【Final】彼女の異界談は素敵な星花を降らせる

野花マリオ

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003話「ヤドカリさん」

ヤドカリさん2 04☆

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 (Ⅳ)「ヤドカリさん」

 俺の名はジャン。32歳。
 一応名を知れた魔剣使いだ。
 ちょうど俺は村の広場にて例のを聴いた所だった。
 ま、大したことはない。
 そろそろ夜更けに近かったのでこの村のそこそこするメシがうまい宿屋に泊まることにした。

 ーー「宿屋ドラゴンフラワー」ーー

「おお、いらっしゃい」
「オヤジ、夕飯と明日の朝飯頼む」
 俺は身分証であるギルドパスポートと代金である銀貨3枚を支払う。
 身分証の提示は最近近くで盗賊や野党が頻繁に出ているからだ。でもほとんどは彼らはおとなしく、俺がほとんど退治してるからな。
「オヤジ。先程の広場でヤドカリさんの噂を聴いてきたぜ」
 と、オヤジは目を見開き慌てる。
「だ、大丈夫なんかい?ヤドカリさんの噂を聴いた者が宿屋に泊まるとヤドカリされるんだろ?」
 俺は自分の髪の頭をぽりぽり掻いて言った。
「大丈夫だ。あんなモノは根のない噂だな」
 オヤジは「そうか、二階の3号室だよ」と、うなずき泊まる部屋の鍵をもらい、その自室に向かった。

 ーー「????」ーー

 真夜中の寝静まる晩。

 俺は魔剣をいつでも引き抜けるように待ち続けていた。

 そう、俺は所属するギルドから巷で暗躍するヤドカリさんを討伐しにきたからである。

 そして宿屋の扉が開かれる。

 扉の鍵はわざと開けていたからな。

「……あんたがヤドカリさんとはな」

 その正体は広場でヤドカリさんの噂を広めた冒険者だったからな。

 そいつは終始無言で背中に抱えている戦斧バトルアックスを取り出して構えた。

 俺も対峙して魔剣を構えて刃を振るった。

 ーー「次の日の早朝」ーー

 ドラゴンフラワーの宿屋の店主ブラウンは朝早くから、村の近くの川でスープの材料や生活用水に使用する川水を汲みにやってきた。
 その近くで上半身の裸であるジャンは魔剣の素振りをしてるの見てブラウンは彼に声をかけた。

「おはよう。ジャン。ヤドカリさんは大丈夫だったか?」

「ああ。あんなもんは大したことないさ。しかし、この身体は馴染みやすいな」

「……そうか」とブラウンはそのまま木のバケツに川水を満杯近くまで汲み宿屋に戻る。その時、ブラウンは彼の違和感になんらかの感じていたが直接口には出せなかった。

 ーー「????」ーー

 とある村の場所でジャンと似た男がヤドカリさんの噂を広めていた。そのジャンを似た男も忽然と姿を消しており、別の男がヤドカリさんを広めていく。その男も魔剣を携えていたという冒険者や旅人の間で噂が広まっていた。

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