90 / 268
野花怪異談N④巻【完結】
54話「コラボ怪異談『空鬼嫁』」
しおりを挟む
※この作話はエイトブリンガーZEROのコラボ怪異談として作られた怪異談です。
「1」
人だかりができるとある商店街。
夕方遅い時間帯に女将が1人切り盛りする居酒屋はそこそこ盛り上がりを見せる。
そこに彼女のファンである1人彼梅田虫男もそんな1人である。
「女将~。もう一本お願いするよ」
「まぁまぁ。虫男さん飲み過ぎですよ」
酒の催促にも関わらず女将は構わず酒を注ぐ。
その注いだ酒をグイと飲み干す虫男は漢気をみせてアピールしたいが女将に全て無視されてる。
「うひゃあ。んまい。もう一杯注いでくれよ」
「ダメですよ。虫男さんたら」
「いいじゃんか~うぃー」
虫男はお酒を注いでくれと頼むが女将は空気を読んで止めた。
そこに鬼の般若の顔をしたこわ~い和服を着た白粉を身につけた少女が立っていたから……。
その後、虫男はその少女にきついお仕置きされたのは言うまでもなかった。
「ごめんね楓ちゃん」
「いえ、お構いなく」
女将はほうじ茶を一杯楓にお出しする。
虫男の帰りに遅く心配した楓がわざわざ出迎えに来てくれた。
高校生の楓は魅力的な女性は出ているが虫男にとっては女性として見ていないのかそれが彼女にとって許さない。
そんな虫男の心境はお通夜の状態で正座させられているのは楓による制裁だった。
「そういえばそろそろよね。怪異談語りも」
「はい。お母様は誰にも負けませんから」
怪異談語りとは、石山県で古く数百年続くモノであり、見事に優勝すれば石山県の全統治権限を委ねられるモノである。今は八木家が全統治権が委ねているが8年ごとに開催され次の統治権限を巡って争われるのである。
次期当主である楓も例外なくお家柄のために怪異談語りをやるのである。
「楓ちゃん。もしよかったら怪異談披露してくれない?」
「はい。私もそのつもりで来ましたから」
と、楓は女将に怪異談を披露するには自分の成長ぶりを見てもらうためである。
そう、女将は楓の師匠でもあったから。
彼女の名はーー。
「2」
土砂降りが降る雨の中、仕事終わりに僕は近く古本屋で雨宿りした。
「あー。思い切り降ってるなー」
僕は当然雨宿りする中、雨傘を所持してなかった。
僕はこのままやり過ごそうと踏んでいたが丁度いいタイミングに彼女がやって来る。
「あなた」
赤い傘を差しながらゆったりと突然現れてきた彼女は僕のワイフだ。
彼女は僕の事情を察して空気を読んで現れてどこでも駆けつけてくれるから助かってるのだ。
「ああ、リサ。助かったよ。やはり君は最高の妻だよ」
「ありがとう」
この日に限っては雨に濡れず早めに帰宅することができた。
休日、僕はトイレにこもっていたが丁度、トイレットペーパーを切らしていた。
困ったな~と思っていたら、トイレの窓から開けられてそこに妻がいた。
「はい。あなた」
「……ああ。たすかるよ」
丁度、妻は空気を読んで切れたトイレットペーパーを渡してくれた。
やはり空気を読んでくれるのは助かるが少し構いすぎないかと不安になった。
次の日も妻は空気を読んでくれる。このままずっと空気を読んでくれると思っていた。でもある日の境に妻は亡くなった。
僕はある日会社を突然辞めて引きこもりになった。
もう全て何もかも嫌になっていた。
「あなた」
そんなときに彼女は空気を読んで現れてくれる。
そんな優しく励ましてくれる彼女は僕の癒しだった。
少し頑張っていこうと思った。
「僕と結婚してください」
「はい!喜んで」
僕は新しい彼女と結婚の申し込みしてようやく結婚することになった。
「あなた。おめでとう」
と、僕の背後に元妻が現れて祝福する。
その後、しばらくすると空気を読んで消えていなくなった。
僕はいなくなったリサの分のためにも幸せになろうと思った。
そして、現在でもリサはごくたまに空気を読んで僕の枕元に立って睨み続けている。
「3」
「じゃあ。師匠私達この辺で」
「はーい。また気軽に立ち寄ってらっしゃいな」
楓達を見送った後、店のノボリを片付ける。
彼女の名前は飛村安雲。
彼女もまた怪異談語りをする家柄。
しかし、彼女は八木家が石山県の全統治権限を取ると家の当主の座を降りて居酒屋を開いた。
彼女自身も怪異談語りを1、2の座を争う八木美月の座を争った女傑でもあった。
現在の彼女は次期当主達の怪異談語りの師範を行っている。
当然、楓の他にもライバルである彼女もいた。
そんな安雲自身も石山県の次期未来当主にほのかな期待を寄せていたかもしれない。
空鬼嫁 完
出演登場人物
八木楓
梅田虫男
永木桜
野花手鞠
星田星夏
夢見亜華葉
黒木あかね
鳥河大軌
八木瑠奈
紙野だいご
その他、多数
彼女の怪異談は不思議な野花を咲かせる
作:野花まり♂
「1」
人だかりができるとある商店街。
夕方遅い時間帯に女将が1人切り盛りする居酒屋はそこそこ盛り上がりを見せる。
そこに彼女のファンである1人彼梅田虫男もそんな1人である。
「女将~。もう一本お願いするよ」
「まぁまぁ。虫男さん飲み過ぎですよ」
酒の催促にも関わらず女将は構わず酒を注ぐ。
その注いだ酒をグイと飲み干す虫男は漢気をみせてアピールしたいが女将に全て無視されてる。
「うひゃあ。んまい。もう一杯注いでくれよ」
「ダメですよ。虫男さんたら」
「いいじゃんか~うぃー」
虫男はお酒を注いでくれと頼むが女将は空気を読んで止めた。
そこに鬼の般若の顔をしたこわ~い和服を着た白粉を身につけた少女が立っていたから……。
その後、虫男はその少女にきついお仕置きされたのは言うまでもなかった。
「ごめんね楓ちゃん」
「いえ、お構いなく」
女将はほうじ茶を一杯楓にお出しする。
虫男の帰りに遅く心配した楓がわざわざ出迎えに来てくれた。
高校生の楓は魅力的な女性は出ているが虫男にとっては女性として見ていないのかそれが彼女にとって許さない。
そんな虫男の心境はお通夜の状態で正座させられているのは楓による制裁だった。
「そういえばそろそろよね。怪異談語りも」
「はい。お母様は誰にも負けませんから」
怪異談語りとは、石山県で古く数百年続くモノであり、見事に優勝すれば石山県の全統治権限を委ねられるモノである。今は八木家が全統治権が委ねているが8年ごとに開催され次の統治権限を巡って争われるのである。
次期当主である楓も例外なくお家柄のために怪異談語りをやるのである。
「楓ちゃん。もしよかったら怪異談披露してくれない?」
「はい。私もそのつもりで来ましたから」
と、楓は女将に怪異談を披露するには自分の成長ぶりを見てもらうためである。
そう、女将は楓の師匠でもあったから。
彼女の名はーー。
「2」
土砂降りが降る雨の中、仕事終わりに僕は近く古本屋で雨宿りした。
「あー。思い切り降ってるなー」
僕は当然雨宿りする中、雨傘を所持してなかった。
僕はこのままやり過ごそうと踏んでいたが丁度いいタイミングに彼女がやって来る。
「あなた」
赤い傘を差しながらゆったりと突然現れてきた彼女は僕のワイフだ。
彼女は僕の事情を察して空気を読んで現れてどこでも駆けつけてくれるから助かってるのだ。
「ああ、リサ。助かったよ。やはり君は最高の妻だよ」
「ありがとう」
この日に限っては雨に濡れず早めに帰宅することができた。
休日、僕はトイレにこもっていたが丁度、トイレットペーパーを切らしていた。
困ったな~と思っていたら、トイレの窓から開けられてそこに妻がいた。
「はい。あなた」
「……ああ。たすかるよ」
丁度、妻は空気を読んで切れたトイレットペーパーを渡してくれた。
やはり空気を読んでくれるのは助かるが少し構いすぎないかと不安になった。
次の日も妻は空気を読んでくれる。このままずっと空気を読んでくれると思っていた。でもある日の境に妻は亡くなった。
僕はある日会社を突然辞めて引きこもりになった。
もう全て何もかも嫌になっていた。
「あなた」
そんなときに彼女は空気を読んで現れてくれる。
そんな優しく励ましてくれる彼女は僕の癒しだった。
少し頑張っていこうと思った。
「僕と結婚してください」
「はい!喜んで」
僕は新しい彼女と結婚の申し込みしてようやく結婚することになった。
「あなた。おめでとう」
と、僕の背後に元妻が現れて祝福する。
その後、しばらくすると空気を読んで消えていなくなった。
僕はいなくなったリサの分のためにも幸せになろうと思った。
そして、現在でもリサはごくたまに空気を読んで僕の枕元に立って睨み続けている。
「3」
「じゃあ。師匠私達この辺で」
「はーい。また気軽に立ち寄ってらっしゃいな」
楓達を見送った後、店のノボリを片付ける。
彼女の名前は飛村安雲。
彼女もまた怪異談語りをする家柄。
しかし、彼女は八木家が石山県の全統治権限を取ると家の当主の座を降りて居酒屋を開いた。
彼女自身も怪異談語りを1、2の座を争う八木美月の座を争った女傑でもあった。
現在の彼女は次期当主達の怪異談語りの師範を行っている。
当然、楓の他にもライバルである彼女もいた。
そんな安雲自身も石山県の次期未来当主にほのかな期待を寄せていたかもしれない。
空鬼嫁 完
出演登場人物
八木楓
梅田虫男
永木桜
野花手鞠
星田星夏
夢見亜華葉
黒木あかね
鳥河大軌
八木瑠奈
紙野だいご
その他、多数
彼女の怪異談は不思議な野花を咲かせる
作:野花まり♂
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

赤い部屋
山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。
真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。
東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。
そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。
が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。
だが、「呪い」は実在した。
「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。
凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。
そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。
「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか?
誰がこの「呪い」を生み出したのか?
そして彼らはなぜ、呪われたのか?
徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。
その先にふたりが見たものは——。

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる