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鐘技怪異談W❽巻【完結】
165話「蝉ノ墓Epilogue」
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「1」
ーー「八木家」ーー
「先生、まだですか?」
「あー。すまん。また念願のムシ玉がひねりだそうだわ。あーー」
「もう!」
私と先生は一緒になれるのだ。
とうとう。私と一緒に……。
そしてようやく先生はトイレから出て車で結婚式会場に向かった。
ーー「イシヤマウェディング披露宴会場」ーー
「新郎新婦の入場です」
私の希望により結婚式は洋式で決めた。
一度くらい華やかウェディングドレスを着たかったから。
友人、知人、家族から祝福してくれるが彼女は来てなかった。
今日は絶対来ると言ってたけど。どうしてなんだろうか?
「それではみなさま新郎新婦が揃いましたのでお食事の方を楽しみくださいませ」
「え?」
その運ばれてくる食事はーー、
全て生きたままの蝉だったから。
美味しいそうに頬張る会場客。
先生も美味しいそうに手づかみ食べていた。
「どうした?楓食べないのか?」
「いえ。私は……!?」
先生は蝉のような人間をしていたから。
そう会場客も全て蝉のような人間していたから。
「おい?どこへいく」
私は会場の外へ飛び出してこの場に逃げ出しのだ。
どこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでも逃げ続けていた。
果てしなくどこまでも。
あの蝉が鳴らない場所へ。
「どこに向かうの楓?」
その顔馴染みの彼女に安心したのか近づくがーー、
ーー彼女も蝉だったから。
私は悪くない。
悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪く悪くない。
そこから大型トレーラーがやってきて私は跳ねられた。
そこにいたのは両眼の黒い、
カエデだったから。
ーーーーーーー。
「ねー?聞いたあの野花手鞠さん」
「聞いたわ。彼女結婚するんだってね」
「八木家に養子になって次期当主ですもんね。妹はかわいそうね」
「実際にしろ、家族や友人さえも疎まれているらしいわよ。その権力を振りかざして自分は八木家の者だと威張り散らしてるからね」
ーーーーーー
ーー「鐘技家」ーー
「友紀」
「はい。おばあさま」
「他所の事は他所様だ。あなたも鐘技家当主として立派な務めを果たせなさい」
「はい」
「どうしておまえさんは泣いてるんだい。これでよかったんだ」
「はい」
「私たちは蝉金町の生き残りだ。石山県の実行支配には怪談語りでトップを狙わなくてはならない。その時お前が望みだ。」
「おばあさま……」
「後は頼んだよ……」
そう言っておばあさまは安らかに息を引き取った。
ーー「数十年後」ーー
石山県の実行支配を握った鐘技家では蝉金町の復興支援をした。
その時当主鐘技友紀はその蝉金町の亡くなった住人のために大きな墓を作った。
それは蝉ノ墓。
その墓に眠るのは住人達ほかに蝉の亡骸を葬られていた。
毎年夏から秋にかけて蝉祭りが催しされる。
そのとき蝉の亡骸を一緒に燃やして灰にして毎年墓を作るようになっている。
その墓守には鐘技友紀の孫娘が勤める。
その彼女の名は鐘技楓。
八木楓と瓜二つの少女だったかどうか真偽のさだか不明である。
蝉ノ墓Epilogue 完
鐘技怪異談W本編完結
ーー「八木家」ーー
「先生、まだですか?」
「あー。すまん。また念願のムシ玉がひねりだそうだわ。あーー」
「もう!」
私と先生は一緒になれるのだ。
とうとう。私と一緒に……。
そしてようやく先生はトイレから出て車で結婚式会場に向かった。
ーー「イシヤマウェディング披露宴会場」ーー
「新郎新婦の入場です」
私の希望により結婚式は洋式で決めた。
一度くらい華やかウェディングドレスを着たかったから。
友人、知人、家族から祝福してくれるが彼女は来てなかった。
今日は絶対来ると言ってたけど。どうしてなんだろうか?
「それではみなさま新郎新婦が揃いましたのでお食事の方を楽しみくださいませ」
「え?」
その運ばれてくる食事はーー、
全て生きたままの蝉だったから。
美味しいそうに頬張る会場客。
先生も美味しいそうに手づかみ食べていた。
「どうした?楓食べないのか?」
「いえ。私は……!?」
先生は蝉のような人間をしていたから。
そう会場客も全て蝉のような人間していたから。
「おい?どこへいく」
私は会場の外へ飛び出してこの場に逃げ出しのだ。
どこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでも逃げ続けていた。
果てしなくどこまでも。
あの蝉が鳴らない場所へ。
「どこに向かうの楓?」
その顔馴染みの彼女に安心したのか近づくがーー、
ーー彼女も蝉だったから。
私は悪くない。
悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪くない悪く悪くない。
そこから大型トレーラーがやってきて私は跳ねられた。
そこにいたのは両眼の黒い、
カエデだったから。
ーーーーーーー。
「ねー?聞いたあの野花手鞠さん」
「聞いたわ。彼女結婚するんだってね」
「八木家に養子になって次期当主ですもんね。妹はかわいそうね」
「実際にしろ、家族や友人さえも疎まれているらしいわよ。その権力を振りかざして自分は八木家の者だと威張り散らしてるからね」
ーーーーーー
ーー「鐘技家」ーー
「友紀」
「はい。おばあさま」
「他所の事は他所様だ。あなたも鐘技家当主として立派な務めを果たせなさい」
「はい」
「どうしておまえさんは泣いてるんだい。これでよかったんだ」
「はい」
「私たちは蝉金町の生き残りだ。石山県の実行支配には怪談語りでトップを狙わなくてはならない。その時お前が望みだ。」
「おばあさま……」
「後は頼んだよ……」
そう言っておばあさまは安らかに息を引き取った。
ーー「数十年後」ーー
石山県の実行支配を握った鐘技家では蝉金町の復興支援をした。
その時当主鐘技友紀はその蝉金町の亡くなった住人のために大きな墓を作った。
それは蝉ノ墓。
その墓に眠るのは住人達ほかに蝉の亡骸を葬られていた。
毎年夏から秋にかけて蝉祭りが催しされる。
そのとき蝉の亡骸を一緒に燃やして灰にして毎年墓を作るようになっている。
その墓守には鐘技友紀の孫娘が勤める。
その彼女の名は鐘技楓。
八木楓と瓜二つの少女だったかどうか真偽のさだか不明である。
蝉ノ墓Epilogue 完
鐘技怪異談W本編完結
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