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鐘技怪異談W❶巻 【完結】
106話「お題怪異談『ホシィ餓鬼』」
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※この怪異談はお題怪異談「食欲の秋」として創作された作話です。
「1」
秋の季節到来。
秋と言えばスポーツの秋、芸術の秋、読書の秋があるがなんと言っても食欲の秋がある。
俺はこの時期なるとめちゃくちゃ腹が空くし美味しい物をよく食べる方だな。そんな俺にもホラー創作ノートを課題が出されたんだよなぁ。ネタがないならまず腹ごしらえて言うだろ?だから手当たり次第食べまくったけど何も思いつかなかったな。そこで物知りのあいつの所に出向いた。
ーー「鐘技家」ーー
「友紀きたぞーー♪」
と、いそいそと相変わらず黒の着物姿の友紀がわざわざ玄関先まで出迎えてきた。
「おー。よくぎだべな。さっさ。あがっでくれよ」
訛り癖をしてることはババアはいないということだな。
「おう!あがらせてもらうぜ♪」
俺は友紀の自宅にあがりこんだ。
ーー「居間」ーー
「どうぞ。こんなものでよかったら」
「うひょー♪いただきまーす」
おやつは柿だった。
家の庭で実ってる柿を摘んできたばかりらしい。
シャキシャキするほどちょうどいい甘さだった。
そんな時に妙な奴が現れた。
『かきホシィ。かきホシィ』
「な?なんだこいつ??」
ゲームでいうとゴブリンのような餓鬼みたいな奴が現れて柿が欲しがるのだった。
俺が戸惑っていると友紀が慌ててその場にあった柿をあげた。
『かきぃ』とそいつは柿を平らげた後、どこかへ消えた。
「なー?友紀あいつはなんだ?」
この手に詳しい友紀が答えてくれた。
「あれはね。柿を欲しがるホシガキという妖怪よ。古くからいる妖怪ね。間違った対応しなければ大したことないわ」
「詳しいことおしえてくれないか?そのホシガキ?という生態にな」
俺はそのホシガキという妖怪の生態について詳しく調べることにした。
「2」
ーー「神永家」ーー
「神永さん。新聞代徴収来ました」
夕方頃、私はひとりで柿を剥いているとどうやら新聞屋さんが来たので対応する。
私は早速事前に準備していた新聞代に入った封筒を持ち玄関先にいる新聞屋さんに渡した。
「ひー、ふー、みぃーとはい。ちょうどありますね。ありがとうございます」
「いつもすみませんね」
新聞屋さんは新聞代を確認するとそのまま次の家の徴収先へと向かった。
私は手を止めていた柿を剥こうと居間に戻るとなにやら長鼻した小さなヒトに扮した餓鬼達が勝手に私が剥いた柿を食べていた。
「あらあら。まー、まー」
この地域ではよく妖怪が見られるのだった。新種もかなり見つかるくらいだったからね。
さてと餓鬼達が全て柿を平らげてどこかへ消えてしまったので早速とあるしかるべき場所に連絡の電報を打ち込む。
これはさまざまなオカルトや幽霊犯罪対策の義務化により、新種の妖怪など見つけた場合は連絡の一報を報告する義務がある。
この間はうすのろ魔女があったから、被害拡大しないよう石山県では念入り調査しなければならない。
そこで電報打ち込んだ後は、庭に出向き新しい実る柿を取り出して再び柿を剥いて食べた。
ーー「米中家」ーー
「むむ。この味わいは格別じゃな」
わしは高級柿を堪能していた頃じゃ。
その時奴らが現れたのもその時じゃったな。
『ホシィ、ホシィ、ホシィ』
「なんじゃ?」
奇妙な餓鬼奴らがわしの柿を欲しがる。
しかしわしは断じて譲る気はなかったからムシしていた。
しばらくすると妙な餓鬼達立ち去った。
そして充分柿を堪能した後、残りの柿は餓鬼みたいな奴らに取られないよう隠した。
そして次の早朝。わしの高級柿が全てしぼんでいて食べれなくなった。
ーーーーーー
「そうですか。そのホシガキという妖怪も米中さん家も来たんですか」
「ああ。おかげで全部柿がダメになったよ」
僕ら作家の集いで世間話してると話題になったのはホシガキという妖怪だった。
まー、僕の家では柿は成ってるがあれなら欲しがる理由もないだろうと思っていた。
「じゃあ。僕はこの辺で」
僕はまさかあんな目にあうなんて思ってなかった……。
ーー「喜多村家」ーー
「ただいま」
僕は早速帰宅時、妻が夕飯の支度していた。その時何気ない会話で驚愕する。
「何か変わったことあったかい?」
「例のホシガキ?が来たわよ」
と、妻はそっけなく言った。
「ええ!?それでどうしたんだい?」
「しつこかったからあげたわよ。まーあの柿は食べられるもんじゃなかったしね」
「そ、そうなのか。大丈夫だろうか」
妻は大丈夫だと言ったが僕は不安だった。
その早朝、僕の予感は的中する。
ーー「次の日」ーー
「うわあああああ!?」
妻は痩せ細ったガリガリな状態で発見された。つまりホシガキによって悪意がある者によって干されたからだ。
妻の生前は痩せ細ったままガリガリだった。
「という怪異談だぜ」
みんなは柿を食べながら思わず食べるのをとめてしまった。
俺は忘れずに柿を食べるのやめない。
「あー!?真理亜ちゃん食べすぎだよ」
桜は文句言うがその食べる量もおかしいぞ?どんだけ胃袋入るんだよ!?
「ねー?そのホシガキ実話怪異談?だよね。その喜多村さんの対応はどうすればよかったの?」
と、手鞠は言った。
「ああ、その場合はあげないのが正解ですよ。なぜならホシガキですから。そのホシガキを使った干し柿は絶品なのでかなり高値がつきますからね」
と、楓はうんちく披露するとみんなはへぇとうなずく。その時友紀はなぜか悔しがっていたからな。
「あ、ホシガキだ」
桜の指摘によりホシガキがじぃーと欲しそうな目で見てるのみて俺は早速柿をつまみやると美味しいそうに食べた。
「こうして見るとホシガキも可愛く見えるな」
俺たちはそのホシガキみたく食欲の秋を感じさせる日だった。
『オィシィカキ』
ホシィ餓鬼 完
「1」
秋の季節到来。
秋と言えばスポーツの秋、芸術の秋、読書の秋があるがなんと言っても食欲の秋がある。
俺はこの時期なるとめちゃくちゃ腹が空くし美味しい物をよく食べる方だな。そんな俺にもホラー創作ノートを課題が出されたんだよなぁ。ネタがないならまず腹ごしらえて言うだろ?だから手当たり次第食べまくったけど何も思いつかなかったな。そこで物知りのあいつの所に出向いた。
ーー「鐘技家」ーー
「友紀きたぞーー♪」
と、いそいそと相変わらず黒の着物姿の友紀がわざわざ玄関先まで出迎えてきた。
「おー。よくぎだべな。さっさ。あがっでくれよ」
訛り癖をしてることはババアはいないということだな。
「おう!あがらせてもらうぜ♪」
俺は友紀の自宅にあがりこんだ。
ーー「居間」ーー
「どうぞ。こんなものでよかったら」
「うひょー♪いただきまーす」
おやつは柿だった。
家の庭で実ってる柿を摘んできたばかりらしい。
シャキシャキするほどちょうどいい甘さだった。
そんな時に妙な奴が現れた。
『かきホシィ。かきホシィ』
「な?なんだこいつ??」
ゲームでいうとゴブリンのような餓鬼みたいな奴が現れて柿が欲しがるのだった。
俺が戸惑っていると友紀が慌ててその場にあった柿をあげた。
『かきぃ』とそいつは柿を平らげた後、どこかへ消えた。
「なー?友紀あいつはなんだ?」
この手に詳しい友紀が答えてくれた。
「あれはね。柿を欲しがるホシガキという妖怪よ。古くからいる妖怪ね。間違った対応しなければ大したことないわ」
「詳しいことおしえてくれないか?そのホシガキ?という生態にな」
俺はそのホシガキという妖怪の生態について詳しく調べることにした。
「2」
ーー「神永家」ーー
「神永さん。新聞代徴収来ました」
夕方頃、私はひとりで柿を剥いているとどうやら新聞屋さんが来たので対応する。
私は早速事前に準備していた新聞代に入った封筒を持ち玄関先にいる新聞屋さんに渡した。
「ひー、ふー、みぃーとはい。ちょうどありますね。ありがとうございます」
「いつもすみませんね」
新聞屋さんは新聞代を確認するとそのまま次の家の徴収先へと向かった。
私は手を止めていた柿を剥こうと居間に戻るとなにやら長鼻した小さなヒトに扮した餓鬼達が勝手に私が剥いた柿を食べていた。
「あらあら。まー、まー」
この地域ではよく妖怪が見られるのだった。新種もかなり見つかるくらいだったからね。
さてと餓鬼達が全て柿を平らげてどこかへ消えてしまったので早速とあるしかるべき場所に連絡の電報を打ち込む。
これはさまざまなオカルトや幽霊犯罪対策の義務化により、新種の妖怪など見つけた場合は連絡の一報を報告する義務がある。
この間はうすのろ魔女があったから、被害拡大しないよう石山県では念入り調査しなければならない。
そこで電報打ち込んだ後は、庭に出向き新しい実る柿を取り出して再び柿を剥いて食べた。
ーー「米中家」ーー
「むむ。この味わいは格別じゃな」
わしは高級柿を堪能していた頃じゃ。
その時奴らが現れたのもその時じゃったな。
『ホシィ、ホシィ、ホシィ』
「なんじゃ?」
奇妙な餓鬼奴らがわしの柿を欲しがる。
しかしわしは断じて譲る気はなかったからムシしていた。
しばらくすると妙な餓鬼達立ち去った。
そして充分柿を堪能した後、残りの柿は餓鬼みたいな奴らに取られないよう隠した。
そして次の早朝。わしの高級柿が全てしぼんでいて食べれなくなった。
ーーーーーー
「そうですか。そのホシガキという妖怪も米中さん家も来たんですか」
「ああ。おかげで全部柿がダメになったよ」
僕ら作家の集いで世間話してると話題になったのはホシガキという妖怪だった。
まー、僕の家では柿は成ってるがあれなら欲しがる理由もないだろうと思っていた。
「じゃあ。僕はこの辺で」
僕はまさかあんな目にあうなんて思ってなかった……。
ーー「喜多村家」ーー
「ただいま」
僕は早速帰宅時、妻が夕飯の支度していた。その時何気ない会話で驚愕する。
「何か変わったことあったかい?」
「例のホシガキ?が来たわよ」
と、妻はそっけなく言った。
「ええ!?それでどうしたんだい?」
「しつこかったからあげたわよ。まーあの柿は食べられるもんじゃなかったしね」
「そ、そうなのか。大丈夫だろうか」
妻は大丈夫だと言ったが僕は不安だった。
その早朝、僕の予感は的中する。
ーー「次の日」ーー
「うわあああああ!?」
妻は痩せ細ったガリガリな状態で発見された。つまりホシガキによって悪意がある者によって干されたからだ。
妻の生前は痩せ細ったままガリガリだった。
「という怪異談だぜ」
みんなは柿を食べながら思わず食べるのをとめてしまった。
俺は忘れずに柿を食べるのやめない。
「あー!?真理亜ちゃん食べすぎだよ」
桜は文句言うがその食べる量もおかしいぞ?どんだけ胃袋入るんだよ!?
「ねー?そのホシガキ実話怪異談?だよね。その喜多村さんの対応はどうすればよかったの?」
と、手鞠は言った。
「ああ、その場合はあげないのが正解ですよ。なぜならホシガキですから。そのホシガキを使った干し柿は絶品なのでかなり高値がつきますからね」
と、楓はうんちく披露するとみんなはへぇとうなずく。その時友紀はなぜか悔しがっていたからな。
「あ、ホシガキだ」
桜の指摘によりホシガキがじぃーと欲しそうな目で見てるのみて俺は早速柿をつまみやると美味しいそうに食べた。
「こうして見るとホシガキも可愛く見えるな」
俺たちはそのホシガキみたく食欲の秋を感じさせる日だった。
『オィシィカキ』
ホシィ餓鬼 完
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