[全221話完結済]彼女の怪異談は不思議な野花を咲かせる

蜂鉢怪異談∞

219話「死か蜂※グロ虫描写閲覧注意」

「1」

　ふー。どっこらしょ。
　よーく。食うなおめぇさんも。
　その蜂の子うめーだろ。
　そうだろ、そうだろ。
　その蜂に関するモノなんだが……おまえさんは聞くか？
　ああ。そうかいそうかい。
　実はなこの蜂に関する怪異談なんだけどな。
　そうか。披露するぞ。


　ーーーーーー

　世界各地にはいろんな蜂がいるが中には危険な蜂も多い。
　その日本国内唯一の自治県である石山県にも存在する。
　それは死か蜂という死体に寄生して巣を作る蜂である。
　彼らは動物や人に女王蜂自ら生き物の中に寄生の卵を産みつけるのだ。そして卵から返って幼虫から長い年月をかけて宿主を酸素を行き渡らせないよう息の音を止めて殺してそのサナギとなり成虫の女王蜂となり、卵を産み付けて働き蜂を増やして死体に巣を作る。その光景は身体を覆い尽くすほどの数万匹が死か蜂となるのである。そしてかれらは独占欲が強くて近くにいる動物や人を平気で襲うし、死か蜂の針は猛毒であり、刺されば死を誘うのである。そこに刺し殺した死体から別の女王蜂が卵を産み付けてそこから新たな巣を作るのであるから石山県内では特定災害危険指定生物の対象であり、見かけたら即刻駆除か避難隔離の対象である。そして決して死か蜂を食べてはいけない。その身体には彼らの卵が女王蜂自ら産みつけているから、子孫を根絶やしにならないようにと……。

　つまりだな。

　で、おまえさん、その死か蜂の子美味かったか？





「2」

「という怪異談じゃがどうかの？」

　北臓の語る怪異談にハチミツトーストを食べてる八木楓、永木桜、野花手鞠は硬直してしまう。
　そこに先日北臓から用意された蜂の子を食べた梅田虫男はこのあと夢山大学病院に診察してレントゲン撮ったり、図書館やネット開いたり、死か蜂のことを入念に調べていた。
　虫男だけじゃなく楓達も蜂がますます嫌いになったのは言うまでもなかった。

　死か蜂   完