上 下
242 / 268
天ノ鐘怪異談K 【完結】

195話「幸せを運ぶリボンのしっぽ」

しおりを挟む
 
「1」

 ーー「SNS  Y(つぶったー)内」ーー

 SNSつぶったーがとある実業家が買収してタイトル名が変更になりYに改名して話題になっていた頃、Y(つぶったー)民が幸せを運ぶリボンのしっぽがSNS上で話題になっていた。なんでもそのリボンのしっぽを見つけてしっぽを掴むと幸せが舞いこむらしいと伝わっていた。そんなYユーザー達はその幸せを運ぶリボンのしっぽをちなまこになり探索に出かけていた。そこにYユーザーの鬼村星華も参加する1人であった。

 ーー「野原市立運動公園」ーー

 休日の日曜日、朝早くから星華はそのSNS上のYユーザーから情報提供された公園に出向いていた。
「たくさんいるわね」と、しっぽに釣られてやってきたと思われる人達も探しにやってきた。星華もライバルよりも早く見つけようと血なまこになって公園内を散策していた。

 ーーーーーー

「見つからないわね」

 かなり昼飯抜きで時間をかけて探し回ったがその求めるしっぽは見つからなかった。
 夕方遅くになっているがしっぽを探索求める人達は少なからずいた。
 探し回って疲れた星華はあきらめて帰り道スーパーに出向き夕飯の献立を買い物して帰宅した。

「2」

 ーー「鐘技高校3階付近」ーー

 星華は親しい下僕達と会話していると少し離れた階段付近にリボンのしっぽが見かけた。
「あ!ごめん。ちょっと用事思い出したから」
 と、下僕達に理由をつけてそのリボンのしっぽを追いかけた。
 まるで誘い込むようなしっぽの振り方だったが星華はこれがだとまだ知らなかった。
 そしてそのしっぽ付近に向かうとそこにいたのは異形な獣が待ち受けていたから。

「ひっ!?」

 その異形な獣は漆黒の影のようで無数の目が見開いており、リボンのしっぽようなものは触手だったのだ。
 そして無数の触手が星華の身体を捕らえて引きずり込もうとする。

「いや!?誰か助けて!!」

 星華がいる階段付近には誰もいなく、助けを求めても誰もいなかった。先程の下僕達はどこかへ去っていたのかかなり大声で叫んでも駆けつけてくれなかった。

「星華!!」

 その偶然階段を上っていた鐘技友紀が星華が大変な事態に気づき、彼女は手元にあった針のようなモノを異形な魔獣に刺し込むと奇声をあげて捕らえていた星華を解放して異形魔獣は忽然と姿を消した。

「大丈夫?星華」

「な、なんとか」

 ぐったりと精神的にも肉体的にも疲れた星華。
 これ以降、星華はリボンのしっぽを探すことをやめた。

「3」

 ーー「????」ーー

 学校帰り道、星華は再び街角の電柱付近にリボンのしっぽのようなモノが見かけていたが無視をしてその通学路から遠回りして避けていた。
 そして星華の入れ替わりで服がボロボロになっているホームレスの中年男性がアルミ缶回収を求めて彷徨っているとそこの街角にリボンのしっぽのようなモノを掴むとそれは白いネズミのようなモノだった。それを離すと白いネズミはどこかへ去っていた。男性は首を傾げて再び街角散策した。その男性はこの後、幸せを運ぶかどうかはまた別の話にて。

 幸せを運ぶリボンのしっぽ  完
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

【全64話完結済】彼女ノ怪異談ハ不気味ナ野薔薇ヲ鳴カセルPrologue

野花マリオ
ホラー
石山県野薔薇市に住む彼女達は新たなホラーを広めようと仲間を増やしてそこで怪異談を語る。 前作から20年前の200X年の舞台となってます。 ※この作品はフィクションです。実在する人物、事件、団体、企業、名称などは一切関係ありません。 完結しました。 表紙イラストは生成AI

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

(ほぼ)5分で読める怖い話

涼宮さん
ホラー
ほぼ5分で読める怖い話。 フィクションから実話まで。

サクッと読める♪短めの意味がわかると怖い話

レオン
ホラー
サクッとお手軽に読めちゃう意味がわかると怖い話集です! 前作オリジナル!(な、はず!) 思い付いたらどんどん更新します!

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...