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31話-1、雅と花梨の秘湯巡り。その1
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颯爽とした秋の風が肌を撫でていく、長期休暇の五日目。
昼食の空気を漂わせている大通りで、食欲を刺激された花梨とゴーニャは、昼食を取る為に、同じ目的の客で賑わっている定食屋付喪に訪れていた。
妖狐に変化した花梨はカウンター席で、油揚げが山盛りの裏メニューに、狐の尻尾を振り回しながら舌鼓を打ち、ゴーニャはきつねうどんの麺を一本ずつ食べていた。
油揚げを口に入れるたびに、顔中の筋肉が緩んでたるみ、にへら笑いをしている花梨を横目で見ていたゴーニャが、だんだんと羨ましくなってきたのか、思わず口を開く。
「花梨っ。妖狐になって油揚げを食べると、そんなにおいしいのっ?」
「んっはぁ~、……んっ? そりゃあもうっ、とんでもなく美味しいよ~。ゴーニャも試してみる?」
「いいのっ? それじゃあ試してみたいわっ!」
「オッケー。それじゃあまず、普通に油揚げを食べてみな」
葉っぱの髪飾りを外し、人間の姿に戻った花梨がそう言うと、ゴーニャは大きな油揚げを箸で掴み、息を数回吹きかけ、小さい口で角っこを齧る。
油揚げは、厚みがあるも中はふっくらとしており、下味が付いているのかとても甘く感じた。
噛むたびに、存分に吸っていたカツオ節と昆布ベースの出汁が溢れ出してきて、油揚げの甘さを包み込みながら混ざり合っていく。
「とてもふっくらしてて甘くて、おいしいわっ」
「その味をしっかりと覚えててね。はい、今度は髪飾りを付けてから食べてみな。帽子は預かっておくね」
そう言った花梨は、ゴーニャがかぶっているつばの広い帽子を取り、自分の頭に乗せてから髪飾りを手渡した。
受け取ったゴーニャは髪飾りを頭に付け、小柄な妖狐に変化すると、角が欠けている油揚げをじっと睨みつける。
先ほどとは打って変わり、まったく別の料理かと見間違えほど格段に美味しそうに見え、嗅覚が鋭くなっているせいか、濃厚になった油揚げの匂いが鼻の中をくすぐるように駆け巡り、自然とヨダレをタラッと垂らす。
そして、恐る恐る油揚げを箸で持ち上げると、大きな音を立たせながら生唾を飲み込み、大きく口を開けて半分ほど齧った。
その瞬間、狐の耳と尻尾がピンと立ち上がり、カッと目が開く。咀嚼をしていく内に、力強く立っていた耳と尻尾が垂れていき、口の中にあった油揚げを飲み込むと、今度はピコピコと激しく暴れ始める。
「んんーーっ! おいひいーーっ!!」
「だよね~、そうなるよねぇ。最高でしょ?」
「うんっ! ずるいわ花梨っ、一人でこんなにおいしいのを食べていたなんてっ」
恨めしそうに文句を垂れたゴーニャは、青色から金色に変わった瞳で花梨を睨みつけ、頬をプクッと膨らませるも、当の花梨は、妖狐姿で怒ってるゴーニャ……、か、カワイイ……。と、だらしない笑みを浮かべる。
頬の膨らみが増していくゴーニャを、にやけ面で見ていると、背後から「すみませーん、いつもの下さーい」と、若干抜けた聞き覚えがある声が聞こえてきた。
その言葉を聞いた花梨は、ゆっくりと後ろを振り向いてみると、そこには花梨の仕事仲間であり、親友でもある妖狐の雅か席に座っており、水を飲んで喉を潤わせていた。
「あっ、雅!」
「んぇっ? おお、花梨じゃーん! おいっすー」
軽い挨拶を交わすと、思わぬ所で花梨と出会えて嬉しくなった雅が、八重歯を覗かせて明るくニッと笑う。
「今日は休みなのー?」
「うん、そうだよ。雅はこれからお昼休憩なんだね、お疲れ様」
「うんにゃ、私も休みだよー」
「あれっ、そうなんだ。巫女服を着ているもんだったから、仕事中なんだと思っちゃった」
雅は、妖狐神社で働いている妖狐であり、仕事をしている最中に初めて出会った時と同じく、清楚でパリッとした巫女服を着ていた。
いつも眠たそうな目をしていて、金色に輝く獣の瞳は半分閉じているが、狐の耳と尻尾には元気があるようで、落ち着きがなく動き回っている。
そして、店員が大量のいなり寿司を雅の前に置くと、「おー、きたきたっ」と胸を弾ませ、素手でいなり寿司を掴み、一口食べてから花梨に目を向けた。
「この巫女服、仕事服兼私服にしちゃってるんだよねー。動くの楽だしー」
「あ~、そうなんだ。それじゃあ何着も持ってるんだね」
「いや? これだけだよー」
「えっ、一着だけしか持ってないの? 汚れた時とかどうすんさ?」
「実はこの巫女服、葉っぱを変化させたもんなんだよねー」
そう説明した雅は、おしぼりで手を拭いてから袖の中に手を入れ、予備の巫女服として使うであろう形が整った葉っぱを数枚取り出し、花梨に見せびらかしながらヒラヒラと揺らす。
「なるほどねぇ。いいなぁ、洗う手間も一切無いし、場所も取らないし。良いこと尽くめじゃんか」
「でしょー? めっちゃ楽だよー」
取り出した葉っぱを袖の中にしまうと、再びいなり寿司を頬張り「ん~、うま~い」と声を漏らし、大きな狐の尻尾を嬉しそうに振り回す。
次のいなり寿司を手に取り、口に入れようとした途端。何かを思いついたのか「あっ、そうだー」と言いつつ、花梨に詰め寄りながら耳に手を当てた。
「花梨さ、この後、暇?」
「んっ? 暇だよ、なんで?」
「じゃさじゃさ、一緒に秘湯に行かない?」
「秘湯?」
ニヤニヤしている雅が、花梨のオウム返しの言葉にコクンと頷き、辺りを注意深く見渡してから話を続ける。
「ここいら一帯ってさ、自然に湧き出ている温泉がかなりあるんだよねー。濁り湯然り、炭酸泉然り、もちろん、ごく普通の温泉もあるんだー。場所は全部知ってるから、ゴーニャちゃんも誘って三人で入りに行かないー?」
「へぇ~、天然の温泉かぁ。いいねぇ、行く行くっ! ちょっと待ってね。ゴーニャ、これから温泉に行かな……、ゴーニャ?」
秘湯と聞いて胸を弾ませた花梨は、ゴーニャに声を掛けるも返答は無く、きつねうどんが入っている器を凝視しながらワナワナと震えており、様子がおかしいと感じた花梨が首を傾げる。
「ゴーニャ、どうかしたの?」
「油揚げを夢中になって食べてたら……、全部無くなっちゃった……」
「あ~、ゴーニャもそれをやらかしたか……。本当だ、うどんしか残ってないや」
かつて、花梨が妖狐神社で仕事の手伝いをした際。この定食屋付喪に来店し、初めて妖狐姿できつねうどんを食べた時も、先に油揚げを完食してしまい嘆いた事があった。
その時は、ここの店員である大きなしゃもじを背負った付喪神、飯笥の好意により油揚げを追加で貰う事ができた。
が、今回はそれが無さそうだったので、自分が食べている裏メニューの料理をゴーニャに差し出し、ふわっとほくそ笑む。
「ほら、私の分をあげるよ」
「……えっ、いいのっ?」
「うん、まだ沢山あるしね。いっぱい食べな」
「やったっ! ありがと花梨っ!」
新しい油揚げを大量に貰うと、ゴーニャはその油揚げを一気に頬張り、頬をリスのように膨らませながらゆっくりと噛み締め、ゴクンと飲み込んだ。
「おいひい~っ!」
「美味しい? そう、よかった。それでだゴーニャ。これを食べ終わった後に、ちょっとした温泉に行かない?」
「話は聞いてたわっ、私も行くっ!」
「おっ、じゃあ決まりっ! 雅、ゴーニャも行くってさ! ……雅?」
話が即座に決まり、微笑んだ花梨が雅の方に振り向くと、その雅は、妖狐の姿になっているゴーニャをキョトンとした目で眺めていた。
そして花梨の言葉を聞くと、笑いながら「その子、ゴーニャちゃんだったんだー。初めてその姿を見たから、全然気がつかなかったやー。カワイイねー」と、素直な感想を口から漏らす。
「ふぇっ? あ、ありが、と……」
カワイイと褒められたゴーニャは、頬を真っ赤に染めながら俯き、表現し切れない嬉しさを代弁するかのように、狐の耳と尻尾が千切れんばかりに暴れ始める。
その光景を見た二人は、ああ、カワイイなぁ……。と心の底から癒されつつ、最後のいなり寿司を食べた終えた雅が、席から立ち上がった。
「よーし! それじゃあ一時半ぐらいに、秋国山に続く橋にタオルを持って集合ねー」
「一時半ね、分かった!」
「んじゃー、私は先に帰って、楓様に遊びに行って来るって報告してくるねー。バイバーイ」
料理の代金を支払った雅は、二人に手を振りながら店を後にする。久々に出会えた雅を見送った花梨は、秘湯か、楽しみだなぁ。と胸を躍らせ、ゴーニャと一緒に料理を完食し、秘湯に行く準備をする為に、一度永秋へと戻っていった。
昼食の空気を漂わせている大通りで、食欲を刺激された花梨とゴーニャは、昼食を取る為に、同じ目的の客で賑わっている定食屋付喪に訪れていた。
妖狐に変化した花梨はカウンター席で、油揚げが山盛りの裏メニューに、狐の尻尾を振り回しながら舌鼓を打ち、ゴーニャはきつねうどんの麺を一本ずつ食べていた。
油揚げを口に入れるたびに、顔中の筋肉が緩んでたるみ、にへら笑いをしている花梨を横目で見ていたゴーニャが、だんだんと羨ましくなってきたのか、思わず口を開く。
「花梨っ。妖狐になって油揚げを食べると、そんなにおいしいのっ?」
「んっはぁ~、……んっ? そりゃあもうっ、とんでもなく美味しいよ~。ゴーニャも試してみる?」
「いいのっ? それじゃあ試してみたいわっ!」
「オッケー。それじゃあまず、普通に油揚げを食べてみな」
葉っぱの髪飾りを外し、人間の姿に戻った花梨がそう言うと、ゴーニャは大きな油揚げを箸で掴み、息を数回吹きかけ、小さい口で角っこを齧る。
油揚げは、厚みがあるも中はふっくらとしており、下味が付いているのかとても甘く感じた。
噛むたびに、存分に吸っていたカツオ節と昆布ベースの出汁が溢れ出してきて、油揚げの甘さを包み込みながら混ざり合っていく。
「とてもふっくらしてて甘くて、おいしいわっ」
「その味をしっかりと覚えててね。はい、今度は髪飾りを付けてから食べてみな。帽子は預かっておくね」
そう言った花梨は、ゴーニャがかぶっているつばの広い帽子を取り、自分の頭に乗せてから髪飾りを手渡した。
受け取ったゴーニャは髪飾りを頭に付け、小柄な妖狐に変化すると、角が欠けている油揚げをじっと睨みつける。
先ほどとは打って変わり、まったく別の料理かと見間違えほど格段に美味しそうに見え、嗅覚が鋭くなっているせいか、濃厚になった油揚げの匂いが鼻の中をくすぐるように駆け巡り、自然とヨダレをタラッと垂らす。
そして、恐る恐る油揚げを箸で持ち上げると、大きな音を立たせながら生唾を飲み込み、大きく口を開けて半分ほど齧った。
その瞬間、狐の耳と尻尾がピンと立ち上がり、カッと目が開く。咀嚼をしていく内に、力強く立っていた耳と尻尾が垂れていき、口の中にあった油揚げを飲み込むと、今度はピコピコと激しく暴れ始める。
「んんーーっ! おいひいーーっ!!」
「だよね~、そうなるよねぇ。最高でしょ?」
「うんっ! ずるいわ花梨っ、一人でこんなにおいしいのを食べていたなんてっ」
恨めしそうに文句を垂れたゴーニャは、青色から金色に変わった瞳で花梨を睨みつけ、頬をプクッと膨らませるも、当の花梨は、妖狐姿で怒ってるゴーニャ……、か、カワイイ……。と、だらしない笑みを浮かべる。
頬の膨らみが増していくゴーニャを、にやけ面で見ていると、背後から「すみませーん、いつもの下さーい」と、若干抜けた聞き覚えがある声が聞こえてきた。
その言葉を聞いた花梨は、ゆっくりと後ろを振り向いてみると、そこには花梨の仕事仲間であり、親友でもある妖狐の雅か席に座っており、水を飲んで喉を潤わせていた。
「あっ、雅!」
「んぇっ? おお、花梨じゃーん! おいっすー」
軽い挨拶を交わすと、思わぬ所で花梨と出会えて嬉しくなった雅が、八重歯を覗かせて明るくニッと笑う。
「今日は休みなのー?」
「うん、そうだよ。雅はこれからお昼休憩なんだね、お疲れ様」
「うんにゃ、私も休みだよー」
「あれっ、そうなんだ。巫女服を着ているもんだったから、仕事中なんだと思っちゃった」
雅は、妖狐神社で働いている妖狐であり、仕事をしている最中に初めて出会った時と同じく、清楚でパリッとした巫女服を着ていた。
いつも眠たそうな目をしていて、金色に輝く獣の瞳は半分閉じているが、狐の耳と尻尾には元気があるようで、落ち着きがなく動き回っている。
そして、店員が大量のいなり寿司を雅の前に置くと、「おー、きたきたっ」と胸を弾ませ、素手でいなり寿司を掴み、一口食べてから花梨に目を向けた。
「この巫女服、仕事服兼私服にしちゃってるんだよねー。動くの楽だしー」
「あ~、そうなんだ。それじゃあ何着も持ってるんだね」
「いや? これだけだよー」
「えっ、一着だけしか持ってないの? 汚れた時とかどうすんさ?」
「実はこの巫女服、葉っぱを変化させたもんなんだよねー」
そう説明した雅は、おしぼりで手を拭いてから袖の中に手を入れ、予備の巫女服として使うであろう形が整った葉っぱを数枚取り出し、花梨に見せびらかしながらヒラヒラと揺らす。
「なるほどねぇ。いいなぁ、洗う手間も一切無いし、場所も取らないし。良いこと尽くめじゃんか」
「でしょー? めっちゃ楽だよー」
取り出した葉っぱを袖の中にしまうと、再びいなり寿司を頬張り「ん~、うま~い」と声を漏らし、大きな狐の尻尾を嬉しそうに振り回す。
次のいなり寿司を手に取り、口に入れようとした途端。何かを思いついたのか「あっ、そうだー」と言いつつ、花梨に詰め寄りながら耳に手を当てた。
「花梨さ、この後、暇?」
「んっ? 暇だよ、なんで?」
「じゃさじゃさ、一緒に秘湯に行かない?」
「秘湯?」
ニヤニヤしている雅が、花梨のオウム返しの言葉にコクンと頷き、辺りを注意深く見渡してから話を続ける。
「ここいら一帯ってさ、自然に湧き出ている温泉がかなりあるんだよねー。濁り湯然り、炭酸泉然り、もちろん、ごく普通の温泉もあるんだー。場所は全部知ってるから、ゴーニャちゃんも誘って三人で入りに行かないー?」
「へぇ~、天然の温泉かぁ。いいねぇ、行く行くっ! ちょっと待ってね。ゴーニャ、これから温泉に行かな……、ゴーニャ?」
秘湯と聞いて胸を弾ませた花梨は、ゴーニャに声を掛けるも返答は無く、きつねうどんが入っている器を凝視しながらワナワナと震えており、様子がおかしいと感じた花梨が首を傾げる。
「ゴーニャ、どうかしたの?」
「油揚げを夢中になって食べてたら……、全部無くなっちゃった……」
「あ~、ゴーニャもそれをやらかしたか……。本当だ、うどんしか残ってないや」
かつて、花梨が妖狐神社で仕事の手伝いをした際。この定食屋付喪に来店し、初めて妖狐姿できつねうどんを食べた時も、先に油揚げを完食してしまい嘆いた事があった。
その時は、ここの店員である大きなしゃもじを背負った付喪神、飯笥の好意により油揚げを追加で貰う事ができた。
が、今回はそれが無さそうだったので、自分が食べている裏メニューの料理をゴーニャに差し出し、ふわっとほくそ笑む。
「ほら、私の分をあげるよ」
「……えっ、いいのっ?」
「うん、まだ沢山あるしね。いっぱい食べな」
「やったっ! ありがと花梨っ!」
新しい油揚げを大量に貰うと、ゴーニャはその油揚げを一気に頬張り、頬をリスのように膨らませながらゆっくりと噛み締め、ゴクンと飲み込んだ。
「おいひい~っ!」
「美味しい? そう、よかった。それでだゴーニャ。これを食べ終わった後に、ちょっとした温泉に行かない?」
「話は聞いてたわっ、私も行くっ!」
「おっ、じゃあ決まりっ! 雅、ゴーニャも行くってさ! ……雅?」
話が即座に決まり、微笑んだ花梨が雅の方に振り向くと、その雅は、妖狐の姿になっているゴーニャをキョトンとした目で眺めていた。
そして花梨の言葉を聞くと、笑いながら「その子、ゴーニャちゃんだったんだー。初めてその姿を見たから、全然気がつかなかったやー。カワイイねー」と、素直な感想を口から漏らす。
「ふぇっ? あ、ありが、と……」
カワイイと褒められたゴーニャは、頬を真っ赤に染めながら俯き、表現し切れない嬉しさを代弁するかのように、狐の耳と尻尾が千切れんばかりに暴れ始める。
その光景を見た二人は、ああ、カワイイなぁ……。と心の底から癒されつつ、最後のいなり寿司を食べた終えた雅が、席から立ち上がった。
「よーし! それじゃあ一時半ぐらいに、秋国山に続く橋にタオルを持って集合ねー」
「一時半ね、分かった!」
「んじゃー、私は先に帰って、楓様に遊びに行って来るって報告してくるねー。バイバーイ」
料理の代金を支払った雅は、二人に手を振りながら店を後にする。久々に出会えた雅を見送った花梨は、秘湯か、楽しみだなぁ。と胸を躍らせ、ゴーニャと一緒に料理を完食し、秘湯に行く準備をする為に、一度永秋へと戻っていった。
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