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天ノ鐘怪異談K 【完結】
195話「幸せを運ぶリボンのしっぽ」
しおりを挟む「1」
ーー「SNS Y(つぶったー)内」ーー
SNSつぶったーがとある実業家が買収してタイトル名が変更になりYに改名して話題になっていた頃、Y(つぶったー)民が幸せを運ぶリボンのしっぽがSNS上で話題になっていた。なんでもそのリボンのしっぽを見つけてしっぽを掴むと幸せが舞いこむらしいと伝わっていた。そんなYユーザー達はその幸せを運ぶリボンのしっぽをちなまこになり探索に出かけていた。そこにYユーザーの鬼村星華も参加する1人であった。
ーー「野原市立運動公園」ーー
休日の日曜日、朝早くから星華はそのSNS上のYユーザーから情報提供された公園に出向いていた。
「たくさんいるわね」と、しっぽに釣られてやってきたと思われる人達も探しにやってきた。星華もライバルよりも早く見つけようと血なまこになって公園内を散策していた。
ーーーーーー
「見つからないわね」
かなり昼飯抜きで時間をかけて探し回ったがその求めるしっぽは見つからなかった。
夕方遅くになっているがしっぽを探索求める人達は少なからずいた。
探し回って疲れた星華はあきらめて帰り道スーパーに出向き夕飯の献立を買い物して帰宅した。
「2」
ーー「鐘技高校3階付近」ーー
星華は親しい下僕達と会話していると少し離れた階段付近にリボンのしっぽが見かけた。
「あ!ごめん。ちょっと用事思い出したから」
と、下僕達に理由をつけてそのリボンのしっぽを追いかけた。
まるで誘い込むようなしっぽの振り方だったが星華はこれが餌食の罠だとまだ知らなかった。
そしてそのしっぽ付近に向かうとそこにいたのは異形な獣が待ち受けていたから。
「ひっ!?」
その異形な獣は漆黒の影のようで無数の目が見開いており、リボンのしっぽようなものは触手だったのだ。
そして無数の触手が星華の身体を捕らえて引きずり込もうとする。
「いや!?誰か助けて!!」
星華がいる階段付近には誰もいなく、助けを求めても誰もいなかった。先程の下僕達はどこかへ去っていたのかかなり大声で叫んでも駆けつけてくれなかった。
「星華!!」
その偶然階段を上っていた鐘技友紀が星華が大変な事態に気づき、彼女は手元にあった針のようなモノを異形な魔獣に刺し込むと奇声をあげて捕らえていた星華を解放して異形魔獣は忽然と姿を消した。
「大丈夫?星華」
「な、なんとか」
ぐったりと精神的にも肉体的にも疲れた星華。
これ以降、星華はリボンのしっぽを探すことをやめた。
「3」
ーー「????」ーー
学校帰り道、星華は再び街角の電柱付近にリボンのしっぽのようなモノが見かけていたが無視をしてその通学路から遠回りして避けていた。
そして星華の入れ替わりで服がボロボロになっているホームレスの中年男性がアルミ缶回収を求めて彷徨っているとそこの街角にリボンのしっぽのようなモノを掴むとそれは白いネズミのようなモノだった。それを離すと白いネズミはどこかへ去っていた。男性は首を傾げて再び街角散策した。その男性はこの後、幸せを運ぶかどうかはまた別の話にて。
幸せを運ぶリボンのしっぽ 完
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