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野花怪異談N⑧巻【完結】
84話「微笑み地蔵様」
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「1」
私の愛犬が変わり果てたように亡くなった。
そう、すべてはあの地蔵様のせいだ。
許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない……絶対に許さない。
そいつは笑っていたから。
だから、私はーーした。
地蔵様をーーかけて。
せいせいしたわ。
でもその地蔵様はーー。
ーーーーーー。
ーー野花高校2年B組クラスーー
「おはようございます」
クラスのみんなは彼女を注目して心配をかける。
「もう身体の具合いいの楓?」
彼女は八木楓。
楓の親友である永木桜が心配をかけるが大丈夫だと伝えるとホッと安堵した。
桜だけでなく他のクラスメイトも楓のことを気にかけていた。
楓は石山県住人がほぼ知ってる八木家であるから、次期当主の娘が寝込んでいるとなると石山テレビでニュースになるほどだったから。
しかしその楓以上に心配をかけるクラスメイトが登校する。
「……おはよう」
そのクラスメイトである彼女はひどくやつれており目の隅がクマになっていた。
「だ、大丈夫!?黒神さん」
「……」
彼女の名前は黒神凛子。
彼女は愛犬家であり、ちょうど楓が発熱した同時期に愛犬を亡くして不登校になっていた。
ようやく立ち直れた時期にどんどんやつれていったのだ。
「黒神さん。ちょっといいかしら?」
「なに……?」
その時楓が衝撃的な事実を告げられる。
「あなたつかれてるわよ……恨まれるほどにね」
その時、凛子は逆上して楓の首元に掴み掛かる。
「あんたに!?何がわかるのよ!!この気持ちにわかるの!!」
その時凛子を桜達が引き離そうとなだめる。
楓は無言のままうなずくだけだった。
「2」
ーー????ーー
ーーうふふふふふふ。
何がおかしいのよ。
ーーあはははははは。
ばっかじゃない。
ーーえへへへへへへ。
うるさい。
ーーははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい。
「うるさい!!」
「な、なんだどうした?黒神」
私は担任の梅田の授業に耳が入らない。
そう、みんなはあの笑う地蔵様に見える。
すべて私を微笑みかける。
見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るなあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああー!!
ーーしたい。
全部何もかも。
「おい!?黒神!!」
私はいつのまにか教室に飛び出してあそこに向かった。
あそこはーー。
「3」
「いたわね」
私はホームセンターから購入したペンキを持ちそいつをぶっかける。
そう、ここには溜まり場だからね。
そう、こいつらは人や生き物ではないから。
うふふふふあはははははははははははははははははははは?
私何をやってるだろう?
ふと地蔵様を見るとーー、
その地蔵様は酷く怒りの形相をしていた。
すべての地蔵様が怒って見える。
ーーおまえを絶対許さないから。
そうつぶやいて聞こえた。
「私はそんなつもりじゃ……」
ポツポツと地蔵様が増えていく。
ーーうふふふふ。
「やだやめてよ」
地蔵様は怒りながら微笑んでくる。
ーーうふふふふ。
「いやだやめてよごめんなさいごめんなさい許してくださいごめんなさい」
ーーうふふふふ。
「いやあああああああああああああああああああああ!!!!!!」
ーーうふふふふ。
ーーーーーー。
「ねぇ、知ってる?えるみ」
「なにが?」
「隣クラスの黒神さん。彼女お地蔵様に取り憑かれて退学して引きこもりになったんだって」
「お地蔵様に?」
「そうよ。なんでも市内に設置してあるお地蔵様をペンキをぶっかけ回っていたから、そりゃ罰当たりなことをしたからね。怖いわ」
「お地蔵様にそこまで恨まれるなんてよっぽどね」
ーーーーーーー。
ーー????ーー
私は一歩も出ることはない。
何故なら自宅前にお地蔵様があり囲まれてるから。
「凛子、ごはんよ」
私の前に食事を用意するお母さんはもうすでにいない。
「食べなさい。凛子うふふふふ」
「そうだぞ。精をつきなさいうふふふふふ」
「…………」
両親もすでに地蔵様だから。
私は一生地蔵様から逃れることはできなかった。
微笑み地蔵様 完
私の愛犬が変わり果てたように亡くなった。
そう、すべてはあの地蔵様のせいだ。
許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない……絶対に許さない。
そいつは笑っていたから。
だから、私はーーした。
地蔵様をーーかけて。
せいせいしたわ。
でもその地蔵様はーー。
ーーーーーー。
ーー野花高校2年B組クラスーー
「おはようございます」
クラスのみんなは彼女を注目して心配をかける。
「もう身体の具合いいの楓?」
彼女は八木楓。
楓の親友である永木桜が心配をかけるが大丈夫だと伝えるとホッと安堵した。
桜だけでなく他のクラスメイトも楓のことを気にかけていた。
楓は石山県住人がほぼ知ってる八木家であるから、次期当主の娘が寝込んでいるとなると石山テレビでニュースになるほどだったから。
しかしその楓以上に心配をかけるクラスメイトが登校する。
「……おはよう」
そのクラスメイトである彼女はひどくやつれており目の隅がクマになっていた。
「だ、大丈夫!?黒神さん」
「……」
彼女の名前は黒神凛子。
彼女は愛犬家であり、ちょうど楓が発熱した同時期に愛犬を亡くして不登校になっていた。
ようやく立ち直れた時期にどんどんやつれていったのだ。
「黒神さん。ちょっといいかしら?」
「なに……?」
その時楓が衝撃的な事実を告げられる。
「あなたつかれてるわよ……恨まれるほどにね」
その時、凛子は逆上して楓の首元に掴み掛かる。
「あんたに!?何がわかるのよ!!この気持ちにわかるの!!」
その時凛子を桜達が引き離そうとなだめる。
楓は無言のままうなずくだけだった。
「2」
ーー????ーー
ーーうふふふふふふ。
何がおかしいのよ。
ーーあはははははは。
ばっかじゃない。
ーーえへへへへへへ。
うるさい。
ーーははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい。
「うるさい!!」
「な、なんだどうした?黒神」
私は担任の梅田の授業に耳が入らない。
そう、みんなはあの笑う地蔵様に見える。
すべて私を微笑みかける。
見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るな見るなあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああー!!
ーーしたい。
全部何もかも。
「おい!?黒神!!」
私はいつのまにか教室に飛び出してあそこに向かった。
あそこはーー。
「3」
「いたわね」
私はホームセンターから購入したペンキを持ちそいつをぶっかける。
そう、ここには溜まり場だからね。
そう、こいつらは人や生き物ではないから。
うふふふふあはははははははははははははははははははは?
私何をやってるだろう?
ふと地蔵様を見るとーー、
その地蔵様は酷く怒りの形相をしていた。
すべての地蔵様が怒って見える。
ーーおまえを絶対許さないから。
そうつぶやいて聞こえた。
「私はそんなつもりじゃ……」
ポツポツと地蔵様が増えていく。
ーーうふふふふ。
「やだやめてよ」
地蔵様は怒りながら微笑んでくる。
ーーうふふふふ。
「いやだやめてよごめんなさいごめんなさい許してくださいごめんなさい」
ーーうふふふふ。
「いやあああああああああああああああああああああ!!!!!!」
ーーうふふふふ。
ーーーーーー。
「ねぇ、知ってる?えるみ」
「なにが?」
「隣クラスの黒神さん。彼女お地蔵様に取り憑かれて退学して引きこもりになったんだって」
「お地蔵様に?」
「そうよ。なんでも市内に設置してあるお地蔵様をペンキをぶっかけ回っていたから、そりゃ罰当たりなことをしたからね。怖いわ」
「お地蔵様にそこまで恨まれるなんてよっぽどね」
ーーーーーーー。
ーー????ーー
私は一歩も出ることはない。
何故なら自宅前にお地蔵様があり囲まれてるから。
「凛子、ごはんよ」
私の前に食事を用意するお母さんはもうすでにいない。
「食べなさい。凛子うふふふふ」
「そうだぞ。精をつきなさいうふふふふふ」
「…………」
両親もすでに地蔵様だから。
私は一生地蔵様から逃れることはできなかった。
微笑み地蔵様 完
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