36 / 384
10話-3、終わりの見えない昼食リレー
しおりを挟む
作業をしている木霊達は、花梨が持ってきたリストに書いてある野菜を、小さい体ながらもお互いに協力し合って土から引き抜き、野菜に付いている土を手で払いつつ、予め用意していたシートの上にせっせと積み重ねていった。
花梨はリヤカーに寄りかかり、絵本でしか見られないであろうその童話染みた光景を、微笑ましい表情をしながら眺めていた。
「カワイイなぁ、ずっと見ていられるや」
しばらくの間、絵本から飛び出してきた光景を眺めていると、背後にある建物の中から、料理の完成が近い事を知らせる、食欲を湧き立たせてくる匂いが辺りに漂い始める。
その匂いを嗅いだ花梨は、微笑ましくしている表情から一転、ヨダレを垂らして緩み切ったニタリ顔へと急変し、腹の虫も匂いに反応したのか、小動物のような鳴き声が腹から鳴り出した。
「んっはぁ~、いい匂い~……」
漂ってくる匂いから察するに朧木達は、広場の囲炉裏にあった野菜スープを作っているようで、昼食に対する期待がどんどんと高まっていく。
花梨は、既に野菜畑で作業をしている木霊達を見ておらず、目を瞑りながら顔を空に上げ、大量の野菜スープがある想像と妄想の世界へと旅立っていった。
時折、「へっ……へへへっ……」と、不気味な声を発しつつ、想像と妄想の世界で野菜スープがたんまりと入った厚底鍋を鷲掴み、一気に飲み干していく。
にへら顔が加速していく中、現実世界の方では朧木と木霊達が、出来たての昼飯が乗ったお盆を四人で担ぎながら、花梨の元へと歩み寄ってきていた。
「花梨さーん、大変お待たせしました。昼食が出来たので持ってまいりました」
「あ~……、もしかして、この厚底鍋も食べられるんじゃ……ハッ!? あっ、は、はいっ! ありがとうございます!」
暴走を始めていた世界から慌てて帰還した花梨は、朧木達が持ってきたお盆を手に取り、ふわっと微笑む。
体が自由になった朧木達は、花梨を近くにあるちょうどいい高さの切り株に誘導すると、花梨は「ありがとうございますっ」と感謝して、その切り株に腰を下ろした。
お盆を太ももの上に乗せてから、朧木達がこしらえてくれた昼食に目を向けると、栗の炊き込みご飯で作られた、大きなおにぎりが三つ。
そして、想像上では厚底鍋一杯分を飲み干したが、今度はちゃんと目の前に、味噌仕立てで作られた野菜スープがちゃんとあり、香ばしい匂いを含んだ湯気が立ち込めている。
「全てこの木霊農園で、丹精を込めて作った作物でこしらえました。花梨さんのお口に合うかどうか……」
「いえいえっ! とっても美味しそうです、ありがとうございます! それじゃあ、いただきまーすっ!」
花梨はまず、栗の炊き込みご飯で作られたおにぎりを手に取り、にんまりとしながら大口を開けて口の中に入れる。
まず初めに、やや濃い和風だしの風味が口の中いっぱいに広がる。咀嚼をしていくと、米の中に隠れていた大ぶりの栗が、逃げ場を失ったのか一気に出てきた。
その栗は大ぶりながらも、適度な水分を含んでいるのかしっとりと柔らかく、深みの強いねっとりとした濃厚な甘い風味が、濃い和風だしの味をまろやかにしていく。
そして、その和風だしが栗の甘さをより一層引き立たせ、お互いの長所を高め合っていった。
次に、お目当てだった野菜スープが入ったお椀と箸を手に取り、逸る気持ちを抑えつつ、息を数回吹きかけてからゆっくりとすする。
赤味噌を主体にして作られた野菜スープは、飲んだ瞬間は、塩分の強いガツンとした辛めの風味を感じるも、具の野菜一つ一つから滲み出てくる強い甘みが、赤味噌の強い風味をどんどんと丸め込んでいき、最終的には赤味噌の風味を打ち勝った。
具は、イチョウ切りされたダイコンやニンジン、大量の豆モヤシ、千切りのキャベツやタマネギ、輪切りのゴボウ、とうもろこし。そして、アクセントとして細かく刻まれたレモンの皮。
それぞれの野菜の味は、噛むと存在を主張するように口の中に飛び出してきて、食感もしっかりと残っており、一杯で二度も三度も楽しめるようになっている。
