11 / 294
10話、予想外の反応
しおりを挟む
サニーが体調を崩してから、丸二日が経過した。
完成品に近い秘薬入りの粉ミルクを飲ませたお陰で、次の日にはほぼ全快。二日も経てば、今まで通り歩ける様になった。
流石はブラックドラゴンである『アルビス』の鱗。効果は絶大である。これで、サニーがどんな疫病を患おうとも怖くはない。
秘薬も無駄に余っている。常備出来るよう、ある程度は空いている容器に移したものの、あまりにも量が多すぎるので、鉄の大釜ごと保存せざるを得なかった。
そして、私がサニーを育てている事が迫害の地に広がり始めたのか、外が徐々に騒がしくなってきた。が、そこまで見物客が来ている訳でもない。
今、窓から見えているのは、山岳地帯の守護者、隻眼のウェアウルフである『ヴェルイン』。
それと、その取り巻き達のみ。相当数が集まると予想していたが、そうでもなかったようだ。
外の僅かな騒めきを無視し続け、サニーに秘薬入りの粉ミルクを与え終えると、見計らっていたかの様にヴェルイン達が、ずかずかと家に入り込んできた。
数にして五匹。全員が二メートル以上のやや大柄。全身は、毛繕いが行き届いた茶色の剛毛に覆われている。一応恥じらいがあるのか、下半身だけ青いズボンを履いていた。
ヴェルインだけ左目に大きな古傷があり、瞼は閉じたまま。迫害の地に初めて訪れた際、アルビスにちょっかいを出し、返り討ちにあった時の傷らしい。
その不名誉な傷を左目に負っているヴェルインが、不敵な笑みを浮かべながら私達の前まで来ると、物珍しそうでいる黒い右目をサニーに向け、私に戻した。
「よう、レディ。アルビスから聞いたぜ。この子が例の捨て子か?」
「そうだが。私を嘲笑いに来たのか?」
私が淡々と口にすると、ヴェルインは否定するかの様に首を横に振る。
「いんや。てめぇを嘲笑うとかよ、アルビスか新参者ぐらいしか出来ねぇよ。そんな事したら、いくつ命があっても足んねぇさ」
ヴェルインが肩を竦めて言う。確かにそうだ。新参者以外、私の強さは身を持って知っているはず。だから噂が広がろうとも、見に来る者が居なかったのか。
取り巻き達もそう。私に頭を軽く下げてから、サニーの様子を静かに窺っている。遠くから匂いを嗅いだり、前足をヒラヒラと振っている者も居た。
囲まれているサニーも、まったく臆する事無く笑顔でいて、初めて目にしたウェアウルフ達に向かい、興奮気味に短い腕を伸ばしている。
「もじゃ、もじゃ」
「おーっ、喋った。可愛いじゃねえか。レディ、この子はいつ拾ったんだ?」
「一年以上前だ」
そう明かすと、ヴェルインは私に驚いた顔を向け、右眉を跳ね上げた。
「つー事は、一年もこの子を育ててんのか。どうしたんだ急に? 母性でも目覚めたのか?」
「ただの気まぐれだ。食いたいなら食ってもいいぞ」
あっけらかんに言った私は、はしゃいでるサニーの体を風魔法で浮かし、そのままヴェルインの胸元まで飛ばす。
いきなりの事で、ヴェルインは慌てて両前足を差し出し、サニーの体を優しく受け取った。
「もじゃもじゃ、もじゃもじゃ」
意味のある言葉を喋り、ヴェルインの鼻先をペチペチと叩くサニー。そのヴェルインは、右目でサニーをじっくり観察した後、疑心の篭った瞳を私に向ける。
「確かに肉質が柔らかくて美味そうだがよお……。これ、完全に罠だろ? 俺を試してんのか?」
「別に。そのままの意味だが」
ヴェルインの疑問を適当に返し、腕を組む私。
「嘘つけ。もう一年以上も育ててんだろ? 我が子当然じゃねえか。もし俺が食おうとしたら、絶対に殺しにかかんだろ?」
「いや。サニーに特別な感情は持ってないし、愛着がある訳でもない。血の繋がりすらない赤の他人だ。どうなろうと、私には関係ない」
「サニー?」
唐突に知らない名前を言ったせいか、ヴェルインが右目を細める。
「今、お前が抱えてる子の名前だ」
私が答えを言うと、ヴェルインは「あっ?」と短い言葉を発し、サニーに顔を戻す。
「ああ~。この子、サニーちゃんって言うのか。元から付いてた名前か?」
「私が付けた名だ」
「なんだよ。可愛い名前まで付けてんのに、ぞんざいにしやがって。もっと大事に扱ってやれよ。なあ、サニーちゃ~ん」
「もじゃもじゃ、うー」
ヴェルインが微笑ました目をサニーにやると、サニーは再びヴェルインの鼻先を叩き出す。まさかウェアウルフに説教をされる日が来るとは、夢にも思わなかった。
しかしサニーが食い殺されでもしたら、私は一体どんな行動を仕出かすのだろうか? 大切な彼が目の前で殺された時は、怒り狂って我を失ってしまったが。
ならサニーが殺された時も、私は同じ行動を取るのか? いや、そんな訳がない。自ら口にした様に、サニーには特別な感情は持ち合わせていないのだから。
八十年前のあの時は、私も真っ当な感情を持ち合わせていた。だが、今は喜怒哀楽の感情が全て無くなっている。
たぶん何もしないか、気まぐれでヴェルイン達を氷漬けにするかの、どちらかだろう。
鼻先を叩かれ過ぎたせいか、ヴェルインが顔を逸らして「ブシュン!」とクシャミを放つ。その後、私にサニーを差し出すと、湿っている鼻を大きくすすった。
「しっかしサニーちゃん、俺達に囲まれても平然としてんだな。怖がられて大泣きされると思ってたんだがよお」
「無理もないさ。今のお前らは、昔みたいな迫力が一切無い。牙を抜かれた獣以下の表情をしてるぞ」
あえて神経を逆撫でする様に挑発すると、流石に頭にきたのか、ヴェルインが一瞬だけ白い牙を覗かせる。
「てめぇ、よくも言ってくれたな? 後悔すんなよ? 見せてやるよ。これが、俺様の本気の姿だ!」
躍起になったヴェルインが体に力を込めた途端。全身の毛が逆立ち、体中の筋肉が軋んだ音を立てながら膨張していく。
同時に腑抜け切っていた前足から、数十cmはあろう太くも先が鋭い爪が飛び出し、鈍い光を爪先に伝わらせていった。
黒かった瞳も鮮血を思わせる紅色に変色し、軌跡が空中に残る程の速さで爪を何度も振り回すと、天井に向かい、窓が割れんばかりの勢いで咆哮を放つ。
そのまま肌を劈く殺気を部屋内に充満させると、鋭利な牙が全て剥き出しになっている獰猛な威嚇面を、私達に見せつけた。
「ドウダレディ! テメェガワリィンダカラナ! コレデサニーチャンがナイテモ、セキニンハ―――」
「もじゃもじゃ、うおーん」
「―――トラネェ……、あらっ?」
泣く所か、咆哮の真似さえしているサニーを目にするや否や、膨張していたヴェルインの体が一気に萎んでいく。
その萎みは止まる事を知らず、筋肉が隆々としていた体ごと細くなっていき、身長すら縮んでいった。
「……あのー、サニーさん? まったく怖がって、らっしゃらない、ご様子で……?」
「もじゃもじゃ、がおー」
健気に殺気立つヴェルインの真似をするサニー。普通の人間であれば、目に涙を浮かべながら戦慄し、死を覚悟するだろう。
だが、サニーの反応には私も予想外だった。正直に言うと、泣き喚いてしまうだろうと思っていたのだが。
まさか、あの色濃い殺気を肌で感じても一切泣かず、真似までするなんて。怖い物知らずにも程がある。
たぶん、ヴェルインも同じ事を思っているだろう。あまりにも無垢で残酷な反応に、ヴェルインの耳と尻尾までもが力を無くし、可哀想な程に垂れ下がっていた。
「……おじちゃん、自信無くしちゃった……。もう、帰る……。また来るね……」
「二度と来るな」
確たる自信を見事に打ち砕かれ、哀愁すら漂う項垂れた背中を、取り巻き達に摩られながら外に出て行くヴェルイン。
一歳ちょっとの子供すら泣かせられなかったのだ。心が折れただろうに。だが先程の迫力は、確かに昔見たヴェルインの物だった。
何者でも堅剛な爪で八つ裂きにせんとする、ならず者で新参時代だった頃のヴェルインだ。
しかし私の胸元に居るサニーは、今までのやり取りにまったく意を介さず、私の体に頬ずりをしている。泣く気配は一向に見せないでいた。
「サニー、楽しかったか?」
私の問い掛けに気が付いたのか、サニーは私に顔を合わせ、何事も無かったかの様に笑ってみせた。
「もじゃもじゃ。がおー、わおーん」
「そうか」
サニーの反応を見て、楽しんだのだと勝手に判断する私。ヴェルインの相手をしていたせいで、後片付けするのをすっかり忘れていた。
そう言えば、サニーはもう一歳ちょっとになる。歯も生え始めてきた。そろそろ離乳食ではなく、ちゃんとした物を食べさせ、栄養を取らせないといけない。
もう少ししたら、料理の作り方が記された本を買わねば。サニーは一体、どんな料理が好きになるだろうか。色々と試してみるか。
完成品に近い秘薬入りの粉ミルクを飲ませたお陰で、次の日にはほぼ全快。二日も経てば、今まで通り歩ける様になった。
流石はブラックドラゴンである『アルビス』の鱗。効果は絶大である。これで、サニーがどんな疫病を患おうとも怖くはない。
秘薬も無駄に余っている。常備出来るよう、ある程度は空いている容器に移したものの、あまりにも量が多すぎるので、鉄の大釜ごと保存せざるを得なかった。
そして、私がサニーを育てている事が迫害の地に広がり始めたのか、外が徐々に騒がしくなってきた。が、そこまで見物客が来ている訳でもない。
今、窓から見えているのは、山岳地帯の守護者、隻眼のウェアウルフである『ヴェルイン』。
それと、その取り巻き達のみ。相当数が集まると予想していたが、そうでもなかったようだ。
外の僅かな騒めきを無視し続け、サニーに秘薬入りの粉ミルクを与え終えると、見計らっていたかの様にヴェルイン達が、ずかずかと家に入り込んできた。
数にして五匹。全員が二メートル以上のやや大柄。全身は、毛繕いが行き届いた茶色の剛毛に覆われている。一応恥じらいがあるのか、下半身だけ青いズボンを履いていた。
ヴェルインだけ左目に大きな古傷があり、瞼は閉じたまま。迫害の地に初めて訪れた際、アルビスにちょっかいを出し、返り討ちにあった時の傷らしい。
その不名誉な傷を左目に負っているヴェルインが、不敵な笑みを浮かべながら私達の前まで来ると、物珍しそうでいる黒い右目をサニーに向け、私に戻した。
「よう、レディ。アルビスから聞いたぜ。この子が例の捨て子か?」
「そうだが。私を嘲笑いに来たのか?」
私が淡々と口にすると、ヴェルインは否定するかの様に首を横に振る。
「いんや。てめぇを嘲笑うとかよ、アルビスか新参者ぐらいしか出来ねぇよ。そんな事したら、いくつ命があっても足んねぇさ」
ヴェルインが肩を竦めて言う。確かにそうだ。新参者以外、私の強さは身を持って知っているはず。だから噂が広がろうとも、見に来る者が居なかったのか。
取り巻き達もそう。私に頭を軽く下げてから、サニーの様子を静かに窺っている。遠くから匂いを嗅いだり、前足をヒラヒラと振っている者も居た。
囲まれているサニーも、まったく臆する事無く笑顔でいて、初めて目にしたウェアウルフ達に向かい、興奮気味に短い腕を伸ばしている。
「もじゃ、もじゃ」
「おーっ、喋った。可愛いじゃねえか。レディ、この子はいつ拾ったんだ?」
「一年以上前だ」
そう明かすと、ヴェルインは私に驚いた顔を向け、右眉を跳ね上げた。
「つー事は、一年もこの子を育ててんのか。どうしたんだ急に? 母性でも目覚めたのか?」
「ただの気まぐれだ。食いたいなら食ってもいいぞ」
あっけらかんに言った私は、はしゃいでるサニーの体を風魔法で浮かし、そのままヴェルインの胸元まで飛ばす。
いきなりの事で、ヴェルインは慌てて両前足を差し出し、サニーの体を優しく受け取った。
「もじゃもじゃ、もじゃもじゃ」
意味のある言葉を喋り、ヴェルインの鼻先をペチペチと叩くサニー。そのヴェルインは、右目でサニーをじっくり観察した後、疑心の篭った瞳を私に向ける。
「確かに肉質が柔らかくて美味そうだがよお……。これ、完全に罠だろ? 俺を試してんのか?」
「別に。そのままの意味だが」
ヴェルインの疑問を適当に返し、腕を組む私。
「嘘つけ。もう一年以上も育ててんだろ? 我が子当然じゃねえか。もし俺が食おうとしたら、絶対に殺しにかかんだろ?」
「いや。サニーに特別な感情は持ってないし、愛着がある訳でもない。血の繋がりすらない赤の他人だ。どうなろうと、私には関係ない」
「サニー?」
唐突に知らない名前を言ったせいか、ヴェルインが右目を細める。
「今、お前が抱えてる子の名前だ」
私が答えを言うと、ヴェルインは「あっ?」と短い言葉を発し、サニーに顔を戻す。
「ああ~。この子、サニーちゃんって言うのか。元から付いてた名前か?」
「私が付けた名だ」
「なんだよ。可愛い名前まで付けてんのに、ぞんざいにしやがって。もっと大事に扱ってやれよ。なあ、サニーちゃ~ん」
「もじゃもじゃ、うー」
ヴェルインが微笑ました目をサニーにやると、サニーは再びヴェルインの鼻先を叩き出す。まさかウェアウルフに説教をされる日が来るとは、夢にも思わなかった。
しかしサニーが食い殺されでもしたら、私は一体どんな行動を仕出かすのだろうか? 大切な彼が目の前で殺された時は、怒り狂って我を失ってしまったが。
ならサニーが殺された時も、私は同じ行動を取るのか? いや、そんな訳がない。自ら口にした様に、サニーには特別な感情は持ち合わせていないのだから。
八十年前のあの時は、私も真っ当な感情を持ち合わせていた。だが、今は喜怒哀楽の感情が全て無くなっている。
たぶん何もしないか、気まぐれでヴェルイン達を氷漬けにするかの、どちらかだろう。
鼻先を叩かれ過ぎたせいか、ヴェルインが顔を逸らして「ブシュン!」とクシャミを放つ。その後、私にサニーを差し出すと、湿っている鼻を大きくすすった。
「しっかしサニーちゃん、俺達に囲まれても平然としてんだな。怖がられて大泣きされると思ってたんだがよお」
「無理もないさ。今のお前らは、昔みたいな迫力が一切無い。牙を抜かれた獣以下の表情をしてるぞ」
あえて神経を逆撫でする様に挑発すると、流石に頭にきたのか、ヴェルインが一瞬だけ白い牙を覗かせる。
「てめぇ、よくも言ってくれたな? 後悔すんなよ? 見せてやるよ。これが、俺様の本気の姿だ!」
躍起になったヴェルインが体に力を込めた途端。全身の毛が逆立ち、体中の筋肉が軋んだ音を立てながら膨張していく。
同時に腑抜け切っていた前足から、数十cmはあろう太くも先が鋭い爪が飛び出し、鈍い光を爪先に伝わらせていった。
