137 / 384
40話、妹の看病
しおりを挟む
カマイタチの辻風から看病のイロハを教わったゴーニャは、自ら率先して花梨の看病を始める。
花梨の額に置いてあるタオルが温くなれば、急いで冷たい水に浸して充分に冷やし、固く絞ってそっと花梨の額に置いた。
じんわりと汗が滲んでくると、綺麗で清潔なタオルでゆっくりと拭き取り、拭き残しがないか念入りに確認した後。小さなため息をつく。
汗をかいた後は脱水症状にならないように、万能薬に近い癒風の塗り薬を溶かしたぬるま湯を、寝ている花梨の口の中に一滴ずつ垂らしていった。
そのぬるま湯を花梨がコクンと飲み込むと、安心したゴーニャは口元を緩ませ、花梨の横にちょこんと正座して静かに見守り続けていった。
途中途中に、花梨の様子を見に来た女天狗のクロに「代わろうか?」と聞かれるも、ゴーニャは頑なに拒んで自分が看病すると強く主張し、頬をプクッと膨らませる。
観念したクロが苦笑いしながら花梨の事を託すと、ゴーニャは当然のように「まかせてっ!」と、真剣な眼差しを向け、部屋から退散していくクロの背中を見送った。
しばらくすると、花梨が苦しそうな表情で寝返りを打つ。あたふたしたゴーニャは、枕元に落ちたタオルを慌てて拾い上げ、花梨の額に当てて抑えつけた。
そんな光景を後ろから見ており、ぬらりひょんに植え付けられた恐怖が未だに抜けず、縮こまってカタカタと体を震わせていた辻風が口を開く
「ゴーニャ君、そこまでしなくても大丈夫だよ」
「ダメよっ! こうしないと、花梨の体調が良くならないもんっ!」
「無暗に体を触るのも、あまりよろしくないんだ。静かに見守ってあげなさい」
「そうなの? ……むう」
あまり納得していないゴーニャは、仕方なく辻風の言う事を聞き入れ、抑えていたタオルを離し、再び花梨の横に正座をした。
依然として呼吸を荒げている花梨を見ていると、自分のせいで花梨がこうなってしまったんだという罪悪感に駆られ、タオルを握っている手が震えだし、思わず力が入る。
的外れな罪悪感が不安を生み出し、膨らみつつある不安がゴーニャに良からぬ未来を想像させ、焦る気持ちを煽っていく。
最悪な結末しか想定できなくなると、もしかしたら、花梨はこのまま目を覚まさないで、死んじゃうのかしら……? と考えてしまし、ゴーニャの目頭がだんだんと熱くなっていった。
罪悪感と不安と焦りがゴーニャの心を容赦なく蝕んでいくと、その重圧に耐えられなくなったのか、勝手に涙が溢れ出し、その場で息を殺しながら泣き始めた。
「ゴーニャ君……」
「私のせいで……、私のせいで花梨が死んじゃうかもしれない……。ヤダッ……、そんなの絶対にヤダァ……」
「さっきの話を聞いた限り、ゴーニャ君にはまったく非はないよ。そう自分を責めないでくれ」
「……違う。私が攫われたせいで、花梨がこんな酷い目に遭っちゃったんだもん……。全部私のせいよ……。私が、花梨と出会っちゃったからいけないんだわっ……」
全ての引き金になったと信じてやまないゴーニャは、軽傷で済んだのに対し、ゴーニャを助けてくれた愛する家族は多大なる傷を負い、今、目の前で苦しんでいる。
誰もそんな風には思っていなく、ゴーニャだけがそう思い込んでいる事だが、負の感情がその考えを決定づけ、完全に固定してしまい、他の思考を蹴散らせていく。
こうなってしまうと辻風の言葉も耳に届かなくなり、背後から流れてくる誤解を解く意見は、ゴーニャの耳に届く前にノイズへと変わり、弾かれていった。
握っている温いタオルを、自分の熱い大粒の涙で更に温くしていく。その涙が花梨の手の上にポタッと落ちると、意識を取り戻した花梨が目を覚ます。
起きたばかりのせいか、まだ視界がぼんやりと霞んでいる中。
涙を流しているゴーニャが目に入り込むと、今まで寝ていた花梨には何でゴーニャが泣いているのか理解出来ず、掠れた声で喋り始めた。
「……ゴーニャ、なんで泣いてるの?」
「―――ッ! 花梨っ!!」
花梨が目を覚まして声を掛けてくると、ゴーニャは、ぱあっと明るい表情になるも、瞬く間に負の感情に心が飲まれ、目の前にある花梨の熱い手を強く握り締め、涙が溢れる青い瞳を花梨に向けた。
「ごめんなさいっ! 私のせいで花梨がこんな目に……!」
「えっ?」
「私が昨日、攫われなければ花梨はこんなに傷つかなかったし、高熱を出して苦しむ事もなかったっ! 全部、全部私が悪いのっ! 私が、花梨と出会わなければ……、こんなにひどい目に、遭う事もなかったの……」
手を握り締めてきたゴーニャが早口で喋りだすと、昨日の夜から記憶が一切無い花梨は、困惑しながらも自分が今、置かれていた状況を少しだけ把握する。
体の節々や関節に鈍痛が響き、頭も鉄の帽子でもかぶっているのかと疑う程に重く、高熱のせいからか、気分がすぐれなくボーッとしており、まともな思考はまだ出来そうになかった。
「……待ってゴーニャ、一旦落ち着い―――」
「私は花梨にとって……、いやっ、温泉街のみんなにとって悪い疫病神なの! 私がここに来なければ、みんなにも迷惑がかからなかったし、花梨もこんな風にはならないで普通に過ごせたハズ……! 私が、ここからいなくなれば……、花梨はまた平和な生活に戻れ、んっ」
花梨の制止に意を介さず、溜め込んでいた物を全て吐き出すようにゴーニャが喋っていると、ふと花梨の人差し指が、ゴーニャの小さな口を抑えつける。
その指は熱くて微かに震えており、これ以上ゴーニャには喋らせまいと思ったのか、代わりに花梨が口を開いた。
「……それ以上、寂しい事を言わないでよ。今の私にはもう、ゴーニャが居ない生活なんて有り得ないし、考えられないんだ。だって、ゴーニャは私の大切な家族だもん」
花梨が口を抑えていた指を離し、涙で濡れているゴーニャの頬に手を添えた。その手はとても温かく、負の感情で凍りついているゴーニャの心を、優しく溶かしていく。
心にポカポカの愛が注がれていくゴーニャが、頬にある大きな花梨の手に自分の手を重ね、顔をくしゃくしゃにさせながら話を続ける。
「でも、私がいたら花梨がまた、不幸な目に遭っちゃうっ……! 私みたいな疫病神が、花梨のそばにいたらダメなのっ! 花梨が、私のせいで……、傷ついて、また何かあったら、死んじゃうかもしれないんだもん……」
止まらずに増えていくゴーニャの涙が、温かい花梨の手を巻き込みながら伝い、点々とベッドに落ちていく。しかし花梨は、その言葉を否定するかのように首を左右に振った。
「ううん、ゴーニャは何も悪くないよ。昨日だってゴーニャのせいなんかじゃない。それは私が一番よく分かってる 。だから、もう自分を責めるのはやめな。ねっ?」
「でも、でもぉ……」
「私はゴーニャの事がとっても大好きだし、ゴーニャが私の元からいなくなるなんて絶対にイヤだ。これは、心の底からの本音だよ。……ゴーニャの本音も、聞きたいなぁ」
本音を口にした花梨が、涙が滲んでいる目を閉ざし、優しく微笑んだ。
その温かな微笑みで、愛が充分に満たされたゴーニャの心がカッと熱くなり、抑え込んでいた本当の感情が爆発し、小さな口から溢れ出す。
「……本当は、本当は花梨と離れたくなんかないっ! これからもずっと、一緒にいたいっ!! 私も花梨がいない生活なんて、絶対にイヤッ!! だって私も、花梨の事が、大好きなんだもんっ……」
ゴーニャも本当の本音を出し終えると、感情の波が暴走し、泣き叫びながら花梨の体に飛びつき、体をギュッと強く抱きしめた。
その感情の波に飲み込まれた花梨も、オレンジ色の瞳から一粒の涙が零れ落ち、胸元もいるゴーニャを強く抱き返す。
「よかった、ゴーニャの本音が聞けて。すごく嬉しいや。これからもずっと、一緒にいようね」
「……うんっ、うんっ!」
泣きながら甘えてくるゴーニャの頭にそっと手を添え、残っているしがらみを振り払うかのように、何度も何度も優しく撫で続ける。
悲涙から感涙に変わった妹の涙は、しばらく間止まらずに流れ続け、姉はずっと妹を抱きしめ、慈愛に満ちた表情を送り続けていた。
花梨の額に置いてあるタオルが温くなれば、急いで冷たい水に浸して充分に冷やし、固く絞ってそっと花梨の額に置いた。
じんわりと汗が滲んでくると、綺麗で清潔なタオルでゆっくりと拭き取り、拭き残しがないか念入りに確認した後。小さなため息をつく。
汗をかいた後は脱水症状にならないように、万能薬に近い癒風の塗り薬を溶かしたぬるま湯を、寝ている花梨の口の中に一滴ずつ垂らしていった。
そのぬるま湯を花梨がコクンと飲み込むと、安心したゴーニャは口元を緩ませ、花梨の横にちょこんと正座して静かに見守り続けていった。
途中途中に、花梨の様子を見に来た女天狗のクロに「代わろうか?」と聞かれるも、ゴーニャは頑なに拒んで自分が看病すると強く主張し、頬をプクッと膨らませる。
観念したクロが苦笑いしながら花梨の事を託すと、ゴーニャは当然のように「まかせてっ!」と、真剣な眼差しを向け、部屋から退散していくクロの背中を見送った。
しばらくすると、花梨が苦しそうな表情で寝返りを打つ。あたふたしたゴーニャは、枕元に落ちたタオルを慌てて拾い上げ、花梨の額に当てて抑えつけた。
そんな光景を後ろから見ており、ぬらりひょんに植え付けられた恐怖が未だに抜けず、縮こまってカタカタと体を震わせていた辻風が口を開く
「ゴーニャ君、そこまでしなくても大丈夫だよ」
「ダメよっ! こうしないと、花梨の体調が良くならないもんっ!」
「無暗に体を触るのも、あまりよろしくないんだ。静かに見守ってあげなさい」
「そうなの? ……むう」
あまり納得していないゴーニャは、仕方なく辻風の言う事を聞き入れ、抑えていたタオルを離し、再び花梨の横に正座をした。
依然として呼吸を荒げている花梨を見ていると、自分のせいで花梨がこうなってしまったんだという罪悪感に駆られ、タオルを握っている手が震えだし、思わず力が入る。
的外れな罪悪感が不安を生み出し、膨らみつつある不安がゴーニャに良からぬ未来を想像させ、焦る気持ちを煽っていく。
最悪な結末しか想定できなくなると、もしかしたら、花梨はこのまま目を覚まさないで、死んじゃうのかしら……? と考えてしまし、ゴーニャの目頭がだんだんと熱くなっていった。
罪悪感と不安と焦りがゴーニャの心を容赦なく蝕んでいくと、その重圧に耐えられなくなったのか、勝手に涙が溢れ出し、その場で息を殺しながら泣き始めた。
「ゴーニャ君……」
「私のせいで……、私のせいで花梨が死んじゃうかもしれない……。ヤダッ……、そんなの絶対にヤダァ……」
「さっきの話を聞いた限り、ゴーニャ君にはまったく非はないよ。そう自分を責めないでくれ」
「……違う。私が攫われたせいで、花梨がこんな酷い目に遭っちゃったんだもん……。全部私のせいよ……。私が、花梨と出会っちゃったからいけないんだわっ……」
全ての引き金になったと信じてやまないゴーニャは、軽傷で済んだのに対し、ゴーニャを助けてくれた愛する家族は多大なる傷を負い、今、目の前で苦しんでいる。
誰もそんな風には思っていなく、ゴーニャだけがそう思い込んでいる事だが、負の感情がその考えを決定づけ、完全に固定してしまい、他の思考を蹴散らせていく。
こうなってしまうと辻風の言葉も耳に届かなくなり、背後から流れてくる誤解を解く意見は、ゴーニャの耳に届く前にノイズへと変わり、弾かれていった。
握っている温いタオルを、自分の熱い大粒の涙で更に温くしていく。その涙が花梨の手の上にポタッと落ちると、意識を取り戻した花梨が目を覚ます。
起きたばかりのせいか、まだ視界がぼんやりと霞んでいる中。
涙を流しているゴーニャが目に入り込むと、今まで寝ていた花梨には何でゴーニャが泣いているのか理解出来ず、掠れた声で喋り始めた。
「……ゴーニャ、なんで泣いてるの?」
「―――ッ! 花梨っ!!」
花梨が目を覚まして声を掛けてくると、ゴーニャは、ぱあっと明るい表情になるも、瞬く間に負の感情に心が飲まれ、目の前にある花梨の熱い手を強く握り締め、涙が溢れる青い瞳を花梨に向けた。
「ごめんなさいっ! 私のせいで花梨がこんな目に……!」
「えっ?」
「私が昨日、攫われなければ花梨はこんなに傷つかなかったし、高熱を出して苦しむ事もなかったっ! 全部、全部私が悪いのっ! 私が、花梨と出会わなければ……、こんなにひどい目に、遭う事もなかったの……」
手を握り締めてきたゴーニャが早口で喋りだすと、昨日の夜から記憶が一切無い花梨は、困惑しながらも自分が今、置かれていた状況を少しだけ把握する。
体の節々や関節に鈍痛が響き、頭も鉄の帽子でもかぶっているのかと疑う程に重く、高熱のせいからか、気分がすぐれなくボーッとしており、まともな思考はまだ出来そうになかった。
「……待ってゴーニャ、一旦落ち着い―――」
「私は花梨にとって……、いやっ、温泉街のみんなにとって悪い疫病神なの! 私がここに来なければ、みんなにも迷惑がかからなかったし、花梨もこんな風にはならないで普通に過ごせたハズ……! 私が、ここからいなくなれば……、花梨はまた平和な生活に戻れ、んっ」
花梨の制止に意を介さず、溜め込んでいた物を全て吐き出すようにゴーニャが喋っていると、ふと花梨の人差し指が、ゴーニャの小さな口を抑えつける。
その指は熱くて微かに震えており、これ以上ゴーニャには喋らせまいと思ったのか、代わりに花梨が口を開いた。
「……それ以上、寂しい事を言わないでよ。今の私にはもう、ゴーニャが居ない生活なんて有り得ないし、考えられないんだ。だって、ゴーニャは私の大切な家族だもん」
花梨が口を抑えていた指を離し、涙で濡れているゴーニャの頬に手を添えた。その手はとても温かく、負の感情で凍りついているゴーニャの心を、優しく溶かしていく。
心にポカポカの愛が注がれていくゴーニャが、頬にある大きな花梨の手に自分の手を重ね、顔をくしゃくしゃにさせながら話を続ける。
「でも、私がいたら花梨がまた、不幸な目に遭っちゃうっ……! 私みたいな疫病神が、花梨のそばにいたらダメなのっ! 花梨が、私のせいで……、傷ついて、また何かあったら、死んじゃうかもしれないんだもん……」
止まらずに増えていくゴーニャの涙が、温かい花梨の手を巻き込みながら伝い、点々とベッドに落ちていく。しかし花梨は、その言葉を否定するかのように首を左右に振った。
「ううん、ゴーニャは何も悪くないよ。昨日だってゴーニャのせいなんかじゃない。それは私が一番よく分かってる 。だから、もう自分を責めるのはやめな。ねっ?」
「でも、でもぉ……」
「私はゴーニャの事がとっても大好きだし、ゴーニャが私の元からいなくなるなんて絶対にイヤだ。これは、心の底からの本音だよ。……ゴーニャの本音も、聞きたいなぁ」
本音を口にした花梨が、涙が滲んでいる目を閉ざし、優しく微笑んだ。
その温かな微笑みで、愛が充分に満たされたゴーニャの心がカッと熱くなり、抑え込んでいた本当の感情が爆発し、小さな口から溢れ出す。
「……本当は、本当は花梨と離れたくなんかないっ! これからもずっと、一緒にいたいっ!! 私も花梨がいない生活なんて、絶対にイヤッ!! だって私も、花梨の事が、大好きなんだもんっ……」
ゴーニャも本当の本音を出し終えると、感情の波が暴走し、泣き叫びながら花梨の体に飛びつき、体をギュッと強く抱きしめた。
その感情の波に飲み込まれた花梨も、オレンジ色の瞳から一粒の涙が零れ落ち、胸元もいるゴーニャを強く抱き返す。
「よかった、ゴーニャの本音が聞けて。すごく嬉しいや。これからもずっと、一緒にいようね」
「……うんっ、うんっ!」
泣きながら甘えてくるゴーニャの頭にそっと手を添え、残っているしがらみを振り払うかのように、何度も何度も優しく撫で続ける。
悲涙から感涙に変わった妹の涙は、しばらく間止まらずに流れ続け、姉はずっと妹を抱きしめ、慈愛に満ちた表情を送り続けていた。
1
お気に入りに追加
82
あなたにおすすめの小説
隣の家に住むイクメンの正体は龍神様でした~社無しの神とちびっ子神使候補たち
鳴澤うた
キャラ文芸
失恋にストーカー。
心身ともにボロボロになった姉崎菜緒は、とうとう道端で倒れるように寝てしまって……。
悪夢にうなされる菜緒を夢の中で救ってくれたのはなんとお隣のイクメン、藤村辰巳だった。
辰巳と辰巳が世話する子供たちとなんだかんだと交流を深めていくけれど、子供たちはどこか不可思議だ。
それもそのはず、人の姿をとっているけれど辰巳も子供たちも人じゃない。
社を持たない龍神様とこれから神使となるため勉強中の動物たちだったのだ!
食に対し、こだわりの強い辰巳に神使候補の子供たちや見守っている神様たちはご不満で、今の現状を打破しようと菜緒を仲間に入れようと画策していて……
神様と作る二十四節気ごはんを召し上がれ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
【完結】生贄娘と呪われ神の契約婚
乙原ゆん
キャラ文芸
生け贄として崖に身を投じた少女は、呪われし神の伴侶となる――。
二年前から不作が続く村のため、自ら志願し生け贄となった香世。
しかし、守り神の姿は言い伝えられているものとは違い、黒い子犬の姿だった。
生け贄など不要という子犬――白麗は、香世に、残念ながら今の自分に村を救う力はないと告げる。
それでも諦められない香世に、白麗は契約結婚を提案するが――。
これは、契約で神の妻となった香世が、亡き父に教わった薬草茶で夫となった神を救い、本当の意味で夫婦となる物語。
公主の嫁入り
マチバリ
キャラ文芸
宗国の公主である雪花は、後宮の最奥にある月花宮で息をひそめて生きていた。母の身分が低かったことを理由に他の妃たちから冷遇されていたからだ。
17歳になったある日、皇帝となった兄の命により龍の血を継ぐという道士の元へ降嫁する事が決まる。政略結婚の道具として役に立ちたいと願いつつも怯えていた雪花だったが、顔を合わせた道士の焔蓮は優しい人で……ぎこちなくも心を通わせ、夫婦となっていく二人の物語。
中華習作かつ色々ふんわりなファンタジー設定です。

アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

後宮浄魔伝~視える皇帝と浄魔の妃~
二位関りをん
キャラ文芸
桃玉は10歳の時に両親を失い、おじ夫妻の元で育った。桃玉にはあやかしを癒やし、浄化する能力があったが、あやかしが視えないので能力に気がついていなかった。
しかし桃玉が20歳になった時、村で人間があやかしに殺される事件が起き、桃玉は事件を治める為の生贄に選ばれてしまった。そんな生贄に捧げられる桃玉を救ったのは若き皇帝・龍環。
桃玉にはあやかしを祓う力があり、更に龍環は自身にはあやかしが視える能力があると伝える。
「俺と組んで後宮に蔓延る悪しきあやかしを浄化してほしいんだ」
こうして2人はある契約を結び、九嬪の1つである昭容の位で後宮入りした桃玉は龍環と共にあやかし祓いに取り組む日が始まったのだった。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる