと思わないか?」
更に期待が膨らむ言葉を投げ掛けてみれば、辺りをひっきりなしに見渡していたサニーの顔が、バッと私の方へ向いた。
太陽に勝るとも劣らない、ギンギンに輝かせている青い瞳が、飛び出しそうな勢いで見開いている。小さな口もポカンと開いているし、相当驚いていそうだ。
「すごく広いのに、これでも一部なの!? うんっ、入ってみたいっ!!」
「よし、じゃあ……」
サニーの意識を海へ持っていかせない為に、左側にある階段へ指を差す。
「あの階段が、絵本の奥に続いてる。足で上らないといけないから、箒から降りるぞ」
「わかったっ!」
今すぐにでも行きたいのか。箒から器用に飛び降りては、私を急かすように高速で足踏みをするサニー。
「お母さん! はやくっ、はやくっ!」
「箒を消すから、ちょっと待っててくれ」
いつもならば、地に足を着けてから箒を消すのだが。今は一秒ですら勿体ないので、跨ったまま箒を消した。
体に一瞬だけふわりとした感覚がして、すぐに着地したと同時、サニーにかけていた『ふわふわ』を解除。そのまま足踏みをしているサニーへ、右手を差し伸べた。
「お待たせ。さあ、絵本の中に行くぞ」
「うんっ!」
私の手をガッチリと掴んだサニーが、待ち切れずに階段へ向かい走り出す。そのワンパクな背中は、さながら物語を綴っていく絵本の主人公。ならば私は、その絵本の案内人となる訳だ。
よし。案内人の名に恥じぬよう、主人公となったサニーを、ちゃんと導いてやらないと。私の案内次第で、サニーの物語がつまらなくなってしまうからな。
強靭な足を持った動物が牽いている客車。世界を股に掛ける旅人達。街から村、国を渡り歩く商人。ただ買い出しに来たであろう、他種族の一般客。
まだ朝食を過ぎてから間もない時間帯だというのに、今日はやたらと人が多い。当然、サニーは初めて見る人混みなので、眩しい笑みを浮かべた顔を、ひっきりなしに動かしていた。
「お母さん、見て見て! 人がいっぱいいるよ!」
「タートに入れば、もっと増えるぞ」
「もっと増えるの!? へぇ~」
うん、良い反応だ。期待が高まっている証拠である。しかし、何もすごいのは人の数だけじゃない。膨大な人数が居るのにも関わらず、長年保たれ続けてきた平和と秩序。
建物の件数もさることながら、国の中央に威風堂々と佇んでいる城にも着目してほしい。あとは、そうだな。高高度から見たタートの景色。
しかし街中で高高度を昇るには、街に居る兵士から許可を得て、監視してもらわなければならないので、後で話を付けておかなければ。
だが、四階層から飛行は禁止されている。近くで城を見るとなると、徒歩で七階層まで行かなければならない。時間にして、おおよそ三、四十分前後。
そこから絵を描き、二階層まで戻るとなると……。むう、時間配分が難しい。せめて五階層まで飛べればいいのに。法令が厳しすぎる。だからこそ、平和や秩序が保たれているのだけれども。
「お母さん、鎧を着た人がいる!」
「む?」
法令に文句を垂れている最中。思考を遮るサニーの声が聞こえてきたので、地面にやっていた顔を前へ向ける。
移り変わった視界の中には、タートの城門と、城門へ入っていく人々を見守っている、二人の衛兵の姿が映り込んだ。危ない、またよそ見飛行をしていた。
今日はサニーが居るというのに。みっともなく叱られている情けない姿だけは、絶対に見せたくない……。とりあえず、あの衛兵にはサニーと会わせる約束をしているから、まずはそれを果たさないと。
「すみません」
「お、魔女さんじゃないですか。む?」
城門を通り過ぎて行く人々に挨拶を交わしていた衛兵が、私の存在に気付くや否や。視線が下へ落ち、口を軽くすぼめた。
「この子が、昨日言ってた例の?」
「ええ、愛娘です」
「うわぁ~、本物の兵士さんだ!」
サニーの後頭部しか見えないから、表情は窺えないものの。この嬉々とした声から察するに、瞳は太陽の如く輝いているだろうな。
「そうですか、可愛いですね。君、名前は?」
「はいっ! 初めまして、サニーです! あの、握手してください!」
「握手? ああ、いいよ」
わがままを快諾してくれた衛兵が、持っていた槍を壁に立てかけ、サニーと握手を交わす。衛兵の手、鎧を纏っているせいもあってか、かなり大きく見える。サニーの手がすっぽりと隠れてしまった。
「うわ、うわっ! ありがとうございますっ! お母さん! 兵士さんっ、本物の兵士さんだよ! かっこいいーっ!」
「よかったな」
弾けんばかりの喜びに満ちたサニーの笑顔よ。まだタートに入っていないけど、今日は連れて来て本当によかった。
「あっはは。長年この城門を見張ってきたけど、ここまで喜ばれるのは初めての事だ。ありがとうね。それと、誕生日おめでとう」
「えっ? なんで私の誕生日を知ってるの!?」
「そりゃあ、兵士だからね。なんでも知ってるよ」
優しい嘘をついた衛兵が、私に顔を合わせてきて、得意気に口角を上げる。私も感謝の意を込めて、頭を軽く下げた。
「兵士さんって、なんでも知ってるんだ……。すごいや!」
「そう! だから君が悪い事をしたら、俺がすっ飛んで行くからね~」
「ふぇっ!? わ、私、悪いことなんて絶対にしないよ、本当だよ! お母さんも! 絶対にしちゃダメだからね!」
不意に忠告され、思い当たる節があり過ぎるが故に、体に大波を立たせる私。
昨日の醜態もそうだが……。迫害の地で、法外な新薬や魔法の開発をしているだなんて、口が裂けても言えない。もしバレたら、即刻死刑になってしまう……。
「はっはっはっ! しっかりしたお子さんじゃないですか。これなら大丈夫だ。それじゃあ」
豪快に笑った衛兵が、先が光しか見えない城門内に向かい、手をかざす。
「小さな姫君様、ようこそタートへ。今日は、ごゆるりとお楽しみ下さい」
「ひめぎみ……! お母さん! 私、お姫様になっちゃった!」
ああ、サニーはなんて素直な子なんだ。だが、衛兵よ。一つ間違えている事がある。サニーは姫様なんかじゃない。女神そのものだ。
そう訂正させたいけども、流石に大人げない。我慢しろ、私よ。我が強い文句を喉に引っ掛けた私は、寝起きざまに聖水で清めた手を、サニーの頭の上に置いた。
「よかったな、サニー」
「うんっ! お母さん、はやく行こっ!」
「そうだな、行くか」
お姫様となったサニーの催促に応える為、乗っている箒をゆるりと発進させる。衛兵を横切ろうとすると、サニーは大きく手を振り出したので、私も深くお辞儀をした。
軽く小話しただけなのに、とても粋な計らいをしてくれるだなんて。明日にでも、あの衛兵に改めてお礼を言っておかねば。
私の耳を癒してくれる鼻歌を聴きつつ、薄暗い城門内を抜けていく。抜けた直後、サニーが鼻歌をピタリと止め、息を大きく飲んだ。
「うわぁ~っ……!」
小さなお姫様を出迎えたのは、なんて事はない日常的な風景。右側には、海鳥の鳴き声と、微かなさざ波の音が交互に流れてくる、太陽の光を乱反射させている大海原。
ちょうど正面は、整備されたクリーム色のレンガ道。とんでもなく長いので、果てにあるはずの城門が目視出来ない。先の景色が霞んでいる。
そして左側。一件一件丁寧に回るとなると、何日間要するのか分からない程に並んでいる、店の数々。多種多様の種族が同じテーブル席に座り、わいわいと談笑している姿が窺えるな。
「うわ、うわっ、うわっ! 人がいっぱいいる! お店もたくさんっ! すごいすごいっ! まるで絵本の中にいるみたいだっ!」
しかし、サニーの目に映り込んだ、本来であれば何気ない日常的な風景は、絵本に綴られた物語の様に珍しかったようで。喉が枯れてしまいそうな大声を出して興奮していた。
「すごいだろ? でも、これはほんの一部にすぎない。もっと深く、絵本の中に入ってみたいと思わないか?」
更に期待が膨らむ言葉を投げ掛けてみれば、辺りをひっきりなしに見渡していたサニーの顔が、バッと私の方へ向いた。
太陽に勝るとも劣らない、ギンギンに輝かせている青い瞳が、飛び出しそうな勢いで見開いている。小さな口もポカンと開いているし、相当驚いていそうだ。
「すごく広いのに、これでも一部なの!? うんっ、入ってみたいっ!!」
「よし、じゃあ……」
サニーの意識を海へ持っていかせない為に、左側にある階段へ指を差す。
「あの階段が、絵本の奥に続いてる。足で上らないといけないから、箒から降りるぞ」
「わかったっ!」
今すぐにでも行きたいのか。箒から器用に飛び降りては、私を急かすように高速で足踏みをするサニー。
「お母さん! はやくっ、はやくっ!」
「箒を消すから、ちょっと待っててくれ」
いつもならば、地に足を着けてから箒を消すのだが。今は一秒ですら勿体ないので、跨ったまま箒を消した。
体に一瞬だけふわりとした感覚がして、すぐに着地したと同時、サニーにかけていた『ふわふわ』を解除。そのまま足踏みをしているサニーへ、右手を差し伸べた。
「お待たせ。さあ、絵本の中に行くぞ」
「うんっ!」
私の手をガッチリと掴んだサニーが、待ち切れずに階段へ向かい走り出す。そのワンパクな背中は、さながら物語を綴っていく絵本の主人公。ならば私は、その絵本の案内人となる訳だ。
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