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野花怪異談N⑤巻【完結】
56話「トイレおにぃさん」
しおりを挟む 「1」
ーー「永木ホテル1階 永木財閥180周年記念パーティ会場」ーー
「本日皆さまお集まりくださいましてありがとうございます。これより永木財閥グループ会長永木大和路から祝辞があります。では、どうぞ」
たくさんの来場客が拍手喝采浴びる中、ゆっくりとステージに現れた。
その風貌は杖をつき長身のがたいのいい黒のダウンジャケットを身につけて丸サングラスをかけている老人男性。足腰は少し弱くなってるが会長としてのグループの御意見番で齢70超えてもまだまだ現役だった。
「ぶしぶし。皆さま本日集まりありがとうございました。ぶしぶし。今日で180周年丁度なるかな。ぶしぶし。まー」
彼の家系は武士の家系を引き継いでおり、活躍した武士がつい『ぶしぶし』と口癖した由来となってる。
と、彼が祝辞してるときに一匹の蝿が鳴いて飛び回る。来場客は手を払うなど追払い、飛び交う蝿の先は会長に向かう。
そして彼の視界に入った瞬間に、
「ぶし!」
彼はついたてた杖を叩き蝿は来場客の1人のハゲ頭の中年男性にピタっと貼り付く。その中年男性は全く気が付かず会長の祝辞を聞いていた。
「ぶしぶし!」
彼は仕留めた蝿が満足だったのか、少し機嫌がよかった。
「2」
ーー「永木ホテル女性トイレ化粧室」ーー
大理石が出来た壁。
トイレの中は清掃が行き届いてるのか、便座や洗面台はいつも煌めいている。
そこに少女3人組、八木楓、永木桜、穴本八枝がトイレの中で談笑する。
「ねぇー。楓」
「どうしたの?桜」
桜は洗面台で紅い口紅を塗り直して、洗面台に手を洗ってる楓に問いかけた。その時八枝は洗面台に眉毛を気にしていた。
「なんでうちのパーティに無視家がいるのかな?虫だけに取り柄ない虫家が」
楓は少しふと考えて、思い当たる名前がわかると答えた。
「梅田先生は会長のご意向らしいですよ。なんでも先生の作品の大ファンみたいですから」
「あー。おじいちゃんたしか無視家の作品の本全部揃えてたからねー」
桜は口紅を塗り終えると、次はまつ毛をチェックする。
「それと、桜も先生を呼び捨てはいけませんよ」
「えー。星夏ちゃんも「虫バカ」とか他の人やクラスも八枝ちゃんも「ムッシー」て言ってるよ」
楓は深いため息を吐く。
「あなたまで毒されてるのは目に余るわ。桜達もそうだけど、先生も先生ね。威厳とかプライドとかないのかしら」
楓は洗い終わったのか、桜模様柄のハンカチを取り出し手の周りを拭く。
と、それ聞いた桜と八枝は目を丸くする。
「え?でも、先生は俺はフレンドリーで行きたいから自分の名前は呼び捨てやあだ名を呼んでも構わないてクラスのみんなに言いふらしてるよ」
「……初耳ね」
一瞬背筋が凍る冷たい空気が流れる。
桜は慌てて弁解して、
「あ、いや、それは。うん。たぶんほら手に回らなかったんだよ。昆虫採取とか本集めに夢中で忘れてたんだよ」
「そうよ楓」
「私よりも本や昆虫集めに夢中……うふふ」
桜の失言より楓は持ってたハンカチを強く握りしめた。
それを見てた桜は自分自身を締め付けられるように感じた。
「ね、ねぇ。自慢じゃないけどうちのトイレすっごくきれいじゃない?」
桜は場の雰囲気を和らげるため話題を変えた。
「そうね」と楓は持っていたハンカチを握りしめるのやめてトイレの周囲を見渡した。
「そう言えば綺麗にきらびやかですね」
「聞いて驚かないでこのトイレを担当してるのは真鳥慎也だよ!」
「あらテレビでよく見るカリスマトイレ清掃員ね」
真鳥慎也と聞けばだれも石山県に住む住人はほぼ知らない有名人である。
彼が関わったトイレには必ず煌めくダイヤモンドみたく輝くというカリスマプロ清掃員だった。
「そうなの!彼、すごいの!実際にねここだけの話、彼ものすごく恐怖体験したらしいの。……私の怪異談聞きたいかしら?」
楓は思わずクスクスと笑って。
「桜から怪異談を語られるのは珍しいわね。聞かせてくれるかしら」
桜は頷き、思いっきり息を吸い込んで、
「へっくし!」
くしゃみをしたうえで改めて怪異談を語った。
「3」
「うー。この辺りにトイレはないだろうか?」
僕は現在トイレを探している。ちなみにノンケやホモ気はないことだけは、あらかじめ言っておく。
僕の名前は真鳥慎也、24歳。
職業はフリーターでビルの清掃員などあらゆる清掃が好きなためいくつかバイト掛け持ちでやってる。
中でもトイレ清掃は好んでやっている。
ちなみに綺麗なトイレに家はお金持ちが多いらしいと本で読んだ豆知識。
で、僕は日課にしてる休日のジョギング最中に腹を下してこの辺りのトイレを探してる所だが……。
(ここも、いっぱい!次探さなきゃ)
僕が訪れるコンビニ、スーパー、ドラッグストアなどの店にはどこもかしこトイレが行列である。行列じゃなくても使用禁止の張り紙があった。
グルルと腹の音が突如なる。
(あー。やばい変な音がする)
僕は腹を押さえる。
どうやら今朝食べた賞味期限切れの食べた納豆に当たったらしい。
僕はこの際覚悟決めて次の向かうトイレで行列でも並ぶことにした。
「4」
ーー「石山県立平和公園」ーー
「たしかこの辺りにトイレがあったはず」
僕はジョギングのルート時にここをよく利用する。そしてトイレを向かう
「ええ!?トイレ全面的に使用禁止って……はぁ」
どうやら男性トイレのみ使用禁止らしい。しかも今日限ってトイレが混むなぁー。
はぁ~。
僕はあきらめて別の場所に向かおうとするとき長蛇の行列を目撃する。
(ん?なんだろ……え!もしかして)
僕は腹押さえながらその場所に向かうとそこには豪華な簡易トイレだった。
しかも2つあり各自どれも長蛇の行列だった。
それを見かけた時に僕の腹が怪しい音が鳴り響く。
「だめだ。もう限界寸前だ。もう並ぼう」
僕は覚悟を決めて並ぶことにした。
僕は長蛇の行列に並んだ。
グギュルルと腹が鳴る。
(なんとか持てよ僕)
そして1時間くらい経つとようやく目的地であるトイレに並ぶ。
(よかった。ようやくこの苦しみから解放される)
僕はようやくトイレのドアを開けようとすると、
「えーん。えーん」
どこかで子供の泣き声がする。
声がする方向に振り向くと、最後尾の小さな男の子が泣いてる。
どうやら迷子かなんかだろうか。
僕は無視しようとしたが男の子が気になってしまう。
「おい!入るのか入らないのか早くしろよ」
後ろにも行列が並んでおり、これを逃すと後は何もなかった。
「えーん。えーん」
「……」
僕はトイレをあきらめてゆっくりと男の子の元へ向かった。
「5」
「………」
僕は先程、迷子になってた男の子をようやく母親探して見つかった所である。
で、親子とすぐ別れた後またトイレの行列に並んだ僕。
そして、額や身体にはかいてはいけない汗が流れる。
グギュルルとお腹が鳴る。
(ヤバい。次こそは何があっても無視しとこう)
しばらくしてようやくトイレまで辿りついた。
(ようやくだ)
と、僕が圧倒的に解放感に浸っていると、肩からトントンと叩かれる。
「あのー。すみません。交番に行くには何処へ行けばよろしいでしょうか?」
今度は迷子の男の子次は迷子のお爺さんだった。
(なんでよりによって僕なんだよ!?最後尾に暇そうにしててカードゲームしてる奴らにしてよ)
「すみません。ちょっと来てもらってもいいですか?」
「ええ!?ちょっ!?ちょっと!?」
僕はお爺さんに腕を掴まれ無理矢理連れてかれた。
「…………」
行列に並ぶグロッキーな僕を見てみんなひそひそと会話してる。
なんでだよ!?あのおじいさん。
絶対わざとだろ?交番なんてここから5分歩いてすぐ近くじゃないか!おかげで公園の中からぐるぐるして危うく市営バスに乗るところだったよ。
グギュルルブー。
なんか聞いてはいけない音が鳴った。
もうこれ以上は寄り道はできないぞ。
僕はある意味限界だった。
そして並んでから1時間経過してようやくトイレの部屋にたどり着いた。
ようやくだ。さてトイレの扉を開けると、
「うわ!?汚な」
トイレの中は和式のポットン式であり中は汚くてとてもじゃないけど気持ちよくトイレするほどじゃなかった。
「どうしよう」
僕は一旦出た。
ふと隣のトイレに空きが出ていたので僕はそのトイレに駆け込んだ。
このトイレも同じ汚さなら諦めてこのトイレにしようと気分だった。
僕は空いてるトイレに入った。
ーー「????」ーー
「おい!あいつあのいわくつきのトイレに入ったぞ」
「マジか!あいつ人生終わったな」
「6」
トイレの中は以外と綺麗だった。
「お、しかも最先端のトイレだ。ウォシュレットつきはありがたい」
と、僕は遠慮なく座り用をすます。
はぁー。天国だー。
思い切り解放できる圧倒感はソレはありがたい。
僕は全て済ますとトイレを流そうとレバーを引く。
(ガタン)
ん?なんか部屋の中が揺れたぞ?一応クサイ水は流れているが。
僕はトイレのドアを開けようとするが開かなかった。
「あれ?おかしいな。なんか思い切り下に引っ張られるような」
ウィーンと音が鳴り続けていた。
しばらくするとガタンと音が鳴った。
そしてトイレのドアがガチャと音がしてロックが外れたようだ。
そして僕はトイレの部屋を開けると、
「………え?」
そこにいたのは至る所に怖そうなお兄さんがいた。
そして、1人の怖いお兄さんが気づいてみんなも釣られてこちらに向かってくる。
僕はとっさに扉を閉めて鍵を閉めた。
思い切りドアを叩かれる音。
とてもじゃないけど出られるたちじゃない。
あわわわ。どうしよう。
僕は絶対絶命だった。
すると僕はふと気がついた。
もしかしたらあのレバーを引けばなんとかいけるじゃないかと思い水洗レバーを引いた。
ガタンと作動したみたいでトイレに叩かれる音も消えた。
助かったと思い僕はこの時安堵した。
ーー「????」ーー
「チッ取り逃がしたか!」
「ま、せっかく可愛いがってやろうかと思ったけど。あちらでも可愛いがるといいさ」
なんか辺り熱くなってきたな。
ガタンとどうやらエレベーターみたいなものは終わったようだ。
ずいぶん下へ向かったような気がする。
ガチャと僕はトイレのドアを開けてみる。
辺りは真っ暗だった。
だが何やら誰か気配する。
僕は恐る恐るトイレから出る。
そして何かにぶつかると、僕はよろけて倒れてしまう。
そして辺りが明るくなり、眩しいながらも僕は目を見開いて驚いてしまう。
そこにいたのは怖そうで強そうな赤い身体をもつ鬼さんが至るところにいた。
僕は逃げようとしたがいつのまにか取り囲まれてしまった。
ーー「????」ーー
「オマエ。スジガイイナ」
「はい!ありがとうございます!」
僕は至るところに怖い鬼さんの使うトイレを清掃してる。
「ジャア。キョウハコレゼンブ、ヤリトゲタラネテモイイゾ」
怖い鬼さんは僕にそう言い残して帰った。
「ははは。これ全部やるのか」
数百個の簡易トイレが僕に待ち受けていた。
トホホ。
「7」
ーー「八木家」ーー
おかしい。おかしいとつぶつぶつぶやいてる虫男はトイレの前に立った。
「なー。楓?俺の本や可愛いガブちゃんとチョウちゃん知らないか?」
と、楓はトイレの中から返事をする。
「……先生の本ならまとめて廃品回収に出しときました。あと先生の可愛いペット達は逃しましたよ」
虫男はそれを聞いて驚愕する。
「ナニー!?俺の大事な本はともかく俺の可愛い家族達をををを。お、おれが何をやったんだよ!?」
「先生?それよりも私と梅田先生の大事なペットと本どちらが大事ですか?」
「……え、えーと。も、もちろん楓も大事さ。ははは」
一瞬、間が入ったことに楓を怒らせたようだ。
「ダメです。許しません」
「えー!?そりゃないよ!それよりも漏れそうなんだ開けてくれよ。おにぃーー!!いや?楓さまーー!!」
結局虫男はなかなかでないトイレを諦めて外に出かけて空いてるトイレに向かった。
ーー「????」ーー
「はぁ~。汚れ落ちないな」
彼は鬼さんのトイレ清掃していたある日。
また鬼さんと出会った。
「え?え?ちょっ!?ちょっと?」
真鳥は鬼さんからトイレ清掃中であっても入り込み真鳥もトイレの中に入る。
「ど、どうしたんですか?」
怖い鬼さんは何やらひどく怯えていた。
と、ドシン、ドシンと地響がして、少しトイレの中から少し外を開けて覗こうとすると。
そこに現れてきたのは怖い鬼さんよりも逞しい筋肉質が立派な身体を持つ女らしき鬼さんが巨大な金棒を持ってきた。
どうやら怖い鬼さんの鬼嫁らしきヒトであり、本物の怖いオニさんだった。
怖いオニさんは金棒を簡易トイレを金棒で叩いてひとつずつ破壊していく。
破壊された簡易トイレはペシャンコになるほどだった。
そしてもうすぐ怖いオニさんが来たとき真鳥と怖い鬼さんはひどく怯えた。
そのとき怖いオニさんは仏顔で微笑んでいた。
トイレおにぃさん 完
ーー「永木ホテル1階 永木財閥180周年記念パーティ会場」ーー
「本日皆さまお集まりくださいましてありがとうございます。これより永木財閥グループ会長永木大和路から祝辞があります。では、どうぞ」
たくさんの来場客が拍手喝采浴びる中、ゆっくりとステージに現れた。
その風貌は杖をつき長身のがたいのいい黒のダウンジャケットを身につけて丸サングラスをかけている老人男性。足腰は少し弱くなってるが会長としてのグループの御意見番で齢70超えてもまだまだ現役だった。
「ぶしぶし。皆さま本日集まりありがとうございました。ぶしぶし。今日で180周年丁度なるかな。ぶしぶし。まー」
彼の家系は武士の家系を引き継いでおり、活躍した武士がつい『ぶしぶし』と口癖した由来となってる。
と、彼が祝辞してるときに一匹の蝿が鳴いて飛び回る。来場客は手を払うなど追払い、飛び交う蝿の先は会長に向かう。
そして彼の視界に入った瞬間に、
「ぶし!」
彼はついたてた杖を叩き蝿は来場客の1人のハゲ頭の中年男性にピタっと貼り付く。その中年男性は全く気が付かず会長の祝辞を聞いていた。
「ぶしぶし!」
彼は仕留めた蝿が満足だったのか、少し機嫌がよかった。
「2」
ーー「永木ホテル女性トイレ化粧室」ーー
大理石が出来た壁。
トイレの中は清掃が行き届いてるのか、便座や洗面台はいつも煌めいている。
そこに少女3人組、八木楓、永木桜、穴本八枝がトイレの中で談笑する。
「ねぇー。楓」
「どうしたの?桜」
桜は洗面台で紅い口紅を塗り直して、洗面台に手を洗ってる楓に問いかけた。その時八枝は洗面台に眉毛を気にしていた。
「なんでうちのパーティに無視家がいるのかな?虫だけに取り柄ない虫家が」
楓は少しふと考えて、思い当たる名前がわかると答えた。
「梅田先生は会長のご意向らしいですよ。なんでも先生の作品の大ファンみたいですから」
「あー。おじいちゃんたしか無視家の作品の本全部揃えてたからねー」
桜は口紅を塗り終えると、次はまつ毛をチェックする。
「それと、桜も先生を呼び捨てはいけませんよ」
「えー。星夏ちゃんも「虫バカ」とか他の人やクラスも八枝ちゃんも「ムッシー」て言ってるよ」
楓は深いため息を吐く。
「あなたまで毒されてるのは目に余るわ。桜達もそうだけど、先生も先生ね。威厳とかプライドとかないのかしら」
楓は洗い終わったのか、桜模様柄のハンカチを取り出し手の周りを拭く。
と、それ聞いた桜と八枝は目を丸くする。
「え?でも、先生は俺はフレンドリーで行きたいから自分の名前は呼び捨てやあだ名を呼んでも構わないてクラスのみんなに言いふらしてるよ」
「……初耳ね」
一瞬背筋が凍る冷たい空気が流れる。
桜は慌てて弁解して、
「あ、いや、それは。うん。たぶんほら手に回らなかったんだよ。昆虫採取とか本集めに夢中で忘れてたんだよ」
「そうよ楓」
「私よりも本や昆虫集めに夢中……うふふ」
桜の失言より楓は持ってたハンカチを強く握りしめた。
それを見てた桜は自分自身を締め付けられるように感じた。
「ね、ねぇ。自慢じゃないけどうちのトイレすっごくきれいじゃない?」
桜は場の雰囲気を和らげるため話題を変えた。
「そうね」と楓は持っていたハンカチを握りしめるのやめてトイレの周囲を見渡した。
「そう言えば綺麗にきらびやかですね」
「聞いて驚かないでこのトイレを担当してるのは真鳥慎也だよ!」
「あらテレビでよく見るカリスマトイレ清掃員ね」
真鳥慎也と聞けばだれも石山県に住む住人はほぼ知らない有名人である。
彼が関わったトイレには必ず煌めくダイヤモンドみたく輝くというカリスマプロ清掃員だった。
「そうなの!彼、すごいの!実際にねここだけの話、彼ものすごく恐怖体験したらしいの。……私の怪異談聞きたいかしら?」
楓は思わずクスクスと笑って。
「桜から怪異談を語られるのは珍しいわね。聞かせてくれるかしら」
桜は頷き、思いっきり息を吸い込んで、
「へっくし!」
くしゃみをしたうえで改めて怪異談を語った。
「3」
「うー。この辺りにトイレはないだろうか?」
僕は現在トイレを探している。ちなみにノンケやホモ気はないことだけは、あらかじめ言っておく。
僕の名前は真鳥慎也、24歳。
職業はフリーターでビルの清掃員などあらゆる清掃が好きなためいくつかバイト掛け持ちでやってる。
中でもトイレ清掃は好んでやっている。
ちなみに綺麗なトイレに家はお金持ちが多いらしいと本で読んだ豆知識。
で、僕は日課にしてる休日のジョギング最中に腹を下してこの辺りのトイレを探してる所だが……。
(ここも、いっぱい!次探さなきゃ)
僕が訪れるコンビニ、スーパー、ドラッグストアなどの店にはどこもかしこトイレが行列である。行列じゃなくても使用禁止の張り紙があった。
グルルと腹の音が突如なる。
(あー。やばい変な音がする)
僕は腹を押さえる。
どうやら今朝食べた賞味期限切れの食べた納豆に当たったらしい。
僕はこの際覚悟決めて次の向かうトイレで行列でも並ぶことにした。
「4」
ーー「石山県立平和公園」ーー
「たしかこの辺りにトイレがあったはず」
僕はジョギングのルート時にここをよく利用する。そしてトイレを向かう
「ええ!?トイレ全面的に使用禁止って……はぁ」
どうやら男性トイレのみ使用禁止らしい。しかも今日限ってトイレが混むなぁー。
はぁ~。
僕はあきらめて別の場所に向かおうとするとき長蛇の行列を目撃する。
(ん?なんだろ……え!もしかして)
僕は腹押さえながらその場所に向かうとそこには豪華な簡易トイレだった。
しかも2つあり各自どれも長蛇の行列だった。
それを見かけた時に僕の腹が怪しい音が鳴り響く。
「だめだ。もう限界寸前だ。もう並ぼう」
僕は覚悟を決めて並ぶことにした。
僕は長蛇の行列に並んだ。
グギュルルと腹が鳴る。
(なんとか持てよ僕)
そして1時間くらい経つとようやく目的地であるトイレに並ぶ。
(よかった。ようやくこの苦しみから解放される)
僕はようやくトイレのドアを開けようとすると、
「えーん。えーん」
どこかで子供の泣き声がする。
声がする方向に振り向くと、最後尾の小さな男の子が泣いてる。
どうやら迷子かなんかだろうか。
僕は無視しようとしたが男の子が気になってしまう。
「おい!入るのか入らないのか早くしろよ」
後ろにも行列が並んでおり、これを逃すと後は何もなかった。
「えーん。えーん」
「……」
僕はトイレをあきらめてゆっくりと男の子の元へ向かった。
「5」
「………」
僕は先程、迷子になってた男の子をようやく母親探して見つかった所である。
で、親子とすぐ別れた後またトイレの行列に並んだ僕。
そして、額や身体にはかいてはいけない汗が流れる。
グギュルルとお腹が鳴る。
(ヤバい。次こそは何があっても無視しとこう)
しばらくしてようやくトイレまで辿りついた。
(ようやくだ)
と、僕が圧倒的に解放感に浸っていると、肩からトントンと叩かれる。
「あのー。すみません。交番に行くには何処へ行けばよろしいでしょうか?」
今度は迷子の男の子次は迷子のお爺さんだった。
(なんでよりによって僕なんだよ!?最後尾に暇そうにしててカードゲームしてる奴らにしてよ)
「すみません。ちょっと来てもらってもいいですか?」
「ええ!?ちょっ!?ちょっと!?」
僕はお爺さんに腕を掴まれ無理矢理連れてかれた。
「…………」
行列に並ぶグロッキーな僕を見てみんなひそひそと会話してる。
なんでだよ!?あのおじいさん。
絶対わざとだろ?交番なんてここから5分歩いてすぐ近くじゃないか!おかげで公園の中からぐるぐるして危うく市営バスに乗るところだったよ。
グギュルルブー。
なんか聞いてはいけない音が鳴った。
もうこれ以上は寄り道はできないぞ。
僕はある意味限界だった。
そして並んでから1時間経過してようやくトイレの部屋にたどり着いた。
ようやくだ。さてトイレの扉を開けると、
「うわ!?汚な」
トイレの中は和式のポットン式であり中は汚くてとてもじゃないけど気持ちよくトイレするほどじゃなかった。
「どうしよう」
僕は一旦出た。
ふと隣のトイレに空きが出ていたので僕はそのトイレに駆け込んだ。
このトイレも同じ汚さなら諦めてこのトイレにしようと気分だった。
僕は空いてるトイレに入った。
ーー「????」ーー
「おい!あいつあのいわくつきのトイレに入ったぞ」
「マジか!あいつ人生終わったな」
「6」
トイレの中は以外と綺麗だった。
「お、しかも最先端のトイレだ。ウォシュレットつきはありがたい」
と、僕は遠慮なく座り用をすます。
はぁー。天国だー。
思い切り解放できる圧倒感はソレはありがたい。
僕は全て済ますとトイレを流そうとレバーを引く。
(ガタン)
ん?なんか部屋の中が揺れたぞ?一応クサイ水は流れているが。
僕はトイレのドアを開けようとするが開かなかった。
「あれ?おかしいな。なんか思い切り下に引っ張られるような」
ウィーンと音が鳴り続けていた。
しばらくするとガタンと音が鳴った。
そしてトイレのドアがガチャと音がしてロックが外れたようだ。
そして僕はトイレの部屋を開けると、
「………え?」
そこにいたのは至る所に怖そうなお兄さんがいた。
そして、1人の怖いお兄さんが気づいてみんなも釣られてこちらに向かってくる。
僕はとっさに扉を閉めて鍵を閉めた。
思い切りドアを叩かれる音。
とてもじゃないけど出られるたちじゃない。
あわわわ。どうしよう。
僕は絶対絶命だった。
すると僕はふと気がついた。
もしかしたらあのレバーを引けばなんとかいけるじゃないかと思い水洗レバーを引いた。
ガタンと作動したみたいでトイレに叩かれる音も消えた。
助かったと思い僕はこの時安堵した。
ーー「????」ーー
「チッ取り逃がしたか!」
「ま、せっかく可愛いがってやろうかと思ったけど。あちらでも可愛いがるといいさ」
なんか辺り熱くなってきたな。
ガタンとどうやらエレベーターみたいなものは終わったようだ。
ずいぶん下へ向かったような気がする。
ガチャと僕はトイレのドアを開けてみる。
辺りは真っ暗だった。
だが何やら誰か気配する。
僕は恐る恐るトイレから出る。
そして何かにぶつかると、僕はよろけて倒れてしまう。
そして辺りが明るくなり、眩しいながらも僕は目を見開いて驚いてしまう。
そこにいたのは怖そうで強そうな赤い身体をもつ鬼さんが至るところにいた。
僕は逃げようとしたがいつのまにか取り囲まれてしまった。
ーー「????」ーー
「オマエ。スジガイイナ」
「はい!ありがとうございます!」
僕は至るところに怖い鬼さんの使うトイレを清掃してる。
「ジャア。キョウハコレゼンブ、ヤリトゲタラネテモイイゾ」
怖い鬼さんは僕にそう言い残して帰った。
「ははは。これ全部やるのか」
数百個の簡易トイレが僕に待ち受けていた。
トホホ。
「7」
ーー「八木家」ーー
おかしい。おかしいとつぶつぶつぶやいてる虫男はトイレの前に立った。
「なー。楓?俺の本や可愛いガブちゃんとチョウちゃん知らないか?」
と、楓はトイレの中から返事をする。
「……先生の本ならまとめて廃品回収に出しときました。あと先生の可愛いペット達は逃しましたよ」
虫男はそれを聞いて驚愕する。
「ナニー!?俺の大事な本はともかく俺の可愛い家族達をををを。お、おれが何をやったんだよ!?」
「先生?それよりも私と梅田先生の大事なペットと本どちらが大事ですか?」
「……え、えーと。も、もちろん楓も大事さ。ははは」
一瞬、間が入ったことに楓を怒らせたようだ。
「ダメです。許しません」
「えー!?そりゃないよ!それよりも漏れそうなんだ開けてくれよ。おにぃーー!!いや?楓さまーー!!」
結局虫男はなかなかでないトイレを諦めて外に出かけて空いてるトイレに向かった。
ーー「????」ーー
「はぁ~。汚れ落ちないな」
彼は鬼さんのトイレ清掃していたある日。
また鬼さんと出会った。
「え?え?ちょっ!?ちょっと?」
真鳥は鬼さんからトイレ清掃中であっても入り込み真鳥もトイレの中に入る。
「ど、どうしたんですか?」
怖い鬼さんは何やらひどく怯えていた。
と、ドシン、ドシンと地響がして、少しトイレの中から少し外を開けて覗こうとすると。
そこに現れてきたのは怖い鬼さんよりも逞しい筋肉質が立派な身体を持つ女らしき鬼さんが巨大な金棒を持ってきた。
どうやら怖い鬼さんの鬼嫁らしきヒトであり、本物の怖いオニさんだった。
怖いオニさんは金棒を簡易トイレを金棒で叩いてひとつずつ破壊していく。
破壊された簡易トイレはペシャンコになるほどだった。
そしてもうすぐ怖いオニさんが来たとき真鳥と怖い鬼さんはひどく怯えた。
そのとき怖いオニさんは仏顔で微笑んでいた。
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