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28話-3、一方的なマグロのドッチボール
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幽船寺と花梨を乗せた船の出航と共に、後ろに並んで着いてきた四隻の漁船は、沖に出ると徐々にその数を減らしていく。
後ろを振り向くたびに減っていく漁船の姿を見て、とある密かな疑問が生まれた花梨は、腕を組んで沖をじっと見据えている幽船寺に目を向けた。
「幽船寺さん。後ろにいた漁船が少なくなってきてますけど、どうかしたんですかね?」
「ん? ああ、各担当の海域に到着したから、各々の漁を初めているんでぃ」
「担当の海域、ですか」
花梨が理解の少ないオウム返しをすると、幽船寺がコクンと頷き、しゃくれた顎を揺らす。
「そう。この海は沖に向かうと、だんだんと季節が移り変わっていくんでぃ。海岸に近い所が秋で、そこから沖に進むにつれて冬、春、夏と変わっていって、捕れる魚の種類も変わってくるんでぃ」
「へぇ~、すごいっ! 夢のような海だなぁ~。そう言われてみれば、だんだんと暖かくなってきたような気がします」
そう声を弾ませた花梨は、潮風にさらされて冷えている手すりに掴まり、ポニーテールを横に流しながら海を見渡し始める。
ちょうど朝日が昇り始め、黒から青へと変わっていく海面の上では、羽から朝日の光を眩く反射させているトビウオの群が、漁船を追うように空を飛んでいた。
光輝くトビウオの群を見て「うわぁ~っ……」と声を漏らしていると、いつの間にか隣に来ていた幽船寺が、手すりに寄りかかってから「おっ」と声を上げる。
「トビウオがいるってこたぁ、そろそろ夏の海域に入るな」
「夏かぁ~。そういえば、私達は何の魚を獲るんですかね?」
「夏と言えばマグロでぃ。春の海域で捕れるマグロもうめぇが、俺ぁ夏のマグロの方が好きでぃ」
「おおっ、マグロ! 少し前にマグロ漁船に乗って、大物を釣り上げた事があるんですよー! 一本釣りなら任せてくださいっ!」
マグロと聞いた途端に花梨は、嬉々としながら糸を引く仕草をしつつ己の武勇伝を語り出し、湧いてきたやる気を幽船寺に見せつける。
しかし、反応の薄い幽船寺が眉をひそめると、今度は右眉を吊り上げてから話を続ける。
「一本釣りぃ? そんな漁の仕方はやらねぇぞ。ウチはいつも、素潜りでマグロを獲っているんでぃ」
「なるほど、素潜りですね! ……へっ、素潜り?」
素潜りという、マグロ漁では一切聞かない単語が耳に入ると、糸を引く動作が大きくなっていた花梨の動きがピタリと止まり、呆気に取られた面立ちで幽船寺を睨みつけた。
「そう、素潜りだ。海に直接入って潜り、素手でマグロを獲ってくるんでぃ」
「う、嘘でしょ……? 相手はマグロですよ? 素潜りって言ったら、アワビとかウニを獲る時じゃ……?」
「嘘を言ってどうする。海中を泳いでいるマグロの腹を抱え上げ、一気に海面に出て漁船に放り投げる! ウチらずっとそうやってきたんでぃ」
「……マジか。それだと私は出来ないなぁ……。ほかに、何かする事はありますか……?」
「そうだな。俺らが獲ってきたマグロをデッキに向かってぶん投げるから、そのマグロを受け止めるか、その場で血抜き等の処理をしてもらうしかないな」
幽船寺の言った二つの選択肢は、大量の血を見るのがダメな花梨にとって、答えは一つしかないようなものであった。
残された一つの選択肢ある、投げつけられてきたマグロを受け止めるのも、ごく普通の人間ならばまず不可能ではあるが、眉間にシワを寄せていた花梨は、剛力酒を飲んで茨木童子になれば、なんとかなるか……? と、頭を悩ませつつ力の入らない両腕を垂らす。
「……じゃあ、マグロを受け止めます」
「そうか、じゃあデッキで待機しててくれぃ」
そこから二人は特に会話をする事もなく、漁船が出す波飛沫の音を聞きながら海を眺めていた。
その間に朝日は昇り、日差しが照りつけ始めて気温が上昇し、辺りの雰囲気はだんだんと夏の海へと変わっていく。
空気までもが夏の匂いになると、操縦席の方から「船長! マグロの魚群を発見しました!」と、船幽霊の叫ぶ声が聞こえてきて、その言葉を聞いた幽船寺はニヤリと口角を上げ、太い拳をバシッと鳴らす。
「よーし野郎共! 漁の時間でぃ! 行くぞーっ!!」
「「「オーッ!!」」」
「やばっ! 剛力酒飲まないと!」
船幽霊達は幽船寺の大きな掛け声と共に、血抜き等の処理を任された船幽霊達を残して海に飛び込み、花梨は慌ててリュックサックから剛力酒を取り出した。
不意の出来事のせいで量などは気にしていられず、ゴクンと多めに飲んでしまい、いつ人間の姿に戻れるのか分からない不安が頭を過る中。髪色がウグイス色で、爪が鋭く尖った茨木童子へと姿を変えていった。
「ふうっ……。さーて、茨木童子になったはいいけど、ちゃんとマグロを受け止められるかなぁ?」
茨木童子という妖怪の姿になり、体が頑丈になって耐久面の心配は無くなったものの、マグロを受け止めるという初めての仕事に困惑しつつ、リュックサックが濡れないよう操縦席がある部屋に置いた。
「冷静に考えると、マグロを投げないで漁船まで持ってくればいいと思うんだけどなぁ。この漁の仕方、絶対にマグロを傷めちゃうだろうし……。そもそも誰が考えたんだろう、こんな漁の仕方……」
腕を組んだ花梨は、ウグイス色のポニーテールを揺らながら首を傾げ「まあ、幽船寺さんが考えたんだろうなぁ……」と、根拠の無い答えをボヤく。
すると漁船の右側から、海面から勢いよく何かが上がってきたような音と同時に、幽船寺の高らかな笑い声が聞こえてきた。
花梨はゆっくりと音がした方向に目を向けると、一メートル以上はあろうマグロを抱え上げた幽船寺が、見上げる程の高さまで飛んでおり、今にもマグロを投げつけてきそうな構えを取っていた。
「はぁーっはっはっはっはっ! でっけぇのが捕れたぞ! おらぁ受け取れぃーっ!!」
「う、うわっ、はやっ!」
幽船寺が押し出すように投げてきたマグロの速度は、悪意が込められているのではと疑う程に速く、予想以上の速さに驚愕した花梨は、一瞬だけ怯むもすぐに受け止める態勢へと入る。
マグロを力任せに受け止めると、体に傷が付くかもしれないと感じた花梨は、茨木童子になって硬くなっているであろう己の肉体を信じ、胸か腹で衝撃を吸収してからガッチリと掴む事にした。
そして、マグロが凄まじい勢いで腹に突っ込んでくるも、若干の衝撃はあるものの痛みは皆無に等しく、落下していくマグロを優しく抱え込むと、血抜きをする為に待機をしていた船幽霊達の元へと運んでいった。
「あ、焦ったぁ~……。しかし、流石は茨木童子の体だ、なんともないや。これならなんとかなる―――」
「一匹そっちに投げるぞーっ!」
「こっちも受け取ってくれー!」
「へっ、二匹同時っ!? ちょ、ちょまっ!!」
マグロを傷つける事無く、無事に受け止められて安堵した瞬間。今度は漁船の左側と前から同時に船幽霊が姿を現し、胸を撫で下ろしていた花梨に目掛け、高速でマグロを投げつけてきた。
花梨は慌てつつも神経を研ぎ澄まし、別角度から向かってくるマグロを目を泳がしながら捉え、その方向に手を伸ばし、瞬時に二匹のマグロの顎元に手を添える。
そのまま勢いを殺しつつ、手を上に払ってマグロの体を空中で回転させる。何十回転かすると、その回転が弱まりながらデッキへと落ちていき、落ち切る前に二匹のマグロを同時にキャッチして船幽霊の元へと持っていった。
「はあっ、合気道っぽい受け流しでどうにかなったや。やっぱりこの漁のやり方おかしいって……。でも、今のでなんとなくコツは掴んできたぞ。ちょっとやる気が出てきたかな」
ボヤキながらも不可解な漁のやり方を理解し始めた花梨は、両手を大きく広げて構えを取り、次に飛んでくるマグロを待った。
すると今度は、漁船の前方からマグロを抱き上げた船幽霊が三人同時に現れ、一斉に構えている花梨に向かって投げつけてきた。
「行くぞー!」
「こっちも投げるぞー!」
「受け取ってくれー!」
「うわっ! 今度は三匹同時!? でも、マグロのサイズが小さいから、この角度とスピードなら……!」
未だかつて、体験した事の無いに漁に慣れてきた花梨は、三匹揃って飛んで来た左右のマグロを、両脇でタイミングよく挟み込む。
真ん中のマグロは腹で受け止めて勢いを殺し、落下している所をその場で足を伸ばして座り込み、太ももで難なく受け止めた。
そして、受け止めたマグロを一旦デッキに置いてからまとめ、船幽霊達の元に運んでいくと、疲れが溜まった大きなため息を一つつく。
「はあーっ……。この調子だと、四匹以上同時もありえるなぁ。もう分かんないや……。後は流れに任せよう」
その後、鵺の元で培ってきた常識がまったく通用しないマグロ漁は、間髪を入れずに続いていく。
その間に夏の静かな大海原に、花梨の絶叫と悲鳴が何度も響き渡り、波の音と共に入道雲の中へと吸い込まれていった。
後ろを振り向くたびに減っていく漁船の姿を見て、とある密かな疑問が生まれた花梨は、腕を組んで沖をじっと見据えている幽船寺に目を向けた。
「幽船寺さん。後ろにいた漁船が少なくなってきてますけど、どうかしたんですかね?」
「ん? ああ、各担当の海域に到着したから、各々の漁を初めているんでぃ」
「担当の海域、ですか」
花梨が理解の少ないオウム返しをすると、幽船寺がコクンと頷き、しゃくれた顎を揺らす。
「そう。この海は沖に向かうと、だんだんと季節が移り変わっていくんでぃ。海岸に近い所が秋で、そこから沖に進むにつれて冬、春、夏と変わっていって、捕れる魚の種類も変わってくるんでぃ」
「へぇ~、すごいっ! 夢のような海だなぁ~。そう言われてみれば、だんだんと暖かくなってきたような気がします」
そう声を弾ませた花梨は、潮風にさらされて冷えている手すりに掴まり、ポニーテールを横に流しながら海を見渡し始める。
ちょうど朝日が昇り始め、黒から青へと変わっていく海面の上では、羽から朝日の光を眩く反射させているトビウオの群が、漁船を追うように空を飛んでいた。
光輝くトビウオの群を見て「うわぁ~っ……」と声を漏らしていると、いつの間にか隣に来ていた幽船寺が、手すりに寄りかかってから「おっ」と声を上げる。
「トビウオがいるってこたぁ、そろそろ夏の海域に入るな」
「夏かぁ~。そういえば、私達は何の魚を獲るんですかね?」
「夏と言えばマグロでぃ。春の海域で捕れるマグロもうめぇが、俺ぁ夏のマグロの方が好きでぃ」
「おおっ、マグロ! 少し前にマグロ漁船に乗って、大物を釣り上げた事があるんですよー! 一本釣りなら任せてくださいっ!」