野菜スープは、花梨が想像していたよりも遥かに美味しく、そして、何よりも食べられたという満足感が、全身の隅から隅まで駆け巡っていった。
花梨がほっこりとした笑顔で「はぁ~っ……」と、至福の長いため息をついていると、その様をドキドキしながら不安そうに見ていた朧木が、ついに耐えかねたのか花梨に恐る恐る声を掛けてきた。
「……あのっ、味の方はどうデス、か?」
「さいっこうに美味しいですよっ、いくらでも食べられそうです!」
花梨の感想を聞いた朧木と、その周りに居た木霊達の不安そうにしていた表情が一気に明るくなり、喜びながらお互いにハイタッチを交わし、ニコニコしながらその場で何度も飛び跳ねた。
その中に混ざり、満面の笑みで飛び跳ねていた朧木が、花梨に向かって笑顔で話を続ける。
「それはよかったデス! 私達も丹精を込めて作った甲斐がありました! おかわりは沢山ありますので、よかったらどんどん食べていって下さい」
「おかわりなんてそんな、悪いですよ……、ああっ、でも食べたいっ! ありがとうございます!」
すぐさま誘惑に負けた花梨は、おつかいをする為に来ただけだというのに対し、厚くもてなされている事に申し訳なさがあったものの、その気持ちは瞬時に食欲に吸収されていく。
そして、食べて喜んでくれるのであれば、もっと沢山食べねばっ……! と、都合よく解釈をして結局、追加のおにぎりを六つ、野菜スープを三杯飲んだところで、ほどよく腹が膨れ上がり、心の底から満足した。
が、しかし朧木達は、自分達が作った野菜を、本当に美味しそうに食べてくれている花梨の姿を見て、嬉しさのあまりに暴走し始めてしまったのか、おにぎりと野菜スープのおかわりを、わんこそばの如く間髪を入れずに持ってきていた。
その光景を見た花梨は、持ってきてしまったのならば仕方ない……。ならっ、私はその熱意に応えるまでよ! と、心に火が付き、晴天織りなす秋空の下、ピクニック気分で味わえていた至福の昼食は、いつしか終わりの見えない、わんこそば風一人大食い大会へと発展する。
おにぎり、野菜スープ、おにぎり、野菜スープが盛られた器を持った木霊達が列をなし、その列は徐々に長くなっていき、気がつくと建物の中にまで続く大行列になっていた。
その大食い大会は二十分ほどすると、挑戦者である花梨が表情をヒクつかせていき、胃袋に限界が来たのか、青ざめた表情をしながら腕でバツの字を作り、「もう、無理っス……」と、掠れた声でギブアップ宣言を申し出る。
挑戦者の小さな悲痛の叫びを聞いた朧木が、ふっと我に返ったのか、慌てて後ろ向き、おかわりの列を作っている木霊を止めに入り、大食い大会は木霊達の勝利で幕を閉じた。
「す、すみません花梨さん! あまりにも嬉しくなってしまっていたのか、つい……」
「い、いえっ、とんでもないです……。こちらこそ、とても美味しいおにぎりと野菜スープをありがとうございまゲプッ……」
「ああっ、すみませんデス……。こちらにシートを用意しましたので、楽な姿勢で横になっていて下さい」
「す、すみません……、ありがとうございます……」
朧木に誘導された花梨は靴を脱ぎ、ずっと背負っていたリュックサックを下ろすと、重くなった身体をシートの上に大の字で寝かせ、空を見上げながら小さくため息をつく。
天高い空を流れる様々な形の雲が、秋の風に身を任せ、形を変えながら戯れている。花梨もその風を肌で感じつつ、鮮烈な青さをしている空を見据えながら黄昏て、心がノスタルジックな気分へと染まっていった。
「はあ~っ……。いい所だなぁ、木霊農園。みんな優しくて、野菜も美味しくて、景色も良いときた。雅や纏さん達と一緒に来たいなぁ」
独り占めをするには、深い罪悪感が生まれるほど木霊農園が気に入った花梨は、願いを込めた独り言を呟くと、その願いは風に流されて空の彼方へと吸い込まれていった。
涼しい秋の風で体を癒しつつ、刹那で形を変える雲で描かれた広大な空のキャンパスを、心を空っぽにしながらボーッと眺めていると、遠くの方から朧木の小さい声が聞こえてきた。
「花梨さーん! 大変遅くなって申し訳ありませーん! リストに書かれていた野菜を全て、リヤカーに積み終えましたよー!」
