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鐘技怪異談W❹巻【完結】
132話「看板猫」
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「1」
ーー「野薔薇商店街」ーー
そこそこ住人が往来する野薔薇商店街。
かつては活気があった場所も住人の少子高齢化などにより寂れつつある。
そんな野薔薇商店街にちょっとした話題に挙がっている野良猫がいる。
三毛猫のメス♀チーやん。
チーやんはちょっとした商店街にはかかせない看板猫になっている。
チーやんはいつのまにかこの商店街で迷い込み、住人達に可愛がれている。
しかし、この看板猫にはちょっとした秘密があった。
その秘密とはーー。
「チーやん♪」
チーやんはいつも馴染みのタバコ屋の前でくつろいでいる。
私はチーやんを見かけるといつも挨拶するのが日課である。
(ニャー)
チーやんも私を気にかけて毎日挨拶する。
そして私はいつものように頭を撫でるが失敗する。
なぜならすり抜けてしまうからーー。
そう、この猫は幽霊。
私がいかなる理由であっても触れることはできないから。
この猫はいつのまにか商店街に迷い込むようになったのは去年の暑いジメジメとした夏頃だ。
理由はわからないがこの娘は商店街にいつくようになり商店街の住人達からも可愛いがれてるようだ。
だから私もこの子猫のためにも見守っていこうと決めた。
「……そろそろ行くねチーやん」
私もそんなチーやんを見ていると頑張る気力も持つようになったからね。
「2」
次の日の早い朝。
私はこの商店街に通過するとそこにたむろしてるチーやんがいた。
そこに幼い子供達がチーやんを見かけると可愛いがっていた。
「あれ……?普通に撫でてる??」
子供達は普通にチーやんを触れていてしかも撫でることが出来ていた。
ふと、私は子供達がいなくなった隙にチーやんを触れようとしたがやはり透けていたのだ。
(……キノセイかしら?)
私の見間違いであり勘違いだろうとこのときばかり思っていた。
「3」
とある日、チーやんがおばあさんのそばでじっくり可愛がっていた。
(ニャー)
そこでも何故かチーやんを触れることを出来ていた。
私の見間違いではなかったのだ。
(……)
なんだか私だけ除け者されていたのは気に食わなかったがいつか私もチーやんに触れる機会があるだろうかと……。
ーーーーーー
チーやんが忽然と姿を消した。
私は必死になって探し回った。
そしてついに見つけた。
商店街交差点の外れの前でマンホールの蓋の上に乗りいつものように変わらず青白くなった三毛猫チーやんがーー。
「おいでチーやん」
私の呼びかけに応じて近づいてやってくる。
そこでチーやんを触れるようになった私は優しくチーやんを抱いてその場を後にした。
「4」
私はこの場所で亡くなった親友を弔うために野薔薇商店街を来ていた。
彼女はよくここの馴染みの商店街が好きだった。
彼女が生前好きだった野薔薇の花束を添えて。
今日もここに迷い込むあの世のモノ達が集う。
彼女もここに迷うだろうか?
それには私自身さえも知らない。
看板猫 完
ーー「野薔薇商店街」ーー
そこそこ住人が往来する野薔薇商店街。
かつては活気があった場所も住人の少子高齢化などにより寂れつつある。
そんな野薔薇商店街にちょっとした話題に挙がっている野良猫がいる。
三毛猫のメス♀チーやん。
チーやんはちょっとした商店街にはかかせない看板猫になっている。
チーやんはいつのまにかこの商店街で迷い込み、住人達に可愛がれている。
しかし、この看板猫にはちょっとした秘密があった。
その秘密とはーー。
「チーやん♪」
チーやんはいつも馴染みのタバコ屋の前でくつろいでいる。
私はチーやんを見かけるといつも挨拶するのが日課である。
(ニャー)
チーやんも私を気にかけて毎日挨拶する。
そして私はいつものように頭を撫でるが失敗する。
なぜならすり抜けてしまうからーー。
そう、この猫は幽霊。
私がいかなる理由であっても触れることはできないから。
この猫はいつのまにか商店街に迷い込むようになったのは去年の暑いジメジメとした夏頃だ。
理由はわからないがこの娘は商店街にいつくようになり商店街の住人達からも可愛いがれてるようだ。
だから私もこの子猫のためにも見守っていこうと決めた。
「……そろそろ行くねチーやん」
私もそんなチーやんを見ていると頑張る気力も持つようになったからね。
「2」
次の日の早い朝。
私はこの商店街に通過するとそこにたむろしてるチーやんがいた。
そこに幼い子供達がチーやんを見かけると可愛いがっていた。
「あれ……?普通に撫でてる??」
子供達は普通にチーやんを触れていてしかも撫でることが出来ていた。
ふと、私は子供達がいなくなった隙にチーやんを触れようとしたがやはり透けていたのだ。
(……キノセイかしら?)
私の見間違いであり勘違いだろうとこのときばかり思っていた。
「3」
とある日、チーやんがおばあさんのそばでじっくり可愛がっていた。
(ニャー)
そこでも何故かチーやんを触れることを出来ていた。
私の見間違いではなかったのだ。
(……)
なんだか私だけ除け者されていたのは気に食わなかったがいつか私もチーやんに触れる機会があるだろうかと……。
ーーーーーー
チーやんが忽然と姿を消した。
私は必死になって探し回った。
そしてついに見つけた。
商店街交差点の外れの前でマンホールの蓋の上に乗りいつものように変わらず青白くなった三毛猫チーやんがーー。
「おいでチーやん」
私の呼びかけに応じて近づいてやってくる。
そこでチーやんを触れるようになった私は優しくチーやんを抱いてその場を後にした。
「4」
私はこの場所で亡くなった親友を弔うために野薔薇商店街を来ていた。
彼女はよくここの馴染みの商店街が好きだった。
彼女が生前好きだった野薔薇の花束を添えて。
今日もここに迷い込むあの世のモノ達が集う。
彼女もここに迷うだろうか?
それには私自身さえも知らない。
看板猫 完
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