47 / 47
斬黒須怪異談♾️X2♾️
0039話「ワンワンGP(ショート版)」
しおりを挟む夜の静けさを破る犬の鳴き声。普段は愛犬の雑種犬茶毛サラが就寝している時間なのに、今日は異なる声が響いていた。鐘技友紀は、家の外に出て、自宅の庭先の犬小屋奥に、何かが見える。犬の姿に似ているが、やはり何かが違った。
近づくと、影が彼女を見つめている。その目は、ただの犬ではなく、彼女の心の奥を覗くようだった。「ワンワン」と鳴く声は、どこか人間のような響きがあった。
恐怖にかられた友紀は逃げようとするが、足が動かない。影が近づくと、それはサラの姿をした何かだった。だが、その存在は彼女の愛犬とは異なり、口からは「ワンワン」と笑い声が漏れ出す。
しかし、驚くべきことに、友紀は死ぬことはなかった。影はサラの姿を模していたが、実際には彼女を傷つけることができない存在だった。友紀はそのことを理解し、逆に影に問いかける。「あなたは一体何なの?」
影は無言で、ただ笑う。友紀はその瞬間、自分の恐怖がただの幻影であることに気づいた。彼女は影を見つめ続け、恐怖を超えてその存在と向き合う。
「私を捕まえられるものなら捕まえてみなさい」と、友紀は挑発する。すると、影は消え、静寂が戻ってきた。友紀はその場を後にするが、心には不思議な安堵感が残った。
ちなみにサラは現当主と一緒に散歩していた。
ワンワン(ショート版)GP 完
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる