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鐘技怪異談W❻巻【完結】
148話「ブギギレだわ……」
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「1」
夢山大学病院内の閉鎖病棟で起きた殺霊事件の一報はたちまち石山県内で大ニュースとなった。
礼察庁はこの事件を起こした犯人を確実に検挙すると宣言した。
そんなSNSでは、礼察がトレンド入りした。
ここで礼察を基にした怪異談がネット有志者に作成されて不特定多数に広まる。
そのひとつが鐘技友紀の動画配信チャンネルで公開朗読することになった。
ーー「とある礼察署内」ーー
『てめーら!!その場で動くじゃねーぞ?(バババババン!!ズギューン!!)』
署内に流れる任侠映画を見向きもせずに署員は静かで談笑していた。
彼らは屈強な肉体を持ち恐いお兄さんである。
現場が急行する間は基本待機であり、タバコは最近健康指南より、代わりに黒かりんとう咥えている。
突如、署内に現場急行のアナウンスが流れる。
『本日、午後〇〇時〇〇分より、悪徳霊感商法達の被疑者により健全な市民達に詐欺られたもよう。至急、現場に急行せよ』
「……ギレだわ」と1人の署員がつぶやくと皆は無言で立ち礼察署内に常駐してある戦闘用に改造された霊柩バドルカーを乗り込み現場に猛スピードで急行した。
「2」
『5秒以内に立ち去れよ?いーち、にさんしご(ドッカーン。バババババン)』
署内に流れるマフィア抗争映画に見向きもしない署員達。
そこで彼らはトランプでババ抜きをしていた。
その近くで念仏を唱える着物を着た中年女性がひどく怯えていた。
「また、ババを引いちゃったよ」
そのババという言葉にピクと過剰に中年女性はすごく反応した。
署員達がトランプで遊んでるときにまたアナウンスが流れる。
『本日、午後〇〇時〇〇分より、〇〇山奥の墓場で不法占拠してる被疑者がいるもよう。穏便に解決せよ』
「……ギレ」と署員の1人がつぶやくと中年女性は泣き喚いていた。
そこで彼らはいつものように現場で急行するのだった。
「3」
『いち、にーの、さんはい(アーアーアーアーアーアーアーアーアーアーアーアー)』
古い白黒のお遊戯会の映像が流れても署員達は談笑して太巻きを食べていた。
先程の中年女性は頭を丸めて悟りに入ってる。そば近くに地蔵が置かれておりなぜかひどく泣き顔になっている。
と、突如署内に一気に冷え込む。
「お、姐さんご苦労様です!!」
署員の1人は誰もいない場所で頭を下げていた。
その時、署内で金切りする若い女性の叫び声が響きわたっていた。
ーー「????」ーー
「ふふふ。アラタは私のモノ」
この古い住居は安良田を舟で難破させたり、夢山大学病院内で殺霊事件を引き起こしたストーカー凶悪の悪霊達が棲んでいる。
悪霊はいつか、安良田を取り憑かせて自分と同じ悪霊することが目的である。
ちょうど安良田を拉致して次の計画を進めようとしたところで彼らによって叩き潰される。
「礼察だ大人しくしろよな?」
礼察と聞いて悪霊達は怯えてしまう。
彼らの取り締まりは荒っぽくてそこら辺のマフィア抗争よりも激しいのだ。
礼察達は怯えてる悪霊達を線香爆竹で住居を爆破してハンマーで住居の建物を取り壊す。そこに大量の塩を悪霊達にしつこくまぶせて大量のお札を捩じ込む。
数時間も経たないうちにここは空き地となった。
そこでいつしか公共施設が建てられて安良田を苦しめられたストーカー達は浄化されてあの世へと成仏された。
ーー「とある礼察署内」ーー
「という怪異談だな」
署員の1人が怪異談を披露すると署員達は談笑する。
「ないない」と否定するが怪異談の内容に関してはおおむね高評価である。
なぜなら、この怪異談は実際に礼察で起きた実話をもとにしてるからだ。
そして、今日も事件が発生すると現場に急行する。
今でも毎日24時間彼らは石山県内の幽霊犯罪を取り締まるのである。
ブギギレだわ…… 完
夢山大学病院内の閉鎖病棟で起きた殺霊事件の一報はたちまち石山県内で大ニュースとなった。
礼察庁はこの事件を起こした犯人を確実に検挙すると宣言した。
そんなSNSでは、礼察がトレンド入りした。
ここで礼察を基にした怪異談がネット有志者に作成されて不特定多数に広まる。
そのひとつが鐘技友紀の動画配信チャンネルで公開朗読することになった。
ーー「とある礼察署内」ーー
『てめーら!!その場で動くじゃねーぞ?(バババババン!!ズギューン!!)』
署内に流れる任侠映画を見向きもせずに署員は静かで談笑していた。
彼らは屈強な肉体を持ち恐いお兄さんである。
現場が急行する間は基本待機であり、タバコは最近健康指南より、代わりに黒かりんとう咥えている。
突如、署内に現場急行のアナウンスが流れる。
『本日、午後〇〇時〇〇分より、悪徳霊感商法達の被疑者により健全な市民達に詐欺られたもよう。至急、現場に急行せよ』
「……ギレだわ」と1人の署員がつぶやくと皆は無言で立ち礼察署内に常駐してある戦闘用に改造された霊柩バドルカーを乗り込み現場に猛スピードで急行した。
「2」
『5秒以内に立ち去れよ?いーち、にさんしご(ドッカーン。バババババン)』
署内に流れるマフィア抗争映画に見向きもしない署員達。
そこで彼らはトランプでババ抜きをしていた。
その近くで念仏を唱える着物を着た中年女性がひどく怯えていた。
「また、ババを引いちゃったよ」
そのババという言葉にピクと過剰に中年女性はすごく反応した。
署員達がトランプで遊んでるときにまたアナウンスが流れる。
『本日、午後〇〇時〇〇分より、〇〇山奥の墓場で不法占拠してる被疑者がいるもよう。穏便に解決せよ』
「……ギレ」と署員の1人がつぶやくと中年女性は泣き喚いていた。
そこで彼らはいつものように現場で急行するのだった。
「3」
『いち、にーの、さんはい(アーアーアーアーアーアーアーアーアーアーアーアー)』
古い白黒のお遊戯会の映像が流れても署員達は談笑して太巻きを食べていた。
先程の中年女性は頭を丸めて悟りに入ってる。そば近くに地蔵が置かれておりなぜかひどく泣き顔になっている。
と、突如署内に一気に冷え込む。
「お、姐さんご苦労様です!!」
署員の1人は誰もいない場所で頭を下げていた。
その時、署内で金切りする若い女性の叫び声が響きわたっていた。
ーー「????」ーー
「ふふふ。アラタは私のモノ」
この古い住居は安良田を舟で難破させたり、夢山大学病院内で殺霊事件を引き起こしたストーカー凶悪の悪霊達が棲んでいる。
悪霊はいつか、安良田を取り憑かせて自分と同じ悪霊することが目的である。
ちょうど安良田を拉致して次の計画を進めようとしたところで彼らによって叩き潰される。
「礼察だ大人しくしろよな?」
礼察と聞いて悪霊達は怯えてしまう。
彼らの取り締まりは荒っぽくてそこら辺のマフィア抗争よりも激しいのだ。
礼察達は怯えてる悪霊達を線香爆竹で住居を爆破してハンマーで住居の建物を取り壊す。そこに大量の塩を悪霊達にしつこくまぶせて大量のお札を捩じ込む。
数時間も経たないうちにここは空き地となった。
そこでいつしか公共施設が建てられて安良田を苦しめられたストーカー達は浄化されてあの世へと成仏された。
ーー「とある礼察署内」ーー
「という怪異談だな」
署員の1人が怪異談を披露すると署員達は談笑する。
「ないない」と否定するが怪異談の内容に関してはおおむね高評価である。
なぜなら、この怪異談は実際に礼察で起きた実話をもとにしてるからだ。
そして、今日も事件が発生すると現場に急行する。
今でも毎日24時間彼らは石山県内の幽霊犯罪を取り締まるのである。
ブギギレだわ…… 完
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