[全221話完結済]彼女の怪異談は不思議な野花を咲かせる

野花マリオ

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蜂鉢怪異談∞

213話「不気味な手相」

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 「1」※この作話は以前公開停止となった没話からとなります。

 ーー「205X年09月14日石山県鐘技市鷹町内午前12時15分頃」ーー

 そこそこ交通量が多い都会。
 真夏明けだがまだ日差しが強いのか住人達はそれなりの暑さ対策をしている。
 そのため、私も日傘を差している。
 私はその噴水公園前に友人達と待ち合わせしている。
 私の名前は鐘技楓。歳は15ほど。
      家柄のしきたりで普段着は黒の着物を着込んでる。
 特に住人は目にかける者はいないがごく稀に海外から来る観光客に目にかけるほどだ。
 ……たまにそこでナンパ野郎も目にかけるがそこは大事なは外さない。
   そいつは悲鳴を上げながら悶絶した。
「楓ーー!!」
 と、待ち合わせしてる友人達がやってきたので対面する。
「ごめん。待った?」
「ううん。少しだけよ」
「そっか……(あー。手遅れか、ちーん)」
 さて、待ち合わせしてる友人達を紹介しよう。ゲフン。
 まず1人目は亜季田恵。視力が悪いのか丸メガネをつけているが普段はコンタクトレンズをつけてる。実家は養鶏場を営んでいる。今日は白のブラウスの短めの茶色のスカートを着込んでいる。
 続いて2人目は北山星花。彼女自身クラスの女帝であり、厳しめのカースト制を強いてるがヤ……ツンデレである。祖父の影響で刀剣を集めている。服装は今時のフリルの黄緑のワンピースを着込んでいる。
 そして、最後は野薔薇手真理。彼女は私と同じ好みや血液型や生年月日が一致するほどの彼女だ。そして野薔薇家の令嬢だから私の家にも懇意してる。服装は白シャツに青のジーンズのデニムを着込んでいる。
 さて、自己紹介終えたところで私たちは目的地にあるショッピングビルで散策して買い物を楽しむのである。
「ま、待ってくれよ!ハニー」
 と、まだ息があるようだ。
 確実にトドメを刺しておこう。
     ふん。(腕の骨が折れる音)
 その悶絶するキモイ骸骨頭男は悲鳴をあげて気絶した。
「ふー。これでよし。みんな行きましょう」
「あ、うん……」
「あんた。相変わらずジェームズさんに手厳しいわね」
 私たちは早速目的地のショッピングビルの建物内に入った。

 ーー「ショッピングビル666タカ」ーー

 この建物は6階建ての大型のショッピングビルである。
 飲食店、娯楽施設、ファッション店、アンティーク店などなど揃えられていた。
 そこで楓達も散策しながら、買い物や雰囲気に楽しんでいた。

 ーー「洋風オムライス山田店」ーー

 私たちはここのレストランで昼食を摂る。
「ふぃーー。疲れたー」
 恵がコーラを飲んで服をはだけている。
「ちょっと!?みっともないからやめなさいよ」
 と、星花が注意する。
「へいきへいき。ここに覗く野郎はいないし」
「……ジェームズさんがいるけど?」
 と、私は席を立ち、1人寂しくアイスコーヒーを隠れて飲んでるキモイ骸骨頭男にアイアンデッドクローをかますと静かになった。
「ね、大丈夫だったでしょ?」
 恵はなんでもないかのように取り繕う。
 そこでため息を吐きながらオムライスを食べる星花。
 そして私も食べるのに再開するが手真理の指摘により手が汚れていたようで私はピンク色のハンカチを取り出して手を拭いた。
 そして店を出る時は会計は全てキモジェームズに押しつけた。

 「2」

「そろそろ帰りましょうか?」
 夕方遅く私たちは充分お買い物を楽しんだ後、各自帰宅しようとすると恵が何かに気づき、その方向に指を指した。
「見て、あれ!」
 その指す方向は見慣れない占い館だった。
「気がつかなかった。あんな場所に占い屋さんがあるなんて」
 その占い館はアーケード施設のすぐ隣にあった。
 私たちもすぐ気づけない場所だったから無理もなかった。
「僕、見てもらうかな?」
 と、手真理が興味出し始めたので私たちもその占い館に入ることにした。

 ーー「占い館内」ーー

「……いらっしゃい。お嬢ちゃん。手を出してくれ」
「はい……」
 早速、占いのおばあさんから手真理の手相を見ることにした。
 おばあさんはその手真理の手をにぎにぎしながらまじまじと診ていた。
 すると、そのおばあさんは目を見開き、たどたどしい口調で開いた。
「……おまえさん近いうちに不運に見舞われるよ」
「え?」
「……もし、そんな目にあったら、また1人で来なさい」
 と、手真理の手相を診てもらった後は私たちは首を傾げながらもそのまま解散して各自帰路に向かう。
 でも、まさかそんなに遭うなんて私は思わなかった。
「………………」

 「3」

 ーー「野薔薇屋敷邸」ーー

「ただいま帰りました」

 僕はクタクタなりながらも手提げていた買った物をメイドに手渡す。
「おつかれさまでした。手真理様。……失礼承知ですが手元が汚れていますので洗い流してくださいね」
「ん?……手?」
 山丸執事からの指摘で僕はふと右手を見るとたしかに手が真っ黒に汚れていたようだ。
 ふむ。さっきおばあさんに手相を診てもらい手を触れていたからかなとこの時までは思っていた。

 ーー「????」ーー

 寝静まる晩遅くに僕は金縛りが起きていた。
 そしてうっすらと目を開けると部屋の天井に巨大なヒトの目が見開いていた。
 そこで僕はパニックになり、その騒ぎに駆けつけてきた執事とメイド達が僕を宥めてくれる。
 そして僕の右手の手相にはくっきりとヒトの目のようなモノが刻まれていた。

 「4」

 次の休みにその占い館にいるおばあさんの元に向かうとする時に馴染みの彼に呼び止められた。

「手真理じゃないか?……どうした?」

「あ、ジェームズさん」

 そこに顔見知りの黒のコートを着込んでる骸骨頭の青年ジェームズさんだ。
 彼はイタリアとキ族のハーフである。
 そこで僕はジェームズさんに事情を説明した。


 ーーーーーー。

「……そうか。俺も彼女に会うところだ」
「え?……そうなんだ」

 どうやら、ちょうどあの占い館のおばあさんに会うところみたいだった。
    おばあさんが1人で来なさいておっしゃってるけどムシしよう。
 なので僕も彼と同行することになった。

 「5」

 ーー「????」ーー

 早速、僕達は目的地の場所についた。
 と、周辺を見渡すとそこにおばあさんが立っていた。

「あ、おばあ(フギャ)」

 と、僕の肩を強く掴まれた。

「……彼女は危険だ」

 と、ジェームズさんに肩を強く掴まれる。
 すごく痛いだけど……。
 おばあさんは険しい顔をしている。
 もしかしてあのおばあさんは僕をはめるためにやったんだろうか?
 その時、おばあさんは叫んだ。

「そいつから逃げなさい!!!」

「え?」
 
    その時、僕はジェームズさんを間近で見ると驚愕する。

 ジェームズさんの骸骨頭から長い触手のような目が飛びでていたから。

「うわああああ!?」

僕は慌てて肩を振り解き、ジェームズさんから離れた。

「……去りなさい」と、おばあさんは何か杖のようなモノを取り出してジェームズさんに放たれるとそのまばゆい光球により、ジェームズさんは消滅した。

「ちっ。逃げられたか」

 と、おばあさんはそのまま僕の元に駆けより、僕の右手から瞬い光により刻まれたヒトの目は塞がれた。
 僕はこの状況に唖然としていた。

 「6」

 おばあさんが語られたのは意外なことだった。
 どうやら、あの黒い汚れは寄生蟲による体液の汚れによるモノだと教えられた。
 どうも、ジェームズさんにはすでに寄生蟲により寄生されてもう手遅れみたいだった。
    で、どうして占いの時に寄生蟲をすぐ駆除しなかったのは、おばあさんのチカラは門外不出であり、あまり広めたくないらしい。
 そして僕の親友である楓がジェームズさんの身体に触れてしまい、同時に楓と手を繋いで触れていたから、感染したみたいだった。
 でも、そうなると……!?
 僕はすぐそのまま楓の元に向かったが何事もなく平然と彼女は過ごしていた。
 どうやら、楓は寄生蟲に寄生されたモノをすでに取り除いてたみたいだった。
 彼女自身は妖怪や悪霊など祓えるから、そうと分かれば楓の方に向かえばよかったと思ったな。

 ーー「鐘技家」ーー

「……そう。彼も私たちと同じか……」
 ご意見番の情報から、ジェームズも私たちと同じく寄生人と知る。
 私たち寄生人は人と同じように日常生活を送る。
 しかし、それを許されない人達からの迫害などはある。
 そのために、私たちは密かに仲間を増やして生き残らなくてはならない。
 目標は石山県全域キセイすること。
 例え親しい彼女さえでも……。
 私たちに残された時間はないから。

 不気味な手相   完

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