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紅薔薇怪異談Main story06
41話「猫にごはん」
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「①」
ーー野薔薇高校3年B組クラス内ーー
わ、俺、鼻木和馬(夜尻真夜)。
俺達クラスはとうとう高校3年生になり、受験や就職を控えている。
ただ、俺たちのクラスの席は2名空いてる。
1人は高波美衣子、2人は酢鈴武煮部流だ。
煮部流は三年生になった同時に姿を消して現在も消息不明である。当然部活どころじゃないし、俺たち部員一同は煮部流の捜索したが目撃者もほぼ見つからなかった。そして煮部流の両親が俺たちが学業に影響するので捜索の協力の申し出で断った。俺たちも両親の強いお願いに手を引いた。
だけど、たまに俺は外を出歩き煮部流がいないか探してる。
そして部活動だが新人の後輩に加入してくれる部員はいなく、俺たち三年生で固めてるので卒業時はこの部も解散する予定だ。少し名残り惜しいが致し方ない。
「部、鼻木少しいいか?」
と、鼻木はわ、俺のことだ。
呼びかけたのは、部長だ。
うん。何の用だろうか?
「なんだ?手短にな」
「高波の家に行かないか?」
「ん?なんでだ?」
「じ、実はな高波の両親が呼ばれてるみたいなんだな。私と鼻木がな」
ふむ。当然断る理由もないな。
「いいぞ」
「ほ、本当か!放課後すぐ寄ろうな」
「ああ」と、俺は承諾するが部長の喜ぶ顔を見て少し複雑な気分だった。
「…………」
「②」
ーー高波家ーー
「こんにちわー」と、俺はインターホンを鳴らす。
すると、高波の母親が応対して、玄関先のドアを開けてくれた。
「さぁさぁいらっしゃい。少しにぎやかだけどゆっくりくつろいでね」
「お邪魔します」「おじゃまんが読む」
ドアの先には飼い犬達が待ち受けていてよく吠えている。
今日は俺と部長2人だけだ、他の部員は受験勉強などに忙しくて来れなかった。
それでも高波は良き親しい仲間でもあり友人だったから。
ーー美衣子の部屋ーー
俺と部長は居間にあったつぶ壇に両手を添えてお参りした後、高波の部屋に入る。あの事故の後は母親の掃除が行き届いてるせいか、生前の高波の部屋と変わらなかった。
そこに母親がやってきて飲み物と茶菓子を用意してくれた。
「おばさん。おかまいなく」
「いいのよ。あなたたちが来るとあの子もどこか喜んでるわ」
「そうですか……」
「それとよかったら怪異談聞かせてくれないかしら?できればあの子の好きな動物の話ね」
「……動物の怪異談か。ありますよ」
と、部長が語るらしい。もっともひとつあるが死に関する怪異談なため、そこは避けたいので遠慮しとこう。
「怪異談『猫にごはん』どうぞご清聴ください」
と、部長は怪異談を披露した。
「③」
とある豪邸の屋敷邸。
そこに住んでいる主人は大富豪である。
その主人は世界各地に集めた絵画コレクターを所持している。
その中にも曰く付きの絵画がある。
それは描かれた迫力ある猛獣の猫。
今でも喰らい付きそうな迫力がある。
その絵画に毎日3食、餌を用意しなければならないと言う。
その約束を破ると恐ろしい目に遭うという。
しかし、主人は毎日3食を与えてみたが何も食べるそぶりを見せず次第に餌を与えるの放棄して、そのままにした。
しばらくするとその絵画に描かれていた猛獣が姿を消す。
そして屋敷には血だらけの寝室のベッドが残されており、その主人は姿を消して行方不明になっている。
「④」
部長が怪異談を披露すると高波の母親と俺は拍手する。
「よかったわ。それとあなた達に見せたいモノがあるの」
高波の母親が持ってきたのは俺たちが怪異談を披露した日誌だった。
「これは、すごいな。高波はまめに記録していたんだな」
部長の意見に同意だな。
「これはもらっていいですか?大事な形見では?」
「いいのよ。私は怪異談とかいまいちわからないし。あの子が真面目に取り組む姿を見てたら、あなた達にあげたほうがあの子も喜ぶと思ってね」
「……」
そうか。高波は思う所あったんだな。
その時、どこからまた笛の音色が流れてきて、彼女もまた見守っているだろう。
そして高波が残してくれた日誌は今でも怪異談を披露するときに活用している。
猫にごはん 完
ーー野薔薇高校3年B組クラス内ーー
わ、俺、鼻木和馬(夜尻真夜)。
俺達クラスはとうとう高校3年生になり、受験や就職を控えている。
ただ、俺たちのクラスの席は2名空いてる。
1人は高波美衣子、2人は酢鈴武煮部流だ。
煮部流は三年生になった同時に姿を消して現在も消息不明である。当然部活どころじゃないし、俺たち部員一同は煮部流の捜索したが目撃者もほぼ見つからなかった。そして煮部流の両親が俺たちが学業に影響するので捜索の協力の申し出で断った。俺たちも両親の強いお願いに手を引いた。
だけど、たまに俺は外を出歩き煮部流がいないか探してる。
そして部活動だが新人の後輩に加入してくれる部員はいなく、俺たち三年生で固めてるので卒業時はこの部も解散する予定だ。少し名残り惜しいが致し方ない。
「部、鼻木少しいいか?」
と、鼻木はわ、俺のことだ。
呼びかけたのは、部長だ。
うん。何の用だろうか?
「なんだ?手短にな」
「高波の家に行かないか?」
「ん?なんでだ?」
「じ、実はな高波の両親が呼ばれてるみたいなんだな。私と鼻木がな」
ふむ。当然断る理由もないな。
「いいぞ」
「ほ、本当か!放課後すぐ寄ろうな」
「ああ」と、俺は承諾するが部長の喜ぶ顔を見て少し複雑な気分だった。
「…………」
「②」
ーー高波家ーー
「こんにちわー」と、俺はインターホンを鳴らす。
すると、高波の母親が応対して、玄関先のドアを開けてくれた。
「さぁさぁいらっしゃい。少しにぎやかだけどゆっくりくつろいでね」
「お邪魔します」「おじゃまんが読む」
ドアの先には飼い犬達が待ち受けていてよく吠えている。
今日は俺と部長2人だけだ、他の部員は受験勉強などに忙しくて来れなかった。
それでも高波は良き親しい仲間でもあり友人だったから。
ーー美衣子の部屋ーー
俺と部長は居間にあったつぶ壇に両手を添えてお参りした後、高波の部屋に入る。あの事故の後は母親の掃除が行き届いてるせいか、生前の高波の部屋と変わらなかった。
そこに母親がやってきて飲み物と茶菓子を用意してくれた。
「おばさん。おかまいなく」
「いいのよ。あなたたちが来るとあの子もどこか喜んでるわ」
「そうですか……」
「それとよかったら怪異談聞かせてくれないかしら?できればあの子の好きな動物の話ね」
「……動物の怪異談か。ありますよ」
と、部長が語るらしい。もっともひとつあるが死に関する怪異談なため、そこは避けたいので遠慮しとこう。
「怪異談『猫にごはん』どうぞご清聴ください」
と、部長は怪異談を披露した。
「③」
とある豪邸の屋敷邸。
そこに住んでいる主人は大富豪である。
その主人は世界各地に集めた絵画コレクターを所持している。
その中にも曰く付きの絵画がある。
それは描かれた迫力ある猛獣の猫。
今でも喰らい付きそうな迫力がある。
その絵画に毎日3食、餌を用意しなければならないと言う。
その約束を破ると恐ろしい目に遭うという。
しかし、主人は毎日3食を与えてみたが何も食べるそぶりを見せず次第に餌を与えるの放棄して、そのままにした。
しばらくするとその絵画に描かれていた猛獣が姿を消す。
そして屋敷には血だらけの寝室のベッドが残されており、その主人は姿を消して行方不明になっている。
「④」
部長が怪異談を披露すると高波の母親と俺は拍手する。
「よかったわ。それとあなた達に見せたいモノがあるの」
高波の母親が持ってきたのは俺たちが怪異談を披露した日誌だった。
「これは、すごいな。高波はまめに記録していたんだな」
部長の意見に同意だな。
「これはもらっていいですか?大事な形見では?」
「いいのよ。私は怪異談とかいまいちわからないし。あの子が真面目に取り組む姿を見てたら、あなた達にあげたほうがあの子も喜ぶと思ってね」
「……」
そうか。高波は思う所あったんだな。
その時、どこからまた笛の音色が流れてきて、彼女もまた見守っているだろう。
そして高波が残してくれた日誌は今でも怪異談を披露するときに活用している。
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