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蜂鉢怪異談∞
215話「看晩矢2」
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「1」※この作話は以前公開停止となった没話からとなります。
ーー「鐘技家」ーー
先代当主鐘技友紀が亡くなってちょうど一周忌になる。
法要に参加するのは鐘技家族、野薔薇家、穴木家以上である。
また、鐘技家では家柄では敵が多いがそれらを払拭して団結することを鐘技家とっては世間にアピールしたいのが狙いだ。
法要が終わり予約した料亭で会食した後、次期当主楓が友紀が最後に遺した怪異談を披露した。
ーー「1年前」ーー
老医師から診断する当主鐘技友紀は不治の病に侵されていた。
「どうですか?友紀さん」
「……だいぶよくなりましたわ」
「そうですか。無理せずに」と受け持ちの老医師は友紀の身体を診断した後そのまま帰宅した。
「…………」
現当主友紀の病は治せないわけではない。しかし、下手に病院でレイトゲンなどを撮られれば自分達が寄生人であることにバレてしまうからだ。
もっとも彼女自身は充分長生きしたので後悔の念はなかった。
あとは彼女の遺言や次期当主に家柄の方針に委ねるだけである。
「ただいま帰りました。おばあさまいらっしゃいますか?」
と、孫娘の鐘技楓がちょうど帰宅したので返事する。
「おぅー。きだべな。部屋にぎでぢょな」
彼女の謎の訛り癖で呼び出して楓は友紀がいる部屋に向かった。
「2」
友紀と楓が談笑してると、友紀の枕元に青白い矢が刺さっていたことに楓が気づく。
「おばあさま、この透明な青白い矢はなんでしょうか?」
と、友紀はため息を吐いた。
「……そっか。私もそろそろね」
「え?」
「楓よく聞きなさい。今晩次の朝に開けるまで私の部屋には誰も入れさせないでね。あなたのお母様も善部医者にもね!」
「は、はい……」
友紀の強い忠告により、楓はしぶしぶ従って友紀の部屋には誰も入れさせないでいた。
そして次の早朝、友紀は亡くなった。
彼女の身体の胸元に青白い矢が刺さっていたのだ。
そして友紀の枕元に遺書があり、その内容は友紀が語る最期の怪異談が記載されていた。
「3」
「この看晩矢は死期を悟った人物を看取るために矢を放つの。最期の命日に矢が直接身体に射止めるらしいわ」
と、楓の語る怪異談にその場にいる皆が一瞬寒気を感じてしまう。そこの高級懐石料理屋を営む親子二代続いてる料理長王田武史はあまり怪異談の内容に迷信と疑っていたがそのまま口に出さなかった。
ーー「夢山病院のとある病室」ーー
休日の日、武史は先代の父親の見舞いで来ていた。
そこに寝たきりの父親と会話すると、ふとベッドの近くそばに青白い矢が刺さっていることに気づいた。
彼はふとあの怪異談が実話だと知り、父親をまだ生きながらえさせたい彼は寝ずの晩に張ることになる。
そして次の日の早朝、寝たきりの父親とその息子武史が青白い矢に刺さり亡くなった。
そして、この事がきっかけで怪異談看晩矢が一部のオカルトマニアの間で認知して広まる。
友紀が残した怪異談が世間的に広まることに楓は不本意ながらも正直複雑な気分だった。
看晩矢2 完
ーー「鐘技家」ーー
先代当主鐘技友紀が亡くなってちょうど一周忌になる。
法要に参加するのは鐘技家族、野薔薇家、穴木家以上である。
また、鐘技家では家柄では敵が多いがそれらを払拭して団結することを鐘技家とっては世間にアピールしたいのが狙いだ。
法要が終わり予約した料亭で会食した後、次期当主楓が友紀が最後に遺した怪異談を披露した。
ーー「1年前」ーー
老医師から診断する当主鐘技友紀は不治の病に侵されていた。
「どうですか?友紀さん」
「……だいぶよくなりましたわ」
「そうですか。無理せずに」と受け持ちの老医師は友紀の身体を診断した後そのまま帰宅した。
「…………」
現当主友紀の病は治せないわけではない。しかし、下手に病院でレイトゲンなどを撮られれば自分達が寄生人であることにバレてしまうからだ。
もっとも彼女自身は充分長生きしたので後悔の念はなかった。
あとは彼女の遺言や次期当主に家柄の方針に委ねるだけである。
「ただいま帰りました。おばあさまいらっしゃいますか?」
と、孫娘の鐘技楓がちょうど帰宅したので返事する。
「おぅー。きだべな。部屋にぎでぢょな」
彼女の謎の訛り癖で呼び出して楓は友紀がいる部屋に向かった。
「2」
友紀と楓が談笑してると、友紀の枕元に青白い矢が刺さっていたことに楓が気づく。
「おばあさま、この透明な青白い矢はなんでしょうか?」
と、友紀はため息を吐いた。
「……そっか。私もそろそろね」
「え?」
「楓よく聞きなさい。今晩次の朝に開けるまで私の部屋には誰も入れさせないでね。あなたのお母様も善部医者にもね!」
「は、はい……」
友紀の強い忠告により、楓はしぶしぶ従って友紀の部屋には誰も入れさせないでいた。
そして次の早朝、友紀は亡くなった。
彼女の身体の胸元に青白い矢が刺さっていたのだ。
そして友紀の枕元に遺書があり、その内容は友紀が語る最期の怪異談が記載されていた。
「3」
「この看晩矢は死期を悟った人物を看取るために矢を放つの。最期の命日に矢が直接身体に射止めるらしいわ」
と、楓の語る怪異談にその場にいる皆が一瞬寒気を感じてしまう。そこの高級懐石料理屋を営む親子二代続いてる料理長王田武史はあまり怪異談の内容に迷信と疑っていたがそのまま口に出さなかった。
ーー「夢山病院のとある病室」ーー
休日の日、武史は先代の父親の見舞いで来ていた。
そこに寝たきりの父親と会話すると、ふとベッドの近くそばに青白い矢が刺さっていることに気づいた。
彼はふとあの怪異談が実話だと知り、父親をまだ生きながらえさせたい彼は寝ずの晩に張ることになる。
そして次の日の早朝、寝たきりの父親とその息子武史が青白い矢に刺さり亡くなった。
そして、この事がきっかけで怪異談看晩矢が一部のオカルトマニアの間で認知して広まる。
友紀が残した怪異談が世間的に広まることに楓は不本意ながらも正直複雑な気分だった。
看晩矢2 完
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