340 / 384
90話-2、東の異変
しおりを挟む
「……おや?」
満月の光と長年の終止符を打つべく、最後の実験を開始してから、約三時間以上が経過した頃。秋国がある東の方角から、遠雷を彷彿とさせる痛々しい衝突音が連続で轟き出し。
体に振動を感じる、一際大きな轟音が辺りに鳴り響いた後。脳裏に不穏が過ぎる静寂が戻り、フクロウの穏やかな夜鳴きだけしか耳に届かなくなった。
「なんだあ、今の音? また秋国でなんかあったのか?」
「妙ですね。今宵は外出禁止令が敷かれているので、外には見張り役の楓様しか居ないはずなのですが……」
先月。雪女の雹華が騒動に巻き込まれてしまい、温泉街全体を分厚い氷の底へ沈め。
クロと鵺が共闘して止めようとするも、追い詰められた雹華が最後の悪あがきで、夜空を隠し尽くす大氷塊を生成し、温泉街が滅亡の危機に瀕する事態にまで発展した。
唯一外に出ていた辻風も、満月の光をも遮断させた大氷塊を目の当たりにしており。今回もまた、秋国から遠く離れた山奥で異変を察知してしまい、全員の心がざわめき始めていた。
「だとすればだ。その楓君が、誰かと交戦していると考えるべきだろうね」
「しかねえだろうけどよお? 天狐様に張り合える妖怪って、かなり限られてくるんじゃねえかあ?」
「そうだね。天狐様ともなれば、上から数えた方が早いだろう。しかし楓君の場合は、何もかもが未知数なんだ」
「未知数って、なんでだ?」
会話を交わす度に、新たな疑問を生む辻風の返答に、更なる質問を付け加える薙風。
「本人から聞いた話なんだけどもね。楓君は、戦闘経験がほとんど無いらしいんだ」
「あ? そうなのか?」
「うん、あくまで本人談だけどね。けど、実力自体は相当な物だと予想出来るよ」
「何故、そう思えるのですか?」
辻風のみ知り得る情報に、気になり出した癒風も質問に参加すると、語り口が忙しくなってきた辻風は、前を見据えていた顔を二人へやった。
「なんでも楓君は、仲間達とよくリクリエーションをやっているらしくてね。それで、そのリクリエーションの内容が、またどれも凄いんだ」
「はあ、リクリエーション。で? その内容はなんなんだ?」
「大体が、楓君一人対約百人規模の枕投げやドッチボールといった、まったく勝ち筋が見い出せない孤立無援戦さ。しかし楓君曰く、今のところ全戦全勝らしいよ」
「相手が百人規模の……」
「枕投げやドッチボールを、全戦全勝……?」
内容自体は、仲間達との和気あいあいとした戯れ事に過ぎないが。
温泉街が始まってから二十四年以上もの間、百人規模の相手に一度も勝ちを譲らなかったという、不確定ながらも信憑性のある情報が、二人を圧倒させていく。
「だがよ、兄ぃ? 相手は、あの天狐様だぜ? 多少の忖度はあるんじゃねえかあ?」
「いや。互いに忖度無し、能力を使い放題な本気の戦いらしいよ。だから決まって最後は、楓君と仙狐様達の一騎打ちになると言っていたね」
「ま、マジか……。天狐様と仙狐様のガチバトルって、想像すらつかねえなあ」
「ただの枕やボールが、体を容易く貫きかねない凶器と化しそうですね……」
千年以上生き続け、神通力を獲得した神にも等しき地位に居る天狐と、仙術を獲得した仙狐との戦いともならば、想像の範疇を軽く超えており。
二人は考えを放棄した白い頭の中で、安直で簡素な戦いの図しか描けなくなっていた。
「癒風のそれも、あながち間違いではないかも……、ん?」
癒風の返答を、辻風が肯定しようとした矢先。何かを視界に捉えたであろう辻風の顔が、東の方角へ戻っていく。
「ん? どうした? 兄ぃ」
「東の空が、赤く光っているような……」
「東の空って、やはり秋国がある方角ですね。今度は一体、何が起きているのでしょうか?」
「高い山をいくつか挟んでいるせいで、状況がまったく伺えないね。まあしかし、秋国全体には、楓君とぬらりひょん様が結界を張ってくれているから、被害自体は無いかと思、う……」
辻風が話している途中、青白い闇に染まっていた森と辻風の全身が、瞬く赤に染まり出し。何かを見て絶句した辻風の顔が、夜空を仰いでいく。
「おい、兄ぃ? あんたは一体、今何を見てるんだあ?」
「途方にもなく巨大な火柱が……、夜空を、穿っている……」
「巨大な火柱!? 何故、そのような物が……?」
「……さあね。あの火柱が、交戦中の敵が放った攻撃なのか、楓君が放った物なのか、皆目見当もつかないね……」
ただただ呆気に取られ、目を見開き、口をだらしなくポカンと開ける事しか出来ない辻風。
薙風と癒風も、外に出て状況を確認してみたかったものの。二人して薬を飲んでいなく、仮設研究所内から辻風が実際に見た情報を、頼りにする事しか出来ないでいた。
「一応、携帯電話は持ってきたけどよお。ぬらりひょん様に電話してみるか?」
「いや、それはやめておこう。もしかしたらぬらりひょん様も、戦闘に加わっている可能性が無くもないからね。明日、全ての真実をぬらりひょん様から聞いた方がいいと思うよ」
「お、おお、なるほどなあ。だったら、やめとくか」
好奇心に打ち負けた薙風の提案を、辻風が最もな理由を添えて断ると、火柱が収まったのか。煌々と瞬いていた赤い光が収まっていき、森は元の青白い闇を纏っていった。
しかし、それも束の間。その青白い闇すら薄れ、本当の闇に染まり。更なる異変をいち早く見ていた辻風は、両手を軽く広げていた。
「なんだか、雨の匂いがしますね」
「秋国がある方面では、既に豪雨が降っているようだね。厚い黒雲に覆われて、満月を隠されてしまったし。こちらでも、ポツポツと霧雨が降り出しているよ」
「マジかよ!? それ、俺達にとってもマズイじゃねえか!」
「おまけに、今度は空が連続で白く光っているね。たぶんあれは、稲光かな?」
辻風の言う通り。漆黒の森と、闇を纏った辻風の全身が、予想が正解だと応えるように白く瞬き。そして、遅れて大気を揺るがす遠雷が鳴り響く。
しかし、遠雷の音は絶えず鳴り響いていて、未知なる不安が最大限に煽られていった。
「おいおい……、もう三分以上は雷が鳴ってんぞ? 秋国は、本当に大丈夫なんだろうなあ?」
「火に、雨や雷といった天候を操る妖怪……」
体を撫でるように打ち付ける衝撃と、耳障りな遠雷の音に慣れ出した頃。合間を縫い、ぶつくさと呟き始めた癒風に、薙風が「あ?」と反応する。
「癒風、どうした急に? 思い当たる妖怪がいんのかあ?」
「ええ。酒羅凶様が秋国へ来る前に、連日連夜戦っていたという、大嶽丸様の能力に酷似している気がしまして……」
「ああ、なるほど。そう言われると確かに、似たり寄ったりな現象が起き続けているね」
「って事はよお? あの暴雷雨が吹き荒れてる場所に、酒呑童子様まで居るってのかあ?」
憶測の域でしか語れず、連絡手段も自ら閉ざし、辻風の様子しか見守れない薙風と癒風が、鉄板越しの先にある秋国へ顔をやった。
「はたまた、酒羅凶君だけが大嶽丸様と戦っているか……、おや?」
先ほどから、いち早く新たな異変に気付き、見た景色を二人に伝えていた辻風が、今度は素に近い反応を示し、目を丸くさせる。
そして視界に入る漆黒の森に、だんだん青白い光が帯び出していき、遠雷の音も嘘の様にピタリと止んだ。
「おい、兄ぃ! また何かあったのか!?」
「……いや。いきなり黒雲が霧散して、暴雨と雷が止んで、静かになってしまったよ」
「それはつまり、戦闘が終わったという事でしょうか?」
「だと、いいんだけどもね」
辻風の祈るような呟きを最後に、三人は少しの異音も聞き逃さないよう黙り込み、辺りに目を配る事に専念し出していく。
が、五分、十分待てども新たな異変は起きず。更に十分経った頃にもなると、三人は流石に戦闘が終わったのだろうと察し、同時に安堵のため息をついた。
満月の光と長年の終止符を打つべく、最後の実験を開始してから、約三時間以上が経過した頃。秋国がある東の方角から、遠雷を彷彿とさせる痛々しい衝突音が連続で轟き出し。
体に振動を感じる、一際大きな轟音が辺りに鳴り響いた後。脳裏に不穏が過ぎる静寂が戻り、フクロウの穏やかな夜鳴きだけしか耳に届かなくなった。
「なんだあ、今の音? また秋国でなんかあったのか?」
「妙ですね。今宵は外出禁止令が敷かれているので、外には見張り役の楓様しか居ないはずなのですが……」
先月。雪女の雹華が騒動に巻き込まれてしまい、温泉街全体を分厚い氷の底へ沈め。
クロと鵺が共闘して止めようとするも、追い詰められた雹華が最後の悪あがきで、夜空を隠し尽くす大氷塊を生成し、温泉街が滅亡の危機に瀕する事態にまで発展した。
唯一外に出ていた辻風も、満月の光をも遮断させた大氷塊を目の当たりにしており。今回もまた、秋国から遠く離れた山奥で異変を察知してしまい、全員の心がざわめき始めていた。
「だとすればだ。その楓君が、誰かと交戦していると考えるべきだろうね」
「しかねえだろうけどよお? 天狐様に張り合える妖怪って、かなり限られてくるんじゃねえかあ?」
「そうだね。天狐様ともなれば、上から数えた方が早いだろう。しかし楓君の場合は、何もかもが未知数なんだ」
「未知数って、なんでだ?」
会話を交わす度に、新たな疑問を生む辻風の返答に、更なる質問を付け加える薙風。
「本人から聞いた話なんだけどもね。楓君は、戦闘経験がほとんど無いらしいんだ」
「あ? そうなのか?」
「うん、あくまで本人談だけどね。けど、実力自体は相当な物だと予想出来るよ」
「何故、そう思えるのですか?」
辻風のみ知り得る情報に、気になり出した癒風も質問に参加すると、語り口が忙しくなってきた辻風は、前を見据えていた顔を二人へやった。
「なんでも楓君は、仲間達とよくリクリエーションをやっているらしくてね。それで、そのリクリエーションの内容が、またどれも凄いんだ」
「はあ、リクリエーション。で? その内容はなんなんだ?」
「大体が、楓君一人対約百人規模の枕投げやドッチボールといった、まったく勝ち筋が見い出せない孤立無援戦さ。しかし楓君曰く、今のところ全戦全勝らしいよ」
「相手が百人規模の……」
「枕投げやドッチボールを、全戦全勝……?」
内容自体は、仲間達との和気あいあいとした戯れ事に過ぎないが。
温泉街が始まってから二十四年以上もの間、百人規模の相手に一度も勝ちを譲らなかったという、不確定ながらも信憑性のある情報が、二人を圧倒させていく。
「だがよ、兄ぃ? 相手は、あの天狐様だぜ? 多少の忖度はあるんじゃねえかあ?」
「いや。互いに忖度無し、能力を使い放題な本気の戦いらしいよ。だから決まって最後は、楓君と仙狐様達の一騎打ちになると言っていたね」
「ま、マジか……。天狐様と仙狐様のガチバトルって、想像すらつかねえなあ」
「ただの枕やボールが、体を容易く貫きかねない凶器と化しそうですね……」
千年以上生き続け、神通力を獲得した神にも等しき地位に居る天狐と、仙術を獲得した仙狐との戦いともならば、想像の範疇を軽く超えており。
二人は考えを放棄した白い頭の中で、安直で簡素な戦いの図しか描けなくなっていた。
「癒風のそれも、あながち間違いではないかも……、ん?」
癒風の返答を、辻風が肯定しようとした矢先。何かを視界に捉えたであろう辻風の顔が、東の方角へ戻っていく。
「ん? どうした? 兄ぃ」
「東の空が、赤く光っているような……」
「東の空って、やはり秋国がある方角ですね。今度は一体、何が起きているのでしょうか?」
「高い山をいくつか挟んでいるせいで、状況がまったく伺えないね。まあしかし、秋国全体には、楓君とぬらりひょん様が結界を張ってくれているから、被害自体は無いかと思、う……」
辻風が話している途中、青白い闇に染まっていた森と辻風の全身が、瞬く赤に染まり出し。何かを見て絶句した辻風の顔が、夜空を仰いでいく。
「おい、兄ぃ? あんたは一体、今何を見てるんだあ?」
「途方にもなく巨大な火柱が……、夜空を、穿っている……」
「巨大な火柱!? 何故、そのような物が……?」
「……さあね。あの火柱が、交戦中の敵が放った攻撃なのか、楓君が放った物なのか、皆目見当もつかないね……」
ただただ呆気に取られ、目を見開き、口をだらしなくポカンと開ける事しか出来ない辻風。
薙風と癒風も、外に出て状況を確認してみたかったものの。二人して薬を飲んでいなく、仮設研究所内から辻風が実際に見た情報を、頼りにする事しか出来ないでいた。
「一応、携帯電話は持ってきたけどよお。ぬらりひょん様に電話してみるか?」
「いや、それはやめておこう。もしかしたらぬらりひょん様も、戦闘に加わっている可能性が無くもないからね。明日、全ての真実をぬらりひょん様から聞いた方がいいと思うよ」
「お、おお、なるほどなあ。だったら、やめとくか」
好奇心に打ち負けた薙風の提案を、辻風が最もな理由を添えて断ると、火柱が収まったのか。煌々と瞬いていた赤い光が収まっていき、森は元の青白い闇を纏っていった。
しかし、それも束の間。その青白い闇すら薄れ、本当の闇に染まり。更なる異変をいち早く見ていた辻風は、両手を軽く広げていた。
「なんだか、雨の匂いがしますね」
「秋国がある方面では、既に豪雨が降っているようだね。厚い黒雲に覆われて、満月を隠されてしまったし。こちらでも、ポツポツと霧雨が降り出しているよ」
「マジかよ!? それ、俺達にとってもマズイじゃねえか!」
「おまけに、今度は空が連続で白く光っているね。たぶんあれは、稲光かな?」
辻風の言う通り。漆黒の森と、闇を纏った辻風の全身が、予想が正解だと応えるように白く瞬き。そして、遅れて大気を揺るがす遠雷が鳴り響く。
しかし、遠雷の音は絶えず鳴り響いていて、未知なる不安が最大限に煽られていった。
「おいおい……、もう三分以上は雷が鳴ってんぞ? 秋国は、本当に大丈夫なんだろうなあ?」
「火に、雨や雷といった天候を操る妖怪……」
体を撫でるように打ち付ける衝撃と、耳障りな遠雷の音に慣れ出した頃。合間を縫い、ぶつくさと呟き始めた癒風に、薙風が「あ?」と反応する。
「癒風、どうした急に? 思い当たる妖怪がいんのかあ?」
「ええ。酒羅凶様が秋国へ来る前に、連日連夜戦っていたという、大嶽丸様の能力に酷似している気がしまして……」
「ああ、なるほど。そう言われると確かに、似たり寄ったりな現象が起き続けているね」
「って事はよお? あの暴雷雨が吹き荒れてる場所に、酒呑童子様まで居るってのかあ?」
憶測の域でしか語れず、連絡手段も自ら閉ざし、辻風の様子しか見守れない薙風と癒風が、鉄板越しの先にある秋国へ顔をやった。
「はたまた、酒羅凶君だけが大嶽丸様と戦っているか……、おや?」
先ほどから、いち早く新たな異変に気付き、見た景色を二人に伝えていた辻風が、今度は素に近い反応を示し、目を丸くさせる。
そして視界に入る漆黒の森に、だんだん青白い光が帯び出していき、遠雷の音も嘘の様にピタリと止んだ。
「おい、兄ぃ! また何かあったのか!?」
「……いや。いきなり黒雲が霧散して、暴雨と雷が止んで、静かになってしまったよ」
「それはつまり、戦闘が終わったという事でしょうか?」
「だと、いいんだけどもね」
辻風の祈るような呟きを最後に、三人は少しの異音も聞き逃さないよう黙り込み、辺りに目を配る事に専念し出していく。
が、五分、十分待てども新たな異変は起きず。更に十分経った頃にもなると、三人は流石に戦闘が終わったのだろうと察し、同時に安堵のため息をついた。
1
お気に入りに追加
82
あなたにおすすめの小説
隣の家に住むイクメンの正体は龍神様でした~社無しの神とちびっ子神使候補たち
鳴澤うた
キャラ文芸
失恋にストーカー。
心身ともにボロボロになった姉崎菜緒は、とうとう道端で倒れるように寝てしまって……。
悪夢にうなされる菜緒を夢の中で救ってくれたのはなんとお隣のイクメン、藤村辰巳だった。
辰巳と辰巳が世話する子供たちとなんだかんだと交流を深めていくけれど、子供たちはどこか不可思議だ。
それもそのはず、人の姿をとっているけれど辰巳も子供たちも人じゃない。
社を持たない龍神様とこれから神使となるため勉強中の動物たちだったのだ!
食に対し、こだわりの強い辰巳に神使候補の子供たちや見守っている神様たちはご不満で、今の現状を打破しようと菜緒を仲間に入れようと画策していて……
神様と作る二十四節気ごはんを召し上がれ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

後宮浄魔伝~視える皇帝と浄魔の妃~
二位関りをん
キャラ文芸
桃玉は10歳の時に両親を失い、おじ夫妻の元で育った。桃玉にはあやかしを癒やし、浄化する能力があったが、あやかしが視えないので能力に気がついていなかった。
しかし桃玉が20歳になった時、村で人間があやかしに殺される事件が起き、桃玉は事件を治める為の生贄に選ばれてしまった。そんな生贄に捧げられる桃玉を救ったのは若き皇帝・龍環。
桃玉にはあやかしを祓う力があり、更に龍環は自身にはあやかしが視える能力があると伝える。
「俺と組んで後宮に蔓延る悪しきあやかしを浄化してほしいんだ」
こうして2人はある契約を結び、九嬪の1つである昭容の位で後宮入りした桃玉は龍環と共にあやかし祓いに取り組む日が始まったのだった。
公主の嫁入り
マチバリ
キャラ文芸
宗国の公主である雪花は、後宮の最奥にある月花宮で息をひそめて生きていた。母の身分が低かったことを理由に他の妃たちから冷遇されていたからだ。
17歳になったある日、皇帝となった兄の命により龍の血を継ぐという道士の元へ降嫁する事が決まる。政略結婚の道具として役に立ちたいと願いつつも怯えていた雪花だったが、顔を合わせた道士の焔蓮は優しい人で……ぎこちなくも心を通わせ、夫婦となっていく二人の物語。
中華習作かつ色々ふんわりなファンタジー設定です。

アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
オレは視えてるだけですが⁉~訳ありバーテンダーは霊感パティシエを飼い慣らしたい
凍星
キャラ文芸
幽霊が視えてしまうパティシエ、葉室尊。できるだけ周りに迷惑をかけずに静かに生きていきたい……そんな風に思っていたのに⁉ バーテンダーの霊能者、久我蒼真に出逢ったことで、どういう訳か、霊能力のある人達に色々絡まれる日常に突入⁉「オレは視えてるだけだって言ってるのに、なんでこうなるの??」霊感のある主人公と、彼の秘密を暴きたい男の駆け引きと絆を描きます。BL要素あり。
アデンの黒狼 初霜艦隊航海録1
七日町 糸
キャラ文芸
あの忌まわしい大戦争から遥かな時が過ぎ去ったころ・・・・・・・・・
世界中では、かつての大戦に加わった軍艦たちを「歴史遺産」として動態復元、復元建造することが盛んになりつつあった。
そして、その艦を用いた海賊の活動も活発になっていくのである。
そんな中、「世界最強」との呼び声も高い提督がいた。
「アドミラル・トーゴーの生まれ変わり」とも言われたその女性提督の名は初霜実。
彼女はいつしか大きな敵に立ち向かうことになるのだった。
アルファポリスには初めて投降する作品です。
更新頻度は遅いですが、宜しくお願い致します。
Twitter等でつぶやく際の推奨ハッシュタグは「#初霜艦隊航海録」です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる