[全221話完結済]彼女の怪異談は不思議な野花を咲かせる

野花マリオ

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鐘技怪異談W❷巻【完結】

113話「8番トンネル」

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 ーー「1番トンネル」ーー

 ここのトンネルに潜ると後戻りができないと聞いて、僕はトンネルに潜る。
 中は真っ暗だった。
 いくら潜っても出口には辿りつけなかったのであきらめて一旦入り口に戻るがなぜか入り口に辿りつけなかった。途中眠気がきてそのまま横になって眠った。

 目を覚ますと何故か裸になっていた。お腹が空いたので目の前に食事があったので平らげてお腹いっぱいになった僕は再び横になって深い眠りついた。

 1番トンネル  終

 ーー「2番トンネル」ーー

 ここのトンネルに入ると後戻りできないと聞いていた私。
 そんな私は実況動画配信者であり、いくつかいわくつきスポット入ったがどれも期待添えるモノではなかった。
 今日もスマホでネット配信して潜る。
 真っ暗なトンネル入って数分後、ぼちぼちと視聴者が増えていき、次第にどんどん増えていく。さらに字化けしていき奇妙な怪奇現象がスマホ通知から来ている。
 私は怖くなってトンネルの入り口に戻る。
 その入り口に戻った時には見たことない世界が広がっていた。
 おそらくあの世……。

 2番トンネル  終

 ーー「3番トンネル」ーー

 私は人気のない山奥で車の運転途中にヒッチハイクしてる外国人がいた。
 そこで親切心か私はその外国人を拾うことにした。
 その外国人の彼はジョンと言うらしい。
 そのジョンは世界各地に旅してる人だった。
 私は英語が話せるのでしばらく会話していたが道中にトンネル潜ると急にだんまりしていた。
 そしてトンネルの出口を出るときに私は急ブレーキをかけた。
 そのとき慌ててジョンを見ると彼は干からびたミイラ状になってたから。

 3番トンネル   終

 ーー「4番トンネル」ーー

 僕たち男女カップルは曰く付きトンネルに入った。
 中は何も見えず真っ暗だったが彼女の手を繋いでたから、肌身離さず繋いでいたが出口に来ると手を繋いでたはずの彼女は全くの別人だった。
 数年後、何の因果かわからないが僕は彼女と結婚して子供をもうけた。
 以前付き合った彼女はどこに消えたのかわからないが時々僕の娘が彼女の面影が残っていた。

 4番トンネル  終

 ーー「5番トンネル」ーー

 ここのトンネルも後戻りできないと言われてるので私は中に潜っていた。
 そして潜るたびに息苦しくなる。
 何故か身体が重いのだ。
 そして出口に出ると私は耐えきれずにそのまま倒れた。
 私の姿はヨボヨボの老体になっていた。

 5番トンネル   終

 ーー「6番トンネル」ーー

 あれは私がバスに乗車していた時だった。
 バスの中は密だったが丁度トンネルに潜ると乗客内に悲痛な叫び声がしてきた。
 いくつか叫び声がする中、私はどうすることもできなかった。
 そしてトンネルの出口まで到達すると叫び声は消えて先程まで密だった乗客は私以外全て消えた。

 6番トンネル   終


 ーー「7番トンネル」ーー

 このトンネルに潜ったら最期に迎えるという。
 何が最期なのか。
 潜っても最期は迎えなかった。
 だから私はネットに書き込んだ。
 そして私と同じような者達も最期は迎えなかった。
 そう、あれは最期ではなかったからな。
 私と同じ姿になるまでね……。

 7番トンネル   終


 ーー「8番トンネル」ーー

 私は飼い犬プチと散歩に出かけたわ。
 あの曰く付きのトンネルの中に入ってね。
 途中から飼い犬のプチが忽然と姿を消した。
 いくら探しても見つからなかったわ。
 プチが居なくなってから数年後。
 ようやくプチが見つかったわ。
 それはおばあさまの遺品整理に出てきた写真にプチと似たような子犬が出てたから。
 そう言えば生前、おばあさまはプチをかなり可愛いがりプチも懐いてたからね。
 だから、もしかしたらプチもおばあさまの元で暮らしたから幸せだったかもしれないわね。

「ありがとうございます。では私はこれで」
「おばあさまもよろしくね友紀」

 私はようやく最後の提供者である怪異談8番トンネルを作成した。8節にもなるこの怪異談は達成感があった。
 なので私はご褒美として牛乳プリンを食べた。そのプルッとした甘味は大変美味しく感じられた。

 8番トンネル  完


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