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85話、招かざる者
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なんとも腰が引けた威嚇を放ってたシルド、パスカ、オブラが、ようやくサニーちゃんと打ち解けて、軽い自己紹介をしたものの。
サニーちゃんが危険じゃないと分かった途端、あいつらも子供の様にはしゃぎ出しちまった。サニーちゃんを高い高いしたり。スピディとシルドが、交代で肩車をしてあげたり。
イージが自慢の腕っぷしでサニーちゃんの両手を掴み、その場でグルングルンぶん回したりと。ヒヤヒヤした場面もあったが、全員笑顔で楽しんでやがる。
まあここ最近、刺激的な出来事が一切無かったしな。もうだいぶ昔の事だけども、全員でアルビスと戦ってた頃が懐かしいぜ。
あれこそ文字通り、命を懸けた戦いだった。当たれば一瞬で骨まで蒸発しちまう、灼熱のブレス。どこから飛んで来るのか、何をされるのか分からない魔法の数々。
腕を振り下ろせば山が裂け。足で大地を蹴れば波を打ち。翼をはためかせれば、森が飛び。咆哮を上げれば空が歪む。アルビスの行動一つ一つが、天地を破壊する攻撃に繋がってくんだ。
今思うと……。よくあんな奴と戦って生き残ったよなあ、俺達。最終的に、二日目にして全員体力と気力の限界が来て、俺が左目に爪の斬撃を受けて降参。
そのまま俺達の強さを買われ、アルビスを守護するべく山岳地帯の守護者になった。つっても、迫害の地に居る奴らは、アルビスの強さを充分に理解してる。
なのでアルビスに立ち向かおうとする輩は、優劣を知らない新参者ぐらいしかいなかった。最後に来た奴と言えば、骨を探してる内に迷い込んで来たファートぐらいだ。
だからこそ、頂上でアルビスが住んでるこの山にあるアジトは、比較的安全なんだ。あいつが居るってだけで、とんでもなく強力な抑止力になるからな。
よし、あいつらも落ち着いてきた事だし。そろそろサニーちゃんに、俺達の絵をいっぱい描いてもらおうかな。
「ヴェルインさん、こことかどうですか?」
「ほーう、玉座か。いいねえ、ここにするか」
サニーちゃんが提案してきたのは、アジトの奥にある、蒼白岩石の壁を荒く削って作った玉座。暇を極めてる時に作った物なので、ほとんど使用してない。
が、見栄えはそれなりにいい。玉座の左右にある松明。その松明の上には、狼の影が描かれた旗を設置してあり。間に挟まれて、昔サニーちゃんに描いてもらった絵が飾られてる。
「じゃあ、じゃあ! ヴェルインさん。足を組みながら座って、右の肘を出っ張った部分に置いて、その手に顔を置いてくださいっ」
「ずいぶん細かい恰好の指示だな。こうかい?」
言われた通りの恰好をすると、サニーちゃんは満足気に頷いてくれた。
「はいっ! カッシェさんは、左の出っ張った部分に寄りかかって、腕を組んでこっちを見ててくださいっ」
「はいはーい」
「スピディさんも腕を組みながら、椅子の右側に立っててくださいっ」
「右は~、こっちっすね。了解っす」
指を差して右側を確認したスピディが、俺のすぐそばに立つ。前にレディと、背中を預けながら描かれた時もそうだったが……。サニーちゃんってば、腕を組んでる構図が好きなんだな。
残りの奴らも指示に従い、俺達の前に並んでく。玉座は階段の五段上にあるので、イージ、シルド、パスカ、オブラは立ったままで、やはり腕を組まされた。
待てよ? 俺以外、全員腕を組んでるじゃねえか。なんだか俺も組みたくなってきたぞ。
「うわぁ~っ、思った通りだ! すごくカッコいいっ!」
「あっははは。サニーちゃん、嬉しそうっすねえ」
「うんっ! これならいい絵が描けそうです」
「楽しみにしてるぜえ。自分がやりたいようにゆっくりと描きな」
「はーいっ! ありがとう、ヴェルインさんっ」
弾けた笑顔でお礼を言ってきたサニーちゃんが、一歩、二歩と下がってく。
絵を描くのに絶好の場所を見つけたようで、その場にペタンと座り、持ってた布袋を漁り出した。
「親分。ここから何十分ぐらい掛かるんすかね?」
「あ~……。一人描くのに、大体三、四十分ぐらいだから~。二、三時間以上は見といた方がいいな」
「やっぱり、それなりに長いっすねえ。……ん?」
「どうしたスピディ?」
「ヴェルイン、入口」
「入口?」
スピディに聞いたのに対し、やたらと不機嫌になってるカッシェが答えてきた。表情は見てないものの、殺気が混じった声色で分かる。カッシェめ、なんで臨戦態勢に入ってやがんだ?
