[全221話完結済]彼女の怪異談は不思議な野花を咲かせる

野花マリオ

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野花怪異談N⑧巻【完結】

85話「はえ!?」

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「1」


 ピンポンパンプーン♫

 お知らせします。この怪異談の語り手は人外となっております。あくまでもホラーギャグ要素強めですのでご了承下さい。

 ピンポンパンポーン♫

 ハエ「プーン」

 羅奈「あ、ハエだ」

 ハエ「ヒュンヒュン」

 羅奈「はえーな!?」

 楓「ピカ!」

 ハエ「」

 羅奈「」

 楓「ピカ!」

 羅奈「は!?」


 ーー「野花高校3年B組」ーー

 私はパラパラと手早く小説を速読すると親友桜達が興味深そうに見ていた。

「羅奈さん。すっごいわね~。速読できるんだ」

「別に大したことないわよ。これくらい」

「楓が速読出来るから自分もやりたいだけじゃなくて?」

「ギクリ」とあかねさんの指摘により図星な私。
 そこに受験疲れでうつ伏せに寝てる野花手鞠はつぶつぶと素数を数えて寝言を言ってるが大丈夫だろうか?

「速読じゃないけど、そんなはえーという怪異談あるわよ」

「はえ!?あるの??」

「そうよ。はえ!?」

「?」

 と、途中からプーンと小蝿が手鞠の周囲を飛びまわっていたが楓のピカと光る紅い目で一瞬のうちにハエは墜落した。
 今のが怪異談ぽいだけどね。
 気を取り直して楓は怪異談を披露した。

「2」

 俺の名前はハエ。
 仲間達小蝿と共に元気よく飛び回る。
 俺たちはとある一軒家で徘徊して食事をありつけるのだ。
 (プシューー!)
 仲間達が「ハエに代わってしばくわよ」の殺虫剤で次々と堕とされていく。
 来たな!!
 俺たちのラスボスである家主中年男である。
 そいつからはただらぬ威圧のオーラを放っている。
 俺に向かって殺虫剤を放ってくるが寸前のところで回避する。
 (フン。この攻撃なら目を瞑っても余裕で回避できるぜ!)
 家主はイラついて俺ばかり殺虫剤をかけまくるが俺の敵ではなかった。
 ここで俺は反撃態勢を構える。
 俺はただのハエじゃないぜ。
 全身全羽のハエパワーを引き出す。
 これを引き出すのに8時間も修行に費やした。
 当然ながら、ハエは長生きできないから妥当な時間である。
 俺の全身から青白い炎が周囲に纏い、マッハ高速移動が可能する。
 その翻弄する家主に対して俺は全身全羽タックルを家主のみぞおちにぶつけた。
「グボっ」と家主からうめき声がする。
 そこですかさず何度もタックルを喰らわす。
 (オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!)
 タックルで何度もぶつけてボコボコにする俺。
 トドメに家主の首元にアッパータックルを喰らわして家主はゆっくりと仰向けに物が散乱しながら倒れた。
 その時家主のカツラが吹っ飛んだのはウケたけどな。
 (ザコが!)
 仕留めた家主を他所に生き残った仲間達と共に食事をありつけるのであった。

「3」

 (プーン)
 (プーン♡)

 俺は彼女ハエ美を連れてキッチンルームで飛びまわっていた。
 ちょうど、その時に奴が現れる。

 (プシューーー)
 (ポシュン♡)
 (ハエ美!?)
 俺のハエ美がやつの手により「キッチンとハエ落とすわよ」の殺虫剤により堕とされたのだ。
 (クソ!!ハエ美の仇をとらせてもらうぜ!!)
 俺は全身全羽でハエパワーでやつにぶつけようとしたが、
 (ブゥン)
 (!?)
 奴は見えない手刀で右羽を切られたのだった。
 うまく飛び回ることができず墜落する。そして奴の長いほそい舌が俺を捕らえてそのまま真っ暗な闇の世界へとたどり着きそのまま事が切れた。

 ーー「????」ーー

 バラエティテレビ番組を居間のソファーでくつろぐ男性。
 そこのテーブル席には大量のハエ人の皿に積もれており、男は満足の笑みを浮かべていた。


 ーーーーー。

 授業の開始のチャイムが鳴った同時にいつのまにか薬腹梨花先生が授業を開始していた。

「はえ!?」

 そして私以外のクラスのみんなも教科書やノートも取り出していた。
 そしてそこに手鞠もすでに起きていた。

「はえ!?みんなはえ!?」

 ーー「屋上」ーー

 昼食の休み時間。私と永木桜は昼食を摂るが私はメロンパンのみで桜は五段の積み重ねの弁当食べる。

「ちょっと、あんたいくらなんでもおおすぎよ?休み時間まで間に合うの?」

「大丈夫大丈夫」

 と、私は呆れ顔で目の離した隙に桜はすでに食事終えた。

「はえ!?」と私はこの不可解な現象に首をかしげた。

 ーー「八木家」ーー

「お姉ちゃん手伝おうか?」

 お姉ちゃんは皿洗いをしていた。

「いいわよ。すぐに終わるから」

「え?でもこの量だよ?」

 と、大量に洗い物があったから、かなり大変そうに見えたが私が目の離した隙にすでに洗い物終えていた。

「はえ!?」

 END


 ーー「????」ーー

「ふむふむなるほどこうしたらこうなるか」

 私は設定を変えていじりまくる。

 そう、この小説「野花」を使ってね。

 そろそろ、動き出そうかしら?

 あの人どんな顔にするか見物ね。

 クスクス。

 プーン。

 クス……。

 プーン。

 イライラ。

 プーン。

 プチ。

 プーン……。

 気を取り直して何か飲もう。

 はえ!?   完

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