[全221話完結済]彼女の怪異談は不思議な野花を咲かせる

野花マリオ

文字の大きさ
上 下
151 / 268
鐘技怪異談W❷巻【完結】

108話「看板娘」

しおりを挟む
「1」

 ーー「鐘技保育園」ーー

 私は鬼村星華。
 クラスを仕切る女王様の私。
 そして私の唯一の楽しみは。
 (キャキャキャ♪)
 園児を愛でることだ。
 はうわ~。あの天使達をお持ち帰りたい。
 そう、このように堂々と変質者と間違えられないよう弟の送り迎えしてるのだ。
 うへへへ。かわいいな。
 じゅるり。
「ねーちゃん、よだれ出てるぞ。ほら帰るぞ」
「まって。我が弟よ。このままいさせて」
 あれこれ1時間でパパから帰りを促す電話きてようやく弟と帰宅した。

 ーー「鐘技高校1年3組クラス」ーー

「星華さまのおーなーり!」
 私が登校するたびに下僕達が出迎えてくれる。
 そう、このクラスのトップは常に私である。学年一美貌を誇りルックス抜群なスタイルの持ち主であるこの私にかなうものなんていないわ。
 おっほっほっおっほっほ。
「ああ。星華さまなんて美しい」
「その、下品な笑い方もいいです」
 そう、下僕達も虜するほど魅力的である。……下品なという言ったやつは後で格下げしときましょう。
 しかし、私には超ライバルがいるのだ。
「おはようございます。みなさん」
 と、セリフと同時に来たそいつは鐘技友紀!!!!
 彼女はボンキュボンという着痩せするタイプであり、野郎達にうなじ色気を出している。彼女自身体育服や水着を着込んだら野郎達も殺到するほどの人気ぶり!しかもアルビノだから彼女自身妖精やエルフを例えて同人誌が流行るほどの人気ぶり!しかも彼氏募集中と断言するほどの男達をくすぶる性格!!油断もならないほどの首席の成績優秀ぶり!!私が持ってないほど魅力的な彼女に対して私はライバル視して勝てないといけないそう「ようは、怪異談を私に披露させたいのでしょ」と友紀から心の中まで透けて見えるのはキノセイだ。
「よって、私があなたにお見せするのは至高の史上のーー」
「はぁ。星華も相変わらずだべな」
 以下省略により、私は怪異談"看板娘"を披露した。

「2」

 私はゆっくりと誰もいない温泉でゆっくりと浸かる。
「はぁー。気持ちいいな」
 身体の芯まで温まる湯加減は丁度良かった。
 私の名前は北中清司、65歳。
 今年、定年退職を迎えて地元の温泉旅館に宿泊している。
 と、私に呼びかける声がしたので応対する。
「おじさん。食事はもうできたから、後で食べにきてね」
「ああ。わかったよ」
 彼女は旅館のオーナーの看板娘であり、母娘2人で店を切り盛りしていた。
 しかし、彼女達を一度もそれらしき姿を見たことないし、見せたことはない。
 いろいろと忙しいのだろうとこの時は思っていた。

 ーーーーーー

 身体を洗い流すと浴衣に着替えて食堂で用意された食事に舌鼓を打っていた。
 味付けも私好みだった。
 しかし、娘おろかオーナーさえも一度も姿を見せないとは、一体どこにいるのだろうか?という疑念も揺るがせなかった。
 そんな中、壁の縁に飾られている写真に注目すると、そこに親子3人連れが写っていたのでその母娘らしきがそうだろうと認識していた。
 私は食事終えると寝室に戻り身体を休めていた。

 ーー「????」ーー

 ゆっくり寝静まる晩。
 近くで虫の鳴き声がしてくる。
 その日、私は急激に身体中締め付ける金縛りにあう。
 そこからお経を唱える念仏が聞こえてくる。
 激しい苦しみに私は目を覚まして見てしまう。
 そこに取り囲む彼らが……。
 そうか。私はーー。
 彼らの輪の中に少女が私の元に近づいて囁いた。
「ごめんね。おじさん」
 その謝罪をとも取れる声に私は何も応えることはできなかった。

 ーーーーーー

 とある、廃墟の旅館には誰かの気配がするという噂が立っていた。
 その旅館経営してる母娘の行方は未だ知らず。

「3」

「という怪異談よ」
 私は怪異談披露した後、下僕達がたいそうに褒めてくださる。
 友紀の反応はというと少し感心したようだ。
 おまけに頭を撫でてくれるけど。
 べ、別に嬉しくないけどね。
 あー。良い匂いがする。
 くらくらと私は彼女の胸の中で眠るときお母さんを思い出した。
 うむやわらかい。もみもみ。
 と、友紀に鼻を思い切りつねられたいだい。

 看板娘   完
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

赤い部屋

山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。 真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。 東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。 そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。 が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。 だが、「呪い」は実在した。 「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。 凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。 そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。 「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか? 誰がこの「呪い」を生み出したのか? そして彼らはなぜ、呪われたのか? 徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。 その先にふたりが見たものは——。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...