ずっとサニーちゃんを捉えてた視界を、左斜めに移す。入口手前に、違和感のある黒い点を見つけた。俺達がここへ来た時には無かったはずだ。
なんだ、あの黒い点は? カサカサ動いてるようだが、どうやら生き物っぽいな。
目をよく凝らし、正体を探ってみる。目を細めていく度に、黒い点の輪郭が浮かび上がっていた。側面に足がある。数にして八本。つーことは……。
「……魔物か。見た目からして蜘蛛っぽいな。ここら辺じゃ見ねえ奴だが、新参者か?」
「おそらくね。どうする? 向こうはアタシ達の存在に気付いてるみたいよ。それに、ちょっとずつ近づいて来てるわね」
「どうするも何も。サニーちゃんに悟られずに殺るしかねえだろ」
「なら、俺っちの出番っすね」
『悟られずに』という先の言葉で、自分が適任だと言わんばかりに名乗り出るスピディ。こいつは察しも良くて助かるぜ。一言二言説明する手間が省けた。
「だな。もう少しであいつが、お前の瞬足が届く距離に入る。入った瞬間、一秒以内にあいつの前まで飛び、入口の外へ蹴り飛ばす事は出来るか?」
「俺っちも同じ事を考えたっす。タイミングは入った瞬間でいいっすよね?」
「ああ。今回はお前の名前を言わねえから、全部任せるぞ」
「了解っす」
スピディの武器は、大岩をも粉砕する強靭な脚力。蹴る力だけなら、状況次第によっちゃあ俺の力に勝る時もある。
力の強弱をつければ、鞭よりもしなやかで、深く刺された様な痛みを伴う打撃。逆に剣よりも鋭く、骨を真っ二つに裂く斬撃にもなりうる。
過去にお願いして、スピディの本気の蹴りを背中に食らった事があるけども……。灼熱の炎に炙られた様な痛みが、三日三晩背中にこびり付いてたっけなあ。
呼吸をする度に痛かったし、あの時は一睡も出来なかったな。もう二度と食らいたくねえ。
魔物と俺達の距離、おおよそ二十五m。スピディの瞬足が一歩で届く距離は、大体十五m前後。魔物が距離を詰めてくる度に、隣に立ってるスピディの姿勢が、ゆっくりと沈んでいく。
魔物が、中央にある焚き火まで忍び寄って来た。サニーちゃんとの距離も狭まってきたな。が、あいつがどう足掻こうとも、先にスピディの瞬足が届く。
……待てよ? その前に、サニーちゃんの魔法壁が発動しちまうんじゃねえか? まずい、発動したらレディが召喚されちまう! 何を言われるか分かんねえし、急いで作戦を変更―――。
「ん? また入口に何か……、ゲッ!? ヴェルイン、まずいわ!」
「あ? 今度はなんだ―――」
カッシェの荒いだ声に、蜘蛛の魔物を捉え続けていた視界を、入口に持っていった直後。俺の視野が限界まで見開いていった。
「おいおい、嘘だろ……!?」
視界の先には、入口からなだれ込んで来てる蠢いた黒の波。その波は全部、先に入ってきた蜘蛛と同じ奴らだった。
サニーちゃんが危険じゃないと分かった途端、あいつらも子供の様にはしゃぎ出しちまった。サニーちゃんを高い高いしたり。スピディとシルドが、交代で肩車をしてあげたり。
イージが自慢の腕っぷしでサニーちゃんの両手を掴み、その場でグルングルンぶん回したりと。ヒヤヒヤした場面もあったが、全員笑顔で楽しんでやがる。
まあここ最近、刺激的な出来事が一切無かったしな。もうだいぶ昔の事だけども、全員でアルビスと戦ってた頃が懐かしいぜ。
あれこそ文字通り、命を懸けた戦いだった。当たれば一瞬で骨まで蒸発しちまう、灼熱のブレス。どこから飛んで来るのか、何をされるのか分からない魔法の数々。
腕を振り下ろせば山が裂け。足で大地を蹴れば波を打ち。翼をはためかせれば、森が飛び。咆哮を上げれば空が歪む。アルビスの行動一つ一つが、天地を破壊する攻撃に繋がってくんだ。
今思うと……。よくあんな奴と戦って生き残ったよなあ、俺達。最終的に、二日目にして全員体力と気力の限界が来て、俺が左目に爪の斬撃を受けて降参。
そのまま俺達の強さを買われ、アルビスを守護するべく山岳地帯の守護者になった。つっても、迫害の地に居る奴らは、アルビスの強さを充分に理解してる。
なのでアルビスに立ち向かおうとする輩は、優劣を知らない新参者ぐらいしかいなかった。最後に来た奴と言えば、骨を探してる内に迷い込んで来たファートぐらいだ。
だからこそ、頂上でアルビスが住んでるこの山にあるアジトは、比較的安全なんだ。あいつが居るってだけで、とんでもなく強力な抑止力になるからな。
よし、あいつらも落ち着いてきた事だし。そろそろサニーちゃんに、俺達の絵をいっぱい描いてもらおうかな。
「ヴェルインさん、こことかどうですか?」
「ほーう、玉座か。いいねえ、ここにするか」
サニーちゃんが提案してきたのは、アジトの奥にある、蒼白岩石の壁を荒く削って作った玉座。暇を極めてる時に作った物なので、ほとんど使用してない。
が、見栄えはそれなりにいい。玉座の左右にある松明。その松明の上には、狼の影が描かれた旗を設置してあり。間に挟まれて、昔サニーちゃんに描いてもらった絵が飾られてる。
「じゃあ、じゃあ! ヴェルインさん。足を組みながら座って、右の肘を出っ張った部分に置いて、その手に顔を置いてくださいっ」
「ずいぶん細かい恰好の指示だな。こうかい?」
言われた通りの恰好をすると、サニーちゃんは満足気に頷いてくれた。
「はいっ! カッシェさんは、左の出っ張った部分に寄りかかって、腕を組んでこっちを見ててくださいっ」
「はいはーい」
「スピディさんも腕を組みながら、椅子の右側に立っててくださいっ」
「右は~、こっちっすね。了解っす」
指を差して右側を確認したスピディが、俺のすぐそばに立つ。前にレディと、背中を預けながら描かれた時もそうだったが……。サニーちゃんってば、腕を組んでる構図が好きなんだな。
残りの奴らも指示に従い、俺達の前に並んでく。玉座は階段の五段上にあるので、イージ、シルド、パスカ、オブラは立ったままで、やはり腕を組まされた。
待てよ? 俺以外、全員腕を組んでるじゃねえか。なんだか俺も組みたくなってきたぞ。
「うわぁ~っ、思った通りだ! すごくカッコいいっ!」
「あっははは。サニーちゃん、嬉しそうっすねえ」
「うんっ! これならいい絵が描けそうです」
「楽しみにしてるぜえ。自分がやりたいようにゆっくりと描きな」
「はーいっ! ありがとう、ヴェルインさんっ」
弾けた笑顔でお礼を言ってきたサニーちゃんが、一歩、二歩と下がってく。
絵を描くのに絶好の場所を見つけたようで、その場にペタンと座り、持ってた布袋を漁り出した。
「親分。ここから何十分ぐらい掛かるんすかね?」
「あ~……。一人描くのに、大体三、四十分ぐらいだから~。二、三時間以上は見といた方がいいな」
「やっぱり、それなりに長いっすねえ。……ん?」
「どうしたスピディ?」
「ヴェルイン、入口」
「入口?」
スピディに聞いたのに対し、やたらと不機嫌になってるカッシェが答えてきた。表情は見てないものの、殺気が混じった声色で分かる。カッシェめ、なんで臨戦態勢に入ってやがんだ?
ずっとサニーちゃんを捉えてた視界を、左斜めに移す。入口手前に、違和感のある黒い点を見つけた。俺達がここへ来た時には無かったはずだ。
なんだ、あの黒い点は? カサカサ動いてるようだが、どうやら生き物っぽいな。
目をよく凝らし、正体を探ってみる。目を細めていく度に、黒い点の輪郭が浮かび上がっていた。側面に足がある。数にして八本。つーことは……。
「……魔物か。見た目からして蜘蛛っぽいな。ここら辺じゃ見ねえ奴だが、新参者か?」
「おそらくね。どうする? 向こうはアタシ達の存在に気付いてるみたいよ。それに、ちょっとずつ近づいて来てるわね」
「どうするも何も。サニーちゃんに悟られずに殺るしかねえだろ」
「なら、俺っちの出番っすね」
『悟られずに』という先の言葉で、自分が適任だと言わんばかりに名乗り出るスピディ。こいつは察しも良くて助かるぜ。一言二言説明する手間が省けた。
「だな。もう少しであいつが、お前の瞬足が届く距離に入る。入った瞬間、一秒以内にあいつの前まで飛び、入口の外へ蹴り飛ばす事は出来るか?」
「俺っちも同じ事を考えたっす。タイミングは入った瞬間でいいっすよね?」
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呼吸をする度に痛かったし、あの時は一睡も出来なかったな。もう二度と食らいたくねえ。
魔物と俺達の距離、おおよそ二十五m。スピディの瞬足が一歩で届く距離は、大体十五m前後。魔物が距離を詰めてくる度に、隣に立ってるスピディの姿勢が、ゆっくりと沈んでいく。
魔物が、中央にある焚き火まで忍び寄って来た。サニーちゃんとの距離も狭まってきたな。が、あいつがどう足掻こうとも、先にスピディの瞬足が届く。
……待てよ? その前に、サニーちゃんの魔法壁が発動しちまうんじゃねえか? まずい、発動したらレディが召喚されちまう! 何を言われるか分かんねえし、急いで作戦を変更―――。
「ん? また入口に何か……、ゲッ!? ヴェルイン、まずいわ!」
「あ? 今度はなんだ―――」
カッシェの荒いだ声に、蜘蛛の魔物を捉え続けていた視界を、入口に持っていった直後。俺の視野が限界まで見開いていった。
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