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87話、一方的な殲滅
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『山よ。群がる黒に這われて鬱陶しいだろう? 私が手を貸してやるから、共に殲滅しないか?』
始まった、レディの語りだ。どんな原理かは、さっぱり分からねえけど……。あいつが名指しで対象物に語り続けると、その対象物が一瞬だけ光り、無尽蔵に魔法を放つ魔法陣と化しちまうんだ。
対象物は、自然界に有するほとんどのもんだ。山はもちろんのこと、大地、空、空気だろうとも関係ねえ。全部が全部、あいつの魔法陣になる。
語ってる姿は、神そのもの。だからあいつには『ファーストレディ』の他に、『無機物の代弁者』とか『大自然の処刑人』っつう別の二つ名が多々とある。ずりいな、いくつも二つ名があって。俺も欲しいぜ。
『おい、何をしてるんだ? さっさと馴染め。私をこれ以上待たせるな』
やっぱレディの奴、相当苛立ってんな。語りがめちゃくちゃ雑になってやがる。俺のアジトが魔法陣と化する前に、先にあいつの殺気が充満しそうだ。
脅されて焦ってでもしたのか、俺のアジト全体が一瞬だけ眩く光った。この山が魔法陣になった証だ。さてと、こんな近くで奥の手を拝むのは初めてだな。……つか、この魔法壁、ちゃんと耐え切ってくれるよな?
レディが放つ攻撃魔法は、どの属性だろうとも山一つが消し飛ぶ威力がある。奥の手を使ってるならなおさらだ。
死の恐怖が二つに増えた中。レディが氷の杖を持ち、杖先を天井に向けた。
『天井から産まれ落ちるは、隙間を愛し、温もりに焦がれる人懐っこい氷牢。お前を温めてくれる奴らは、ここに沢山居るぞ。さあ、伝染しながら舞い落ちてこい』
語りの内容からして、氷がこいつらを捕らえるんだろうけど。一瞬で決めるかと思いきや、随分とまどろっこしい方法を取ってきたな。
天井と言ってたので、氷が降り出すであろう上に視線を持ってく。が、視界に映った光景は、俺の予想を見事に打ち砕いてくれた。
天井を這ってた奴らが、一匹も残らず透明な氷に囚われてやがる。足や胴体が微妙に動いてるけど、完全に囚われてる訳でもねえらしい。僅かな隙間がありそうだ。
新たに出来た氷の天井を眺めてると、そこからなんの変哲もない雪が降り始めてきた。まるで氷の粒みたいに荒い雪だ。松明の明かりが移ってて、なんとも怪しく煌めいてる。
が、本能が語ってる、この雪はやべえと。実際、地面を這ってる奴らに雪が当たると途端に、そいつらは瞬く間に凍りつき、氷の牢獄に囚われちまった。
そして、そこからは早かった。降り注ぐ雪はどんどん数を増し、蠢いてた黒は一分も掛からず、全員氷の牢獄行きとなった。
最初に捕らえられた天井の奴らは、依然としてもがいてる。レディは未だに氷の杖を持ってるけど、今度は何をするつもりだ?
『私の感情を代弁するは、血を嫌う潔癖症の氷斬。安心しろ、山よ。狙いを定めやすいよう、動きを封じておいた。さあ、気が済むまで斬り刻んでしまえ』
命令紛いな語りを終え、氷の杖を縦に振り上げるレディ。それが合図だったのか。床の氷に一本の亀裂が入ったかと思えば、ほぼ同時に天井にも同じ様な亀裂が走った。
いや……。よく見てみると、亀裂じゃねえな。綺麗な直線を描いてるから、切断した跡に近い。それに、その切断跡が乱雑に増えていってる。
不可視の何かが飛んでるのか? レディの語りからして氷の刃なんだろうけど、俺の目でも視認ができねえ。とんでもねえ速度―――。
「うおっ!?」
客観的に眺めてたら、俺の間近にある魔法陣から何かをぶっ叩いた様な衝撃の後に、硝子が割れたような甲高い音を立たせた。
それは秒で不可視の何かに切り刻まれちまったが、鎌みたいな形をしてる氷だったな。そんなのが、俺のアジト内を縦横無尽に飛び回り、氷に囚われた蜘蛛共を斬り刻んでるのか……。
けれども、いくら氷の牢がズタズタになろうとも、体液がまったく飛び散ってねえ。おかしいと思い、すぐ近くに居る細切れの蜘蛛を確認してみた。
「げっ……。斬られた断面が凍りついてるし、まだ生きてやがる……」
斬られた事すら気付いてねえようで。体がバラバラにされてもなお、足を健気に動かしてやがる。分かれた胴体の断面は氷に覆われてて、見たくもねえ体の仕組みが窺えちまった。
なるほど、『血を嫌う潔癖症の氷斬』か。斬った瞬間に断面を凍らせてんだな。だから、致命傷を食らっても生きてられるって訳か。ぜってえ食らいたくねえ……。
体を寒さとは違う悪寒で身震いさせてから、顔を前に戻す。飛んでる氷斬は、百以上を超えてるのか。アジト内を囲んでた氷は、全てが細切れ状態になってた。
「地獄絵図ってのは、まさにこの事だな」
他人事のように呟いちまったけど。俺もさっきは、黒い地獄絵図に飲み込まれ掛けてたんだった。遅れてやってきた恐怖のせいで、体がもう一度震えた。
レディはというと。周りの様子の確かめる様に、いつもの無表情で辺りを見渡してる。氷の牢獄が全て剥がれ、地面に氷粒の山が出来始めた頃。
氷の杖を離したレディが、今度は風の杖を握り、地面に杖先をかざした。
『地面。いや、完璧主義の烈風よ。運びやすいよう、邪を極めた憎き者共は塵芥にしておいた。氷の一粒も残さず、太陽の元に帰してやれ』
予想を建てるには容易な指示を出した直後。松明と焚き火の明かりが一斉に消え失せ、目の前が漆黒色に染まった。やっぱり風を巻き起こしたな。
完全なる闇から聞こえてくるのは、魂すら吹き飛ばしちまいそうな暴力的な風の音。風っていうよりも、断末魔にちけえ。欠片になった蜘蛛の命乞いも暴風に乗ってそうだ。
風の向きは右回転らしく。時折、薄汚い氷の粒が魔法壁にへばりついては、右に流れて漆黒の闇に飲まれていく。
この風も攻撃と判定されてるのか、宝物部屋内には入って来ないようだ。
約三十秒。鼓膜が破れそうな風切り音を静かに聞いてると、だんだんと収まっていき、少しずつ聞こえなくなっていった。
完全に音が止み、代わりに音が恋しくなるような静寂を耳にしてると、目の前の闇が途端に色付き、明るくなった。
すぐに状況を確認してみると、そこには極々平和的で、最初から蜘蛛なんて居なかった様な雰囲気を醸し出してる俺のアジトがあった。
そして中央には、火の杖を持ってるレディの姿。あいつが火の魔法で再点火してくれたようだが、松明やらは全部吹き飛んでんな。炎だけが壁に張り付いてやがる。
そのレディが、出入口に向かって歩き出した。
「レディ、どこに行くつもりだ?」
「さっき言っただろ? 根絶やしにすると」
まさかあいつ、外に逃げ出した奴らも駆逐するつもりでいるな? レディが遠くまで行ったら、奴らがここへ戻って来る可能性もある。後を追うべきか?
「……ヴェルイン、終わった?」
「あ? ああ、カッシェか」
ようやくレディの恐怖に慣れてきた顔を左側に向けると、目線の先には四つん這いになってるカッシェが居た。
まだレディの殺気に怯えてるようで。前足は小刻みに震えてて、耳が後ろにペタンと倒れてる。こいつも俺並に神経が図太いはずなんだがな。やっぱこええもんはこええか。
「うわっ……、蜘蛛が一匹も居なくなってる」
「すげえよな、レディの魔法は。つか、サニーちゃんはどうした?」
「スピディとアタシで必死になってあやしてたんだけど、今は寝ちゃってるわ」
「そうか。サニーちゃんってば、飯を食った後はよく寝てるかんなあ。よし、じゃあ行くぞ」
重い腰がやっと動かせるようになった俺は、立ち上がれた体を伸ばす。そのまま歩き出すも、背後から「ちょっと待って!」とカッシェの焦る声が聞こえてきた。
「なんだ?」
「行くって、どこへよ?」
「レディの後を付いてくんだよ。ここに居るよりかは安全だろ」
「……確かに、そうね。でも、ちょっと待ってて。シルド達が気絶してるから起こしてこないと」
「気絶ぅ? いつからしてたんだよ?」
「アカシックさんが怒り出した直後よ」
「ああ、なるほど……」
流石にあいつらには、レディの殺気に耐えられなかったか。宝物部屋に戻って奥を見てみると、口から泡を噴き出してぶっ倒れる三人が、イージとスピディに体を揺すられてる。
これだと当分起きねえだろうし、レディ嫌いが加速しちまうな。地獄絵図の中にある平和な間抜け面を拝んだ俺は、ため息を吐き出しつつ、シルド達の元へ向かっていった。
始まった、レディの語りだ。どんな原理かは、さっぱり分からねえけど……。あいつが名指しで対象物に語り続けると、その対象物が一瞬だけ光り、無尽蔵に魔法を放つ魔法陣と化しちまうんだ。
対象物は、自然界に有するほとんどのもんだ。山はもちろんのこと、大地、空、空気だろうとも関係ねえ。全部が全部、あいつの魔法陣になる。
語ってる姿は、神そのもの。だからあいつには『ファーストレディ』の他に、『無機物の代弁者』とか『大自然の処刑人』っつう別の二つ名が多々とある。ずりいな、いくつも二つ名があって。俺も欲しいぜ。
『おい、何をしてるんだ? さっさと馴染め。私をこれ以上待たせるな』
やっぱレディの奴、相当苛立ってんな。語りがめちゃくちゃ雑になってやがる。俺のアジトが魔法陣と化する前に、先にあいつの殺気が充満しそうだ。
脅されて焦ってでもしたのか、俺のアジト全体が一瞬だけ眩く光った。この山が魔法陣になった証だ。さてと、こんな近くで奥の手を拝むのは初めてだな。……つか、この魔法壁、ちゃんと耐え切ってくれるよな?
レディが放つ攻撃魔法は、どの属性だろうとも山一つが消し飛ぶ威力がある。奥の手を使ってるならなおさらだ。
死の恐怖が二つに増えた中。レディが氷の杖を持ち、杖先を天井に向けた。
『天井から産まれ落ちるは、隙間を愛し、温もりに焦がれる人懐っこい氷牢。お前を温めてくれる奴らは、ここに沢山居るぞ。さあ、伝染しながら舞い落ちてこい』
語りの内容からして、氷がこいつらを捕らえるんだろうけど。一瞬で決めるかと思いきや、随分とまどろっこしい方法を取ってきたな。
天井と言ってたので、氷が降り出すであろう上に視線を持ってく。が、視界に映った光景は、俺の予想を見事に打ち砕いてくれた。
天井を這ってた奴らが、一匹も残らず透明な氷に囚われてやがる。足や胴体が微妙に動いてるけど、完全に囚われてる訳でもねえらしい。僅かな隙間がありそうだ。
新たに出来た氷の天井を眺めてると、そこからなんの変哲もない雪が降り始めてきた。まるで氷の粒みたいに荒い雪だ。松明の明かりが移ってて、なんとも怪しく煌めいてる。
が、本能が語ってる、この雪はやべえと。実際、地面を這ってる奴らに雪が当たると途端に、そいつらは瞬く間に凍りつき、氷の牢獄に囚われちまった。
そして、そこからは早かった。降り注ぐ雪はどんどん数を増し、蠢いてた黒は一分も掛からず、全員氷の牢獄行きとなった。
最初に捕らえられた天井の奴らは、依然としてもがいてる。レディは未だに氷の杖を持ってるけど、今度は何をするつもりだ?
『私の感情を代弁するは、血を嫌う潔癖症の氷斬。安心しろ、山よ。狙いを定めやすいよう、動きを封じておいた。さあ、気が済むまで斬り刻んでしまえ』
命令紛いな語りを終え、氷の杖を縦に振り上げるレディ。それが合図だったのか。床の氷に一本の亀裂が入ったかと思えば、ほぼ同時に天井にも同じ様な亀裂が走った。
いや……。よく見てみると、亀裂じゃねえな。綺麗な直線を描いてるから、切断した跡に近い。それに、その切断跡が乱雑に増えていってる。
不可視の何かが飛んでるのか? レディの語りからして氷の刃なんだろうけど、俺の目でも視認ができねえ。とんでもねえ速度―――。
「うおっ!?」
客観的に眺めてたら、俺の間近にある魔法陣から何かをぶっ叩いた様な衝撃の後に、硝子が割れたような甲高い音を立たせた。
それは秒で不可視の何かに切り刻まれちまったが、鎌みたいな形をしてる氷だったな。そんなのが、俺のアジト内を縦横無尽に飛び回り、氷に囚われた蜘蛛共を斬り刻んでるのか……。
けれども、いくら氷の牢がズタズタになろうとも、体液がまったく飛び散ってねえ。おかしいと思い、すぐ近くに居る細切れの蜘蛛を確認してみた。
「げっ……。斬られた断面が凍りついてるし、まだ生きてやがる……」
斬られた事すら気付いてねえようで。体がバラバラにされてもなお、足を健気に動かしてやがる。分かれた胴体の断面は氷に覆われてて、見たくもねえ体の仕組みが窺えちまった。
なるほど、『血を嫌う潔癖症の氷斬』か。斬った瞬間に断面を凍らせてんだな。だから、致命傷を食らっても生きてられるって訳か。ぜってえ食らいたくねえ……。
体を寒さとは違う悪寒で身震いさせてから、顔を前に戻す。飛んでる氷斬は、百以上を超えてるのか。アジト内を囲んでた氷は、全てが細切れ状態になってた。
「地獄絵図ってのは、まさにこの事だな」
他人事のように呟いちまったけど。俺もさっきは、黒い地獄絵図に飲み込まれ掛けてたんだった。遅れてやってきた恐怖のせいで、体がもう一度震えた。
レディはというと。周りの様子の確かめる様に、いつもの無表情で辺りを見渡してる。氷の牢獄が全て剥がれ、地面に氷粒の山が出来始めた頃。
氷の杖を離したレディが、今度は風の杖を握り、地面に杖先をかざした。
『地面。いや、完璧主義の烈風よ。運びやすいよう、邪を極めた憎き者共は塵芥にしておいた。氷の一粒も残さず、太陽の元に帰してやれ』
予想を建てるには容易な指示を出した直後。松明と焚き火の明かりが一斉に消え失せ、目の前が漆黒色に染まった。やっぱり風を巻き起こしたな。
完全なる闇から聞こえてくるのは、魂すら吹き飛ばしちまいそうな暴力的な風の音。風っていうよりも、断末魔にちけえ。欠片になった蜘蛛の命乞いも暴風に乗ってそうだ。
風の向きは右回転らしく。時折、薄汚い氷の粒が魔法壁にへばりついては、右に流れて漆黒の闇に飲まれていく。
この風も攻撃と判定されてるのか、宝物部屋内には入って来ないようだ。
約三十秒。鼓膜が破れそうな風切り音を静かに聞いてると、だんだんと収まっていき、少しずつ聞こえなくなっていった。
完全に音が止み、代わりに音が恋しくなるような静寂を耳にしてると、目の前の闇が途端に色付き、明るくなった。
すぐに状況を確認してみると、そこには極々平和的で、最初から蜘蛛なんて居なかった様な雰囲気を醸し出してる俺のアジトがあった。
そして中央には、火の杖を持ってるレディの姿。あいつが火の魔法で再点火してくれたようだが、松明やらは全部吹き飛んでんな。炎だけが壁に張り付いてやがる。
そのレディが、出入口に向かって歩き出した。
「レディ、どこに行くつもりだ?」
「さっき言っただろ? 根絶やしにすると」
まさかあいつ、外に逃げ出した奴らも駆逐するつもりでいるな? レディが遠くまで行ったら、奴らがここへ戻って来る可能性もある。後を追うべきか?
「……ヴェルイン、終わった?」
「あ? ああ、カッシェか」
ようやくレディの恐怖に慣れてきた顔を左側に向けると、目線の先には四つん這いになってるカッシェが居た。
まだレディの殺気に怯えてるようで。前足は小刻みに震えてて、耳が後ろにペタンと倒れてる。こいつも俺並に神経が図太いはずなんだがな。やっぱこええもんはこええか。
「うわっ……、蜘蛛が一匹も居なくなってる」
「すげえよな、レディの魔法は。つか、サニーちゃんはどうした?」
「スピディとアタシで必死になってあやしてたんだけど、今は寝ちゃってるわ」
「そうか。サニーちゃんってば、飯を食った後はよく寝てるかんなあ。よし、じゃあ行くぞ」
重い腰がやっと動かせるようになった俺は、立ち上がれた体を伸ばす。そのまま歩き出すも、背後から「ちょっと待って!」とカッシェの焦る声が聞こえてきた。
「なんだ?」
「行くって、どこへよ?」
「レディの後を付いてくんだよ。ここに居るよりかは安全だろ」
「……確かに、そうね。でも、ちょっと待ってて。シルド達が気絶してるから起こしてこないと」
「気絶ぅ? いつからしてたんだよ?」
「アカシックさんが怒り出した直後よ」
「ああ、なるほど……」
流石にあいつらには、レディの殺気に耐えられなかったか。宝物部屋に戻って奥を見てみると、口から泡を噴き出してぶっ倒れる三人が、イージとスピディに体を揺すられてる。
これだと当分起きねえだろうし、レディ嫌いが加速しちまうな。地獄絵図の中にある平和な間抜け面を拝んだ俺は、ため息を吐き出しつつ、シルド達の元へ向かっていった。
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