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55話-1、郷に従わぬ人間は、心の中で何を思う
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周りに居る人達からバレずに男性トイレから脱出した花梨は、座敷童子に変化したせいか、ジーパンのポケットから着物の袖に移動していた携帯電話を取り出し、自分の安否を知らせる為に河童の流蔵に電話を掛ける。
相手も花梨の電話を待ち構えていたのか、最初のワンコール目で音が途切れ、流蔵の荒らげた声が聞こえてきた。
「どうしたお前さん! 大丈夫か!?」
「は、はいっ。なんとか無事に終着駅まで運転できました」
「そ、そうか……。なら安心したわ……。しかし、これからどうやってこっちに戻ってくるんや?」
「座敷童子に変化したので、誰にもバレないで戻れるかと思います。今からそちらに帰りますね」
「そうか。気をつけて帰ってくるんやで?」
「はい! あっ、そうだ。ゴーニャはどうしていますか?」
「ん? ああ。一回起きてお前さんの事を探しとったが、トイレに行っとるって言ったら、安心したのかまた寝てもうたわ」
「そうですか、それじゃあ早く帰らないとですね。それでは!」
流蔵に無事だという事を伝えてから電話を切ると、「ふうっ」と小さく息を漏らし、携帯電話を袖にしまい込む。
そして、全員がいる駅事務室に戻るべく、近くにあった階段を上り、反対側にあるホームへ向かう事にした。
体がかなり小さくなったせいか、階段の一段一段がとても高くなっており、行き交う人々のようにスムーズには上がれず、一段ずつ四苦八苦しながら上がっていった。
「むう~、体が小さいと色々不便だなぁ。壁を歩いていったり、一気にジャンプでもして飛び越えていきたいけど、そうしたら周りの人達が驚くだろうし……」
折角、座敷童子という妖怪の姿になっているのにも関わらず、能力を活かせない現状にモヤモヤを募らせつつ、段差が高い階段を上がっていく。
やっとの思いで上り切ると、狭い通路を歩いている人達に混ざり、反対のホームへ進んでいき、再び大きな段差の階段を一段一段ゆっくりと下りていった。
反対のホームに着くと同時に、目的地の駅を通る電車がホーム内に進入してきて、近くまで来た扉が開くと、電車とホームの隙間から落ちないよう、小さくジャンプしながら電車に乗り込んだ。
車両内には人がまったくおらず、悪巧みを思いついた花梨は口元をニヤつかせ、フカフカの座席に飛び乗って立ち膝をし、窓を流れる景色を眺め始める。
「むっふっふっふっ。子供の姿なら、ちょっとはしゃいじゃってもいいよねぇ」
子供の体になったせいか、意気揚々として心までもが童心へと帰り、窓にベダッと両手を突けて、高速で流れていく街並みを堪能していく。
先ほどまで居た駅から最寄りの駅に戻るのは、約数年振りともあってか、見慣れた景色は所々変わっており、真新しい建物が目に入るたびに花梨の心が弾んでいった。
「あれっ? あそこの建物の看板が変わってるや。前の店は潰れちゃったのかな? コンビニがすごい増えてるなぁ。どこを見ても目にはい―――」
「ママー。前の席にいる女の子、一人で電車に乗ってるのかなー?」
「前の席……? なに言ってるの、誰もいないじゃない」
「えっ? 白い変な服を着た女の子が、一人で外を見てるじゃんか」
「あまり気味が悪い事を言わないでちょうだい。この車両には、私達しかいないでしょ?」
「……えっ?」
景色に目を奪われていた花梨は、不意に聞こえてきた会話に不穏な違和感を覚え、目を丸くさせながら振り返る。
そこには、気がつかない内に電車に乗り込んで来たのか、親子らしき人物達が対面の座席に座っている。
母親と思われる女性は男の子を抱えていて、その男の子に顔を合わせると、恐怖からか体を大きく波立たせ、青ざめた顔を母親に向けた。
「ほら、いるよ! いま、目が合ったもん!」
「私には何も見えないけど……。なんか怖いから、車両を移動しよっか」
「早くっ、怖いから早く行こっ!」
「あっ! ちょっと、待って……」
花梨は困惑した手を親子に差し伸べるも、その制止は母親には届かなかったのか、親子達は駆け足で隣の車両に移動していく。
後を追いたい衝動に駆られるも、男の子が自分の姿を見て、酷く怯えた表情をしていた事が頭の中に過ぎると、差し伸べていた手を下ろし、しょぼくれている顔を窓に戻した。
「なんで、男の子には私の姿が見えて、母親には見えてなかったんだろう……? それに、男の子は私を見て、すごく怯えていたなぁ……」
昂っていた気持ちが一転、親子の表情や言動により意気消沈し、小さな手を窓に突き、重いため息を吐く。
そのまま、浮かない顔で夕焼けに染まる街並みを眺めていると、電車がトンネルに入ったのか、目の前の景色が急に黒く塗り潰される。
そして、その黒く染まった窓を見た瞬間。花梨は唖然とし、目を限界まで見開いた。
「わ、私の姿が……、窓に、映って、ない……?」
窓に触れていた手が震え出し、驚愕して呼吸が乱れていく花梨の目に映った光景は、背後にある同じく黒く染まった窓だけであった。
本来映るべきである自分の姿はどこにもなく、思わず白い着物を身に纏っている体に視線を移し、体が消えていない事を確認する。
「……ある、体はちゃんとある。じゃあなんで、私の姿が窓に映ってないの……? ……あっ」
頭の中が、初めて味わう不可解な出来事により混乱している中。ふと、ぬらりひょんと初めてショッピングモールに行く時に、車両内で交わしたやり取りの内容を思い出す。
あの時のぬらりひょんは、今の花梨と同じように、黒く染まっている窓には体はおろか、ふかしているキセルの煙さえも映っていなかった。
「そ、そうだ……。私は今、人間じゃないんだ……。座敷童子という、妖怪の姿になっていたんだった……」
原因を突き止めて納得はしたものの、男の子から向けられた恐怖で怯えている表情が脳裏に焼き付いており、花梨の弱っている心を無残にも傷つけていく。
チクチクと痛み始めた左胸を握り締めると、混乱が収まりつつある頭の中に、また温泉街に来たばかりであるメリーさん、ゴーニャの顔が思い浮かんだ。
「ゴーニャは、生まれてから私に出会うまでの数ヶ月もの間、こんな思いをしながら過ごしてきたんだ……」
花梨は小刻みに震えている手を窓に添え直し、涙で滲んでいるオレンジ色の瞳を、自分の存在を否定するかのように映らない窓に向ける。
「誰にも目を向けてもらえず、もし向けてくれたとしても、化け物扱いをして、心を傷つけて逃げていく……。生まれたばかりで何も知らないで、自分を普通の人間の子供だと思っていたのに、それを全て否定され、何もしていないのに忌み嫌われていく……。そんな、そんな残酷すぎる生活、私には到底無理だ……。一週間も耐えられないよ……、ゴーニャ……」
まだ名前が無く、身近に頼れる存在すら誰もおらず、自分の生まれた理由さえ分からないまま、ずっと一人で寂しく生きていたゴーニャ。
まだメリーさんだった頃のゴーニャの生活を思うと、花梨の目頭はだんだんと熱くなっていき、耐え切れなくなったのか、大粒の涙を流し始める。
ゴーニャの過去は既に聞いていたが、実際に疑似体験してみるとなると、その話の内容が段違いに重くなり、折れかけている花梨の心に重くのしかかっていく。
人間として生を受けた花梨には、最初から祖父という頼れる存在が身近に居て、鵺という親しい上司がおり、最後には温泉街に沢山の仲間が出来た。
しかし、ゴーニャは生まれた瞬間から頼れる存在がおらず、ありったけの勇気を振り絞らなければ、心の拠り所である花梨と出会く事はまず無く、永遠に一人で彷徨い続ける羽目になっていた。
そんな暗くて不埒な事ばかり考えていると、座敷童子になっている今の自分の姿を、過去のゴーニャの姿と重ねてしまい、自ら心を痛めつけていく。
そして、誰もいない車両内で一人。一駅一駅の間が無限のように長く感じる時の中で、座敷童子の姿のまま孤独に蝕まれた涙を流し続けた。
相手も花梨の電話を待ち構えていたのか、最初のワンコール目で音が途切れ、流蔵の荒らげた声が聞こえてきた。
「どうしたお前さん! 大丈夫か!?」
「は、はいっ。なんとか無事に終着駅まで運転できました」
「そ、そうか……。なら安心したわ……。しかし、これからどうやってこっちに戻ってくるんや?」
「座敷童子に変化したので、誰にもバレないで戻れるかと思います。今からそちらに帰りますね」
「そうか。気をつけて帰ってくるんやで?」
「はい! あっ、そうだ。ゴーニャはどうしていますか?」
「ん? ああ。一回起きてお前さんの事を探しとったが、トイレに行っとるって言ったら、安心したのかまた寝てもうたわ」
「そうですか、それじゃあ早く帰らないとですね。それでは!」
流蔵に無事だという事を伝えてから電話を切ると、「ふうっ」と小さく息を漏らし、携帯電話を袖にしまい込む。
そして、全員がいる駅事務室に戻るべく、近くにあった階段を上り、反対側にあるホームへ向かう事にした。
体がかなり小さくなったせいか、階段の一段一段がとても高くなっており、行き交う人々のようにスムーズには上がれず、一段ずつ四苦八苦しながら上がっていった。
「むう~、体が小さいと色々不便だなぁ。壁を歩いていったり、一気にジャンプでもして飛び越えていきたいけど、そうしたら周りの人達が驚くだろうし……」
折角、座敷童子という妖怪の姿になっているのにも関わらず、能力を活かせない現状にモヤモヤを募らせつつ、段差が高い階段を上がっていく。
やっとの思いで上り切ると、狭い通路を歩いている人達に混ざり、反対のホームへ進んでいき、再び大きな段差の階段を一段一段ゆっくりと下りていった。
反対のホームに着くと同時に、目的地の駅を通る電車がホーム内に進入してきて、近くまで来た扉が開くと、電車とホームの隙間から落ちないよう、小さくジャンプしながら電車に乗り込んだ。
車両内には人がまったくおらず、悪巧みを思いついた花梨は口元をニヤつかせ、フカフカの座席に飛び乗って立ち膝をし、窓を流れる景色を眺め始める。
「むっふっふっふっ。子供の姿なら、ちょっとはしゃいじゃってもいいよねぇ」
子供の体になったせいか、意気揚々として心までもが童心へと帰り、窓にベダッと両手を突けて、高速で流れていく街並みを堪能していく。
先ほどまで居た駅から最寄りの駅に戻るのは、約数年振りともあってか、見慣れた景色は所々変わっており、真新しい建物が目に入るたびに花梨の心が弾んでいった。
「あれっ? あそこの建物の看板が変わってるや。前の店は潰れちゃったのかな? コンビニがすごい増えてるなぁ。どこを見ても目にはい―――」
「ママー。前の席にいる女の子、一人で電車に乗ってるのかなー?」
「前の席……? なに言ってるの、誰もいないじゃない」
「えっ? 白い変な服を着た女の子が、一人で外を見てるじゃんか」
「あまり気味が悪い事を言わないでちょうだい。この車両には、私達しかいないでしょ?」
「……えっ?」
景色に目を奪われていた花梨は、不意に聞こえてきた会話に不穏な違和感を覚え、目を丸くさせながら振り返る。
そこには、気がつかない内に電車に乗り込んで来たのか、親子らしき人物達が対面の座席に座っている。
母親と思われる女性は男の子を抱えていて、その男の子に顔を合わせると、恐怖からか体を大きく波立たせ、青ざめた顔を母親に向けた。
「ほら、いるよ! いま、目が合ったもん!」
「私には何も見えないけど……。なんか怖いから、車両を移動しよっか」
「早くっ、怖いから早く行こっ!」
「あっ! ちょっと、待って……」
花梨は困惑した手を親子に差し伸べるも、その制止は母親には届かなかったのか、親子達は駆け足で隣の車両に移動していく。
後を追いたい衝動に駆られるも、男の子が自分の姿を見て、酷く怯えた表情をしていた事が頭の中に過ぎると、差し伸べていた手を下ろし、しょぼくれている顔を窓に戻した。
「なんで、男の子には私の姿が見えて、母親には見えてなかったんだろう……? それに、男の子は私を見て、すごく怯えていたなぁ……」
昂っていた気持ちが一転、親子の表情や言動により意気消沈し、小さな手を窓に突き、重いため息を吐く。
そのまま、浮かない顔で夕焼けに染まる街並みを眺めていると、電車がトンネルに入ったのか、目の前の景色が急に黒く塗り潰される。
そして、その黒く染まった窓を見た瞬間。花梨は唖然とし、目を限界まで見開いた。
「わ、私の姿が……、窓に、映って、ない……?」
窓に触れていた手が震え出し、驚愕して呼吸が乱れていく花梨の目に映った光景は、背後にある同じく黒く染まった窓だけであった。
本来映るべきである自分の姿はどこにもなく、思わず白い着物を身に纏っている体に視線を移し、体が消えていない事を確認する。
「……ある、体はちゃんとある。じゃあなんで、私の姿が窓に映ってないの……? ……あっ」
頭の中が、初めて味わう不可解な出来事により混乱している中。ふと、ぬらりひょんと初めてショッピングモールに行く時に、車両内で交わしたやり取りの内容を思い出す。
あの時のぬらりひょんは、今の花梨と同じように、黒く染まっている窓には体はおろか、ふかしているキセルの煙さえも映っていなかった。
「そ、そうだ……。私は今、人間じゃないんだ……。座敷童子という、妖怪の姿になっていたんだった……」
原因を突き止めて納得はしたものの、男の子から向けられた恐怖で怯えている表情が脳裏に焼き付いており、花梨の弱っている心を無残にも傷つけていく。
チクチクと痛み始めた左胸を握り締めると、混乱が収まりつつある頭の中に、また温泉街に来たばかりであるメリーさん、ゴーニャの顔が思い浮かんだ。
「ゴーニャは、生まれてから私に出会うまでの数ヶ月もの間、こんな思いをしながら過ごしてきたんだ……」
花梨は小刻みに震えている手を窓に添え直し、涙で滲んでいるオレンジ色の瞳を、自分の存在を否定するかのように映らない窓に向ける。
「誰にも目を向けてもらえず、もし向けてくれたとしても、化け物扱いをして、心を傷つけて逃げていく……。生まれたばかりで何も知らないで、自分を普通の人間の子供だと思っていたのに、それを全て否定され、何もしていないのに忌み嫌われていく……。そんな、そんな残酷すぎる生活、私には到底無理だ……。一週間も耐えられないよ……、ゴーニャ……」
まだ名前が無く、身近に頼れる存在すら誰もおらず、自分の生まれた理由さえ分からないまま、ずっと一人で寂しく生きていたゴーニャ。
まだメリーさんだった頃のゴーニャの生活を思うと、花梨の目頭はだんだんと熱くなっていき、耐え切れなくなったのか、大粒の涙を流し始める。
ゴーニャの過去は既に聞いていたが、実際に疑似体験してみるとなると、その話の内容が段違いに重くなり、折れかけている花梨の心に重くのしかかっていく。
人間として生を受けた花梨には、最初から祖父という頼れる存在が身近に居て、鵺という親しい上司がおり、最後には温泉街に沢山の仲間が出来た。
しかし、ゴーニャは生まれた瞬間から頼れる存在がおらず、ありったけの勇気を振り絞らなければ、心の拠り所である花梨と出会く事はまず無く、永遠に一人で彷徨い続ける羽目になっていた。
そんな暗くて不埒な事ばかり考えていると、座敷童子になっている今の自分の姿を、過去のゴーニャの姿と重ねてしまい、自ら心を痛めつけていく。
そして、誰もいない車両内で一人。一駅一駅の間が無限のように長く感じる時の中で、座敷童子の姿のまま孤独に蝕まれた涙を流し続けた。
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