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83話、魔女不在の遠出
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「サニーちゃん、揺れは大丈夫かい?」
「うん、大丈夫だよ!」
「そうかい。なら、もっと飛ばすぜ!」
サニーちゃんを背中に乗せて全速力で走るのは、これが初めてになるが。難なく俺を乗りこなせてるみたいだな。小っちゃい頃から、背中に乗せて遊ばせた甲斐があったぜ。
「ヴェルインさー。来る時も思ってたんだけど、ここはいつから花畑地帯になったんだい? 元々は沼地帯だったでしょ?」
俺と並走しているカッシェが言う。そういやこいつが初めて来た時は、ぬかるみが絶えないちゃんとした沼地帯だったな。
「ああ、周りにゴーレムがいんだろ? あいつらが無尽蔵に花を植えて、花畑地帯に変えちまったらしいぜ」
「へぇ~、すごいねえ。沼地帯が全部こうなっちゃってるわけ?」
「いや、全部じゃねえな。前にレディから聞いたんだが、半分以上は花で埋まってるらしいぜ」
「それでも大したもんじゃないの。お陰で地面が乾いてるし固いから、走りやすくて助かるわ」
確かに。昔はまともに走れる地面が少なかったから、足を汚さずレディの家へ行くだけでも苦労したもんだ。今は水たまりすらねえもんな。
まるで普通の草原を走ってるかのように、すんなりと前へ進める。ゴーレム様様だぜ。そこから会話も無くなり、ちょっとした森の中に入ってく。
ここら辺もどこを見渡してみても、必ずと言っていいほど花が視界に入ってくる。というか、もうとっくの昔に山岳地帯まで繋がってるんだがな。
この花は、一種の魔除けみたいな効果がある。けど、花自体は普通の物だ。ただ柔らかな良い匂いを発してる、なんの変哲もない花。
辺り一帯を咲き乱れる花は、言わば目印。ここは俺達の縄張りだと伝える、植物を使ったゴーレムの警告みたいなもんだ。
知性のねえ魔物には、純白の警告色。知性がある魔物は、触らぬ神に祟りなしと言わんばかりに近寄らず。ただの肉食獣には、恐れの対象にまでなってやがる。
それ程までに、ゴーレムと戦うのは面倒臭えんだ。あいつらの弱点は体のどこかに埋め込まれてる、魔力が蓄えられた核のみ。まずあいつらを倒す場合、それを探す事から始めなけりゃあならねえ。
端から核のある場所が分かってたとしても、それを覆ってる体は鋼鉄の如く硬え。それに、あいつらは群れる習性がある。なので一体だけ相手をしてても、気が付けば囲まれてる事もしばしば。
空を飛べる奴じゃなければ、逃げ場がない絶望的な状況になる。目も当てられねえ。
けれども花さえ傷付けなければ、非常に温厚で良い奴らだ。向こうから襲ってくる事はまず無い。
「この森、初めて入るや。綺麗な場所だなあ」
「なんだ。家からそう離れてねえのに、入った事がなかったのかい?」
「うん。いつもはお母さんの箒に乗ってるから、飛び越えて行っちゃうんだ」
「なるほどね、空を飛べる奴は羨ましいぜ」
おまけにレディの飛ぶ速度は、とんでもなく速え。俺が全速力で走ったとしても、アジトに着くのは約一時間掛かる。
しかし、レディは十分も掛からずに着いちまうらしい。チクショウ、本当に羨ましい。
「サニーちゃん。空から見える景色って、一体どんな感じなんだい?」
「えっとね。大体二色しかないよ」
「大体二色?」
「うん。一色は空でしょ? あとは、お花畑だったら白色。砂漠だったら茶色。樹海だったら緑色。海だったら青! あっ、湿地っていう所だったら、暗い色がいっぱいあったかも」
「はあ~。空からだと、そういう風に見えるのか」
空から見える景色っつうのは、壮大だとばかり思ってたが。サニーちゃんの言い分だと、代わり映えしなくてつまらなそうだな。
地面からだと、目まぐるしい変化があるってのになあ。木の天井から差し込んでくる、糸のように細い木漏れ日。平和そうにさえずってる、美味そうな鳥の鳴き声。
目が痛くなるキッツイ色をしてる、大小様々な彩り豊富な花。昔はおどろおどろしく濁ってたけど、今や透明度がアホみたいに高く、そのまま飲んでも平気な湧き水。
そして、かつての沼地帯の面影を全て塗り替えちまった、純白の花々。澄んだそよ風に吹かれ、木漏れ日に照らされてる様がよく似合ってるぜ。
こーんな平和に満ち溢れた景色が全部、空からだと見えないなんてな。勿体ねえ気がする。まあ、それも今だからこそ言えた事だが。
昔の沼地帯だと、レディの家に行くだけで何回も魔物と戦闘してたしなあ。やっぱ何事も無く気楽に走れるってのは、いいもんだわ。眠気すら覚えるぜ。
「魔物の気配がまったくないわね。美味しそうな実もそこら中に群生してるし、たまに来ちゃおっかな」
「いいんじゃねえの? 『スピディ』と一緒に来て、食料の調達を頼むわ」
「了解、後で話しておくわね」
「カッシェさん、またお家に来てくれるの?」
「ん?」
食料調達を、遊びに来ると聞き間違えでもしたのか。俺の背中から、ちょっと弾んでるサニーちゃんの声が聞こえてきた。
「なに、来てほしいの? でも、アタシが行ったってつまんないよ?」
「ううん、つまんなくないよ。だって、お母さんが楽しそうにカッシェさんとお話ししてたもん」
「アカシックさんが?」
「うんっ、すごく楽しそうにしてたよ。だからもっといっぱい来て、お母さんとお話ししてほしいな」
「ふ~ん。あのアカシックさんが、楽しそうにねえ。……そうなの?」
一度は納得するも、普段のレディを知らねえカッシェが、今度は俺に質問をしてきた。確かに、普段と様子が違かったな。
よくよく思うと、サニーちゃん以外の女と喋ってる姿を初めて見たな。俺、アルビス、たぶんクロフライムも男だろ? カッシェとレディ、種族は違えど性別は一緒だ。
もしかしたら、久々に歳の近い同性と喋れて楽しかった可能性もある。……待てよ? レディって、三十年以上前から容姿がまったく変わってねえけど、あいつは一体何歳だ? 気になってきたし、後で聞いてみるか。
「たぶんな。サニーちゃんの言う通り、たまに行ってみたらどうだ? レディも喜ぶと思うぜ」
「アカシックさんが喜んでくれるなら、別に構わないけども。そういやアカシックさんって、料理が上手いらしいじゃない。アタシも習おうかしら?」
「おう、是非そうしてくれ。何か道具が必要になったら、俺が買いに行ってきてやんよ」
「なんだかやたらと自発的ね。まあいいわ。明日にでも、アカシックさんに頼んでみるわね」
よしよし。カッシェが料理を覚えれば、アジトに居る奴らも喜ぶだろう。レディを怖がって近寄れない奴らが可哀想だったしな。
まあ、昔のレディを知ってたら無理もねえか。日々連日、ことごとく地形を変え、山を吹き飛ばす戦いをアルビスと繰り広げてたからな。
アジトの前にも、白岩が目立つ山々が佇んでたものの。レディの『奥の手』とアルビスの大魔法により、五十以上の山が蒸発し、遠方まで真っ平らな平地と化してる。
少し進むと、その過去の凄惨たる被害者が、木々の切れ目から姿を現した。既に見慣れてる光景なので、構わず右側にある緩やかな坂道を上り、アジトを目指す。
「うわぁ~っ、ここだけ山がまったくないや」
が、サニーちゃんには珍しい光景だったようで。左側にある、とんでもねえ広さの平地を認めたのか、驚いたような感想を漏らした。
「草がそれなりに茂ってるから、草原みたいでしょ? 雨が大量に降ったら湖みたいになるのよ」
「湖? なんで?」
「中央に向かってくぼんでってるから、雨水が全部そこに溜まってくのよ。逃げ場がないし、しばらくはそのままの状態になるわ」
そう。だから水浴びをしたり、川まで行くのが億劫な時に、飲み水として重宝してる。おまけに、どっから湧いてきてんのかは知らねえが、稀に魚も泳いでんだ。
「へぇ~、見てみたいな」
「それじゃあ、雨がたくさん降った次の日にでも……、ん?」
「どうしたカッシェ?」
不思議に思った俺がカッシェに聞いてみるも、当方人は走りながら一点を見据えたまま。
「なんか今、山が動いたような気がしてさ」
「山がぁ?」
「うん。巨大で真っ黒な山が、他の山の影に隠れてったように見えたのよね。見間違えかしら?」
「流石に見間違えだろ? 山が動くって、普通じゃありえねえよ」
「そうよねえ……」
そう言うも、カッシェはまだ遠くの一点を見つめてやがる。俺もそこら辺に顔を向けてみるも、黒い山はねえし、動いてる山も無かった。
カッシェが変な事を口走るから、サニーちゃんの意識もそっちに向いちまった。まあいい、このままアジトまで行っちまおう。
「うん、大丈夫だよ!」
「そうかい。なら、もっと飛ばすぜ!」
サニーちゃんを背中に乗せて全速力で走るのは、これが初めてになるが。難なく俺を乗りこなせてるみたいだな。小っちゃい頃から、背中に乗せて遊ばせた甲斐があったぜ。
「ヴェルインさー。来る時も思ってたんだけど、ここはいつから花畑地帯になったんだい? 元々は沼地帯だったでしょ?」
俺と並走しているカッシェが言う。そういやこいつが初めて来た時は、ぬかるみが絶えないちゃんとした沼地帯だったな。
「ああ、周りにゴーレムがいんだろ? あいつらが無尽蔵に花を植えて、花畑地帯に変えちまったらしいぜ」
「へぇ~、すごいねえ。沼地帯が全部こうなっちゃってるわけ?」
「いや、全部じゃねえな。前にレディから聞いたんだが、半分以上は花で埋まってるらしいぜ」
「それでも大したもんじゃないの。お陰で地面が乾いてるし固いから、走りやすくて助かるわ」
確かに。昔はまともに走れる地面が少なかったから、足を汚さずレディの家へ行くだけでも苦労したもんだ。今は水たまりすらねえもんな。
まるで普通の草原を走ってるかのように、すんなりと前へ進める。ゴーレム様様だぜ。そこから会話も無くなり、ちょっとした森の中に入ってく。
ここら辺もどこを見渡してみても、必ずと言っていいほど花が視界に入ってくる。というか、もうとっくの昔に山岳地帯まで繋がってるんだがな。
この花は、一種の魔除けみたいな効果がある。けど、花自体は普通の物だ。ただ柔らかな良い匂いを発してる、なんの変哲もない花。
辺り一帯を咲き乱れる花は、言わば目印。ここは俺達の縄張りだと伝える、植物を使ったゴーレムの警告みたいなもんだ。
知性のねえ魔物には、純白の警告色。知性がある魔物は、触らぬ神に祟りなしと言わんばかりに近寄らず。ただの肉食獣には、恐れの対象にまでなってやがる。
それ程までに、ゴーレムと戦うのは面倒臭えんだ。あいつらの弱点は体のどこかに埋め込まれてる、魔力が蓄えられた核のみ。まずあいつらを倒す場合、それを探す事から始めなけりゃあならねえ。
端から核のある場所が分かってたとしても、それを覆ってる体は鋼鉄の如く硬え。それに、あいつらは群れる習性がある。なので一体だけ相手をしてても、気が付けば囲まれてる事もしばしば。
空を飛べる奴じゃなければ、逃げ場がない絶望的な状況になる。目も当てられねえ。
けれども花さえ傷付けなければ、非常に温厚で良い奴らだ。向こうから襲ってくる事はまず無い。
「この森、初めて入るや。綺麗な場所だなあ」
「なんだ。家からそう離れてねえのに、入った事がなかったのかい?」
「うん。いつもはお母さんの箒に乗ってるから、飛び越えて行っちゃうんだ」
「なるほどね、空を飛べる奴は羨ましいぜ」
おまけにレディの飛ぶ速度は、とんでもなく速え。俺が全速力で走ったとしても、アジトに着くのは約一時間掛かる。
しかし、レディは十分も掛からずに着いちまうらしい。チクショウ、本当に羨ましい。
「サニーちゃん。空から見える景色って、一体どんな感じなんだい?」
「えっとね。大体二色しかないよ」
「大体二色?」
「うん。一色は空でしょ? あとは、お花畑だったら白色。砂漠だったら茶色。樹海だったら緑色。海だったら青! あっ、湿地っていう所だったら、暗い色がいっぱいあったかも」
「はあ~。空からだと、そういう風に見えるのか」
空から見える景色っつうのは、壮大だとばかり思ってたが。サニーちゃんの言い分だと、代わり映えしなくてつまらなそうだな。
地面からだと、目まぐるしい変化があるってのになあ。木の天井から差し込んでくる、糸のように細い木漏れ日。平和そうにさえずってる、美味そうな鳥の鳴き声。
目が痛くなるキッツイ色をしてる、大小様々な彩り豊富な花。昔はおどろおどろしく濁ってたけど、今や透明度がアホみたいに高く、そのまま飲んでも平気な湧き水。
そして、かつての沼地帯の面影を全て塗り替えちまった、純白の花々。澄んだそよ風に吹かれ、木漏れ日に照らされてる様がよく似合ってるぜ。
こーんな平和に満ち溢れた景色が全部、空からだと見えないなんてな。勿体ねえ気がする。まあ、それも今だからこそ言えた事だが。
昔の沼地帯だと、レディの家に行くだけで何回も魔物と戦闘してたしなあ。やっぱ何事も無く気楽に走れるってのは、いいもんだわ。眠気すら覚えるぜ。
「魔物の気配がまったくないわね。美味しそうな実もそこら中に群生してるし、たまに来ちゃおっかな」
「いいんじゃねえの? 『スピディ』と一緒に来て、食料の調達を頼むわ」
「了解、後で話しておくわね」
「カッシェさん、またお家に来てくれるの?」
「ん?」
食料調達を、遊びに来ると聞き間違えでもしたのか。俺の背中から、ちょっと弾んでるサニーちゃんの声が聞こえてきた。
「なに、来てほしいの? でも、アタシが行ったってつまんないよ?」
「ううん、つまんなくないよ。だって、お母さんが楽しそうにカッシェさんとお話ししてたもん」
「アカシックさんが?」
「うんっ、すごく楽しそうにしてたよ。だからもっといっぱい来て、お母さんとお話ししてほしいな」
「ふ~ん。あのアカシックさんが、楽しそうにねえ。……そうなの?」
一度は納得するも、普段のレディを知らねえカッシェが、今度は俺に質問をしてきた。確かに、普段と様子が違かったな。
よくよく思うと、サニーちゃん以外の女と喋ってる姿を初めて見たな。俺、アルビス、たぶんクロフライムも男だろ? カッシェとレディ、種族は違えど性別は一緒だ。
もしかしたら、久々に歳の近い同性と喋れて楽しかった可能性もある。……待てよ? レディって、三十年以上前から容姿がまったく変わってねえけど、あいつは一体何歳だ? 気になってきたし、後で聞いてみるか。
「たぶんな。サニーちゃんの言う通り、たまに行ってみたらどうだ? レディも喜ぶと思うぜ」
「アカシックさんが喜んでくれるなら、別に構わないけども。そういやアカシックさんって、料理が上手いらしいじゃない。アタシも習おうかしら?」
「おう、是非そうしてくれ。何か道具が必要になったら、俺が買いに行ってきてやんよ」
「なんだかやたらと自発的ね。まあいいわ。明日にでも、アカシックさんに頼んでみるわね」
よしよし。カッシェが料理を覚えれば、アジトに居る奴らも喜ぶだろう。レディを怖がって近寄れない奴らが可哀想だったしな。
まあ、昔のレディを知ってたら無理もねえか。日々連日、ことごとく地形を変え、山を吹き飛ばす戦いをアルビスと繰り広げてたからな。
アジトの前にも、白岩が目立つ山々が佇んでたものの。レディの『奥の手』とアルビスの大魔法により、五十以上の山が蒸発し、遠方まで真っ平らな平地と化してる。
少し進むと、その過去の凄惨たる被害者が、木々の切れ目から姿を現した。既に見慣れてる光景なので、構わず右側にある緩やかな坂道を上り、アジトを目指す。
「うわぁ~っ、ここだけ山がまったくないや」
が、サニーちゃんには珍しい光景だったようで。左側にある、とんでもねえ広さの平地を認めたのか、驚いたような感想を漏らした。
「草がそれなりに茂ってるから、草原みたいでしょ? 雨が大量に降ったら湖みたいになるのよ」
「湖? なんで?」
「中央に向かってくぼんでってるから、雨水が全部そこに溜まってくのよ。逃げ場がないし、しばらくはそのままの状態になるわ」
そう。だから水浴びをしたり、川まで行くのが億劫な時に、飲み水として重宝してる。おまけに、どっから湧いてきてんのかは知らねえが、稀に魚も泳いでんだ。
「へぇ~、見てみたいな」
「それじゃあ、雨がたくさん降った次の日にでも……、ん?」
「どうしたカッシェ?」
不思議に思った俺がカッシェに聞いてみるも、当方人は走りながら一点を見据えたまま。
「なんか今、山が動いたような気がしてさ」
「山がぁ?」
「うん。巨大で真っ黒な山が、他の山の影に隠れてったように見えたのよね。見間違えかしら?」
「流石に見間違えだろ? 山が動くって、普通じゃありえねえよ」
「そうよねえ……」
そう言うも、カッシェはまだ遠くの一点を見つめてやがる。俺もそこら辺に顔を向けてみるも、黒い山はねえし、動いてる山も無かった。
カッシェが変な事を口走るから、サニーちゃんの意識もそっちに向いちまった。まあいい、このままアジトまで行っちまおう。
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