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蜂鉢怪異談∞
209話「レアギュウステーキ」
しおりを挟む「1」
ーー「古河ステーキハウス」ーー
「いらっしゃいませ」
店の中に出入りすれば肉を焼ける匂いと音が煙を立てて充満する。
そこに八木楓、梅田虫男、星田美冬、永木桜、黒木あかね、梅田花郎、星田星夏、野花手鞠が訪れる。
この店に訪れた理由は、以前、楓が17歳になった誕生日祝いも兼ねており、楓達も一度行ってみたいと常日頃思っていたからである。その当日に誕生日祝いした、榊原羅奈と八木瑠奈は遠慮して来てない。今日のメンバーはようやく都合が取れたメンバーで来ていた。
「花郎さん。ゴチになります」
「ははは。いいんですよ。虫男がお世話になってますから」
と、虫男が居候の件は楓と虫男以外他の友人達からは知らせてないのでドキドキしていた。その美冬に関しては後から問い詰めようと決め込んでいた。
そこで彼らはイシヤマブランドノリ牛のレアギュウステーキを堪能する。もちろん未成年者や美冬や星夏もいるので料理酒の代わりにハチミツを代用してステーキ肉を焼いていた。
そしてしばらくお腹を満たした所で楓はレアギュウステーキをちなんだ怪異談レアギュウステーキを披露してこの場の雰囲気を咲かせるのだった。
「2」
彼女は昔から肉食だった。
よく毎食ステーキ肉を焼いて食べるほどだった彼女は毎晩夢の中でもステーキを食べるの。
そのステーキの味わいは格別だったがそのそばに置かれてあるのは、ヒトの生首だったから。
その生首の人物は見覚えあり、彼女の職場の同僚だったから。
そこでステーキを平らげると夢から覚ましてしまう。
その当日、彼女は職場に向かったがその夢で見た職場の同僚がまだ来てなかった。
他の同僚から聞くとその同僚は知らないおろかチャット履歴やスクショなどから無くなっており存在毎消えている感じだったから、彼女は怖くなってしまった。
そして今晩の寝静まる晩も同じステーキを食べる夢を見る。当然そこにもステーキを食べるがそこにも生首が置かれており、顔見知りの同僚だったから。そしてまた現実とリンクするかのようにまたその職場の同僚も存在毎消えてしまう。次の日もまた次の日以降もあの夢を見て同僚達がこの世から消えてしまうのだから。
そしてとうとう職場には彼女だけ1人になってしまった。会社では問題なく仕事負担はなかった。彼女は食事もろくに食べておらず大好きな肉さえも食べてなかった。気分が優れなかった彼女は早めに早退してそのまま眠りについた。そこでまた夢を見る。そのステーキを食べている自分自身と、その置かれている生首は、、、彼女自身である。
次の日、彼女も存在毎抹消されて誰も行方先は知らない。
「3」
「ごちそうなりました♪花郎さん」
「気をつけて帰るんだよ」
と、楓と虫男と花郎は同じタクシーに乗り込んで帰宅する。
「で、どうすんだい?虫男。まさかずっと楓さん所でお世話になるんかい?」
「い、いや。それはその……最悪兄貴の家に御厄介なるかなー」
「冗談はよしてよ。僕の所は年頃の娘がいるし、変な影響受けたらたまったもんじゃないし」
と、花郎は強く拒否感する。
「いやぁ。他の引越し先考えてるのは考えてるだけどさ。なかなかいい物件がなくてさ」
それを聞いた花郎はため息を吐いた。
「ま、探す気もなく面倒くさいケチくさいお前のことだ。とりあえず早めにいい物件を探して嫁さんもらえるんだな」
「……」
「わーてるよ。嫁はその、まだ踏ん切りついてないというかその」
と、花郎はフッと笑った。
「……どうやら、お前さんの想い人つかれてるみたいだな」
「え?」
と、タクシーが八木家に着いた同時期にもう一台のタクシーが着く。
そこにいたのは星田美冬と星田星夏もついていた。
「むーちゃん。これはどういうことかしら?」
このひと騒動で楓と美冬の熾烈な恋騒動が起きるのは別の話で。
レアギュウステーキ 完
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