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野薔薇畑怪異談Sub story08
59話「募金恩礼」
しおりを挟む「1」
ーー「粒願寺」ーー
毎年多く御利益を求めて老若男女が訪れるつぶ寺。
つぶ教を信仰してるつぶ僧達はぶつけないようにつぶつぶと唱えている。
そこに鼻木和馬、夜尻真夜、全部員一同もあやかりたいために観光として訪れた。
「じゃあ、みなさん小銭持ちましたか?」
そこで顧問として雇われている(?)南原十郎の号令もと、各自小銭を持ちお賽銭を投げる。
そこに鼻木和馬が投げた小銭が賽銭箱外れてしまう。
その小銭を拾った猫見蜜柑は半分冗談でネコババしようとすると、部員一同は嗜める。
すると、部員1人である片原早苗が言った。
「そんな、悪い子猫さんにちょうどいい怪異談あるわよ?」
と、早苗の周囲に部員一同は寒気が急に感じてしまう。
「ぜ、ぜひ聞かせて欲しいにゃ」
と、蜜柑はビクビクしながらも耳を傾けた。
「2」
ーー「????」ーー
真夜中の町外れ道端。
私はその設置してあるアレを取り出す。
神様ごめんなさいと祈りを込めてアレごと自宅に持ち帰った。
「……」
ーーーーーー
私は自宅先のアパート自室で晩飯のもやし焼肉タレ丼を食べる。
私の名前は井津川尚美。
25歳。
フリーターであるが今は無職である。
今月は日払いバイトを探し中だがなかなか見つかりなさそうもない。
そんな中、絶賛金欠中でありながらも私を食い繋いでいるアレがある。それはーー、
(ピンポン)
「あれ?こんな時間になんだろうか?」
私は玄関先に向かった。
ーー「玄関先」ーー
私は忘れずに覗き穴を確認すると若い青年だったので警察官ではないことを安堵する。そして私は鍵を開けて応対する。
「すみません。こんな時間帯になんのようでしょうか?」
と、青年は気さくに笑って。
「あなたあの町外れの道端に置いてあった募金箱盗みましたね?」
それを聞いて私は一瞬フリーズして青ざめる。
しかし、その青年は咎めるどころか感謝したのだ。
「いやいや。僕はあなたにすごく感謝してるんですよ。これ、うちの近くの家庭菜園でとれた野菜です」
「は、はぁ」と、私は理解できなかったが久しぶりの人参やきゅうりやナスがあったので喜び隠せなかった。
私は御礼すると青年も御礼を言って私はこの野菜でサラダを作り味わった。
ーー「次の日」ーー
私が昼間にハローワークの帰宅すると同時に見知らぬおばさんが訪れた。
「すみませんね。あれさー。私も気味悪いと思ってさー、でね」
「は、はぁ。そうなんですか」
その見知らぬおばあさんは結局1時間も立ち話して感謝の御礼をしてくれた。そして先程の青年と同じように家庭菜園で採れた野菜をお裾分けしてくれた。
それ以来、私の元に先程青年とおばさんと同じように感謝するために私のアパート自室に野菜を持って訪れる。
彼らはお知り合いというのを否定しているが私から見れば愉快犯でありすごく迷惑だと思ったが警察さえも相談出来なかった私は「御礼お断りします」と訪ねてくる人を追い返してると、ピタリと私のもとに訪れる人々はいなくなった。
しかし、ある日のこと、、、
私の玄関ポストに大量の葉書が送られてきた。
そして自宅先の冷蔵庫には大量の野菜が入っていた。
怖くなった私は逃げるようにアパートを引き払い引っ越しした。
しかし、その先のアパートにも最初に訪れた青年がいたから。
「やぁ、お久しぶりですね」
「いやああああああ!?」
もちろん私は警察に通報した。
警察が駆けつけた頃、私は彼を逮捕して連行するようにお願いしたが、、、
「すみません。その青年とはどこにいるのでしょうか?」
「え?だ、だからここにいるじゃない!!そこに!!」
何度も警察に教えるつもりで彼を触れようとするが何故か透けていたのだ。
私はハッと青ざめてしまう。
「大変お疲れでしょう。病院に行くのをおすすめします。では」
と、警察官たちはそのままどこかへ行ってしまった。
そして、その青年は私の耳元に近づき囁いた。
「あなたには感謝してるんですよ。盗んだおかげで僕たちは認識できるようになっタデスカラ」
彼の最期の言葉が奇妙な声変わりが聞こえた。
ーー「野薔薇高校2年B組クラス内」ーー
「おはようにゃん♪」
猫見蜜柑が登校すると、周囲が蜜柑を囲んでクラスメイトが感謝されるようになる。そして過剰に感謝されるので先程の怪異談を思い出して恐怖のあまりに気絶してしまった。
犯人は鼻木和馬のイタズラの発案であり、彼女をこわがらせようとしたがその行為を聞いた猫見蜜柑のファン達はこの後お礼参りする羽目になるとは知らない。
募金恩礼 完
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