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俗ノ花怪異談X【完結】
170話「まねき根子」
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「1」
この地域の開発事業や区画整理による建設ラッシュが増えており、この駅前近くにも住宅地の建設が目立つ。
昔からある田舎の田んぼ道はなくなっていた。
その住人1人である野花手鞠は買い物途中に道路の電柱の隅っこに生えてる野菜のような根っ子があることに気がつく。
「かわいいな」と手鞠は早速ながらスマホでスクショを撮り収めた。
よくテレビのバラエティ番組でかの根っ子のようなモノ取り上げてたから馴染みがあったからだ。
今度友人達に教えようと次の日もその道へ通ったがその根っ子のようなモノは抜き取られた後だった。
「2」
手鞠は少々残念ながらもそのわざわざ生えてるモノを抜き取る輩を憤りを感じていた。が、その時に手鞠の背後からゾクっとするような誰かの気配を感じた彼女は周囲を見渡す。
そこの少し離れた場所から様子を伺う足の生えた二足の根っこのような奇妙な大根が道端で立ってうろついていた。
手鞠自身それに気がつくとその大根足はその場でテクテクと人のような歩きの動作でその場に離れようとするので手鞠も気になりその大根足の跡をついていくことになる。
その大根足はテクテクとついていくだけだがどこか憎めない可愛らしい動作で歩くので手鞠自身も楽しげだった。
途中、大根足はとある見慣れない道端で立ち止まってしまう。
手鞠もそこで立ちすくんでしまい、そこで急激な身体からビリビリと来る身体中痺れが来てしまう。
ーー手鞠の周囲に地面からが細い大根のような腕が生えてきて彼女自身を掴んでくる。
手鞠はそこでパニックなり、慌てて掴んでくる腕を離すように必死だった。
彼女は激しい抵抗の末になんとかその腕から引き離してその場所から離れた。
どんどんその場所から遠ざけていくときに、その振り返る場所からは腕の生えたモノがまるでおびき寄せるようにおいでおいでと導かせるように手を振り向かせている。
手鞠は必死になって何も構わずその場から離れて走っていた。
「3」
「そう。それは災難だったわね」
道中、偶然にも八木楓と遭遇した。
その恐怖体験を語るとその道中に根っ子のようなモノが生えてることに気がつく。
楓はあろうことかその根っ子を掴んで抜こうとする。
手鞠は辞めさせようとするが楓はやめなかった。
そこで手鞠自身気がつくのである。
他の周囲の人たちも生えてる根っ子を抜こうとしてることに……。
その取り憑かれてる人たちにも根っ子のような大根足の形をしていた。
楓自身もそう見えたので手鞠はまたパニックにながらその場に走って立ち去った。
「4」
手鞠は無我夢中で走ってると道中誰かが呼びかける声がした。
そのまま立ち止まり、振り返るとそこに無視家こと梅田虫男がいた。
そこで彼は手鞠に対して言った。
「ついてるぞ。」
そっと手鞠に近づき肩を叩くとその場の肩の力が抜かれて急に何かの重いモノが無くなった感じがした。
それ以来、あの根っ子のようなモノが見かけなくなったので虫男に一度お礼しようとこっそりと彼の跡をついていくがその時八木家に居候してることを知り、ひと騒動が起きることになるのは別のお話。
まねき根子 完
この地域の開発事業や区画整理による建設ラッシュが増えており、この駅前近くにも住宅地の建設が目立つ。
昔からある田舎の田んぼ道はなくなっていた。
その住人1人である野花手鞠は買い物途中に道路の電柱の隅っこに生えてる野菜のような根っ子があることに気がつく。
「かわいいな」と手鞠は早速ながらスマホでスクショを撮り収めた。
よくテレビのバラエティ番組でかの根っ子のようなモノ取り上げてたから馴染みがあったからだ。
今度友人達に教えようと次の日もその道へ通ったがその根っ子のようなモノは抜き取られた後だった。
「2」
手鞠は少々残念ながらもそのわざわざ生えてるモノを抜き取る輩を憤りを感じていた。が、その時に手鞠の背後からゾクっとするような誰かの気配を感じた彼女は周囲を見渡す。
そこの少し離れた場所から様子を伺う足の生えた二足の根っこのような奇妙な大根が道端で立ってうろついていた。
手鞠自身それに気がつくとその大根足はその場でテクテクと人のような歩きの動作でその場に離れようとするので手鞠も気になりその大根足の跡をついていくことになる。
その大根足はテクテクとついていくだけだがどこか憎めない可愛らしい動作で歩くので手鞠自身も楽しげだった。
途中、大根足はとある見慣れない道端で立ち止まってしまう。
手鞠もそこで立ちすくんでしまい、そこで急激な身体からビリビリと来る身体中痺れが来てしまう。
ーー手鞠の周囲に地面からが細い大根のような腕が生えてきて彼女自身を掴んでくる。
手鞠はそこでパニックなり、慌てて掴んでくる腕を離すように必死だった。
彼女は激しい抵抗の末になんとかその腕から引き離してその場所から離れた。
どんどんその場所から遠ざけていくときに、その振り返る場所からは腕の生えたモノがまるでおびき寄せるようにおいでおいでと導かせるように手を振り向かせている。
手鞠は必死になって何も構わずその場から離れて走っていた。
「3」
「そう。それは災難だったわね」
道中、偶然にも八木楓と遭遇した。
その恐怖体験を語るとその道中に根っ子のようなモノが生えてることに気がつく。
楓はあろうことかその根っ子を掴んで抜こうとする。
手鞠は辞めさせようとするが楓はやめなかった。
そこで手鞠自身気がつくのである。
他の周囲の人たちも生えてる根っ子を抜こうとしてることに……。
その取り憑かれてる人たちにも根っ子のような大根足の形をしていた。
楓自身もそう見えたので手鞠はまたパニックにながらその場に走って立ち去った。
「4」
手鞠は無我夢中で走ってると道中誰かが呼びかける声がした。
そのまま立ち止まり、振り返るとそこに無視家こと梅田虫男がいた。
そこで彼は手鞠に対して言った。
「ついてるぞ。」
そっと手鞠に近づき肩を叩くとその場の肩の力が抜かれて急に何かの重いモノが無くなった感じがした。
それ以来、あの根っ子のようなモノが見かけなくなったので虫男に一度お礼しようとこっそりと彼の跡をついていくがその時八木家に居候してることを知り、ひと騒動が起きることになるのは別のお話。
まねき根子 完
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