マグロと聞いた途端に花梨は、嬉々としながら糸を引く仕草をしつつ己の武勇伝を語り出し、湧いてきたやる気を幽船寺に見せつける。
しかし、反応の薄い幽船寺が眉をひそめると、今度は右眉を吊り上げてから話を続ける。
「一本釣りぃ? そんな漁の仕方はやらねぇぞ。ウチはいつも、素潜りでマグロを獲っているんでぃ」
「なるほど、素潜りですね! ……へっ、素潜り?」
素潜りという、マグロ漁では一切聞かない単語が耳に入ると、糸を引く動作が大きくなっていた花梨の動きがピタリと止まり、呆気に取られた面立ちで幽船寺を睨みつけた。
「そう、素潜りだ。海に直接入って潜り、素手でマグロを獲ってくるんでぃ」
「う、嘘でしょ……? 相手はマグロですよ? 素潜りって言ったら、アワビとかウニを獲る時じゃ……?」
「嘘を言ってどうする。海中を泳いでいるマグロの腹を抱え上げ、一気に海面に出て漁船に放り投げる! ウチらずっとそうやってきたんでぃ」
「……マジか。それだと私は出来ないなぁ……。ほかに、何かする事はありますか……?」
「そうだな。俺らが獲ってきたマグロをデッキに向かってぶん投げるから、そのマグロを受け止めるか、その場で血抜き等の処理をしてもらうしかないな」
幽船寺の言った二つの選択肢は、大量の血を見るのがダメな花梨にとって、答えは一つしかないようなものであった。
残された一つの選択肢ある、投げつけられてきたマグロを受け止めるのも、ごく普通の人間ならばまず不可能ではあるが、眉間にシワを寄せていた花梨は、剛力酒を飲んで茨木童子になれば、なんとかなるか……? と、頭を悩ませつつ力の入らない両腕を垂らす。
「……じゃあ、マグロを受け止めます」
「そうか、じゃあデッキで待機しててくれぃ」
そこから二人は特に会話をする事もなく、漁船が出す波飛沫の音を聞きながら海を眺めていた。
その間に朝日は昇り、日差しが照りつけ始めて気温が上昇し、辺りの雰囲気はだんだんと夏の海へと変わっていく。
空気までもが夏の匂いになると、操縦席の方から「船長! マグロの魚群を発見しました!」と、船幽霊の叫ぶ声が聞こえてきて、その言葉を聞いた幽船寺はニヤリと口角を上げ、太い拳をバシッと鳴らす。
「よーし野郎共! 漁の時間でぃ! 行くぞーっ!!」
「「「オーッ!!」」」
「やばっ! 剛力酒飲まないと!」
船幽霊達は幽船寺の大きな掛け声と共に、血抜き等の処理を任された船幽霊達を残して海に飛び込み、花梨は慌ててリュックサックから剛力酒を取り出した。
不意の出来事のせいで量などは気にしていられず、ゴクンと多めに飲んでしまい、いつ人間の姿に戻れるのか分からない不安が頭を過る中。髪色がウグイス色で、爪が鋭く尖った茨木童子へと姿を変えていった。
「ふうっ……。さーて、茨木童子になったはいいけど、ちゃんとマグロを受け止められるかなぁ?」
茨木童子という妖怪の姿になり、体が頑丈になって耐久面の心配は無くなったものの、マグロを受け止めるという初めての仕事に困惑しつつ、リュックサックが濡れないよう操縦席がある部屋に置いた。
「冷静に考えると、マグロを投げないで漁船まで持ってくればいいと思うんだけどなぁ。この漁の仕方、絶対にマグロを傷めちゃうだろうし……。そもそも誰が考えたんだろう、こんな漁の仕方……」
腕を組んだ花梨は、ウグイス色のポニーテールを揺らながら首を傾げ「まあ、幽船寺さんが考えたんだろうなぁ……」と、根拠の無い答えをボヤく。
すると漁船の右側から、海面から勢いよく何かが上がってきたような音と同時に、幽船寺の高らかな笑い声が聞こえてきた。
花梨はゆっくりと音がした方向に目を向けると、一メートル以上はあろうマグロを抱え上げた幽船寺が、見上げる程の高さまで飛んでおり、今にもマグロを投げつけてきそうな構えを取っていた。
「はぁーっはっはっはっはっ! でっけぇのが捕れたぞ! おらぁ受け取れぃーっ!!」
「う、うわっ、はやっ!」
幽船寺が押し出すように投げてきたマグロの速度は、悪意が込められているのではと疑う程に速く、予想以上の速さに驚愕した花梨は、一瞬だけ怯むもすぐに受け止める態勢へと入る。
マグロを力任せに受け止めると、体に傷が付くかもしれないと感じた花梨は、茨木童子になって硬くなっているであろう己の肉体を信じ、胸か腹で衝撃を吸収してからガッチリと掴む事にした。
そして、マグロが凄まじい勢いで腹に突っ込んでくるも、若干の衝撃はあるものの痛みは皆無に等しく、落下していくマグロを優しく抱え込むと、血抜きをする為に待機をしていた船幽霊達の元へと運んでいった。
「あ、焦ったぁ~……。しかし、流石は茨木童子の体だ、なんともないや。これならなんとかなる―――」
「一匹そっちに投げるぞーっ!」
「こっちも受け取ってくれー!」
「へっ、二匹同時っ!? ちょ、ちょまっ!!」
マグロを傷つける事無く、無事に受け止められて安堵した瞬間。今度は漁船の左側と前から同時に船幽霊が姿を現し、胸を撫で下ろしていた花梨に目掛け、高速でマグロを投げつけてきた。
花梨は慌てつつも神経を研ぎ澄まし、別角度から向かってくるマグロを目を泳がしながら捉え、その方向に手を伸ばし、瞬時に二匹のマグロの顎元に手を添える。
そのまま勢いを殺しつつ、手を上に払ってマグロの体を空中で回転させる。何十回転かすると、その回転が弱まりながらデッキへと落ちていき、落ち切る前に二匹のマグロを同時にキャッチして船幽霊の元へと持っていった。
「はあっ、合気道っぽい受け流しでどうにかなったや。やっぱりこの漁のやり方おかしいって……。でも、今のでなんとなくコツは掴んできたぞ。ちょっとやる気が出てきたかな」
ボヤキながらも不可解な漁のやり方を理解し始めた花梨は、両手を大きく広げて構えを取り、次に飛んでくるマグロを待った。
すると今度は、漁船の前方からマグロを抱き上げた船幽霊が三人同時に現れ、一斉に構えている花梨に向かって投げつけてきた。
「行くぞー!」
「こっちも投げるぞー!」
「受け取ってくれー!」
「うわっ! 今度は三匹同時!? でも、マグロのサイズが小さいから、この角度とスピードなら……!」
未だかつて、体験した事の無いに漁に慣れてきた花梨は、三匹揃って飛んで来た左右のマグロを、両脇でタイミングよく挟み込む。
真ん中のマグロは腹で受け止めて勢いを殺し、落下している所をその場で足を伸ばして座り込み、太ももで難なく受け止めた。
そして、受け止めたマグロを一旦デッキに置いてからまとめ、船幽霊達の元に運んでいくと、疲れが溜まった大きなため息を一つつく。
「はあーっ……。この調子だと、四匹以上同時もありえるなぁ。もう分かんないや……。後は流れに任せよう」
その後、鵺の元で培ってきた常識がまったく通用しないマグロ漁は、間髪を入れずに続いていく。
その間に夏の静かな大海原に、花梨の絶叫と悲鳴が何度も響き渡り、波の音と共に入道雲の中へと吸い込まれていった。
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