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鐘技怪異談W❷巻【完結】

116話「お題怪異談『テレビ』」

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 ※この作話はお題怪異談として創作された話です。

「壱」

「消してください」
 
 僕は目を覚ますとテレビがついていた。
 だから消した。
 丁度夜中3時半だった。
 やっていたのはニュース番組だったからな。
 (ん?こんな時間帯にニュース番組?)
 僕はふとリモコンを取りテレビをつけると、古い映画をやっていた。
「消すんだ!?マズイぞ」
 と、俳優が消せといっても特に気にならなかった。
 映画の内容は西部劇だった。
 特にずっと気にならなかったがそのまま眠り落ちた。

「消してください」

 僕は目を覚ますとテレビがついたままだった。忘れずに消した。
 しかし、僕が見た内容は見慣れたモノだった。
 たしか、あれは僕の部屋……?
 まさかな。
 僕はいつものように日常過ごすとき、またテレビをつっけぱなしでテレビを消す。
 すると、僕はいつのまにかテレビの中にいた。
 そこに映るのは僕だ。
 僕はまさかと思っていた。
 相手の僕は起きてリモコン取るときすかさず「消さないでくれ!お願いだから!!」と必死に嘆願しても相手の僕はすかさずテレビを消された。

 消してください   完

 ーーーーーー

「え?もう終わりなの?」
「……もう終わり」
「えー!?早いよ。もう少し追加しようよ」
「例えば?」
 私はいくつかアドバイスを受けながら披露した。

「ニ」

 僕は夜中にテレビをつける。
 するとテレビがーー。
「消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ消せ」

 ずっと消せと連呼するので僕は慌てて消した。
 再度つけるとテレビは異常なく普段通りのテレビだった。
 あれは一体なんだっただろうか?

 消せ   完


 ーーーーーー

「ちょっとまって!?これ文を水増ししただけだよね!?基本的内容変わってないじゃん」
「ダメかな?……」
「もう少しストーリーの描写を増やそうよ」
 彼女の真摯なアドバイスを受けて私は改めて怪異談を披露した。


「三」

 僕の名前は喜多正一。歳は24。
 本日よりテレビを買い替えたのだ。
 早速新しいテレビをつけることになった。
「あれ?おかしいな」
 いくらテレビをつけても映らなかった。
 しばらくリモコンいじってみたがダメだった。
 でも、おかしかった。先程テレビを設置する時に間違いなくテレビはついていたはずだった。故障かなぁと僕は思っていたが違ったようだ。
 テレビの画面が真っ黒だったのはついていたからだ。
 それは蟲だったからだ。
 それがわかったときには僕は青ざめていた。
 しかし、そのテレビは一体どこに映してるのかは見当はつかなかった。

 ムシテレビ    完

 ーーーーーー

「んー。イマイチだね」
「だめか……」
「というより、わかりづらいなぁ。もう少しシンプルでいきましょう」
 私はシンプルに披露した。

「四」

 僕はテレビをつけた。
 そこに相手の男がいた。
 座りながらじっとしていた。
 しかもお経が流れていた。
 僕はふと気になっていたがしばらくずっと見ていたら何も変化がなかったのでそのままテレビを消すとーー、
「あああああああああああああああああああああああああああーー!!ああああああああ!!!!あああああああああああああああああああああ!!!」
 近くの周辺から大絶叫する男達の叫び声がした。
 僕は心臓が止まるように驚いてたが再びテレビをつけると普通の番組に戻り、あの叫ぶ男達の声は止んだ。

 消すなよ    完

 ーーーーーー

「ま、これでいいかな」
「よかった」

 そこで私たちはようやく解放されたのでテレビを消した。
 そして次は私たちの番である。

 ーー八木家ーー

「という怪異談だけど」
「ん」
「よかったでしょ?」
「ん」
「ん」
「ん」
 みんなの反応は「ん」という反応しかなかった。
 反応はヤバげだったことに間違いなかったのでこの怪異談は私の黒歴史のひとつとしてしばらく封印していた。

お題怪異談「テレビ」  完
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