その叫び声を聞いた花梨は、朧木の言葉に違和感を覚えながら上体を起こし、ポケットから携帯電話を取り出して現在時刻を確認してみると、時刻は既に夕方の四時を迎えていた。
「あれっ? もうこんな時間か。ずっと空を見ちゃってたんだなぁ……。はーいっ、今行きまーす!」
そう叫び返した花梨は、立ち上がってから少し固まっている体をグイッと伸ばす。そして、リュックサックを背負い、靴を履いてからつま先で数回地面を叩き、リヤカーの前で待っている朧木達の元へと走っていった。
花梨はリヤカーに寄りかかり、絵本でしか見られないであろうその童話染みた光景を、微笑ましい表情をしながら眺めていた。
「カワイイなぁ、ずっと見ていられるや」
しばらくの間、絵本から飛び出してきた光景を眺めていると、背後にある建物の中から、料理の完成が近い事を知らせる、食欲を湧き立たせてくる匂いが辺りに漂い始める。
その匂いを嗅いだ花梨は、微笑ましくしている表情から一転、ヨダレを垂らして緩み切ったニタリ顔へと急変し、腹の虫も匂いに反応したのか、小動物のような鳴き声が腹から鳴り出した。
「んっはぁ~、いい匂い~……」
漂ってくる匂いから察するに朧木達は、広場の囲炉裏にあった野菜スープを作っているようで、昼食に対する期待がどんどんと高まっていく。
花梨は、既に野菜畑で作業をしている木霊達を見ておらず、目を瞑りながら顔を空に上げ、大量の野菜スープがある想像と妄想の世界へと旅立っていった。
時折、「へっ……へへへっ……」と、不気味な声を発しつつ、想像と妄想の世界で野菜スープがたんまりと入った厚底鍋を鷲掴み、一気に飲み干していく。
にへら顔が加速していく中、現実世界の方では朧木と木霊達が、出来たての昼飯が乗ったお盆を四人で担ぎながら、花梨の元へと歩み寄ってきていた。
「花梨さーん、大変お待たせしました。昼食が出来たので持ってまいりました」
「あ~……、もしかして、この厚底鍋も食べられるんじゃ……ハッ!? あっ、は、はいっ! ありがとうございます!」
暴走を始めていた世界から慌てて帰還した花梨は、朧木達が持ってきたお盆を手に取り、ふわっと微笑む。
体が自由になった朧木達は、花梨を近くにあるちょうどいい高さの切り株に誘導すると、花梨は「ありがとうございますっ」と感謝して、その切り株に腰を下ろした。
お盆を太ももの上に乗せてから、朧木達がこしらえてくれた昼食に目を向けると、栗の炊き込みご飯で作られた、大きなおにぎりが三つ。
そして、想像上では厚底鍋一杯分を飲み干したが、今度はちゃんと目の前に、味噌仕立てで作られた野菜スープがちゃんとあり、香ばしい匂いを含んだ湯気が立ち込めている。
「全てこの木霊農園で、丹精を込めて作った作物でこしらえました。花梨さんのお口に合うかどうか……」
「いえいえっ! とっても美味しそうです、ありがとうございます! それじゃあ、いただきまーすっ!」
花梨はまず、栗の炊き込みご飯で作られたおにぎりを手に取り、にんまりとしながら大口を開けて口の中に入れる。
まず初めに、やや濃い和風だしの風味が口の中いっぱいに広がる。咀嚼をしていくと、米の中に隠れていた大ぶりの栗が、逃げ場を失ったのか一気に出てきた。
その栗は大ぶりながらも、適度な水分を含んでいるのかしっとりと柔らかく、深みの強いねっとりとした濃厚な甘い風味が、濃い和風だしの味をまろやかにしていく。
そして、その和風だしが栗の甘さをより一層引き立たせ、お互いの長所を高め合っていった。
次に、お目当てだった野菜スープが入ったお椀と箸を手に取り、逸る気持ちを抑えつつ、息を数回吹きかけてからゆっくりとすする。
赤味噌を主体にして作られた野菜スープは、飲んだ瞬間は、塩分の強いガツンとした辛めの風味を感じるも、具の野菜一つ一つから滲み出てくる強い甘みが、赤味噌の強い風味をどんどんと丸め込んでいき、最終的には赤味噌の風味を打ち勝った。
具は、イチョウ切りされたダイコンやニンジン、大量の豆モヤシ、千切りのキャベツやタマネギ、輪切りのゴボウ、とうもろこし。そして、アクセントとして細かく刻まれたレモンの皮。
それぞれの野菜の味は、噛むと存在を主張するように口の中に飛び出してきて、食感もしっかりと残っており、一杯で二度も三度も楽しめるようになっている。
野菜スープは、花梨が想像していたよりも遥かに美味しく、そして、何よりも食べられたという満足感が、全身の隅から隅まで駆け巡っていった。
花梨がほっこりとした笑顔で「はぁ~っ……」と、至福の長いため息をついていると、その様をドキドキしながら不安そうに見ていた朧木が、ついに耐えかねたのか花梨に恐る恐る声を掛けてきた。
「……あのっ、味の方はどうデス、か?」
「さいっこうに美味しいですよっ、いくらでも食べられそうです!」
花梨の感想を聞いた朧木と、その周りに居た木霊達の不安そうにしていた表情が一気に明るくなり、喜びながらお互いにハイタッチを交わし、ニコニコしながらその場で何度も飛び跳ねた。
その中に混ざり、満面の笑みで飛び跳ねていた朧木が、花梨に向かって笑顔で話を続ける。
「それはよかったデス! 私達も丹精を込めて作った甲斐がありました! おかわりは沢山ありますので、よかったらどんどん食べていって下さい」
「おかわりなんてそんな、悪いですよ……、ああっ、でも食べたいっ! ありがとうございます!」
すぐさま誘惑に負けた花梨は、おつかいをする為に来ただけだというのに対し、厚くもてなされている事に申し訳なさがあったものの、その気持ちは瞬時に食欲に吸収されていく。
そして、食べて喜んでくれるのであれば、もっと沢山食べねばっ……! と、都合よく解釈をして結局、追加のおにぎりを六つ、野菜スープを三杯飲んだところで、ほどよく腹が膨れ上がり、心の底から満足した。
が、しかし朧木達は、自分達が作った野菜を、本当に美味しそうに食べてくれている花梨の姿を見て、嬉しさのあまりに暴走し始めてしまったのか、おにぎりと野菜スープのおかわりを、わんこそばの如く間髪を入れずに持ってきていた。
その光景を見た花梨は、持ってきてしまったのならば仕方ない……。ならっ、私はその熱意に応えるまでよ! と、心に火が付き、晴天織りなす秋空の下、ピクニック気分で味わえていた至福の昼食は、いつしか終わりの見えない、わんこそば風一人大食い大会へと発展する。
おにぎり、野菜スープ、おにぎり、野菜スープが盛られた器を持った木霊達が列をなし、その列は徐々に長くなっていき、気がつくと建物の中にまで続く大行列になっていた。
その大食い大会は二十分ほどすると、挑戦者である花梨が表情をヒクつかせていき、胃袋に限界が来たのか、青ざめた表情をしながら腕でバツの字を作り、「もう、無理っス……」と、掠れた声でギブアップ宣言を申し出る。
挑戦者の小さな悲痛の叫びを聞いた朧木が、ふっと我に返ったのか、慌てて後ろ向き、おかわりの列を作っている木霊を止めに入り、大食い大会は木霊達の勝利で幕を閉じた。
「す、すみません花梨さん! あまりにも嬉しくなってしまっていたのか、つい……」
「い、いえっ、とんでもないです……。こちらこそ、とても美味しいおにぎりと野菜スープをありがとうございまゲプッ……」
「ああっ、すみませんデス……。こちらにシートを用意しましたので、楽な姿勢で横になっていて下さい」
「す、すみません……、ありがとうございます……」
朧木に誘導された花梨は靴を脱ぎ、ずっと背負っていたリュックサックを下ろすと、重くなった身体をシートの上に大の字で寝かせ、空を見上げながら小さくため息をつく。
天高い空を流れる様々な形の雲が、秋の風に身を任せ、形を変えながら戯れている。花梨もその風を肌で感じつつ、鮮烈な青さをしている空を見据えながら黄昏て、心がノスタルジックな気分へと染まっていった。
「はあ~っ……。いい所だなぁ、木霊農園。みんな優しくて、野菜も美味しくて、景色も良いときた。雅や纏さん達と一緒に来たいなぁ」
独り占めをするには、深い罪悪感が生まれるほど木霊農園が気に入った花梨は、願いを込めた独り言を呟くと、その願いは風に流されて空の彼方へと吸い込まれていった。
涼しい秋の風で体を癒しつつ、刹那で形を変える雲で描かれた広大な空のキャンパスを、心を空っぽにしながらボーッと眺めていると、遠くの方から朧木の小さい声が聞こえてきた。
「花梨さーん! 大変遅くなって申し訳ありませーん! リストに書かれていた野菜を全て、リヤカーに積み終えましたよー!」
その叫び声を聞いた花梨は、朧木の言葉に違和感を覚えながら上体を起こし、ポケットから携帯電話を取り出して現在時刻を確認してみると、時刻は既に夕方の四時を迎えていた。
「あれっ? もうこんな時間か。ずっと空を見ちゃってたんだなぁ……。はーいっ、今行きまーす!」
そう叫び返した花梨は、立ち上がってから少し固まっている体をグイッと伸ばす。そして、リュックサックを背負い、靴を履いてからつま先で数回地面を叩き、リヤカーの前で待っている朧木達の元へと走っていった。
0
お気に入りに追加
82
あなたにおすすめの小説
隣の家に住むイクメンの正体は龍神様でした~社無しの神とちびっ子神使候補たち
鳴澤うた
キャラ文芸
失恋にストーカー。
心身ともにボロボロになった姉崎菜緒は、とうとう道端で倒れるように寝てしまって……。
悪夢にうなされる菜緒を夢の中で救ってくれたのはなんとお隣のイクメン、藤村辰巳だった。
辰巳と辰巳が世話する子供たちとなんだかんだと交流を深めていくけれど、子供たちはどこか不可思議だ。
それもそのはず、人の姿をとっているけれど辰巳も子供たちも人じゃない。
社を持たない龍神様とこれから神使となるため勉強中の動物たちだったのだ!
食に対し、こだわりの強い辰巳に神使候補の子供たちや見守っている神様たちはご不満で、今の現状を打破しようと菜緒を仲間に入れようと画策していて……
神様と作る二十四節気ごはんを召し上がれ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
公主の嫁入り
マチバリ
キャラ文芸
宗国の公主である雪花は、後宮の最奥にある月花宮で息をひそめて生きていた。母の身分が低かったことを理由に他の妃たちから冷遇されていたからだ。
17歳になったある日、皇帝となった兄の命により龍の血を継ぐという道士の元へ降嫁する事が決まる。政略結婚の道具として役に立ちたいと願いつつも怯えていた雪花だったが、顔を合わせた道士の焔蓮は優しい人で……ぎこちなくも心を通わせ、夫婦となっていく二人の物語。
中華習作かつ色々ふんわりなファンタジー設定です。

アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

後宮浄魔伝~視える皇帝と浄魔の妃~
二位関りをん
キャラ文芸
桃玉は10歳の時に両親を失い、おじ夫妻の元で育った。桃玉にはあやかしを癒やし、浄化する能力があったが、あやかしが視えないので能力に気がついていなかった。
しかし桃玉が20歳になった時、村で人間があやかしに殺される事件が起き、桃玉は事件を治める為の生贄に選ばれてしまった。そんな生贄に捧げられる桃玉を救ったのは若き皇帝・龍環。
桃玉にはあやかしを祓う力があり、更に龍環は自身にはあやかしが視える能力があると伝える。
「俺と組んで後宮に蔓延る悪しきあやかしを浄化してほしいんだ」
こうして2人はある契約を結び、九嬪の1つである昭容の位で後宮入りした桃玉は龍環と共にあやかし祓いに取り組む日が始まったのだった。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
オレは視えてるだけですが⁉~訳ありバーテンダーは霊感パティシエを飼い慣らしたい
凍星
キャラ文芸
幽霊が視えてしまうパティシエ、葉室尊。できるだけ周りに迷惑をかけずに静かに生きていきたい……そんな風に思っていたのに⁉ バーテンダーの霊能者、久我蒼真に出逢ったことで、どういう訳か、霊能力のある人達に色々絡まれる日常に突入⁉「オレは視えてるだけだって言ってるのに、なんでこうなるの??」霊感のある主人公と、彼の秘密を暴きたい男の駆け引きと絆を描きます。BL要素あり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる