【全64話完結済】彼女ノ怪異談ハ不気味ナ野薔薇ヲ鳴カセルPrologue

蒼薔薇怪異談Main story05

40話「他人丼」

「①」

　ーー山谷丼物屋ーー

「いらっしゃいませ」
　わちは酢鈴武に？にぶる……煮部流。
　今日はわちの17歳の誕生日祝いにパパ上とママ上から丼物を奢ってくれたのじゃ。
　いつもはそんなに食べれないけど今日はたくさん食べられるから、わちはたくさん食べて大きくなって武道を習いたいのじゃ。
　だから、頼んだのは他人丼じゃ。
　わちは昔から豚肉が好きなのじゃから、よく豚肉を食べる。
　1番大好物なのはママ上から作る酢豚じゃ。
　それから。
　えーと。
　えーと。そうじゃ！怪異談じゃ。
　怪異談は他人丼じゃ。赤の他人に巻き込まれてしまう恐ろしい怪異談じゃ。
　聞いてくれる？
　そ、そうか。聞いてくれるか。
　では、披露するぞ。
　ーーーーーー。

「②」

　ーーとある丼物屋ーー

「いらっしゃい」
　店内は閑散としてる。
　俺はこの店で他人丼を注文する。
「まいど」
　そこでゆっくりと店に置いてある雑誌を取り読んでるとその隣にいるオヤジが馴れ馴れしく話しかけてくる。
「なぁなぁ、お前さんちょっと聞いてくれよなぁ」
「……」
　俺は赤の他人を振りして無視してるがかなりウザい。
　そのオヤジはめげずに話しかけてくる。
　俺は雑誌を読むことを集中してまるでオヤジの存在感を無視していた。
「お待たせしました。他人丼です」
　と、ようやく注文の他人丼が出てきた。
　オヤジは何かが言っていたがそれでも無視して他人丼をがっつき平らげる。
「なぁなぁ、お前さん。結構がっつくな。キタねーぞ。その食い方よ」
　と、その一言にいらついて俺は他人の振りをするのやめて言った。
「余計なお世話だ！こら」
　と、そのオヤジに言ったがその場には誰もいなかった。
　俺は周囲を確認したが店内にいるのは俺と店主だけだった。
　すると、その場にいた店主が言った。
「お客さん視えるのかい？ここにはあなたのように視えるお客さんを話しかけるんですよ」
　と、その店主の一言にゾクッと背筋から鳥肌がたち、俺は水を飲んで頭を冷やしてお会計して店を出た。

　それ以来、俺の周囲には先程のオヤジのように俺に話しかける人が跡をたたない。

「③」

　部活動の帰り道、わちは帰宅する準備してると、見知らぬおじさんに話しかけられたのじゃ。
　わちはママ上から知らない人に話しかけても無視するように言われてるので無視した。
　するとわちの影から身体に黒い手が引っ張られるのじゃ。
　その時、わちは必死の抵抗もむなしく影に喰われた。
　わちが最期に見たおじさんは青白く笑っていた。

　他人丼   完

出演登場人物

夜尻真夜(鼻木和馬)

鼻木和馬(夜尻真夜)

猫見蜜柑

毒川里美

小野姫子

梅田虫男

野薔薇真理亜

片原早苗

酢鈴武煮部流

南原十郎



蒼薔薇怪異談  END

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