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野花怪異談N⑦巻【完結】
79話「これでええんかい?」
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「1」
ーー「????」ーー
彼は私のことを無視する。
だから私も無視させないようにする。
私は彼が嫌いである。
でも彼のようになりたいと思う。
だからいつも勉強、習い事、料理、ゲームなど1番を目指して彼にふさわしいようになりたかった。
だから今日彼に伝えるのである。
そう、私がーー。
ーー「野花温泉宴会場」ーー
「ではみなさんかんぱーい」
「かんぱーい」
八木家当主美月により座談怪異一同記念祝賀宴会を開催した。
八木家のほかにさまざま古い家柄の招待を送り参列している。
しかし、そこに浮かない彼女がいた。
「どうした食べないのか?」
「……あ、うん。なんだか私まで参列していいのかな?」
虫男の問いかけに友人枠として羅奈は遠慮がちなるが。
「それを、言ったら俺もそうだぞ?もっとも当主は祭り好きだから、近所の人まで参加してるからな。気にするな」
「あ、そうだね。食べようと」
そう言われた羅奈は料理に出されてるカニ足をほぐして食べ始めた。
ここで催しの怪異談語りが行われて八木家の代表として次期当主楓から怪異談を披露した。
ーー「とある宴会場」ーー
宴会に参列してる客達は喪服姿でありどこか暗い。
そこに派手な銀色タキシード着用した茶色のグラサンをかけた中年男小野園界がマイクを携えてやってきて客1人に「これでええんかい?」を尋ねてくる。
「なぁ?おまえさん。これでええんかい?」
「……」
その派手なから園界がマイクを向けても誰も答えなかった。
そして園界は諦めてそのままどこかへ立ち去っていった。
ーー「????」ーー
いくつか墓から、ゾンビが掘り起こされて街中に彷徨っていた。
ーー「とある宴会場2」ーー
ここの宴会場もあのタキシード着用の園界がやってくる。
「なぁ?本当にええんかい?」
「うわあははんうはああん!!」
園界からマイクを向けると裸踊りしていたハゲ男は泣き喚いていた。
ここでも誰もいい回答が得られず園界はそのまま立ち去っていった。
ーー「????」ーー
とある葬式会場にはゾンビが溢れて混雑になっていた。
ーー「とある宴会会場3」ーー
会場客は喪服姿だったが雰囲気は和やかに行われていた。
そこにイラついてる宴会会場に現れた銀色タキシード着用のグラサン園界が叫ぶ。
「おまえら!!本当にええんかい!!」
すると会場客はうなずき「ええよ」のコールの音頭を取る。
そこでようやく満足な回答を得られた園界は演歌を歌い上げた。
ーー「????」ーー
とある墓に骨壺を携えた妙齢の女性が訪れてお参りした。
「2」
ひと通り宴会の催し終えた楓は温泉で浸かろうとその向かう道中に虫男と美冬と真剣な話し合ってる所を目撃する。そしてその後、彼らはお互い抱きしめた。
「どうしたの?」
「あ……」
桜達もちょうど温泉上がりで楓はそそくさとそのまま温泉内に入った。
その時彼女の頬に一筋の涙が流れていた。
ーー「温泉室内」ーー
楓はゆっくり浸かる時泣いていた。
その時薄々わかっていたのだ。
彼が彼女に好いていたことを。
だから今日は想いを伝えるために今夜の晩に伝えるはずだった。
しかし、すでに先を越されてしまった。
楓はその晩はずっと泣いていた。
ーー「????」ーー
美冬が虫男にプロポーズを受けたしばらくして温泉に浸かる時に何もない風が吹いていた。
そこに同じく温泉に浸かる楓がいた。
「あら?あなた楓さん。どうしたの?」
「……」
その楓は何も語らない。
なぜなら彼女の両眼はすでに黒い一色なのだ。
「ぐげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげ」
彼女から不気味な笑い声が聞こえた。
ーーーーーー。
「お?楓も温泉浸かっていたのか?」
楓が温泉からあがると虫男が待っていた。
「あら、先生。私を待っていたのですか?」
「え?いや、それは違うぞ……えーと、思い出せないな。冬?えーと」
「先生も物忘れ激しいみたいですね」
「あー。やべーな、俺も歳だな」
と、楓と虫男はそのまま宴会会場に戻りそのまま八木家に帰宅した。その時楓が所持していたのは一冊の小説だった。
これでええんかい? 完
登場人物紹介
八木楓
梅田虫男
野花手鞠
永木桜
八木美月
榊原羅奈
星田美冬
他主演多数
つづく
ーー「????」ーー
彼は私のことを無視する。
だから私も無視させないようにする。
私は彼が嫌いである。
でも彼のようになりたいと思う。
だからいつも勉強、習い事、料理、ゲームなど1番を目指して彼にふさわしいようになりたかった。
だから今日彼に伝えるのである。
そう、私がーー。
ーー「野花温泉宴会場」ーー
「ではみなさんかんぱーい」
「かんぱーい」
八木家当主美月により座談怪異一同記念祝賀宴会を開催した。
八木家のほかにさまざま古い家柄の招待を送り参列している。
しかし、そこに浮かない彼女がいた。
「どうした食べないのか?」
「……あ、うん。なんだか私まで参列していいのかな?」
虫男の問いかけに友人枠として羅奈は遠慮がちなるが。
「それを、言ったら俺もそうだぞ?もっとも当主は祭り好きだから、近所の人まで参加してるからな。気にするな」
「あ、そうだね。食べようと」
そう言われた羅奈は料理に出されてるカニ足をほぐして食べ始めた。
ここで催しの怪異談語りが行われて八木家の代表として次期当主楓から怪異談を披露した。
ーー「とある宴会場」ーー
宴会に参列してる客達は喪服姿でありどこか暗い。
そこに派手な銀色タキシード着用した茶色のグラサンをかけた中年男小野園界がマイクを携えてやってきて客1人に「これでええんかい?」を尋ねてくる。
「なぁ?おまえさん。これでええんかい?」
「……」
その派手なから園界がマイクを向けても誰も答えなかった。
そして園界は諦めてそのままどこかへ立ち去っていった。
ーー「????」ーー
いくつか墓から、ゾンビが掘り起こされて街中に彷徨っていた。
ーー「とある宴会場2」ーー
ここの宴会場もあのタキシード着用の園界がやってくる。
「なぁ?本当にええんかい?」
「うわあははんうはああん!!」
園界からマイクを向けると裸踊りしていたハゲ男は泣き喚いていた。
ここでも誰もいい回答が得られず園界はそのまま立ち去っていった。
ーー「????」ーー
とある葬式会場にはゾンビが溢れて混雑になっていた。
ーー「とある宴会会場3」ーー
会場客は喪服姿だったが雰囲気は和やかに行われていた。
そこにイラついてる宴会会場に現れた銀色タキシード着用のグラサン園界が叫ぶ。
「おまえら!!本当にええんかい!!」
すると会場客はうなずき「ええよ」のコールの音頭を取る。
そこでようやく満足な回答を得られた園界は演歌を歌い上げた。
ーー「????」ーー
とある墓に骨壺を携えた妙齢の女性が訪れてお参りした。
「2」
ひと通り宴会の催し終えた楓は温泉で浸かろうとその向かう道中に虫男と美冬と真剣な話し合ってる所を目撃する。そしてその後、彼らはお互い抱きしめた。
「どうしたの?」
「あ……」
桜達もちょうど温泉上がりで楓はそそくさとそのまま温泉内に入った。
その時彼女の頬に一筋の涙が流れていた。
ーー「温泉室内」ーー
楓はゆっくり浸かる時泣いていた。
その時薄々わかっていたのだ。
彼が彼女に好いていたことを。
だから今日は想いを伝えるために今夜の晩に伝えるはずだった。
しかし、すでに先を越されてしまった。
楓はその晩はずっと泣いていた。
ーー「????」ーー
美冬が虫男にプロポーズを受けたしばらくして温泉に浸かる時に何もない風が吹いていた。
そこに同じく温泉に浸かる楓がいた。
「あら?あなた楓さん。どうしたの?」
「……」
その楓は何も語らない。
なぜなら彼女の両眼はすでに黒い一色なのだ。
「ぐげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげ」
彼女から不気味な笑い声が聞こえた。
ーーーーーー。
「お?楓も温泉浸かっていたのか?」
楓が温泉からあがると虫男が待っていた。
「あら、先生。私を待っていたのですか?」
「え?いや、それは違うぞ……えーと、思い出せないな。冬?えーと」
「先生も物忘れ激しいみたいですね」
「あー。やべーな、俺も歳だな」
と、楓と虫男はそのまま宴会会場に戻りそのまま八木家に帰宅した。その時楓が所持していたのは一冊の小説だった。
これでええんかい? 完
登場人物紹介
八木楓
梅田虫男
野花手鞠
永木桜
八木美月
榊原羅奈
星田美冬
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つづく
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