[全221話完結済]彼女の怪異談は不思議な野花を咲かせる

野花マリオ

文字の大きさ
上 下
230 / 268
空ノ蝉怪異談S【完結】

183話「視力検査」

しおりを挟む
 


「1」

「次の方どうぞ」
 病院では患者や病院関係者がかなり行き来して混雑して混む。
 そこで毎月8回の視力検査をこの病院は実施してる。
 そこに彼女黒木あかねも視力検査を行う。
 今日は視力を上げるために気合いを入れてきた。
 その視力検査で人生を左右されるから彼女も必死である。
 その理由とはーー。

 ーー「花咲小学校6年2組」ーー

「では、今日はここまでです」
 担任の黒澤先生の授業終えると放課後のチャイムが鳴った。
「起立!礼」と当番の号令してクラスのみんなは「ありがとうございました!」と終礼した。
 あたしは教材をランドセルに入れて帰宅する準備してると黒澤先生に呼び止められる。
「黒木さん。あなたこの前風邪熱で休んだから、まだ視力検査受けてないよね?」
「はい。そうです」
「なら、両親に頼んでかかりつけの病院か眼科に視力検査を受けてきなさい。その検査結果の紙を学校に持ってきてちょうだいね」
「あ、はいわかりました」
 と、用件済んだ黒澤先生はそのまま立ち去っていた。

「2」

 ーー「夢山大学病院内」ーー

 あたしはお母さんに言われて石山県で大きい夢山大学病院に1人で来ていた。中はとても広くて迷子になりそうだった。
 今日はここで視力検査をやるのだけど……どこだろう?とあたしは探していた。
 と、そこにあたしと同じくらいの黒髪の三つ編みのおさげの少女に尋ねてみた。
「ねー?視力検査どこでやるか知ってる?」
「視力検査は私も受けるとこよ。案内してあげる」
「ありがとう♪」と喜んでついていった。
 名前を聞いてみると、八木楓さんという方らしいのであたしの名前を教えてあげた。
 そして楓の案内の元に視力検査会場に向かった。

「3」

 ーー「視力検査会場」ーー

「ここよ」と楓の案内の元に無事ついたあたしは受付する人から整理番号もらった。
 整理番号の数字は64。
 ちなみに楓は65だった。
 視力検査会場はそれなりに多いが集まる人達は変わった服装や頭を丸めてる人達が多かった。
「整理番号64番のかたどうぞ」
「あ、はい」と受付の人に呼ばれたのであたしは視力検査会場の中に入る。
 この時、あたしはこの視力検査会場に誤解してることにまだ気づいてなかった。
「……」

 ーー「検査室内」ーー

「じゃあ始めるよ」
 と検査の人が渡されたの写真を取り出して見せた。
「これは……?」
 と、あたしは首をかしげたので説明してくれた。
「この写真に写る赤い点を何個か教えてください」
「わかりました。えーと」
 その写真はバーベキューしてる人達だが、あたしは目を凝らしてみるとはっきり写っていたので答えた。
「4個です」
「ほう。ではこれは?」
 と、次に手渡された写真はうっすらと見えにくいが答える。
「7個です」
「ふむふむ」と検査の人もうなずいていた。そこでいくつか写真を見せて最後の写真はわからなかったけどなんなくこなせていた。

 ーーーーー

「次はこの2つの人形を比べてどちらにオーラがあるかを測る検査だよ。どちらかな?」
 これも楽勝だった。
「右です」
「ふむふむこれは?」
「左です」
「ほう、君なかなかもんだね」と、検査で褒められた。

 ーーーーー

「最後の検査は人物の背後に映るナニカを当てる検査だ。私に映るのは何かな?」
「えーと。なんかお侍さんが見えて、あとおじいさんもいます」
「そうか。ありがとう。これで視力検査は終了するよ。会場外にお待ちください。すぐ検査結果が出ますので」
 と、あたしは会場外に待った。
 そこでしばらく待っていると、検査結果がでた。
 判定B+だった。
 ちなみに楓さんはC++だったが何故か悔しそうだった。
 視力検査結果終えたあたしは楓さんと別れて帰宅の途についた。

 ーー「黒木家」ーー

「ただいま」と、あたしは帰宅すると、お母さんは洗い物していたのを中断して玄関先まで出迎えてくれた。
「おかえりなさい。検査の結果見せてちょうだい」
「はい。これ」とあたしは手渡した。
「どれどれ……ん?これは……」
「お母さん?どうしたの?」
「あなた、これ間違えて受けてるわよ。この視力検査結果は一般じゃなく体質のやつよ?」
「体質?」と、意味わからなかったがどうやらあたしは誤解していたらしい。この視力検査は幽霊や異形なモノ達を視る視力を測る類だったから。
「来週も受けに行きなさい。それと今日は大事なお話があるからね」
「わかった」としぶしぶ従う私。
 そのお話とはお母さんが霊能者であったこと。あたしに対して隠していたらしい。その後からは、母親から霊能者として指導受けた。そう、あたしが霊能者になるきっかけ与えてくれたのは、あの少女だったからね。
 あと、一般の視力検査結果は1.2と右左はまずまずだった。

「4」

 ーー「現在」ーー

「B++か。まずまずね」
 あたしは視力検査結果の帰り道だった。
 そしてたびたび視力検査結果を見て視力を落ちないように目のケアは忘れない。
 と、その途中に墓地があったので視力を測る。
「……34」
 と、はっきりと数は確認できた。前は28だったが視力は上がってる実感を湧いたあたしは鼻唄を出しながら帰宅した。

 視力検査   完
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

赤い部屋

山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。 真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。 東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。 そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。 が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。 だが、「呪い」は実在した。 「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。 凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。 そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。 「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか? 誰がこの「呪い」を生み出したのか? そして彼らはなぜ、呪われたのか? 徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。 その先にふたりが見たものは——。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...