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登場人物紹介(1年目~8年目)
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・アカシック・ファーストレディ 魔女 二十四歳(おおよそ百十二歳)
本作の主人公。『1話、不本意なる出会い』より登場。
登場時は過去の凄惨たる出来事のせいで、全ての感情を失い、心が闇に堕ちていた。
しかし、針葉樹林地帯で泣いている赤ん坊を拾った事を切っ掛けに、アカシックの心境に大きな変化が訪れる。
サニーと名付けた赤ん坊を育てていく内に、忘れていた過去の思い出を断片的に思い出していき、徐々に感情を取り戻し、知らず知らずの内に寄り添える仲間が増えていった。
1年目では赤ん坊に『サニー』という名前を付けたものの、一歩的に毛嫌いし、極力触れずに邪険していた。
が、2年目で体調を崩して死に掛けていたサニーを、万能薬に近い秘薬で助け、自らの手で育てていく事を決める。
そして4年目にして、触れた人の過去が物語として反映される魔法具で、忘れていた過去の決心を思い出し、サニーの母親になる事を決意。以後、サニーを本当の我が子のように溺愛し、行き過ぎた子煩悩を発揮する。
喜怒哀楽の感情を失っていたが、『13話、決めたばかりの事なのに』で、無意識の内に“怒”の感情を。『30話、“哀”と忘れていた決心』で“哀”を。『52話、折れかけた心と“楽”しみに思える心』で“楽”の感情を取り戻している。
残された“嬉”の感情は、まだ明確には取り戻してはいない。しかし、本人が自覚していないだけで、どこかで取り戻している可能性もある。
最初はぶっきらぼうで単調的な喋り方だったのに対し、今では声質にも感情が乗っていて、時折、声を荒げる事もしばしば。
肩より少し伸びた、艶のある漆黒の髪。相手を見下しているようにも見える、赤が深いジト目。実年齢は百十二歳だが、新薬の副作用のせいで、肌の具合と肉体年齢は二十四歳のまま。
中性的ながらも、やや女性寄りな面立ち。黒いローブを身に纏っているが、魔女帽子は邪魔なのでかぶっていない。
・サニー 人間の女性 現時点では七歳
『1話、不本意なる出会い』より登場。
針葉樹林地帯で大泣きしていた所を、たまたま通りすがったアカシックに拾われる。
本当の母親は『エリィ』、父親は不明。産まれた場所は『バレスラード領』にある辺境の村。
名前の由来は、空が関係している。青空のように澄んだ青い瞳、眩しい笑顔を太陽に例えられ、まだ闇堕ち状態であったアカシックに名付けられた。
好奇心の塊で、知らない物を聞くと、すかさず身近に居る者に質問をする。暇さえあれば絵を描いていたり、アカシックが買ってきた絵本を読み、知らない知識を我が物にしていっている。
最初に無害なウェアウルフの『ヴェルイン』や、ブラックドラゴンの『アルビス』と接したせいか。基本、魔物を良い人だと認識している。
そのせいもあり、アカシックには怖い物知らずだとか、凄まじい胆力の持ち主だと認定されていたり。ちゃんとした魔物と対峙すれば、恐怖心が芽生える、はず?
髪型は年毎違うが、基本サラサラとした金色の髪。晴天の様に澄んだ青い瞳と、太陽を彷彿とさせる笑顔で、常日頃からアカシックの心を癒している。服装は、ワンピースみたいな上下一体になった物を好んで着ている。
・アルビス 黒龍 約五百歳以上
『8話、指摘された焦り』より登場。
山岳地帯の一番高い山の頂上に君臨する黒龍。
アカシックとは、過去五十年以上にも渡り、死闘を繰り広げたいがみ合っている仲。現在では心を完全に開いていて、アカシックは多大なる恩人の存在にまでなっている。
『8話、指摘された焦り』でアカシックをすんなりと傍まで近寄らせたのは、敵意も殺意も無ければ焦っていて、何か別の目的で来たからと察していたから。
アルビスの言動からすると、五十年前後は匿われ、執事をしていた時期がある。主の名は『ベルラザ』。生まれた時から迫害の地に来るまでの間、執事をしていた時を除き、常に追われ身と、アカシック以上に暗い過去がありそう。
住処は山岳地帯。しかし、『107話、三つ目の夢、それは』でアカシックから全てを聞いた後。三日に一度程度の頻度で、アカシックの家に泊まっている。
理由は、恩人となったアカシックとサニーを守護する為。それと、アカシックの家が憩いの場と化しており、一秒でも長く居たいから。
~黒龍時~
全長は二十m以上。全身を覆っているは、屈強で堅固な重厚感のある漆黒の鱗。並大抵の武器ではかすり傷すら付かず、上級の魔法も余裕で耐え凌ぐ。
黒味を帯びた深い紫色の龍眼で、角は頭の後ろへ向かって流線を描いている。
~人間時~
後ろへ流れるように生えている、艶やかな紫色の髪。輪郭が整っている中性的な面立ち。服装は黒の使用人服。目は龍眼のまま。執事の名残か、左目にモノクルという片眼鏡をしている。
人間に変身していても、力は黒龍時と同じまま。拳で殴れば鉄鉱石は簡単に砕け、蹴り上げれば大地が裂ける。空を焼くブレスも放つ事が可能。
魔法は、主に闇属性を使用する。一応、火、風も使えなくはない。他は光属性以外、下級程度の魔法なら使える。
・ヴェルイン ウェアウルフ 年齢不詳(少なくとも三十~四十歳以上)
『10話、予想外の反応』より登場。
『8話、指摘された焦り』にてアルビスから、あの心が無い冷酷な魔女で、生き物を研究材料としか見ていないアカシックが赤ん坊を育てていると聞き、興味本位でアカシックの家に訪れた。
が、まったく慄いてくれないサニーに心が折れ、しょぼくれながら帰宅。『13話、決めたばかりの事なのに』にリベンジをするべく、再度アカシックの家に訪れたものの。
外に出ていたサニーが、蜂に似た大型の魔物に襲われそうになっていた場面と遭遇。スピディに指示を出し、サニーを家の中に連れ込み、ヴェルインが蜂の魔物を撃破した。
以後、何かと不甲斐ないアカシックに見るに堪えず、サニーのお守りをする事となった。
非情にお調子者であるが、どこか憎めない一面を持っている。迫害の地でアカシックを除き、唯一アルビスに傷を付けた功績を残しているが、二つ名は未だに無し。
身長は二m以上で、大柄な筋肉質。全身は剛毛な茶色の毛皮で覆われている。服装は、くたびれた青いズボンのみ。登場時は、過去アルビスに付けられた切り傷により、左目は閉じていた。
しかし『32話、これで広がる行動範囲』で、完成したばかりの魔法壁に吹っ飛ばされて負傷した後、秘薬を飲んだら左目の傷も完治した。
・クロフライム ゴーレム 製造年日不明
『25話、あなたの好きな物はなんですか?』より登場。
花畑地帯で地面に埋まっていた所、アカシックと六十四体のゴーレムに助けられた最後のゴーレム。
通称『使用人式万能型石人形』。元は、城専属として作られた。おしとやかで、命ある者に分け隔てなく接する心と意思を持ち合わせている。
だが、この心と意思を持ちながら生まれてしまったが故に、ゴーレム達に反逆されるのでは? と一方的に危惧した人間達が、迫害の地に廃棄してしまった。
花畑地帯に居る、他の六十四体のゴーレム達もそうで。清らかでいて、命ある者を護る優しき心と意思が宿っている。
材質は魔力を吸収できる岩石であるが、表情豊かであり、微笑んだり怒ったりと感情表現が可能。身長は、おおよそ三、四m以上。
・ファート 死霊使い(元人間) 年齢不詳 アルビスの狂信者
『55話、哀れで騒がしい死霊使い』より登場。
砂漠地帯のとある神殿に住んでいる。神殿に訪れた者を驚かせるのが趣味であるが、アカシックがサニーに仕掛けを全てバラしてしまい、登場時前から既にやる気を無くしていた。
ヴェルイン以上にお調子者なので、たとえ怒らせたとしても、一回のおだでて瞬く間に機嫌が良くなる。見た目に反して涙脆く、優しく接すると大体涙目になる。
感情は禍々しい眼光に反映されていて、平常時は緑。呆気に取られている時は無し。喜んでいる時は黄。怒っている時は真紅。悲しんでいる時は靑。楽しんでいる時は橙。
過去、骨を探している最中、山岳地帯にあるヴェルインのアジトに迷い込んでしまい、不本意な形でヴェルインと接敵。本気の土下座で敵ではない事を必死にアピールし、なんとか誤解も解けて仲良くなった。
見た目は人間の骸骨に近い。服装は、砂漠の過酷な環境に蝕まれ、ボロボロになっている黒いローブ。見た目に箔を付けるべく、純金と宝石が装飾された首飾りをしている。
右手には、先に髑髏が付いた杖を持っており、その杖で手下のアンデッドやスケルトンを操っている。趣味は骨探し。針葉樹林地帯を徘徊していれば、高確率でファートに出会える。
・エリィ 人間の女性 年齢不詳 サニーの本当の母親
『60話、勘違いしていた憶測と真意の訴え』より登場。
サニーの本当の母親であり、この真実はアカシックだけが知っている。
初めて出会ったのは『2話、捨てた罰』。不自然な死に方をしていて、嫌々拾った赤ん坊の家族の骸骨だと予想したアカシックは、その骸骨に捨て台詞を吐いて帰宅。
再会したのは『57話、見覚えのある骸骨』。本当は感謝をしたくて無い眼差しを送っていたエリィに対し、アカシックはずっと睨んできているスケルトンを、針葉樹林地帯で捨て台詞を吐いた骸骨だと見抜いたものの。
それのせいで深い恨みを持たれていると勘違いし、ファートの願いを叶え、そのスケルトンをファートの手から解放。翌日、自らの手で穴を掘り、簡易的な墓を作ってエリィの骨を埋葬した。
そして、アカシックが放った『フェアリーヒーリング』により、ファートがかけていた術が完全に消失。自由の身となり、幽体でアカシックと相見え、全ての経緯を説明した。
住んでいた場所は、『バレスラード領』にある辺境の村。夫は、血塗れの鎧を着たバレスラード国の兵士に斬殺されている。
『105話、脳筋を司る大精霊の妙案』にて、ウンディーネが『エリィ』と『伝心』で話していたが、同一人物かは不明。
腰辺りまで伸びている、サラサラとした金色の長髪。サニーの母親ともあってか、瞳は晴天を彷彿とさせる青色。太陽の様に温かく、どこか幼さが垣間見える華奢な面立ち。
衣服の好みもサニーと一緒で、上下一体になったワンピースに似た白い衣服。
・ピース 人間の男性 年齢不詳(おおよそ二十歳前後)
『71話、それは、全ての始まりの悪夢』にて、アカシックの夢内に登場。
アカシックと同じ孤児。アカシックと同時期に、育ての親である神父『レム』に拾われた。
最初は二人に名前が無かったので、見かねたレムは男の子に『ピース』を。ピースは女の子に『アカシック』という名前を授けた。
アカシックにとってピースは、兄のような親しい人間であり。父親のような存在であり。結婚を誓った、大切な彼氏でもある。
しかし、今から百十二年前。悪の英雄『アンブラッシュ・アンカー』に首を斬られて死亡。怒り狂ったアカシックに焼き尽くされ、肉体ごと消滅。
以後、闇堕ちしたアカシックはピースを生き返らせるべく、法外な新薬と魔法の開発をする為に、迫害の地へ行く事を決意。そこから約八十四年後、針葉樹林地帯でサニーを拾い、一話へと繋がる。
身長、及び容姿は全て不明。
・レム 男性 神父
『71話、それは、全ての始まりの悪夢』にて、アカシックの夢内に登場。
アカシックとピースを拾った、二人の育ての親。やや寂れた教会の神父。
帰路でピースを拾い、教会前で置き去りにされていたアカシックを見つけ、二人を大人になるまで育てた。
普通の人間かと思いきや。光属性の魔法を覚えたばかりのアカシックに『光のマナの結晶体』を上げたり、二人が教会から自立すると、教会ごと姿を消した謎が多い人物。
『105話、脳筋を司る大精霊の妙案』にて、ウンディーネがエリィと話している所、『レム』という名前が出てきたが、同一人物かは定かではない。
身長、及び容姿は全て不明
・アンブラッシュ・アンカー 人間の男性
『71話、それは、全ての始まりの悪夢』にて、アカシックの夢内に登場。
九百九十九人を無作為に殺害した悪の英雄。アカシックとピースしか知らない浜辺で身を潜めていた所、途方に暮れていた二人を発見し、ピースを記念すべき千人目にしようと決めた。
仲間の呪術師の呪術で二人を眠らせた後、磔にする。そのままピースだけを起こし、状況をある程度把握させてから首を斬って殺害。
その後、怒り狂ったアカシックが覚えてもいない火の魔法を放ち、アンブラッシュ・アンカーと仲間を焼き殺した。
しかし、誰も居ない浜辺で起こった惨劇なので、世間ではまだアンブラッシュ・アンカーは生きているものだと思われている。
もじゃもじゃの黒髭を生やしていて、体は大柄。服からは腹がだらしなくはみ出ていて、歯並びが非常に悪い。愛剣は、クレイモアを彷彿とさせる大剣。
・カッシェ 女性のウェアウルフ
『82話、ウェアウルフの紅一点』より登場。
アカシックがぎこちない丁寧語で喋り、『さん』付けをする唯一の存在。
ヴェルイン達の世話役的な立ち位置でいて、皆からは生活面で頼られている。なので時と場合によっては、ヴェルインを差し置いて親分的立場になる時もしばしば。
頭のキレが良く判断力もあり、戦闘では、ヴェルインの背中を預ける事が出来る程に強い。
アカシックと付き合い始めてからというものの。趣味に料理が加わり、頻繁にアカシックの家に訪れては、料理を学んでいっている。
細身ながらも、全身はしなやかな筋肉質で引き締まっている。服を着るのがあまり好きではなく、胸には白いさらし。腰周りは、太ももが見える程の短い一枚布のみ。
金色の瞳を宿している面立ちは女性美が強く、顔全体は小さい。全身は、手入れが行き届いた見事な銀色の毛皮で覆われている。
・スピディ ウェアウルフ
『84話、ようこそ、俺達のアジトへ』より登場
ヴェルイン率いる特攻隊長。標準のウェアウルフより小柄だが、それを補う威力の脚力を誇る。
力の強弱をつければ、鞭よりもしなやかで、深く刺された様な痛みを伴う打撃。逆に剣よりも鋭く、骨を真っ二つに裂く斬撃になりうる。全力で蹴り上げれば、大岩を粉砕する事も可能。しかし素足なので、蹴った本人もそれなりに痛い模様。
頭のキレが非常に良く、ヴェルインに名前を呼ばれるだけで、その場に応じて最適解な行動を起こす。脚力が強いので、跳躍力や瞬発力も凄まじい。「~っす」が口癖。見た目は、ごく標準的なウェアウルフの姿。清々しい笑顔が特徴。
・イージ ウェアウルフ
『84話、ようこそ、俺達のアジトへ』より登場
ヴェルイン率いる、遠距離攻撃担当。攻撃方法は、布と巨大な石を使った投てき。太く発達した右前足から放たれる投てきは、今までで百発百中。狙撃も可能。
が、石は現地調達しているので、石が無い場所での戦いはほぼ無力。しかし、ウェアウルフなので爪で攻撃が出来る。
全身は紺色の毛皮で、顔が前髪で隠れている。アカシックよりぶっきらぼうな喋り方をしているが、本人は普通に話しているらしい。影が薄く無口だが、人当たりは良い。
・シルド、パスカ、オブラ ウェアウルフ
『84話、ようこそ、俺達のアジトへ』より登場
ヴェルイン率いるサポート役。無臭の煙幕。毒、痺れ、めまい、昏睡効果がある調合薬を矢じりに塗り、弓で敵を状態異常化。逃走経路の確保。敵の弱点をいち早く見極め、ヴェルイン達に報告などなど。
サニーやアカシックの前では、根強い恐怖心を抱いていて醜態を晒していたものの、普通の戦闘では優秀な働きをする。(対アルビス戦の時は、為す術もなく物陰に隠れていた)
三人共腕力は弱く、直接的な攻撃は不向き。本気で逃げる時の脚力は、スピディ並かそれ以上に速い。
・ウンディーネ 水を司る大精霊
『94話、純麗なる戦乙女』より分身体で。『104話、お詫びの契約』で本体が登場。
『26話、色付いた沼地帯』でクロフライムを通し、アカシックに『最上級の水のマナの結晶体』を授けた、水を司る大精霊。
初登場時は『94話、純麗なる戦乙女』であるが、その時はまだアカシックと会う予定はなかった。出会ってしまった理由は、単なる不注意及び警戒不足のせい。
大精霊であるが、意外と気が抜けていておっちょこちょい。そのせいもあり、アカシックに二度も呆れられてしまう。戦闘時でも力加減を過り、アカシックを瀕死にまで追い込んだ。
アカシックが出会う前の生涯や、幼少期の頃に決めた決心、ピースの件などを全て把握しており。ピースを生き返らせる事が出来る、唯一の方法も知っている謎が多い人物。
しかし、本人なりにアカシックを全力でサポートしているつもりなので、敵ではないのは明らか。むしろ心強い味方とも言える?
『105話、脳筋を司る大精霊の妙案』の会話から推測するに、ウンディーネはほぼ本気を出していなかった模様。もし本気を出されていたら、アカシックは『奥の手』が発動する前に負けていたかもしれない。
水で出来た羽衣を着ていて、全身は艶めかしい紺碧色の肌。華奢な手には、荒波を一刀両断しそうな風貌がある、同じく紺碧色の三叉槍を持っている。
深紅色の瞳で、全ての罪を赦してくれそうな聖母を彷彿とさせる面立ち。髪色は、細い腰まで伸びている煌びやかな薄水色。
~名前だけ登場している人物~
・フローガンズ 氷の精霊
『21話、光が空に落ちていく泉』より、名前だけ登場。
凍原地帯に居ると言われている、氷の精霊。過去に、アカシックは十日間。アルビスは半日ほど戦闘経験があり。
・ベルラザ
『50話、酒に溺れる者』より、名前だけ登場
アルビスを匿ったとされる、破天荒な貴婦人。
・フォスグリア 無の大精霊 兼、時の大精霊
・シャドウ
・イフリート
・シルフ
・ノーム
・フラウ
『105話、脳筋を司る大精霊の妙案』より
ウンディーネの口から出た名前。口振りから察するに、たぶん各大精霊なのかもしれない。
本作の主人公。『1話、不本意なる出会い』より登場。
登場時は過去の凄惨たる出来事のせいで、全ての感情を失い、心が闇に堕ちていた。
しかし、針葉樹林地帯で泣いている赤ん坊を拾った事を切っ掛けに、アカシックの心境に大きな変化が訪れる。
サニーと名付けた赤ん坊を育てていく内に、忘れていた過去の思い出を断片的に思い出していき、徐々に感情を取り戻し、知らず知らずの内に寄り添える仲間が増えていった。
1年目では赤ん坊に『サニー』という名前を付けたものの、一歩的に毛嫌いし、極力触れずに邪険していた。
が、2年目で体調を崩して死に掛けていたサニーを、万能薬に近い秘薬で助け、自らの手で育てていく事を決める。
そして4年目にして、触れた人の過去が物語として反映される魔法具で、忘れていた過去の決心を思い出し、サニーの母親になる事を決意。以後、サニーを本当の我が子のように溺愛し、行き過ぎた子煩悩を発揮する。
喜怒哀楽の感情を失っていたが、『13話、決めたばかりの事なのに』で、無意識の内に“怒”の感情を。『30話、“哀”と忘れていた決心』で“哀”を。『52話、折れかけた心と“楽”しみに思える心』で“楽”の感情を取り戻している。
残された“嬉”の感情は、まだ明確には取り戻してはいない。しかし、本人が自覚していないだけで、どこかで取り戻している可能性もある。
最初はぶっきらぼうで単調的な喋り方だったのに対し、今では声質にも感情が乗っていて、時折、声を荒げる事もしばしば。
肩より少し伸びた、艶のある漆黒の髪。相手を見下しているようにも見える、赤が深いジト目。実年齢は百十二歳だが、新薬の副作用のせいで、肌の具合と肉体年齢は二十四歳のまま。
中性的ながらも、やや女性寄りな面立ち。黒いローブを身に纏っているが、魔女帽子は邪魔なのでかぶっていない。
・サニー 人間の女性 現時点では七歳
『1話、不本意なる出会い』より登場。
針葉樹林地帯で大泣きしていた所を、たまたま通りすがったアカシックに拾われる。
本当の母親は『エリィ』、父親は不明。産まれた場所は『バレスラード領』にある辺境の村。
名前の由来は、空が関係している。青空のように澄んだ青い瞳、眩しい笑顔を太陽に例えられ、まだ闇堕ち状態であったアカシックに名付けられた。
好奇心の塊で、知らない物を聞くと、すかさず身近に居る者に質問をする。暇さえあれば絵を描いていたり、アカシックが買ってきた絵本を読み、知らない知識を我が物にしていっている。
最初に無害なウェアウルフの『ヴェルイン』や、ブラックドラゴンの『アルビス』と接したせいか。基本、魔物を良い人だと認識している。
そのせいもあり、アカシックには怖い物知らずだとか、凄まじい胆力の持ち主だと認定されていたり。ちゃんとした魔物と対峙すれば、恐怖心が芽生える、はず?
髪型は年毎違うが、基本サラサラとした金色の髪。晴天の様に澄んだ青い瞳と、太陽を彷彿とさせる笑顔で、常日頃からアカシックの心を癒している。服装は、ワンピースみたいな上下一体になった物を好んで着ている。
・アルビス 黒龍 約五百歳以上
『8話、指摘された焦り』より登場。
山岳地帯の一番高い山の頂上に君臨する黒龍。
アカシックとは、過去五十年以上にも渡り、死闘を繰り広げたいがみ合っている仲。現在では心を完全に開いていて、アカシックは多大なる恩人の存在にまでなっている。
『8話、指摘された焦り』でアカシックをすんなりと傍まで近寄らせたのは、敵意も殺意も無ければ焦っていて、何か別の目的で来たからと察していたから。
アルビスの言動からすると、五十年前後は匿われ、執事をしていた時期がある。主の名は『ベルラザ』。生まれた時から迫害の地に来るまでの間、執事をしていた時を除き、常に追われ身と、アカシック以上に暗い過去がありそう。
住処は山岳地帯。しかし、『107話、三つ目の夢、それは』でアカシックから全てを聞いた後。三日に一度程度の頻度で、アカシックの家に泊まっている。
理由は、恩人となったアカシックとサニーを守護する為。それと、アカシックの家が憩いの場と化しており、一秒でも長く居たいから。
~黒龍時~
全長は二十m以上。全身を覆っているは、屈強で堅固な重厚感のある漆黒の鱗。並大抵の武器ではかすり傷すら付かず、上級の魔法も余裕で耐え凌ぐ。
黒味を帯びた深い紫色の龍眼で、角は頭の後ろへ向かって流線を描いている。
~人間時~
後ろへ流れるように生えている、艶やかな紫色の髪。輪郭が整っている中性的な面立ち。服装は黒の使用人服。目は龍眼のまま。執事の名残か、左目にモノクルという片眼鏡をしている。
人間に変身していても、力は黒龍時と同じまま。拳で殴れば鉄鉱石は簡単に砕け、蹴り上げれば大地が裂ける。空を焼くブレスも放つ事が可能。
魔法は、主に闇属性を使用する。一応、火、風も使えなくはない。他は光属性以外、下級程度の魔法なら使える。
・ヴェルイン ウェアウルフ 年齢不詳(少なくとも三十~四十歳以上)
『10話、予想外の反応』より登場。
『8話、指摘された焦り』にてアルビスから、あの心が無い冷酷な魔女で、生き物を研究材料としか見ていないアカシックが赤ん坊を育てていると聞き、興味本位でアカシックの家に訪れた。
が、まったく慄いてくれないサニーに心が折れ、しょぼくれながら帰宅。『13話、決めたばかりの事なのに』にリベンジをするべく、再度アカシックの家に訪れたものの。
外に出ていたサニーが、蜂に似た大型の魔物に襲われそうになっていた場面と遭遇。スピディに指示を出し、サニーを家の中に連れ込み、ヴェルインが蜂の魔物を撃破した。
以後、何かと不甲斐ないアカシックに見るに堪えず、サニーのお守りをする事となった。
非情にお調子者であるが、どこか憎めない一面を持っている。迫害の地でアカシックを除き、唯一アルビスに傷を付けた功績を残しているが、二つ名は未だに無し。
身長は二m以上で、大柄な筋肉質。全身は剛毛な茶色の毛皮で覆われている。服装は、くたびれた青いズボンのみ。登場時は、過去アルビスに付けられた切り傷により、左目は閉じていた。
しかし『32話、これで広がる行動範囲』で、完成したばかりの魔法壁に吹っ飛ばされて負傷した後、秘薬を飲んだら左目の傷も完治した。
・クロフライム ゴーレム 製造年日不明
『25話、あなたの好きな物はなんですか?』より登場。
花畑地帯で地面に埋まっていた所、アカシックと六十四体のゴーレムに助けられた最後のゴーレム。
通称『使用人式万能型石人形』。元は、城専属として作られた。おしとやかで、命ある者に分け隔てなく接する心と意思を持ち合わせている。
だが、この心と意思を持ちながら生まれてしまったが故に、ゴーレム達に反逆されるのでは? と一方的に危惧した人間達が、迫害の地に廃棄してしまった。
花畑地帯に居る、他の六十四体のゴーレム達もそうで。清らかでいて、命ある者を護る優しき心と意思が宿っている。
材質は魔力を吸収できる岩石であるが、表情豊かであり、微笑んだり怒ったりと感情表現が可能。身長は、おおよそ三、四m以上。
・ファート 死霊使い(元人間) 年齢不詳 アルビスの狂信者
『55話、哀れで騒がしい死霊使い』より登場。
砂漠地帯のとある神殿に住んでいる。神殿に訪れた者を驚かせるのが趣味であるが、アカシックがサニーに仕掛けを全てバラしてしまい、登場時前から既にやる気を無くしていた。
ヴェルイン以上にお調子者なので、たとえ怒らせたとしても、一回のおだでて瞬く間に機嫌が良くなる。見た目に反して涙脆く、優しく接すると大体涙目になる。
感情は禍々しい眼光に反映されていて、平常時は緑。呆気に取られている時は無し。喜んでいる時は黄。怒っている時は真紅。悲しんでいる時は靑。楽しんでいる時は橙。
過去、骨を探している最中、山岳地帯にあるヴェルインのアジトに迷い込んでしまい、不本意な形でヴェルインと接敵。本気の土下座で敵ではない事を必死にアピールし、なんとか誤解も解けて仲良くなった。
見た目は人間の骸骨に近い。服装は、砂漠の過酷な環境に蝕まれ、ボロボロになっている黒いローブ。見た目に箔を付けるべく、純金と宝石が装飾された首飾りをしている。
右手には、先に髑髏が付いた杖を持っており、その杖で手下のアンデッドやスケルトンを操っている。趣味は骨探し。針葉樹林地帯を徘徊していれば、高確率でファートに出会える。
・エリィ 人間の女性 年齢不詳 サニーの本当の母親
『60話、勘違いしていた憶測と真意の訴え』より登場。
サニーの本当の母親であり、この真実はアカシックだけが知っている。
初めて出会ったのは『2話、捨てた罰』。不自然な死に方をしていて、嫌々拾った赤ん坊の家族の骸骨だと予想したアカシックは、その骸骨に捨て台詞を吐いて帰宅。
再会したのは『57話、見覚えのある骸骨』。本当は感謝をしたくて無い眼差しを送っていたエリィに対し、アカシックはずっと睨んできているスケルトンを、針葉樹林地帯で捨て台詞を吐いた骸骨だと見抜いたものの。
それのせいで深い恨みを持たれていると勘違いし、ファートの願いを叶え、そのスケルトンをファートの手から解放。翌日、自らの手で穴を掘り、簡易的な墓を作ってエリィの骨を埋葬した。
そして、アカシックが放った『フェアリーヒーリング』により、ファートがかけていた術が完全に消失。自由の身となり、幽体でアカシックと相見え、全ての経緯を説明した。
住んでいた場所は、『バレスラード領』にある辺境の村。夫は、血塗れの鎧を着たバレスラード国の兵士に斬殺されている。
『105話、脳筋を司る大精霊の妙案』にて、ウンディーネが『エリィ』と『伝心』で話していたが、同一人物かは不明。
腰辺りまで伸びている、サラサラとした金色の長髪。サニーの母親ともあってか、瞳は晴天を彷彿とさせる青色。太陽の様に温かく、どこか幼さが垣間見える華奢な面立ち。
衣服の好みもサニーと一緒で、上下一体になったワンピースに似た白い衣服。
・ピース 人間の男性 年齢不詳(おおよそ二十歳前後)
『71話、それは、全ての始まりの悪夢』にて、アカシックの夢内に登場。
アカシックと同じ孤児。アカシックと同時期に、育ての親である神父『レム』に拾われた。
最初は二人に名前が無かったので、見かねたレムは男の子に『ピース』を。ピースは女の子に『アカシック』という名前を授けた。
アカシックにとってピースは、兄のような親しい人間であり。父親のような存在であり。結婚を誓った、大切な彼氏でもある。
しかし、今から百十二年前。悪の英雄『アンブラッシュ・アンカー』に首を斬られて死亡。怒り狂ったアカシックに焼き尽くされ、肉体ごと消滅。
以後、闇堕ちしたアカシックはピースを生き返らせるべく、法外な新薬と魔法の開発をする為に、迫害の地へ行く事を決意。そこから約八十四年後、針葉樹林地帯でサニーを拾い、一話へと繋がる。
身長、及び容姿は全て不明。
・レム 男性 神父
『71話、それは、全ての始まりの悪夢』にて、アカシックの夢内に登場。
アカシックとピースを拾った、二人の育ての親。やや寂れた教会の神父。
帰路でピースを拾い、教会前で置き去りにされていたアカシックを見つけ、二人を大人になるまで育てた。
普通の人間かと思いきや。光属性の魔法を覚えたばかりのアカシックに『光のマナの結晶体』を上げたり、二人が教会から自立すると、教会ごと姿を消した謎が多い人物。
『105話、脳筋を司る大精霊の妙案』にて、ウンディーネがエリィと話している所、『レム』という名前が出てきたが、同一人物かは定かではない。
身長、及び容姿は全て不明
・アンブラッシュ・アンカー 人間の男性
『71話、それは、全ての始まりの悪夢』にて、アカシックの夢内に登場。
九百九十九人を無作為に殺害した悪の英雄。アカシックとピースしか知らない浜辺で身を潜めていた所、途方に暮れていた二人を発見し、ピースを記念すべき千人目にしようと決めた。
仲間の呪術師の呪術で二人を眠らせた後、磔にする。そのままピースだけを起こし、状況をある程度把握させてから首を斬って殺害。
その後、怒り狂ったアカシックが覚えてもいない火の魔法を放ち、アンブラッシュ・アンカーと仲間を焼き殺した。
しかし、誰も居ない浜辺で起こった惨劇なので、世間ではまだアンブラッシュ・アンカーは生きているものだと思われている。
もじゃもじゃの黒髭を生やしていて、体は大柄。服からは腹がだらしなくはみ出ていて、歯並びが非常に悪い。愛剣は、クレイモアを彷彿とさせる大剣。
・カッシェ 女性のウェアウルフ
『82話、ウェアウルフの紅一点』より登場。
アカシックがぎこちない丁寧語で喋り、『さん』付けをする唯一の存在。
ヴェルイン達の世話役的な立ち位置でいて、皆からは生活面で頼られている。なので時と場合によっては、ヴェルインを差し置いて親分的立場になる時もしばしば。
頭のキレが良く判断力もあり、戦闘では、ヴェルインの背中を預ける事が出来る程に強い。
アカシックと付き合い始めてからというものの。趣味に料理が加わり、頻繁にアカシックの家に訪れては、料理を学んでいっている。
細身ながらも、全身はしなやかな筋肉質で引き締まっている。服を着るのがあまり好きではなく、胸には白いさらし。腰周りは、太ももが見える程の短い一枚布のみ。
金色の瞳を宿している面立ちは女性美が強く、顔全体は小さい。全身は、手入れが行き届いた見事な銀色の毛皮で覆われている。
・スピディ ウェアウルフ
『84話、ようこそ、俺達のアジトへ』より登場
ヴェルイン率いる特攻隊長。標準のウェアウルフより小柄だが、それを補う威力の脚力を誇る。
力の強弱をつければ、鞭よりもしなやかで、深く刺された様な痛みを伴う打撃。逆に剣よりも鋭く、骨を真っ二つに裂く斬撃になりうる。全力で蹴り上げれば、大岩を粉砕する事も可能。しかし素足なので、蹴った本人もそれなりに痛い模様。
頭のキレが非常に良く、ヴェルインに名前を呼ばれるだけで、その場に応じて最適解な行動を起こす。脚力が強いので、跳躍力や瞬発力も凄まじい。「~っす」が口癖。見た目は、ごく標準的なウェアウルフの姿。清々しい笑顔が特徴。
・イージ ウェアウルフ
『84話、ようこそ、俺達のアジトへ』より登場
ヴェルイン率いる、遠距離攻撃担当。攻撃方法は、布と巨大な石を使った投てき。太く発達した右前足から放たれる投てきは、今までで百発百中。狙撃も可能。
が、石は現地調達しているので、石が無い場所での戦いはほぼ無力。しかし、ウェアウルフなので爪で攻撃が出来る。
全身は紺色の毛皮で、顔が前髪で隠れている。アカシックよりぶっきらぼうな喋り方をしているが、本人は普通に話しているらしい。影が薄く無口だが、人当たりは良い。
・シルド、パスカ、オブラ ウェアウルフ
『84話、ようこそ、俺達のアジトへ』より登場
ヴェルイン率いるサポート役。無臭の煙幕。毒、痺れ、めまい、昏睡効果がある調合薬を矢じりに塗り、弓で敵を状態異常化。逃走経路の確保。敵の弱点をいち早く見極め、ヴェルイン達に報告などなど。
サニーやアカシックの前では、根強い恐怖心を抱いていて醜態を晒していたものの、普通の戦闘では優秀な働きをする。(対アルビス戦の時は、為す術もなく物陰に隠れていた)
三人共腕力は弱く、直接的な攻撃は不向き。本気で逃げる時の脚力は、スピディ並かそれ以上に速い。
・ウンディーネ 水を司る大精霊
『94話、純麗なる戦乙女』より分身体で。『104話、お詫びの契約』で本体が登場。
『26話、色付いた沼地帯』でクロフライムを通し、アカシックに『最上級の水のマナの結晶体』を授けた、水を司る大精霊。
初登場時は『94話、純麗なる戦乙女』であるが、その時はまだアカシックと会う予定はなかった。出会ってしまった理由は、単なる不注意及び警戒不足のせい。
大精霊であるが、意外と気が抜けていておっちょこちょい。そのせいもあり、アカシックに二度も呆れられてしまう。戦闘時でも力加減を過り、アカシックを瀕死にまで追い込んだ。
アカシックが出会う前の生涯や、幼少期の頃に決めた決心、ピースの件などを全て把握しており。ピースを生き返らせる事が出来る、唯一の方法も知っている謎が多い人物。
しかし、本人なりにアカシックを全力でサポートしているつもりなので、敵ではないのは明らか。むしろ心強い味方とも言える?
『105話、脳筋を司る大精霊の妙案』の会話から推測するに、ウンディーネはほぼ本気を出していなかった模様。もし本気を出されていたら、アカシックは『奥の手』が発動する前に負けていたかもしれない。
水で出来た羽衣を着ていて、全身は艶めかしい紺碧色の肌。華奢な手には、荒波を一刀両断しそうな風貌がある、同じく紺碧色の三叉槍を持っている。
深紅色の瞳で、全ての罪を赦してくれそうな聖母を彷彿とさせる面立ち。髪色は、細い腰まで伸びている煌びやかな薄水色。
~名前だけ登場している人物~
・フローガンズ 氷の精霊
『21話、光が空に落ちていく泉』より、名前だけ登場。
凍原地帯に居ると言われている、氷の精霊。過去に、アカシックは十日間。アルビスは半日ほど戦闘経験があり。
・ベルラザ
『50話、酒に溺れる者』より、名前だけ登場
アルビスを匿ったとされる、破天荒な貴婦人。
・フォスグリア 無の大精霊 兼、時の大精霊
・シャドウ
・イフリート
・シルフ
・ノーム
・フラウ
『105話、脳筋を司る大精霊の妙案』より
ウンディーネの口から出た名前。口振りから察するに、たぶん各大精霊なのかもしれない。
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