黒かった瞳も鮮血を思わせる紅色に変色し、軌跡が空中に残る程の速さで爪を何度も振り回すと、天井に向かい、窓が割れんばかりの勢いで咆哮を放つ。
そのまま肌を劈く殺気を部屋内に充満させると、鋭利な牙が全て剥き出しになっている獰猛な威嚇面を、私達に見せつけた。
「ドウダレディ! テメェガワリィンダカラナ! コレデサニーチャンがナイテモ、セキニンハ―――」
「もじゃもじゃ、うおーん」
「―――トラネェ……、あらっ?」
泣く所か、咆哮の真似さえしているサニーを目にするや否や、膨張していたヴェルインの体が一気に萎んでいく。
その萎みは止まる事を知らず、筋肉が隆々としていた体ごと細くなっていき、身長すら縮んでいった。
「……あのー、サニーさん? まったく怖がって、らっしゃらない、ご様子で……?」
「もじゃもじゃ、がおー」
健気に殺気立つヴェルインの真似をするサニー。普通の人間であれば、目に涙を浮かべながら戦慄し、死を覚悟するだろう。
だが、サニーの反応には私も予想外だった。正直に言うと、泣き喚いてしまうだろうと思っていたのだが。
まさか、あの色濃い殺気を肌で感じても一切泣かず、真似までするなんて。怖い物知らずにも程がある。
たぶん、ヴェルインも同じ事を思っているだろう。あまりにも無垢で残酷な反応に、ヴェルインの耳と尻尾までもが力を無くし、可哀想な程に垂れ下がっていた。
「……おじちゃん、自信無くしちゃった……。もう、帰る……。また来るね……」
「二度と来るな」
確たる自信を見事に打ち砕かれ、哀愁すら漂う項垂れた背中を、取り巻き達に摩られながら外に出て行くヴェルイン。
一歳ちょっとの子供すら泣かせられなかったのだ。心が折れただろうに。だが先程の迫力は、確かに昔見たヴェルインの物だった。
何者でも堅剛な爪で八つ裂きにせんとする、ならず者で新参時代だった頃のヴェルインだ。
しかし私の胸元に居るサニーは、今までのやり取りにまったく意を介さず、私の体に頬ずりをしている。泣く気配は一向に見せないでいた。
「サニー、楽しかったか?」
私の問い掛けに気が付いたのか、サニーは私に顔を合わせ、何事も無かったかの様に笑ってみせた。
「もじゃもじゃ。がおー、わおーん」
「そうか」
サニーの反応を見て、楽しんだのだと勝手に判断する私。ヴェルインの相手をしていたせいで、後片付けするのをすっかり忘れていた。
そう言えば、サニーはもう一歳ちょっとになる。歯も生え始めてきた。そろそろ離乳食ではなく、ちゃんとした物を食べさせ、栄養を取らせないといけない。
もう少ししたら、料理の作り方が記された本を買わねば。サニーは一体、どんな料理が好きになるだろうか。色々と試してみるか。
10
お気に入りに追加
42
あなたにおすすめの小説
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【完結】母になります。
たろ
恋愛
母親になった記憶はないのにわたしいつの間にか結婚して子供がいました。
この子、わたしの子供なの?
旦那様によく似ているし、もしかしたら、旦那様の隠し子なんじゃないのかしら?
ふふっ、でも、可愛いわよね?
わたしとお友達にならない?
事故で21歳から5年間の記憶を失くしたわたしは結婚したことも覚えていない。
ぶっきらぼうでムスッとした旦那様に愛情なんて湧かないわ!
だけど何故かこの3歳の男の子はとても可愛いの。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる