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俗ノ花怪異談X【完結】
171話「カラス掲示板」
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「1」
ーー「????」ーー
灰色の曇り空。
とある一軒アパート自室窓際にカーテンが敷かれている。
室内にはカップ麺やコンビニ弁当空の容器で乱雑している。
そこに毛布を被り引きこもっている中年男性。
中年男性は必死に「俺は悪くない」と何度もつぶやいていた。
その時うっすら窓際カーテン越しの隙間から電柱の電線に居座り続けているカラス達が彼をじっと覗いていた。
ーー「烏山駅前」ーー
そこそこ住人が駅を利用する。
そこに八木楓、永木桜、黒木あかね、鳥河大軌、夢見亜華葉、梅田虫男もここの古きよき昭和観があふれる街並みを訪れてきた。
「あれ?なーにこれ?」
桜が駅前にある指を指す方向に古い黒板が置かれていたので代わりに虫男が答えた。
「あー。あれな?昔、SNSやネットおろか携帯電話やスマホがまだ普及してない時代に連絡のやりとりに掲示板に書いていたのさ。今はもう無くなりつつあるがこの街では利用してる住人は少なからずいるみたいだな」
虫男の博識にへぇーと感心する楓達。
続けて亜華葉も何かに気づき指を指すが大軌がとっさに無視を唱えてなんとか場を納めた所で続けて虫男が確認する。
「あー。あれはカラス掲示板だな」
「カラス掲示板?」
楓達はキョトンと首を傾げる。
その亜華葉が指す方向には先程の掲示板より小さいモノで置かれていた。書かれてる内容も見慣れない文字で書かれていた。
「そうだ。あのカラス掲示板にカラス達ための神聖なモノであってな。……荒らすモノ達には容赦しないからな」
ゾクッとするような寒気を感じた桜は肩を震えていた。
「それ、詳しくお聞かせてもいいですか?」
あかねの問いに虫男はうなずきカラス掲示板について語り出した。
「2」
~♪
俺の名前は今田川昇。67歳。
晩遅く俺が住むアパート近くのコンビニへ向かい缶ビールと酒のツマミを買って帰り道のことだった。
「ん?なんだ?」と俺の視界にカラス達が会話していたのだ。
いや、人間様の理解できる言語じゃなくカァー、カァーと鳴いてるだけだった。
それはいいがちょうど帰宅する道端でカラス達が占拠していたから、俺はカラス達を追い払ってそのまま我が家のアパート自室に帰宅した。
ーー「アパート室内」ーー
「ただいま~とな」
誰も迎えが来ない1人暮らしの俺。
定年でわずかな退職金と年金で細々と暮らしている。
早速買ってきた酒とツマミの晩酌した。
そこでひそかに楽しみしてるモノがある。
俺はパソコンを立ち上げてインターネットを開く。
俺が唯一趣味してるモノはネットだ。
おれはさまざまなネットサーフィンで暇さえあれば閲覧してる。
ちょうど、たまたまHOT検索ワードにカラス掲示板というモノがあり、興味本意でそれを閲覧する。
「ん?なんだ?人間様の会話すれよな」
掲示板には見慣れない文字で書かれていたので俺は試しに書き込んだが何も反応がなかったので「俺様の理解する言語で話せよな!」と捨て台詞に悪態をついて書き込んでそのままパソコン閉じた。
俺はそのままゆっくりと晩酌を楽しんだ後、そのままベッドに入り明かりを消して就寝した。
でも、まさか彼らにとっては神聖な場所に荒らしてることには気がついてなかった。
「3」
俺は昼間パチンコ屋に徒歩で向かおうとすると何やら聞き慣れない話し声がした。
そこで周囲を確認すると誰もいなかったがカラス達が会話していたのだ。
ーーそのカラス達は俺について会話してるようだった。
俺はゾクッとするような寒気を感じながらもそのままパチンコ屋に向かった。
そのパチンコ屋で打ってるときでもあのカラス達が気になっていた。
パチンコ屋で全てかすってしまった俺。
その帰宅最中にカラス達をよく見かける。
……いや、数千、数万はくだらないだろう。
何故か通行人や猫や犬さえも見かけないほどカラス達が占拠していた。
そしてアパート室内に戻るとカラスらしきの羽根がいたるところに散らばり、そして立ち上げてないはずのパソコンが開いており、トップ画面上に「部屋綺麗にしろ」と大文字の文章に打ち込まれていた。
「4」
「それ以来、カラス掲示板を見かけても荒らさないようにとネット有意識者は注意したわけさ。あのアナログカラス掲示板は最近設置していたらしいな」
虫男の語る話にゾクッと寒気がする楓達。
そしてしばらくして街中を散策した後、彼らは解散した。
ーーーーーーー。
~♪
カラス達に付き纏われた今田川昇はあの一見以来性格が丸くなり、すっかりカラス達に慣れてしまった。
それと同時期にカラス達に愛おしく感じてしまい、カラス達の会話を理解してしまった。
その彼は新たにボランティア活動を始めて公園でゴミ拾いを始める。
そんな中、公園のベンチでイチャつく男女カップルに今田川の目の前にお茶のベッドボトルの空の容器を捨てる。
「おっさん。わるぃけどそれ捨ててくんない」
その平然としたカップル達に終始無言無表情で今田川昇は口を開いた。
「……捨てろ」
今田川の周囲にカラス達が飛び回り一斉に鳴いた。
ーー「八木家」ーー
楓は家族の前で怪異談語りを披露してるときにつけているテレビのとあるニュース番組が流れる。
『本日未明、〇〇町のゴミ捨て場に若い男女の遺体が発見しました。なおーー』
そのニュース番組が流れた当日、とあるカラス掲示板に赤い文字のようなものが書かれていた。
カラス掲示板 完
ーー「????」ーー
灰色の曇り空。
とある一軒アパート自室窓際にカーテンが敷かれている。
室内にはカップ麺やコンビニ弁当空の容器で乱雑している。
そこに毛布を被り引きこもっている中年男性。
中年男性は必死に「俺は悪くない」と何度もつぶやいていた。
その時うっすら窓際カーテン越しの隙間から電柱の電線に居座り続けているカラス達が彼をじっと覗いていた。
ーー「烏山駅前」ーー
そこそこ住人が駅を利用する。
そこに八木楓、永木桜、黒木あかね、鳥河大軌、夢見亜華葉、梅田虫男もここの古きよき昭和観があふれる街並みを訪れてきた。
「あれ?なーにこれ?」
桜が駅前にある指を指す方向に古い黒板が置かれていたので代わりに虫男が答えた。
「あー。あれな?昔、SNSやネットおろか携帯電話やスマホがまだ普及してない時代に連絡のやりとりに掲示板に書いていたのさ。今はもう無くなりつつあるがこの街では利用してる住人は少なからずいるみたいだな」
虫男の博識にへぇーと感心する楓達。
続けて亜華葉も何かに気づき指を指すが大軌がとっさに無視を唱えてなんとか場を納めた所で続けて虫男が確認する。
「あー。あれはカラス掲示板だな」
「カラス掲示板?」
楓達はキョトンと首を傾げる。
その亜華葉が指す方向には先程の掲示板より小さいモノで置かれていた。書かれてる内容も見慣れない文字で書かれていた。
「そうだ。あのカラス掲示板にカラス達ための神聖なモノであってな。……荒らすモノ達には容赦しないからな」
ゾクッとするような寒気を感じた桜は肩を震えていた。
「それ、詳しくお聞かせてもいいですか?」
あかねの問いに虫男はうなずきカラス掲示板について語り出した。
「2」
~♪
俺の名前は今田川昇。67歳。
晩遅く俺が住むアパート近くのコンビニへ向かい缶ビールと酒のツマミを買って帰り道のことだった。
「ん?なんだ?」と俺の視界にカラス達が会話していたのだ。
いや、人間様の理解できる言語じゃなくカァー、カァーと鳴いてるだけだった。
それはいいがちょうど帰宅する道端でカラス達が占拠していたから、俺はカラス達を追い払ってそのまま我が家のアパート自室に帰宅した。
ーー「アパート室内」ーー
「ただいま~とな」
誰も迎えが来ない1人暮らしの俺。
定年でわずかな退職金と年金で細々と暮らしている。
早速買ってきた酒とツマミの晩酌した。
そこでひそかに楽しみしてるモノがある。
俺はパソコンを立ち上げてインターネットを開く。
俺が唯一趣味してるモノはネットだ。
おれはさまざまなネットサーフィンで暇さえあれば閲覧してる。
ちょうど、たまたまHOT検索ワードにカラス掲示板というモノがあり、興味本意でそれを閲覧する。
「ん?なんだ?人間様の会話すれよな」
掲示板には見慣れない文字で書かれていたので俺は試しに書き込んだが何も反応がなかったので「俺様の理解する言語で話せよな!」と捨て台詞に悪態をついて書き込んでそのままパソコン閉じた。
俺はそのままゆっくりと晩酌を楽しんだ後、そのままベッドに入り明かりを消して就寝した。
でも、まさか彼らにとっては神聖な場所に荒らしてることには気がついてなかった。
「3」
俺は昼間パチンコ屋に徒歩で向かおうとすると何やら聞き慣れない話し声がした。
そこで周囲を確認すると誰もいなかったがカラス達が会話していたのだ。
ーーそのカラス達は俺について会話してるようだった。
俺はゾクッとするような寒気を感じながらもそのままパチンコ屋に向かった。
そのパチンコ屋で打ってるときでもあのカラス達が気になっていた。
パチンコ屋で全てかすってしまった俺。
その帰宅最中にカラス達をよく見かける。
……いや、数千、数万はくだらないだろう。
何故か通行人や猫や犬さえも見かけないほどカラス達が占拠していた。
そしてアパート室内に戻るとカラスらしきの羽根がいたるところに散らばり、そして立ち上げてないはずのパソコンが開いており、トップ画面上に「部屋綺麗にしろ」と大文字の文章に打ち込まれていた。
「4」
「それ以来、カラス掲示板を見かけても荒らさないようにとネット有意識者は注意したわけさ。あのアナログカラス掲示板は最近設置していたらしいな」
虫男の語る話にゾクッと寒気がする楓達。
そしてしばらくして街中を散策した後、彼らは解散した。
ーーーーーーー。
~♪
カラス達に付き纏われた今田川昇はあの一見以来性格が丸くなり、すっかりカラス達に慣れてしまった。
それと同時期にカラス達に愛おしく感じてしまい、カラス達の会話を理解してしまった。
その彼は新たにボランティア活動を始めて公園でゴミ拾いを始める。
そんな中、公園のベンチでイチャつく男女カップルに今田川の目の前にお茶のベッドボトルの空の容器を捨てる。
「おっさん。わるぃけどそれ捨ててくんない」
その平然としたカップル達に終始無言無表情で今田川昇は口を開いた。
「……捨てろ」
今田川の周囲にカラス達が飛び回り一斉に鳴いた。
ーー「八木家」ーー
楓は家族の前で怪異談語りを披露してるときにつけているテレビのとあるニュース番組が流れる。
『本日未明、〇〇町のゴミ捨て場に若い男女の遺体が発見しました。なおーー』
そのニュース番組が流れた当日、とあるカラス掲示板に赤い文字のようなものが書かれていた。
カラス掲示板 完
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