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失恋して崖から落ちたら、山の主の熊さんの嫁になった/前
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闇夜に浮かぶ沢山の光が舞う幻想的な光景が見られる、ホタル祭り。
そんなムード満点な所で今夜、俺は空輝に告白しようと企んでいた。
空輝は、田舎から都会の大学にきてビクビクしている俺に郷土研究会サークル(と言う名のただの旅行サークル)へ誘って、友達になってくれた笑顔が爽やかな男だ。特別イケメンではないが、清潔感のある服装や茶色に染めた短髪で服装もそこそこオシャレ。レディーファーストな所もあり、わりとモテている。
彼女はまだいないが、誰かにとられる前に告白をしたい。同性同士だが恋に性別は関係ないと俺は思っている。それに、あいつも俺のこと嫌いじゃないだろうしワンチャンある!
サークルメンバーの男共で、何カ所か候補があるベストスポットの下見をするメンバー選びに俺を選んでくれたし、泊まる部屋も一緒にしようと誘ってくれたのはあっちだ。きっといけるいける。
初めての恋人! 夢のイチャイチャ幸せキャンパスライフ! すっごく楽しみ!!
場所の確認を終え、二人っきりで駄弁りながら少しだけ茜色に染まった山道を歩く。ちょっとしたデート気分だぜ。と、浮かれていた俺はやらかした。口が滑って告白してしまった。雰囲気なんてないこんな山道の途中で。
「好きです俺と恋人になってください」
「え! お前俺の事好きだったの? いやぁ、無理、そういうのちょっと気持ち悪いわ」
嫌そうな顔で断られてしまった。とどめとばかりに、これからはあまり近寄らないでほしいとか、祭りは同じサークル仲間の飯島さん(女子)と回るから邪魔しないでくれと釘をさされた。
酷い! 俺の純情弄ばれた!
空輝とその場で別れ、しょんぼりして歩いていたら足が滑った。
一瞬何が起こったのか分からず、声の一つも上げることなく、木の枝や葉っぱの音を鳴らしながら崖下へと落ちていく。
崖から落ちたのだと気付いた時には既に地面にいた。はらり、はらりと葉っぱが頭上から数枚振ってくる。
えええええ! これ世間には告白してフラれた失意で自殺とか判定されるヤツじゃんやだぁぁぁ。生きてるし、俺ちゃんと生きてるからね! 空輝のことはワンチャン付き合えたら初恋人だぜとか浮かれてただけで別にそこまでガチで好きじゃなかったんです本当だようわぁ恥ずかしい!
「あいたたたた!」
恥ずかしさでジタバタしたりごろごろと地面を転がったけど、捻挫したようで足が痛い。歩くの無理でしょこれ。助けを呼ぼうにも周囲に人影は見えないし、山なのでスマホの電波は安定の圏外だった。悲しい。
どうしよう、俺はこのまま朝までここにいるしかないのか。だって空輝たち、俺がいないことに気付くのはどうせ朝だろ。ホタル見てなんだかいい雰囲気になってにゃんにゃん始まって満足したから帰るかーってタイミングでしょ! バカ! ケダモノ!
三時間ほど電車に揺られて来たのに、ホタルも見られずに失恋して崖から落ちて捻挫とか最悪な一日だ。俺の今日の星座占い一位だったんですけど? 最下位の間違いだろ。もうあの番組の星占いは信じない。
崖は結構な高さみたいだったけど、草木のお蔭で生きてはいる。TシャツもGパンも汚れたけど無事だ。そこだけは喜ぶべきか。
俺ちゃんと帰れるかな、なんだかお腹すいたよー。このままだと夜ご飯も食べられないのか。お腹が切ない。虫よけスプレーめっちゃ振ってきたけど、朝まで蚊から守ってくれるかな。雨降らないといいなぁ。
そんなことを考えながら近くの大きな木に背を預けてぼへーっと座っていると、前方の草の茂みがガサガサと音を立てて揺れた。
落ちてから時間が経って、辺りはうす暗くなっている。木々が生い茂り奥になる程真っ暗で見えないが、もしかして誰か来てくれたのかな。やった助かった!
そして俺の前に現れたのは――。
目と目が合う。
黒い真ん丸なお目め。褐色の固そうな毛並みに大きな体。鋭い爪。
二本足で立っている熊だった。
あっ、おれおわた。
そうだよね、森の中には熊とか狼とかいるよね。
死んだふりって効くんだっけ?
そっと目を閉じて、取り敢えず死んだふりしてみたけど、近寄ってきた熊にふんふん匂いをかがれてる。
ダメだね効かなかったね。デマだったわ。鈴持ってたら助かったのかな。いや、鈴は避けるだけで会ったら無意味なんだっけか? ネットで熊に襲われたという記事を見たことあるけど、ぐちゃぐちゃに食べられるんだよね。うわえぐいことになりそう。せめて残さず綺麗に食べて欲しい。いや一番は生き残りたいんだけど。
「大丈夫か?」
どこから低いイケボが聞こえてきた。まさか猟師さん来た? これで勝てる?
恐る恐る目を開けて、周囲を見渡すが右横に熊がいるだけで他に誰もいない。まさかの幻聴だった。熊の口がパカリと開く。
ひぃっ。食われる!!
「生きているな。獣が近付いているにも関わらず逃げも隠れもしないとは、危機管理が薄くないか。私が見つけたから良かったものの。……もしや自殺か? まだ若いのに命を無駄にするな」
「え?」
なんか説教始まった。
えええ、熊が喋ってるんだけど? 森の熊さんかな??? 貝殻のイヤリングなんて持ってないよだって男の子だもの。
所々、相槌を打ちながら話を聞くと、どうやら熊さんはこの山の主らしい。山の主って猪なイメージあったけど、これ某アニメの影響かな。大きいワンコと少女がメインイメージな金ローで放送される国民的人気作品のヤツ。
一通り説教が終わったみたいなので、俺が自殺しようとしているという誤解は解いておこう。
「俺がここにいるのは足を滑らせてうっかり落ちちゃったからだよ。助けを呼ぼうにもスマホが圏外で繋がらなくて帰れそうになくて……。別に失恋して死のうと思ってた訳ではないよ! 勘違いしないでよね!」
「そうか良かった、死のうとしなくて。少し話しただけだが、お前は愛嬌があって可愛いのだから次は良い恋をするといい」
んんんっ! この熊俺のこと褒めてくれたし優しくてイケメン。流石山の主! 抱いて!
とかいいつつ獣姦は趣味じゃないので実際にするのは勘弁してくれ。ただのノリなんで。
「ならば山を降りよう。案内するから着いてくるといい」
「ありがとうございまいたい!」
立ち上がった瞬間、痛みが走りお尻が地面へと逆戻りした。
忘れてた。捻挫してたんだった。最初に見た時より腫れてるんだが、骨折れてないよな?
「怪我をしているのか?」
「落ちた時に足を捻ったみたいで……」
「そうか。応急処置をしよう」
えっ、熊の手で?
想像する。鋭い爪に気を付けながら不器用に包帯を巻く熊さんを。わぁ、ファンシー。かわいいけど無理あるんじゃないかなぁ。いや、喋ってるし山の主様だから出来るのか?
そういえば熊にも肉球ってあるんだよね。固いのかな柔らかいのかな。頼んだら触らせてくれるかな。山の主様に対してちょっと気安すぎ?
熊さんの手をじっと見ていると、ポンと小さな音を立てて、熊から人間に姿を変えた。
はっきりとした目鼻立ち。少し硬そうな褐色の混ざる黒い短髪。色黒な肌に筋肉質な体。髭はないがワイルド系に分類されるタイプだ。
男が薄いグレーの着物の胸元から白いハンカチを取り出し、俺の挫いた足の固定を始めた。
「……人間になった?」
「こちらの姿の方が手当てしやすい」
そうだろうけど、えー。熊なのに人間に変身できるの。山の主の力すごくない?
イケ熊でイケメンってずるい。俺この姿なら抱かれてもいいかも。
心の中で熱い手のひら返しをしていると、手当が終わったのか元の熊の姿に戻り、背中に乗れと言ってきた。遠慮なく乗ると俺の足を気遣いながらゆっくりと四つ足で歩き始める。
「この位の速度なら足は大丈夫か?」
「なんとか大丈夫かも。っていうかさ、人間になれるのは元から? それとも山の主だからなの?」
「山の主になってからだな。この地位を譲り受けるまでは喋ることも出来なかった」
「へぇ、パパ熊から譲られたんだ」
「パパ……それは父親の呼び名だったか? ならば違う。友から半ば無理矢理に……」
最後の言葉が小さくなったのは、山の主になるのが嫌だったからかな。無理矢理って言ってたし。お友達さん酷いな。
慰めるよう背中を撫でてやると、ちらりとこちらを振り向いた。
「そういや自己紹介まだだったよな。俺は佐久間 新。新って呼んでくれ。歳は十八で、恋人絶賛募集中。好きなタイプは特にこだわりはないけど、強いて言えば優しい人かな。郷研の仲間……えっと、大学のサークルに……サークルって分かるかな。いいや、えーと、旅行! ホタルを見に旅行でここに来たんだ。熊さんは名前あるのかな?」
「真名はあるが、親や伴侶にしか明かせない」
「そうなの? あっ、孫悟空とひょうたん的なアレかな。分かった、じゃあ呼び方は熊さんのままで」
「あぁ。代わりと言ってはなんだが、新の時間が取れるならホタルが見れるいい場所を紹介しよう。近場に川があるから足も冷やせると思う」
「やったー。連れてって連れてって。明日帰るし、ホタル見れないかもと諦めてたんだ。どうせ帰ってもこの足だと動き回れないから、一人で寂しく寝るだけだしさ」
熊さんは目を細めて「分かった」と言うと、ホタルが見れるベストスポットへ、のしのしと向かった。
そんなムード満点な所で今夜、俺は空輝に告白しようと企んでいた。
空輝は、田舎から都会の大学にきてビクビクしている俺に郷土研究会サークル(と言う名のただの旅行サークル)へ誘って、友達になってくれた笑顔が爽やかな男だ。特別イケメンではないが、清潔感のある服装や茶色に染めた短髪で服装もそこそこオシャレ。レディーファーストな所もあり、わりとモテている。
彼女はまだいないが、誰かにとられる前に告白をしたい。同性同士だが恋に性別は関係ないと俺は思っている。それに、あいつも俺のこと嫌いじゃないだろうしワンチャンある!
サークルメンバーの男共で、何カ所か候補があるベストスポットの下見をするメンバー選びに俺を選んでくれたし、泊まる部屋も一緒にしようと誘ってくれたのはあっちだ。きっといけるいける。
初めての恋人! 夢のイチャイチャ幸せキャンパスライフ! すっごく楽しみ!!
場所の確認を終え、二人っきりで駄弁りながら少しだけ茜色に染まった山道を歩く。ちょっとしたデート気分だぜ。と、浮かれていた俺はやらかした。口が滑って告白してしまった。雰囲気なんてないこんな山道の途中で。
「好きです俺と恋人になってください」
「え! お前俺の事好きだったの? いやぁ、無理、そういうのちょっと気持ち悪いわ」
嫌そうな顔で断られてしまった。とどめとばかりに、これからはあまり近寄らないでほしいとか、祭りは同じサークル仲間の飯島さん(女子)と回るから邪魔しないでくれと釘をさされた。
酷い! 俺の純情弄ばれた!
空輝とその場で別れ、しょんぼりして歩いていたら足が滑った。
一瞬何が起こったのか分からず、声の一つも上げることなく、木の枝や葉っぱの音を鳴らしながら崖下へと落ちていく。
崖から落ちたのだと気付いた時には既に地面にいた。はらり、はらりと葉っぱが頭上から数枚振ってくる。
えええええ! これ世間には告白してフラれた失意で自殺とか判定されるヤツじゃんやだぁぁぁ。生きてるし、俺ちゃんと生きてるからね! 空輝のことはワンチャン付き合えたら初恋人だぜとか浮かれてただけで別にそこまでガチで好きじゃなかったんです本当だようわぁ恥ずかしい!
「あいたたたた!」
恥ずかしさでジタバタしたりごろごろと地面を転がったけど、捻挫したようで足が痛い。歩くの無理でしょこれ。助けを呼ぼうにも周囲に人影は見えないし、山なのでスマホの電波は安定の圏外だった。悲しい。
どうしよう、俺はこのまま朝までここにいるしかないのか。だって空輝たち、俺がいないことに気付くのはどうせ朝だろ。ホタル見てなんだかいい雰囲気になってにゃんにゃん始まって満足したから帰るかーってタイミングでしょ! バカ! ケダモノ!
三時間ほど電車に揺られて来たのに、ホタルも見られずに失恋して崖から落ちて捻挫とか最悪な一日だ。俺の今日の星座占い一位だったんですけど? 最下位の間違いだろ。もうあの番組の星占いは信じない。
崖は結構な高さみたいだったけど、草木のお蔭で生きてはいる。TシャツもGパンも汚れたけど無事だ。そこだけは喜ぶべきか。
俺ちゃんと帰れるかな、なんだかお腹すいたよー。このままだと夜ご飯も食べられないのか。お腹が切ない。虫よけスプレーめっちゃ振ってきたけど、朝まで蚊から守ってくれるかな。雨降らないといいなぁ。
そんなことを考えながら近くの大きな木に背を預けてぼへーっと座っていると、前方の草の茂みがガサガサと音を立てて揺れた。
落ちてから時間が経って、辺りはうす暗くなっている。木々が生い茂り奥になる程真っ暗で見えないが、もしかして誰か来てくれたのかな。やった助かった!
そして俺の前に現れたのは――。
目と目が合う。
黒い真ん丸なお目め。褐色の固そうな毛並みに大きな体。鋭い爪。
二本足で立っている熊だった。
あっ、おれおわた。
そうだよね、森の中には熊とか狼とかいるよね。
死んだふりって効くんだっけ?
そっと目を閉じて、取り敢えず死んだふりしてみたけど、近寄ってきた熊にふんふん匂いをかがれてる。
ダメだね効かなかったね。デマだったわ。鈴持ってたら助かったのかな。いや、鈴は避けるだけで会ったら無意味なんだっけか? ネットで熊に襲われたという記事を見たことあるけど、ぐちゃぐちゃに食べられるんだよね。うわえぐいことになりそう。せめて残さず綺麗に食べて欲しい。いや一番は生き残りたいんだけど。
「大丈夫か?」
どこから低いイケボが聞こえてきた。まさか猟師さん来た? これで勝てる?
恐る恐る目を開けて、周囲を見渡すが右横に熊がいるだけで他に誰もいない。まさかの幻聴だった。熊の口がパカリと開く。
ひぃっ。食われる!!
「生きているな。獣が近付いているにも関わらず逃げも隠れもしないとは、危機管理が薄くないか。私が見つけたから良かったものの。……もしや自殺か? まだ若いのに命を無駄にするな」
「え?」
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えええ、熊が喋ってるんだけど? 森の熊さんかな??? 貝殻のイヤリングなんて持ってないよだって男の子だもの。
所々、相槌を打ちながら話を聞くと、どうやら熊さんはこの山の主らしい。山の主って猪なイメージあったけど、これ某アニメの影響かな。大きいワンコと少女がメインイメージな金ローで放送される国民的人気作品のヤツ。
一通り説教が終わったみたいなので、俺が自殺しようとしているという誤解は解いておこう。
「俺がここにいるのは足を滑らせてうっかり落ちちゃったからだよ。助けを呼ぼうにもスマホが圏外で繋がらなくて帰れそうになくて……。別に失恋して死のうと思ってた訳ではないよ! 勘違いしないでよね!」
「そうか良かった、死のうとしなくて。少し話しただけだが、お前は愛嬌があって可愛いのだから次は良い恋をするといい」
んんんっ! この熊俺のこと褒めてくれたし優しくてイケメン。流石山の主! 抱いて!
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「ありがとうございまいたい!」
立ち上がった瞬間、痛みが走りお尻が地面へと逆戻りした。
忘れてた。捻挫してたんだった。最初に見た時より腫れてるんだが、骨折れてないよな?
「怪我をしているのか?」
「落ちた時に足を捻ったみたいで……」
「そうか。応急処置をしよう」
えっ、熊の手で?
想像する。鋭い爪に気を付けながら不器用に包帯を巻く熊さんを。わぁ、ファンシー。かわいいけど無理あるんじゃないかなぁ。いや、喋ってるし山の主様だから出来るのか?
そういえば熊にも肉球ってあるんだよね。固いのかな柔らかいのかな。頼んだら触らせてくれるかな。山の主様に対してちょっと気安すぎ?
熊さんの手をじっと見ていると、ポンと小さな音を立てて、熊から人間に姿を変えた。
はっきりとした目鼻立ち。少し硬そうな褐色の混ざる黒い短髪。色黒な肌に筋肉質な体。髭はないがワイルド系に分類されるタイプだ。
男が薄いグレーの着物の胸元から白いハンカチを取り出し、俺の挫いた足の固定を始めた。
「……人間になった?」
「こちらの姿の方が手当てしやすい」
そうだろうけど、えー。熊なのに人間に変身できるの。山の主の力すごくない?
イケ熊でイケメンってずるい。俺この姿なら抱かれてもいいかも。
心の中で熱い手のひら返しをしていると、手当が終わったのか元の熊の姿に戻り、背中に乗れと言ってきた。遠慮なく乗ると俺の足を気遣いながらゆっくりと四つ足で歩き始める。
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「へぇ、パパ熊から譲られたんだ」
「パパ……それは父親の呼び名だったか? ならば違う。友から半ば無理矢理に……」
最後の言葉が小さくなったのは、山の主になるのが嫌だったからかな。無理矢理って言ってたし。お友達さん酷いな。
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「そういや自己紹介まだだったよな。俺は佐久間 新。新って呼んでくれ。歳は十八で、恋人絶賛募集中。好きなタイプは特にこだわりはないけど、強いて言えば優しい人かな。郷研の仲間……えっと、大学のサークルに……サークルって分かるかな。いいや、えーと、旅行! ホタルを見に旅行でここに来たんだ。熊さんは名前あるのかな?」
「真名はあるが、親や伴侶にしか明かせない」
「そうなの? あっ、孫悟空とひょうたん的なアレかな。分かった、じゃあ呼び方は熊さんのままで」
「あぁ。代わりと言ってはなんだが、新の時間が取れるならホタルが見れるいい場所を紹介しよう。近場に川があるから足も冷やせると思う」
「やったー。連れてって連れてって。明日帰るし、ホタル見れないかもと諦めてたんだ。どうせ帰ってもこの足だと動き回れないから、一人で寂しく寝るだけだしさ」
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