326 / 384
86話-9、しっかりと効いていた説得
しおりを挟む
どこか哀愁漂う鵺の背中を見送ったクロは、扉の向こう側から薄れていく気配に、侘しさを含んだ眼差しを送り続け。
鼻からため息を漏らすと、あいつ、本当に大丈夫かな? と気に掛け、心残りが晴れぬ視界を一旦閉じる。
数秒すると目を開き、明日の朝、ちょっと様子を見に行くか。と心に決め、小さく頷いた。
「どどどっ、どうしよう……」
「ん?」
ふと視界外から聞こえてきた、今にも消えてしまいそうなか細く震えた声に、クロの開いたばかりの視界が若干細まる。
不穏に感じ、ぬらりひょんが居る方へ恐る恐る振り向いてみると、あまり拝みたくない視界の先には、まるで別人のように人が変わったぬらりひょんの姿があった。
顔からは血の気が引いていて、深海の如く青ざめており。右手に持っている湯呑みは、中身が零れてしまいそうな程ガタガタと震えている。
そんな、数分前まで居た妖怪の総大将に恥じぬ態度でいた者は、既にそこには居らず。代わりに迫る恐怖に怯え、縮こまった老人が座っていた。
「あの、ぬらりひょん様? いったい、どうしたんですか?」
「ど、どうしたも何も……。花梨に、全てを言う決心、まだ全然ついとらん……」
「は?」
泣きそうな表情で告白してきたぬらりひょんに、クロは絶句して眉間に深いシワを寄せ、素の声で反応してしまい。
数秒してから、思考が吹き飛んていた頭でも理解が追いつき、両手でテーブルを思い切り叩きつけ、「ええーーっ!?」と驚愕した大声を放った。
「ちょっと待って下さい、ぬらりひょん様!? だってさっき、鵺に散々言ってたじゃないですか! 最低でも冬を越す前には、花梨に全てを明かすって! あれ、全部嘘だったんですか!?」
「あいやっ、その……。えと、だな……」
クロの怒号紛いな絶叫を浴び、思わず体に大波を立たせたぬらりひょんが、女々しそうに両手の指先を合わせ、口を尖らせる。
「だって、立場上、ああ言わんといかんだろ……? そうじゃないと、鵺も報われんし……。せめて、上に立つ者として、振る舞おうと思ってだな……。ワシ、あれでも頑張ったつもりだぞ?」
弱々しく言い訳をする姿は、最早、妖怪の総大将としての名残すら無く。むしろ、評価をしてほしいという上目遣いで、クロに訴えてくるぬらりひょん。
そんなぬらりひょんに、クロは呆気に取られ、軽蔑したジト目で睨み返す事しか出来なかった。
「今のぬらりひょん様を鵺が見たら、本気で怒ると思いますよ?」
「そ、そう言わんでくれ……。もしバレたら、ワシの後頭部が無くなってしまう……」
「問答無用で叩き斬られて、収穫されるでしょうね」
「グゥッ……! ああ~、花梨よ。頼むッ! しばらくの間は夢を見ないでくれぇ~……!」
頭を抱え、無茶苦茶な願望に縋るぬらりひょんに、クロは引っかかる物を感じ、顎に手を添えて蔑んだ視線を横へ逃がす。
「今更ですが。なんで花梨は、そんな夢を連続で見てるんでしょうね?」
ふと引っ掛かる疑問を口にすると、ぬらりひょんは頭に抱えていた両手を垂らし、苦悩が混じったため息を大きく吐いた。
「たぶん、過去の記憶が夢に出ているんじゃないか?」
「記憶、ですか?」
「ああ。その時の花梨は一歳前後だし、物心も当然ついていないはず。しかし、記憶ともあれば話は別だ。想像を絶する惨劇を目の当たりにし、疲れて眠りに就くまでの間、火がついたようにずっと泣き叫んでいた。そのせいで脳裏に焼き付いているだろうし、悪い形で印象に残っているのだろう」
当時の出来事を語り出し、答えに近そうな憶測を述べたぬらりひょんが、やるせなさそうにしている目を閉じ、今度は鼻からため息をつく。
「悪印象や記憶は、そうそう忘れられるもんじゃない。きっと、温泉街に戻って来た事が記憶を呼び覚ます切っ掛けとなり、夢に出てきたんだと思う」
「だとすると……。花梨は結構前から、夢を見てる事になりますよね?」
「だな。そして今日、夢の中で紅葉と鵺の名前。『牛鬼牧場』や『秋国』が出てきてしまい、気になって鵺に問い掛けてしまった訳だ」
動かぬ決定的な証拠の数々に、『時が来たら』という大義名分の猶予が急速に無くなるも、ぬらりひょんは「が」と無駄な抵抗を続ける。
「鵺の言葉から察するに、まだ花梨自体の名前は出ていなく、紅葉の正体は分かっていないだろう。それだけが唯一の救いか」
「ですが、時間が刻一刻と迫ってるのには変わりないですよ? 今日にだって、また花梨がその夢を見る可能性もあるんですからね?」
「分かっとる、分かっとるよ……。はぁっ……」
後を引く暗い返答を包み込む、ぬらりひょんの三度目のため息。
まだ花梨に全てを明かす決心がついていなく、明日にもその時が来る可能性がある事実に、活力を失ったぬらりひょんの表情が、年相応以上に老けていく。
覇気も無ければ生気も無く、猫背が似合う程までに老け込むと、気分を間際らせるべく酒を飲んだ。
「やはり、鵺に聞いたという事は……。花梨は知りたがっているんだろうな」
「それだけは間違いないと思います。それに鵺曰く、花梨も花梨で探りを入れてるようですし、語り部と称する者の存在も認識してます。誰かが示唆してると予想出来ますが、花梨はどこまで何を知ってるんでしょうね」
「……さあな」
クロの問い掛けを一言で切ったぬらりひょんが、どこか遠い場所を見つめている目を、天井に持って行く。
「花梨は、自分の想いを押し殺してひた隠す子だ。そして辛抱強く、他者に迷惑を掛けたくない一心で、とにかく明るく振る舞っていた。目が眩む程に眩しく、悩みを抱えているとは到底思えない程にな。だからこそ、それさえ聞くのが怖い。せめて花梨が、親についてどう思っているかが知りたい」
「一度だって聞いてきませんでしたからね。父や母がどういう人で、どんな顔や声をしてたのかとか。たぶん、祖父を演じてた私達を困らせたくなかったんでしょう」
「だろうな。しかし、気になる。それさえ分かれば、ワシの踏ん切りもつくだろうに」
理由と切っ掛けを探すぬらりひょんに、過去、満月が出た日の夜。心の奥底に留めていた悲痛なる花梨の想いを、唯一耳にしたクロは、なんとかぬらりひょんにも共有したいと、模索し出していく。
しかし、どんな状況だとしても最悪な結果を招く未来しか見えず。花梨が通常の状態では、突拍子もなく聞ける機会は設けられそうになかった。
「せめて、寝言で聞ければいいんですがね」
「それか、花梨が酒を飲んで酔っ払った状態で聞くしかないな。しかも、ワシと花梨、それかお前さんが居る状況のみでだ」
「それも、かなり難しいですね。ゴーニャと纏が常に付き添っていますし。たとえ二人を離したとしても、花梨に酒を飲ませるのは気が引けますし、あまり勧めたくありません」
「ワシもだ。……どうやらこれは、ワシが決心する他以外に無さそうだな」
数少ない万策が尽き、元から一つしかなかった答えに辿り着こうとした矢先。ぬらりひょんを想ってしまったクロが、「ぬらりひょん様」と口を開いた。
「なんだ?」
「しばらくの間、また花梨の休日に合わせて、私も有給を取ってもいいですか?」
「別にいくら取っても構わんが、何かするのか?」
「あくまで、ごく自然にですが。私もゴーニャ達みたいに花梨と付き添って、動向や気持ちを探ってみようかなと思いまして」
クロの提案に、ぬらりひょんはクロが自分の為に動こうとしている事に勘付き、それにあやかろうか止めようか、数秒だけ判断に迷う。
が、今は時間があまり無い事が決定打となってしまい。罪悪感を抱きつつ、藁にも縋る思いで口を開いた。
「すまんが、任せてもいいか?」
「ええ。あくまでごく自然に振る舞うので、私から話を切り出すつもりはありません。それだけは、ご勘弁願います」
「そこまでしなくていいが、悟られるなよ?」
「もちろんです。ただ花梨達と、温泉街巡りをしてくるだけですからね。楽しく遊んできます」
羽休めついでに、花梨達と遊ぶ予定を組んだクロが、軽くなった手でコップに酒を注ぎ、先ほどよりも美味しく感じる酒を飲む。
そのクロを追い、気が気でないぬらりひょんも酒を注ぎ、味がまったくしない酒を一気に飲み干した。
鼻からため息を漏らすと、あいつ、本当に大丈夫かな? と気に掛け、心残りが晴れぬ視界を一旦閉じる。
数秒すると目を開き、明日の朝、ちょっと様子を見に行くか。と心に決め、小さく頷いた。
「どどどっ、どうしよう……」
「ん?」
ふと視界外から聞こえてきた、今にも消えてしまいそうなか細く震えた声に、クロの開いたばかりの視界が若干細まる。
不穏に感じ、ぬらりひょんが居る方へ恐る恐る振り向いてみると、あまり拝みたくない視界の先には、まるで別人のように人が変わったぬらりひょんの姿があった。
顔からは血の気が引いていて、深海の如く青ざめており。右手に持っている湯呑みは、中身が零れてしまいそうな程ガタガタと震えている。
そんな、数分前まで居た妖怪の総大将に恥じぬ態度でいた者は、既にそこには居らず。代わりに迫る恐怖に怯え、縮こまった老人が座っていた。
「あの、ぬらりひょん様? いったい、どうしたんですか?」
「ど、どうしたも何も……。花梨に、全てを言う決心、まだ全然ついとらん……」
「は?」
泣きそうな表情で告白してきたぬらりひょんに、クロは絶句して眉間に深いシワを寄せ、素の声で反応してしまい。
数秒してから、思考が吹き飛んていた頭でも理解が追いつき、両手でテーブルを思い切り叩きつけ、「ええーーっ!?」と驚愕した大声を放った。
「ちょっと待って下さい、ぬらりひょん様!? だってさっき、鵺に散々言ってたじゃないですか! 最低でも冬を越す前には、花梨に全てを明かすって! あれ、全部嘘だったんですか!?」
「あいやっ、その……。えと、だな……」
クロの怒号紛いな絶叫を浴び、思わず体に大波を立たせたぬらりひょんが、女々しそうに両手の指先を合わせ、口を尖らせる。
「だって、立場上、ああ言わんといかんだろ……? そうじゃないと、鵺も報われんし……。せめて、上に立つ者として、振る舞おうと思ってだな……。ワシ、あれでも頑張ったつもりだぞ?」
弱々しく言い訳をする姿は、最早、妖怪の総大将としての名残すら無く。むしろ、評価をしてほしいという上目遣いで、クロに訴えてくるぬらりひょん。
そんなぬらりひょんに、クロは呆気に取られ、軽蔑したジト目で睨み返す事しか出来なかった。
「今のぬらりひょん様を鵺が見たら、本気で怒ると思いますよ?」
「そ、そう言わんでくれ……。もしバレたら、ワシの後頭部が無くなってしまう……」
「問答無用で叩き斬られて、収穫されるでしょうね」
「グゥッ……! ああ~、花梨よ。頼むッ! しばらくの間は夢を見ないでくれぇ~……!」
頭を抱え、無茶苦茶な願望に縋るぬらりひょんに、クロは引っかかる物を感じ、顎に手を添えて蔑んだ視線を横へ逃がす。
「今更ですが。なんで花梨は、そんな夢を連続で見てるんでしょうね?」
ふと引っ掛かる疑問を口にすると、ぬらりひょんは頭に抱えていた両手を垂らし、苦悩が混じったため息を大きく吐いた。
「たぶん、過去の記憶が夢に出ているんじゃないか?」
「記憶、ですか?」
「ああ。その時の花梨は一歳前後だし、物心も当然ついていないはず。しかし、記憶ともあれば話は別だ。想像を絶する惨劇を目の当たりにし、疲れて眠りに就くまでの間、火がついたようにずっと泣き叫んでいた。そのせいで脳裏に焼き付いているだろうし、悪い形で印象に残っているのだろう」
当時の出来事を語り出し、答えに近そうな憶測を述べたぬらりひょんが、やるせなさそうにしている目を閉じ、今度は鼻からため息をつく。
「悪印象や記憶は、そうそう忘れられるもんじゃない。きっと、温泉街に戻って来た事が記憶を呼び覚ます切っ掛けとなり、夢に出てきたんだと思う」
「だとすると……。花梨は結構前から、夢を見てる事になりますよね?」
「だな。そして今日、夢の中で紅葉と鵺の名前。『牛鬼牧場』や『秋国』が出てきてしまい、気になって鵺に問い掛けてしまった訳だ」
動かぬ決定的な証拠の数々に、『時が来たら』という大義名分の猶予が急速に無くなるも、ぬらりひょんは「が」と無駄な抵抗を続ける。
「鵺の言葉から察するに、まだ花梨自体の名前は出ていなく、紅葉の正体は分かっていないだろう。それだけが唯一の救いか」
「ですが、時間が刻一刻と迫ってるのには変わりないですよ? 今日にだって、また花梨がその夢を見る可能性もあるんですからね?」
「分かっとる、分かっとるよ……。はぁっ……」
後を引く暗い返答を包み込む、ぬらりひょんの三度目のため息。
まだ花梨に全てを明かす決心がついていなく、明日にもその時が来る可能性がある事実に、活力を失ったぬらりひょんの表情が、年相応以上に老けていく。
覇気も無ければ生気も無く、猫背が似合う程までに老け込むと、気分を間際らせるべく酒を飲んだ。
「やはり、鵺に聞いたという事は……。花梨は知りたがっているんだろうな」
「それだけは間違いないと思います。それに鵺曰く、花梨も花梨で探りを入れてるようですし、語り部と称する者の存在も認識してます。誰かが示唆してると予想出来ますが、花梨はどこまで何を知ってるんでしょうね」
「……さあな」
クロの問い掛けを一言で切ったぬらりひょんが、どこか遠い場所を見つめている目を、天井に持って行く。
「花梨は、自分の想いを押し殺してひた隠す子だ。そして辛抱強く、他者に迷惑を掛けたくない一心で、とにかく明るく振る舞っていた。目が眩む程に眩しく、悩みを抱えているとは到底思えない程にな。だからこそ、それさえ聞くのが怖い。せめて花梨が、親についてどう思っているかが知りたい」
「一度だって聞いてきませんでしたからね。父や母がどういう人で、どんな顔や声をしてたのかとか。たぶん、祖父を演じてた私達を困らせたくなかったんでしょう」
「だろうな。しかし、気になる。それさえ分かれば、ワシの踏ん切りもつくだろうに」
理由と切っ掛けを探すぬらりひょんに、過去、満月が出た日の夜。心の奥底に留めていた悲痛なる花梨の想いを、唯一耳にしたクロは、なんとかぬらりひょんにも共有したいと、模索し出していく。
しかし、どんな状況だとしても最悪な結果を招く未来しか見えず。花梨が通常の状態では、突拍子もなく聞ける機会は設けられそうになかった。
「せめて、寝言で聞ければいいんですがね」
「それか、花梨が酒を飲んで酔っ払った状態で聞くしかないな。しかも、ワシと花梨、それかお前さんが居る状況のみでだ」
「それも、かなり難しいですね。ゴーニャと纏が常に付き添っていますし。たとえ二人を離したとしても、花梨に酒を飲ませるのは気が引けますし、あまり勧めたくありません」
「ワシもだ。……どうやらこれは、ワシが決心する他以外に無さそうだな」
数少ない万策が尽き、元から一つしかなかった答えに辿り着こうとした矢先。ぬらりひょんを想ってしまったクロが、「ぬらりひょん様」と口を開いた。
「なんだ?」
「しばらくの間、また花梨の休日に合わせて、私も有給を取ってもいいですか?」
「別にいくら取っても構わんが、何かするのか?」
「あくまで、ごく自然にですが。私もゴーニャ達みたいに花梨と付き添って、動向や気持ちを探ってみようかなと思いまして」
クロの提案に、ぬらりひょんはクロが自分の為に動こうとしている事に勘付き、それにあやかろうか止めようか、数秒だけ判断に迷う。
が、今は時間があまり無い事が決定打となってしまい。罪悪感を抱きつつ、藁にも縋る思いで口を開いた。
「すまんが、任せてもいいか?」
「ええ。あくまでごく自然に振る舞うので、私から話を切り出すつもりはありません。それだけは、ご勘弁願います」
「そこまでしなくていいが、悟られるなよ?」
「もちろんです。ただ花梨達と、温泉街巡りをしてくるだけですからね。楽しく遊んできます」
羽休めついでに、花梨達と遊ぶ予定を組んだクロが、軽くなった手でコップに酒を注ぎ、先ほどよりも美味しく感じる酒を飲む。
そのクロを追い、気が気でないぬらりひょんも酒を注ぎ、味がまったくしない酒を一気に飲み干した。
0
お気に入りに追加
82
あなたにおすすめの小説
隣の家に住むイクメンの正体は龍神様でした~社無しの神とちびっ子神使候補たち
鳴澤うた
キャラ文芸
失恋にストーカー。
心身ともにボロボロになった姉崎菜緒は、とうとう道端で倒れるように寝てしまって……。
悪夢にうなされる菜緒を夢の中で救ってくれたのはなんとお隣のイクメン、藤村辰巳だった。
辰巳と辰巳が世話する子供たちとなんだかんだと交流を深めていくけれど、子供たちはどこか不可思議だ。
それもそのはず、人の姿をとっているけれど辰巳も子供たちも人じゃない。
社を持たない龍神様とこれから神使となるため勉強中の動物たちだったのだ!
食に対し、こだわりの強い辰巳に神使候補の子供たちや見守っている神様たちはご不満で、今の現状を打破しようと菜緒を仲間に入れようと画策していて……
神様と作る二十四節気ごはんを召し上がれ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
【完結】生贄娘と呪われ神の契約婚
乙原ゆん
キャラ文芸
生け贄として崖に身を投じた少女は、呪われし神の伴侶となる――。
二年前から不作が続く村のため、自ら志願し生け贄となった香世。
しかし、守り神の姿は言い伝えられているものとは違い、黒い子犬の姿だった。
生け贄など不要という子犬――白麗は、香世に、残念ながら今の自分に村を救う力はないと告げる。
それでも諦められない香世に、白麗は契約結婚を提案するが――。
これは、契約で神の妻となった香世が、亡き父に教わった薬草茶で夫となった神を救い、本当の意味で夫婦となる物語。

後宮浄魔伝~視える皇帝と浄魔の妃~
二位関りをん
キャラ文芸
桃玉は10歳の時に両親を失い、おじ夫妻の元で育った。桃玉にはあやかしを癒やし、浄化する能力があったが、あやかしが視えないので能力に気がついていなかった。
しかし桃玉が20歳になった時、村で人間があやかしに殺される事件が起き、桃玉は事件を治める為の生贄に選ばれてしまった。そんな生贄に捧げられる桃玉を救ったのは若き皇帝・龍環。
桃玉にはあやかしを祓う力があり、更に龍環は自身にはあやかしが視える能力があると伝える。
「俺と組んで後宮に蔓延る悪しきあやかしを浄化してほしいんだ」
こうして2人はある契約を結び、九嬪の1つである昭容の位で後宮入りした桃玉は龍環と共にあやかし祓いに取り組む日が始まったのだった。
公主の嫁入り
マチバリ
キャラ文芸
宗国の公主である雪花は、後宮の最奥にある月花宮で息をひそめて生きていた。母の身分が低かったことを理由に他の妃たちから冷遇されていたからだ。
17歳になったある日、皇帝となった兄の命により龍の血を継ぐという道士の元へ降嫁する事が決まる。政略結婚の道具として役に立ちたいと願いつつも怯えていた雪花だったが、顔を合わせた道士の焔蓮は優しい人で……ぎこちなくも心を通わせ、夫婦となっていく二人の物語。
中華習作かつ色々ふんわりなファンタジー設定です。

アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
オレは視えてるだけですが⁉~訳ありバーテンダーは霊感パティシエを飼い慣らしたい
凍星
キャラ文芸
幽霊が視えてしまうパティシエ、葉室尊。できるだけ周りに迷惑をかけずに静かに生きていきたい……そんな風に思っていたのに⁉ バーテンダーの霊能者、久我蒼真に出逢ったことで、どういう訳か、霊能力のある人達に色々絡まれる日常に突入⁉「オレは視えてるだけだって言ってるのに、なんでこうなるの??」霊感のある主人公と、彼の秘密を暴きたい男の駆け引きと絆を描きます。BL要素あり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる