103 / 268
野花怪異談N⑥巻【完結】
64話「通話友人」
しおりを挟む
「1」
「もしもし。陽子?今出たところよ。うん。あのね」
八木凪が大学生の頃、大学セミナーで知り合った友人の彼女がいる。
彼女は昔から電話が好きでよく友人達と通話をかける。
その彼女も1人暮らしのマンションで住みそこに通話をかけながら凪が訪ねてくる。
その時、彼女は恐怖体験をすることになる。
ーーーーーーー。
「うん。味付けはこんなもんか」
僕は本日の夕食の献立を作る。
僕の名前は木堂誠一。35歳。
今晩の夕食は五目ご飯、なすびの味噌汁、野菜炒め、デザートにきゅうりと人参を細く切った野菜スティックだ。
料理の献立を見るかぎり僕は生粋のベジタリアンだが少し肉や卵も食べるので料理に混ぜてある。
そして料理が出来たところでスマホに彼女からの通話がかかってくる。
「どうした彩花?」
『また侵入してきたの!!私怖くて……』
「そうか。わかったよ。少し手が離せないから、それまで待てるかい?」
『うん。私いくらまでも待てるから。あなたが1番頼りになるから』
「うん。それじゃあ。また」
彼女はよく僕を頼りに電話をかけてくる。
なんでも声が聴けないと不安定になるからしい。
そこで僕は早めに夕飯を平らげて彼女のもとへ急いだ。
ーー「数ヶ月前」ーー
ここは僕が経営する個人探偵事務所だ。
去年、大手の探偵事務所から独立した。
主の依頼内容は浮気調査が多いが今日は珍しく違っていた。
事務所のドアがノックするので僕は「どうぞ」とあがらせる。
「すみません。先日電話で相談した野原彩花です」
「ああ。例のストーカーの件だったね。どうぞ」
僕は彼女にソファーを座らせる。
そこで僕はインスタントコーヒーを淹れると彼女は一口飲んだ。
僕は依頼主彩花さんに内容を再確認した。
「先月から野原さんの住むマンションは1人暮らしでその自室から何か私物などを荒らされたり被害を受けてるだよね?」
「はい。私は水商売するかたわら、男の人に言い寄られたりことはありましたが、まさかストーカーに遭うなんて思いもしませんでしたわ」
「ふむふむ。警察には伝えたんだよね?」
「はい。もちろんです。でも警察が言うにはマンションに設置してある監視カメラには誰も怪しい人物は映ってはないていうし……」
「……そうか。大体事情はつかめたよ。では案内してくれるかな?君のマンションに」
僕と彩花さんはその現場に向かうことにした。
ーー「マンションの管理人室」ーー
「どうですか?怪しい人物はいませんでしょ?」
「たしかに……」
マンション管理人吉岡さんに同意する。
このマンションは女性にも安心して住める完全オートロックマンションである。
防犯カメラ24時間体制で稼働してあるから、怪しい人物は弾かれるのだ。
「とりあえず建物外はそれらしき怪しい人物は映ってないようだ。野原さん、中の防犯カメラを見せてくれるかな?」
「あ、はいどうぞ。一応、私のスマホからでも見れますけど……」
「へぇー。最近の防犯カメラは便利だねぇ」
吉岡さんにも同意だが僕は彼女のスマホから映る防犯カメラ映像を確認する。
真っ暗だがガタガタと私物が落ちるが誰もいない。
ふむ。これはひょっとすると……?
「どうかしたんですか?メガネをかけて」
「ああ。これはねちょっとしたものだよ。うん。やっぱり映ってるな」
そう、このメガネをかけるとばっちりわかるのだ。
「どうですか?まさか幽霊なのですか?」
「そんなもんだね。あと君のことも」
僕が語られる事実に彩花さん達は驚愕していた。
ーー「????」ーー
真夜中の真っ暗な部屋内で寝静まる晩。
犯人はこの部屋に侵入した。
そして私物を漁っているところを僕は捕まえた。
そこで彩花さんが部屋の明かりをつけると驚いていた。
「もう、逃げられないぞ?もう1人の彩花さん」
「こ、これがもう1人の私!?」
そう、彼女は彩花さんの生霊だったから。
そこで捕まえた生霊をムシキラーの芳香剤を吹きかけると生霊は苦しみながら浄化して成仏した。
ーーーーーー。
と、まぁその後、彩花は僕に頼られていつのまにか親友以上の関係になったわけだ。
彩花は体質であるから、幽霊絡みの犯罪に巻き込まれやすいので僕がこうして彩花のマンションに出向いてる。
ちょうど家に出るときに彼女から通話がかかる。
「もしもし」
『すみません。私ご飯まだなので途中、〇〇付近の〇〇コンビニで適当に弁当買ってくれませんか?もちろん温めで』
「わかったよ。適当に買ってくるね。それじゃあ」
僕は家の近くに駐車場に停めてるワゴン車に乗り込んだ
ーーーーーー。
ーー〇〇コンビニーー
「ありがとうございました」
僕はパーカーの男性にぶつかったがそのまま会釈してなんとかシャケ弁当を買うことができてそのまま停めてあるワゴン車に乗り込んだ。
「ふぅー。汗だくだなぁ」
中は暑かったのでガンガンクーラーを冷やして彼女のマンションへと向かった。
ーー「野原彩花の住むマンション自室」ーー
ちょうど彼からチャット通知が来る。
誠一:きたよ、彩花。オートロックを解除してくれ。
彩花:うん。少し待っててね♪
そして私は彼をマンションのオートロックを解除させて入らせた。
その時、彼から通話がかかってくる。
直接チャットでもよかったが私にとっては彼の声が聴きたかった。
「もしもしー。なんなの?けっこう遅かったじゃない?ねー?聴いてるの?」
「……」
彼はずっと黙ったままだった。そこで私は玄関先からチャイムが鳴るので当然彼だと思いロックを解除した。
そこに彼が立っていた。
血だらけのパーカー姿に犬のマスクを被った男性がーー。
そして、犬マスクの男が手提げている袋から切断された男性らしきの頭が玄関先まで転がり落ちたから。
『という怪異談なの』
「そ、そうなんだ。結構ゾクとしたよ」
『今、私はあなたのマンション自室前にいるの』
「え?」と思い私はドアロックを解除する。
そこに犬マスクを被ったパーカーの人が立っていたから。
私はそのまま気絶した。
後の祭りだが凪が変装したよるものであり怖がらせるためにやったようだ。
しばらく、私は電話かけることはできなかったがその代わりに凪からパフェを奢ってもらいチャラにした。
「おいしい~♪」
「……」
何故か見知らぬ女子高生達もいるが凪の知り合いだろうか?ま、1人白粉肌を身につけてある限り凪の関係者であることはわかる。
しかし、もう1人の子は美味しそうに食べるなぁ。持ち帰りたいなぁ。
「……!?」
「どうしたの?あかねさん」
「いや、な、なんかぞわりとした感覚が」
「あらあら。まさか幽霊か何かしらね」
「……たぶん。違うと思うけど」
あの耳たぶ美味しそう。
じゅるり。
私はずっとその子を見つめていた。
じゅるり。
通話友人 完
「もしもし。陽子?今出たところよ。うん。あのね」
八木凪が大学生の頃、大学セミナーで知り合った友人の彼女がいる。
彼女は昔から電話が好きでよく友人達と通話をかける。
その彼女も1人暮らしのマンションで住みそこに通話をかけながら凪が訪ねてくる。
その時、彼女は恐怖体験をすることになる。
ーーーーーーー。
「うん。味付けはこんなもんか」
僕は本日の夕食の献立を作る。
僕の名前は木堂誠一。35歳。
今晩の夕食は五目ご飯、なすびの味噌汁、野菜炒め、デザートにきゅうりと人参を細く切った野菜スティックだ。
料理の献立を見るかぎり僕は生粋のベジタリアンだが少し肉や卵も食べるので料理に混ぜてある。
そして料理が出来たところでスマホに彼女からの通話がかかってくる。
「どうした彩花?」
『また侵入してきたの!!私怖くて……』
「そうか。わかったよ。少し手が離せないから、それまで待てるかい?」
『うん。私いくらまでも待てるから。あなたが1番頼りになるから』
「うん。それじゃあ。また」
彼女はよく僕を頼りに電話をかけてくる。
なんでも声が聴けないと不安定になるからしい。
そこで僕は早めに夕飯を平らげて彼女のもとへ急いだ。
ーー「数ヶ月前」ーー
ここは僕が経営する個人探偵事務所だ。
去年、大手の探偵事務所から独立した。
主の依頼内容は浮気調査が多いが今日は珍しく違っていた。
事務所のドアがノックするので僕は「どうぞ」とあがらせる。
「すみません。先日電話で相談した野原彩花です」
「ああ。例のストーカーの件だったね。どうぞ」
僕は彼女にソファーを座らせる。
そこで僕はインスタントコーヒーを淹れると彼女は一口飲んだ。
僕は依頼主彩花さんに内容を再確認した。
「先月から野原さんの住むマンションは1人暮らしでその自室から何か私物などを荒らされたり被害を受けてるだよね?」
「はい。私は水商売するかたわら、男の人に言い寄られたりことはありましたが、まさかストーカーに遭うなんて思いもしませんでしたわ」
「ふむふむ。警察には伝えたんだよね?」
「はい。もちろんです。でも警察が言うにはマンションに設置してある監視カメラには誰も怪しい人物は映ってはないていうし……」
「……そうか。大体事情はつかめたよ。では案内してくれるかな?君のマンションに」
僕と彩花さんはその現場に向かうことにした。
ーー「マンションの管理人室」ーー
「どうですか?怪しい人物はいませんでしょ?」
「たしかに……」
マンション管理人吉岡さんに同意する。
このマンションは女性にも安心して住める完全オートロックマンションである。
防犯カメラ24時間体制で稼働してあるから、怪しい人物は弾かれるのだ。
「とりあえず建物外はそれらしき怪しい人物は映ってないようだ。野原さん、中の防犯カメラを見せてくれるかな?」
「あ、はいどうぞ。一応、私のスマホからでも見れますけど……」
「へぇー。最近の防犯カメラは便利だねぇ」
吉岡さんにも同意だが僕は彼女のスマホから映る防犯カメラ映像を確認する。
真っ暗だがガタガタと私物が落ちるが誰もいない。
ふむ。これはひょっとすると……?
「どうかしたんですか?メガネをかけて」
「ああ。これはねちょっとしたものだよ。うん。やっぱり映ってるな」
そう、このメガネをかけるとばっちりわかるのだ。
「どうですか?まさか幽霊なのですか?」
「そんなもんだね。あと君のことも」
僕が語られる事実に彩花さん達は驚愕していた。
ーー「????」ーー
真夜中の真っ暗な部屋内で寝静まる晩。
犯人はこの部屋に侵入した。
そして私物を漁っているところを僕は捕まえた。
そこで彩花さんが部屋の明かりをつけると驚いていた。
「もう、逃げられないぞ?もう1人の彩花さん」
「こ、これがもう1人の私!?」
そう、彼女は彩花さんの生霊だったから。
そこで捕まえた生霊をムシキラーの芳香剤を吹きかけると生霊は苦しみながら浄化して成仏した。
ーーーーーー。
と、まぁその後、彩花は僕に頼られていつのまにか親友以上の関係になったわけだ。
彩花は体質であるから、幽霊絡みの犯罪に巻き込まれやすいので僕がこうして彩花のマンションに出向いてる。
ちょうど家に出るときに彼女から通話がかかる。
「もしもし」
『すみません。私ご飯まだなので途中、〇〇付近の〇〇コンビニで適当に弁当買ってくれませんか?もちろん温めで』
「わかったよ。適当に買ってくるね。それじゃあ」
僕は家の近くに駐車場に停めてるワゴン車に乗り込んだ
ーーーーーー。
ーー〇〇コンビニーー
「ありがとうございました」
僕はパーカーの男性にぶつかったがそのまま会釈してなんとかシャケ弁当を買うことができてそのまま停めてあるワゴン車に乗り込んだ。
「ふぅー。汗だくだなぁ」
中は暑かったのでガンガンクーラーを冷やして彼女のマンションへと向かった。
ーー「野原彩花の住むマンション自室」ーー
ちょうど彼からチャット通知が来る。
誠一:きたよ、彩花。オートロックを解除してくれ。
彩花:うん。少し待っててね♪
そして私は彼をマンションのオートロックを解除させて入らせた。
その時、彼から通話がかかってくる。
直接チャットでもよかったが私にとっては彼の声が聴きたかった。
「もしもしー。なんなの?けっこう遅かったじゃない?ねー?聴いてるの?」
「……」
彼はずっと黙ったままだった。そこで私は玄関先からチャイムが鳴るので当然彼だと思いロックを解除した。
そこに彼が立っていた。
血だらけのパーカー姿に犬のマスクを被った男性がーー。
そして、犬マスクの男が手提げている袋から切断された男性らしきの頭が玄関先まで転がり落ちたから。
『という怪異談なの』
「そ、そうなんだ。結構ゾクとしたよ」
『今、私はあなたのマンション自室前にいるの』
「え?」と思い私はドアロックを解除する。
そこに犬マスクを被ったパーカーの人が立っていたから。
私はそのまま気絶した。
後の祭りだが凪が変装したよるものであり怖がらせるためにやったようだ。
しばらく、私は電話かけることはできなかったがその代わりに凪からパフェを奢ってもらいチャラにした。
「おいしい~♪」
「……」
何故か見知らぬ女子高生達もいるが凪の知り合いだろうか?ま、1人白粉肌を身につけてある限り凪の関係者であることはわかる。
しかし、もう1人の子は美味しそうに食べるなぁ。持ち帰りたいなぁ。
「……!?」
「どうしたの?あかねさん」
「いや、な、なんかぞわりとした感覚が」
「あらあら。まさか幽霊か何かしらね」
「……たぶん。違うと思うけど」
あの耳たぶ美味しそう。
じゅるり。
私はずっとその子を見つめていた。
じゅるり。
通話友人 完
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

赤い部屋
山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。
真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。
東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。
そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。
が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。
だが、「呪い」は実在した。
「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。
凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。
そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。
「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか?
誰がこの「呪い」を生み出したのか?
そして彼らはなぜ、呪われたのか?
徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。
その先にふたりが見たものは——。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる