277 / 384
79話-4、万全を期す牢氷に、来る者は居らず
しおりを挟む
分厚い氷に覆われた扉に向かい、狂気に満ちた高笑いを発し続けていた雪女の雹華が、高笑いをやめると体が再び項垂れ、満足気に息を大きく吐いた。
「待ち焦がれていたわあ。この瞬間を、ずっと」
背筋に悪寒が走る口調で呟き出した雹華が、花梨が居る方へバッと振り向き、両手を大きく広げた。
「私と花梨ちゃんが、二人っきりになれるこの瞬間をねえッ!」
雹華が放つは、善悪を含まぬ、純粋な欲望に満ちた咆哮。その欲深い咆哮を真っ向から浴びた花梨が、握った拳を胸に当てる。
「雹華さん。いったい何をするつもりで、いるんですか?」
怯むことなく質問をすると、雹華はクスリと微笑する。
「あら。察しがいい花梨ちゃんなら、もう分かっているんじゃないの?」
「……くっ!」
妖しい雰囲気を漂わせている雹華の返しに、先に立てていた予想が当たってしまったのか。顔を強ばらせた花梨が両拳を前に構え、臨戦態勢に入る。
「ウフフッ、やる気満々じゃない。ただの人間が、雪女である私に勝てるとでも思っているのかしら?」
「そんなの、やってみないと分からないじゃないですか!」
明らかな虚勢を張った花梨の叫びに、雹華は花梨の目論見に感付き、ターコイズブルーの瞳を艶めかしく細めた。
「大声を上げても無駄よ。私達がいくら叫ぼうとも、激しく暴れようとも、外には決して音が漏れないからね」
「そ、そんな、まさか……。ゴーニャーーっ!! 纏姉さーーんっ!!」
試しにと花梨が大声で二人の名を叫ぶも、密閉された部屋内に声は響く事すらなく、しんと静まり返っていくのみ。
「アッハッハッハッハッ!! 無駄よ、無駄無駄ァッ! さっき言ったでしょ? この部屋には、特殊な氷に覆われているってねえ!」
勝ち誇ったように嘲笑う雹華が、扉の前まで歩み寄っていき、先ほど張った氷を手の甲でコンコンと叩く。
「この氷、防音氷って言ってね。音を吸い取る性質があるの。おまけに硬度はダイヤモンド並。そう易々とは壊れないわよ?」
特殊な氷の性質を明かした雹華が、凍てついたを眼差しで花梨を捉える。
「で、でも! ここはスタッフルームじゃないですか! その内に店員さんが来て、異変に気づくはずです!」
「その点は、心配無用」
どうにかして粗を探そうとする花梨に対し、雹華は余裕の表情で腕を組む。
「店員達にも、新たな体の冷やし方を教えてあるから、本当の休憩を取る時にしか訪れないわ。それにね」
悠々と説明を続ける雹華が、花梨の元へ一歩、また一歩と歩み出す。
「店員達がここへ来る場合、私に必ず一報を入れるよう指示してあるから、突然現れる事はまずありえないわ。更に、今日の極寒甘味処は月一の定休日。不測の事態も起きないってワケよ」
「じゃあ、もしかして……」
「そう、万全の状態よ。だから―――」
そう言葉を溜め、全速力でロッカーの元へ走り出す雹華。ロッカーの前まで来ると、二つの扉を乱暴に開け、中にあった何かを掴む。
そのまま、目にも止まらぬ早さで花梨が居る方へ向き、手で握った何かをガシャンと音を立たせながら置いた。
置いた物は、共に雹華の首ほどの高さまである黒い三脚で。左の三脚には、望遠レンズが装着されている一眼レフカメラ。右の三脚には、最新鋭のビデオカメラが装着されていた。
「始めるわよっ! 超撮影会をねえっ!!」
「おおっ、やったー!」
一触即発の状態から一転。両手を高らかに上げ、満面の笑みで飛び跳ねる花梨。
雹華が笑い出した時点で、ある程度の予想を立てていたものの。確信を得られず、様子を窺っていた花梨が、なんの気兼ねもなく雹華に歩み寄っていく。
二つのカメラを微調整している雹華の元まで来ると、花梨は待ってましたと言わんばかりに無邪気な笑みを浮かべ、雹華も華奢な笑みで返した。
「もう、花梨ちゃんったら。今日はすごくノリがいいじゃない。私もつい、演技に熱が入っちゃったわ」
「えへへっ。なんていうか、仲間だと信じていた人の罠にハマり、窮地に追い込まれた人の役を演じてみました。いや~、楽しかったです」
「ウフフッ。花梨ちゃん、そういうシチュエーションが好きなのね」
「ええ、そりゃあもうっ。そこから敵を倒しつつ脱出するのが、鉄板の流れです」
映画の影響なのか。自分が思い描く理想的なシーンを恥ずかし気もなく語ると、カメラの微調整を終えた雹華が「なら」と続ける。
「初めてここで研修をした時、雪の女王様を演じもらった時があったけど、案外ハマっていたのね」
「ああ~、ありましたね。なんて言えばいいんだろう? 逆境かな? とにかく、私が不利になるシチュエーションが好きです」
「で、実は本気を出していなく、大技を放って大逆転勝ちするんでしょ?」
「そうですそうです! いやぁ~、雹華さんも分かっていますねぇ~」
過去、ここで研修という名の撮影会を行った際。初めは仕方なく付き合っていたが、途中から熱が入り、ノリノリで雪の女王を演じていた花梨。
しかし今回は、花梨も前々からとある姿で撮影会をやってみたいと思っていたので、その予兆を感じ取ってから、事前にスイッチが入ってしまっていた。
雹華に触発され、花梨もウズウズとし出しすと、肝心の雹華は安堵でもしたのか、場の空気には合わないため息を漏らす。
「でも、演技を始めた時に、携帯電話で助けを呼ばれなくて本当によかったわ。それだけが、ちょっと怖かったのよね」
ため息の次に漏らしたのは、場合によっては起こり得ていた可能性がある大惨事。その雹華が危惧していた後ろ向きな発言に、花梨は首を横に振り、「いえいえ」と口にした。
「そんな事を絶対にしませんよ」
「えっ?」
「だって、雹華さんが私の事を信頼してくれているように。私も、雹華さんの事を信頼していますからね」
かつて、雹華に心を強く打たれた言葉をあやかり、絶対なる信頼感を寄せている旨を伝えた花梨が、全てを許容するような笑みを送る。
まるで、氷を瞬く間に溶かしてしまいそうな暖かな言葉に、雹華は目を限界まで見開き、口をポカンと開けた。
そして、全身に花梨の言葉が沁み渡った頃。雹華の右目から、涙が音も無く零れ落ち、頬を伝っている最中に口元を手で抑えた。
「……ごめんなさい、花梨ちゃん。今まで花梨ちゃんの事を天使だと思っていたけど、完全に見誤っていたわ。もはや聖母。いや、女神様だわ……」
「と、とうとう女神にされちゃいましたか、私」
最早、雹華の涙は止まる事を知らず。左目からも感涙が溢れ出し、大袈裟に両膝を崩してはすすり泣く。
「これから花梨ちゃんを、女神様かお母さんって呼んでもいいかしら……?」
「あれ、前回と立場が逆転しちゃったぞ? あの、普段通りでお願いします……」
これ以上泳がせると、呼び名も変わりかねないと感じた花梨は、雹華に手を差し伸べる。が、その女神の手を認めた雹華は首を横に振り、自分の力で立ち上がると、涙まみれになっている手を純白の着物で拭き取った。
更に袖から一枚の白い布を取り出し、顔を丁寧に拭き、豪快な音を立たせながら鼻をかむと、落ち着いた様子でニコリと微笑んだ。
「分かったわ、花梨ちゃん。それじゃあ、本題に入りましょうか。何かこの姿で演じてみたいとか、やってみたいシチュエーションとかはある?」
「あっ、はい、あります!」
「あら、とてもいい返事ね。教えてちょうだい」
「えっとですね~。前から、天狗の姿でやってみたい事があったんですよ」
天狗もとい堕天使の言葉を聞くや否や。雹華の両目が、部屋にあるどの光源よりも、力強く輝き出す。
「だってぇんしぃッ!! ナイスなチョイスじゃないのぉッ!」
防音氷を貫きかねない声量で叫ぶも、花梨は微動だにせず、背中に背負っていたリュックサックを床へ降ろす。
「んっふふ~。雹華さんも好きな姿だと前々から知っていたので、賛同してくれると思ってました」
「好きも何も、大好物よっ! それじゃあ、早速天狗になってちょうだい!」
既に興奮が最高潮に達し、握っている両手を上下にぶんぶん振っている雹華が、我の強い催促をする。
その防音氷を溶かしかねない熱い催促に、花梨は「はい、分かりました」と言うと、リュックサックから天狗になれる紫色の兜巾を取り出し、頭の上に乗せ、横から伸びている紐を顎に結いた。
「待ち焦がれていたわあ。この瞬間を、ずっと」
背筋に悪寒が走る口調で呟き出した雹華が、花梨が居る方へバッと振り向き、両手を大きく広げた。
「私と花梨ちゃんが、二人っきりになれるこの瞬間をねえッ!」
雹華が放つは、善悪を含まぬ、純粋な欲望に満ちた咆哮。その欲深い咆哮を真っ向から浴びた花梨が、握った拳を胸に当てる。
「雹華さん。いったい何をするつもりで、いるんですか?」
怯むことなく質問をすると、雹華はクスリと微笑する。
「あら。察しがいい花梨ちゃんなら、もう分かっているんじゃないの?」
「……くっ!」
妖しい雰囲気を漂わせている雹華の返しに、先に立てていた予想が当たってしまったのか。顔を強ばらせた花梨が両拳を前に構え、臨戦態勢に入る。
「ウフフッ、やる気満々じゃない。ただの人間が、雪女である私に勝てるとでも思っているのかしら?」
「そんなの、やってみないと分からないじゃないですか!」
明らかな虚勢を張った花梨の叫びに、雹華は花梨の目論見に感付き、ターコイズブルーの瞳を艶めかしく細めた。
「大声を上げても無駄よ。私達がいくら叫ぼうとも、激しく暴れようとも、外には決して音が漏れないからね」
「そ、そんな、まさか……。ゴーニャーーっ!! 纏姉さーーんっ!!」
試しにと花梨が大声で二人の名を叫ぶも、密閉された部屋内に声は響く事すらなく、しんと静まり返っていくのみ。
「アッハッハッハッハッ!! 無駄よ、無駄無駄ァッ! さっき言ったでしょ? この部屋には、特殊な氷に覆われているってねえ!」
勝ち誇ったように嘲笑う雹華が、扉の前まで歩み寄っていき、先ほど張った氷を手の甲でコンコンと叩く。
「この氷、防音氷って言ってね。音を吸い取る性質があるの。おまけに硬度はダイヤモンド並。そう易々とは壊れないわよ?」
特殊な氷の性質を明かした雹華が、凍てついたを眼差しで花梨を捉える。
「で、でも! ここはスタッフルームじゃないですか! その内に店員さんが来て、異変に気づくはずです!」
「その点は、心配無用」
どうにかして粗を探そうとする花梨に対し、雹華は余裕の表情で腕を組む。
「店員達にも、新たな体の冷やし方を教えてあるから、本当の休憩を取る時にしか訪れないわ。それにね」
悠々と説明を続ける雹華が、花梨の元へ一歩、また一歩と歩み出す。
「店員達がここへ来る場合、私に必ず一報を入れるよう指示してあるから、突然現れる事はまずありえないわ。更に、今日の極寒甘味処は月一の定休日。不測の事態も起きないってワケよ」
「じゃあ、もしかして……」
「そう、万全の状態よ。だから―――」
そう言葉を溜め、全速力でロッカーの元へ走り出す雹華。ロッカーの前まで来ると、二つの扉を乱暴に開け、中にあった何かを掴む。
そのまま、目にも止まらぬ早さで花梨が居る方へ向き、手で握った何かをガシャンと音を立たせながら置いた。
置いた物は、共に雹華の首ほどの高さまである黒い三脚で。左の三脚には、望遠レンズが装着されている一眼レフカメラ。右の三脚には、最新鋭のビデオカメラが装着されていた。
「始めるわよっ! 超撮影会をねえっ!!」
「おおっ、やったー!」
一触即発の状態から一転。両手を高らかに上げ、満面の笑みで飛び跳ねる花梨。
雹華が笑い出した時点で、ある程度の予想を立てていたものの。確信を得られず、様子を窺っていた花梨が、なんの気兼ねもなく雹華に歩み寄っていく。
二つのカメラを微調整している雹華の元まで来ると、花梨は待ってましたと言わんばかりに無邪気な笑みを浮かべ、雹華も華奢な笑みで返した。
「もう、花梨ちゃんったら。今日はすごくノリがいいじゃない。私もつい、演技に熱が入っちゃったわ」
「えへへっ。なんていうか、仲間だと信じていた人の罠にハマり、窮地に追い込まれた人の役を演じてみました。いや~、楽しかったです」
「ウフフッ。花梨ちゃん、そういうシチュエーションが好きなのね」
「ええ、そりゃあもうっ。そこから敵を倒しつつ脱出するのが、鉄板の流れです」
映画の影響なのか。自分が思い描く理想的なシーンを恥ずかし気もなく語ると、カメラの微調整を終えた雹華が「なら」と続ける。
「初めてここで研修をした時、雪の女王様を演じもらった時があったけど、案外ハマっていたのね」
「ああ~、ありましたね。なんて言えばいいんだろう? 逆境かな? とにかく、私が不利になるシチュエーションが好きです」
「で、実は本気を出していなく、大技を放って大逆転勝ちするんでしょ?」
「そうですそうです! いやぁ~、雹華さんも分かっていますねぇ~」
過去、ここで研修という名の撮影会を行った際。初めは仕方なく付き合っていたが、途中から熱が入り、ノリノリで雪の女王を演じていた花梨。
しかし今回は、花梨も前々からとある姿で撮影会をやってみたいと思っていたので、その予兆を感じ取ってから、事前にスイッチが入ってしまっていた。
雹華に触発され、花梨もウズウズとし出しすと、肝心の雹華は安堵でもしたのか、場の空気には合わないため息を漏らす。
「でも、演技を始めた時に、携帯電話で助けを呼ばれなくて本当によかったわ。それだけが、ちょっと怖かったのよね」
ため息の次に漏らしたのは、場合によっては起こり得ていた可能性がある大惨事。その雹華が危惧していた後ろ向きな発言に、花梨は首を横に振り、「いえいえ」と口にした。
「そんな事を絶対にしませんよ」
「えっ?」
「だって、雹華さんが私の事を信頼してくれているように。私も、雹華さんの事を信頼していますからね」
かつて、雹華に心を強く打たれた言葉をあやかり、絶対なる信頼感を寄せている旨を伝えた花梨が、全てを許容するような笑みを送る。
まるで、氷を瞬く間に溶かしてしまいそうな暖かな言葉に、雹華は目を限界まで見開き、口をポカンと開けた。
そして、全身に花梨の言葉が沁み渡った頃。雹華の右目から、涙が音も無く零れ落ち、頬を伝っている最中に口元を手で抑えた。
「……ごめんなさい、花梨ちゃん。今まで花梨ちゃんの事を天使だと思っていたけど、完全に見誤っていたわ。もはや聖母。いや、女神様だわ……」
「と、とうとう女神にされちゃいましたか、私」
最早、雹華の涙は止まる事を知らず。左目からも感涙が溢れ出し、大袈裟に両膝を崩してはすすり泣く。
「これから花梨ちゃんを、女神様かお母さんって呼んでもいいかしら……?」
「あれ、前回と立場が逆転しちゃったぞ? あの、普段通りでお願いします……」
これ以上泳がせると、呼び名も変わりかねないと感じた花梨は、雹華に手を差し伸べる。が、その女神の手を認めた雹華は首を横に振り、自分の力で立ち上がると、涙まみれになっている手を純白の着物で拭き取った。
更に袖から一枚の白い布を取り出し、顔を丁寧に拭き、豪快な音を立たせながら鼻をかむと、落ち着いた様子でニコリと微笑んだ。
「分かったわ、花梨ちゃん。それじゃあ、本題に入りましょうか。何かこの姿で演じてみたいとか、やってみたいシチュエーションとかはある?」
「あっ、はい、あります!」
「あら、とてもいい返事ね。教えてちょうだい」
「えっとですね~。前から、天狗の姿でやってみたい事があったんですよ」
天狗もとい堕天使の言葉を聞くや否や。雹華の両目が、部屋にあるどの光源よりも、力強く輝き出す。
「だってぇんしぃッ!! ナイスなチョイスじゃないのぉッ!」
防音氷を貫きかねない声量で叫ぶも、花梨は微動だにせず、背中に背負っていたリュックサックを床へ降ろす。
「んっふふ~。雹華さんも好きな姿だと前々から知っていたので、賛同してくれると思ってました」
「好きも何も、大好物よっ! それじゃあ、早速天狗になってちょうだい!」
既に興奮が最高潮に達し、握っている両手を上下にぶんぶん振っている雹華が、我の強い催促をする。
その防音氷を溶かしかねない熱い催促に、花梨は「はい、分かりました」と言うと、リュックサックから天狗になれる紫色の兜巾を取り出し、頭の上に乗せ、横から伸びている紐を顎に結いた。
1
お気に入りに追加
82
あなたにおすすめの小説
隣の家に住むイクメンの正体は龍神様でした~社無しの神とちびっ子神使候補たち
鳴澤うた
キャラ文芸
失恋にストーカー。
心身ともにボロボロになった姉崎菜緒は、とうとう道端で倒れるように寝てしまって……。
悪夢にうなされる菜緒を夢の中で救ってくれたのはなんとお隣のイクメン、藤村辰巳だった。
辰巳と辰巳が世話する子供たちとなんだかんだと交流を深めていくけれど、子供たちはどこか不可思議だ。
それもそのはず、人の姿をとっているけれど辰巳も子供たちも人じゃない。
社を持たない龍神様とこれから神使となるため勉強中の動物たちだったのだ!
食に対し、こだわりの強い辰巳に神使候補の子供たちや見守っている神様たちはご不満で、今の現状を打破しようと菜緒を仲間に入れようと画策していて……
神様と作る二十四節気ごはんを召し上がれ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】生贄娘と呪われ神の契約婚
乙原ゆん
キャラ文芸
生け贄として崖に身を投じた少女は、呪われし神の伴侶となる――。
二年前から不作が続く村のため、自ら志願し生け贄となった香世。
しかし、守り神の姿は言い伝えられているものとは違い、黒い子犬の姿だった。
生け贄など不要という子犬――白麗は、香世に、残念ながら今の自分に村を救う力はないと告げる。
それでも諦められない香世に、白麗は契約結婚を提案するが――。
これは、契約で神の妻となった香世が、亡き父に教わった薬草茶で夫となった神を救い、本当の意味で夫婦となる物語。

後宮浄魔伝~視える皇帝と浄魔の妃~
二位関りをん
キャラ文芸
桃玉は10歳の時に両親を失い、おじ夫妻の元で育った。桃玉にはあやかしを癒やし、浄化する能力があったが、あやかしが視えないので能力に気がついていなかった。
しかし桃玉が20歳になった時、村で人間があやかしに殺される事件が起き、桃玉は事件を治める為の生贄に選ばれてしまった。そんな生贄に捧げられる桃玉を救ったのは若き皇帝・龍環。
桃玉にはあやかしを祓う力があり、更に龍環は自身にはあやかしが視える能力があると伝える。
「俺と組んで後宮に蔓延る悪しきあやかしを浄化してほしいんだ」
こうして2人はある契約を結び、九嬪の1つである昭容の位で後宮入りした桃玉は龍環と共にあやかし祓いに取り組む日が始まったのだった。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
汐埼ゆたか
キャラ文芸
准教授の藤波怜(ふじなみ れい)が一人静かに暮らす一軒家。
そこに迷い猫のように住み着いた女の子。
名前はミネ。
どこから来たのか分からない彼女は、“女性”と呼ぶにはあどけなく、“少女”と呼ぶには美しい
ゆるりと始まった二人暮らし。
クールなのに優しい怜と天然で素直なミネ。
そんな二人の間に、目には見えない特別な何かが、静かに、穏やかに降り積もっていくのだった。
*****
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
※他サイト掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる