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鐘技怪異談W❹巻【完結】
129話「ゴカイエレベーター」
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「1」
ーー「カネワザショッピングモール店エレベーター内」ーー
「こらこら。エレベーターボタンいたずらしちゃダメでしょ!」
母親がエレベーターイタズラする子供に対して叱るのはよくあるあるだった。
でも、私は知っている。
エレベーター内でイタズラにボタンを押したらゴカイすることに……。
聴かせてもいいかしら?
そんなゴカイする恐ろしい怪異談に……ね。
俺はバイト終わりに友人と帰り道だった。
その間に俺と友人の間でガチャの話題で盛り上がっていた。
「やっぱり回すにはさー。単発が1番ええよなー」
「そうか?俺は石を貯め込んで一気に放出がええと思うがな」
他愛もないくだらないいつもの話題だったのだ。
しかし、俺が旅行したいという話題に移ると友人が薦めてくれた。
「それなら、いいのがあるぞ。おまえも来い」
と、友人に言われるがままについてくことにした。
ーー「とある廃墟のビル内」ーー
「ここだぜ」
そこは誰も使われてなさそうな廃墟のビルだった。
「おい?大丈夫なのかよ!?一気に崩れ落ちる心配ないのか?」
「ははは。大丈夫だぜ。お前も入れよ」
友人は蜘蛛の巣や埃などかき分けながら建物に入るとき俺も入る。
そこにポツンと佇むエレベーターが設置していた。
そして友人はエレベーターの足元に描かれてる赤い線を確認した後言った。
「うん。今日は1回やれるな。軽く説明するとな。このエレベーターはゴカイするんだよな」
「ゴカイ?……なんだよそれ」
「まーやればわかるだろう」と友人は早速エレベーターのボタンを開けてそこに見慣れない「回転」というボタンを押すと電光表示階数がバグりランダムの数式に変化して「ゴカイです」とアナウンスされてどこかの階数にたどり着くとそこは熱気に包まれるアマゾン熱帯雨林ついたのだ。
「こ、これは!?一体なんだ?」
「驚いたか?これはなゴカイしたから俺たちはワープしたんだよな」
「ふむ。異世界転移みたいなものか」
「違うぞ。このゴカイは俺たちの世界にある場所に転移したすぎない。スマホ見ろよ。ちゃんと表示されてるだろ?」
ふむ。たしかにそうだな。
「なー?元の場所に戻る時どうすればいいんだ?」
「それなら普通に5階ボタンで戻れるぞ」
と、友人が5階押すとそのエレベーターが閉じて元の場所に戻った。
「へー。じゃあ旅行し放題だな」
俺が回転ボタンを押そうとすると友人が遮る。
「待て!今日はゴカイしてるようだ。見ろよ赤い線が4つ線引かれてるだろ?ゴカイ以上するとわけがわからない世界に迷い込むからな。1日ゴカイまでなら大丈夫だからな。このエレベーターは」
「そうなんだ。じゃあ来週の日曜日俺休みだから。そこまで我慢するよ」
「俺も行くぜ。来週の日曜日の早朝になるべく早い時間に来いよな」
「ああ。わかった」
俺たちはその場でお開きした。
「2」
ーー「当日」ーー
早朝早い時間帯に来た俺は待ち伏せしてる友人とエレベーター内に入った。
「今日は何名きた?」
「一名だな。その方は管理者だから、早めに来て赤い線を消していくんだぜ」
「お?じゃあ4回もやれるな」
「アホ。後の利用者も考えろよな。俺たちが利用できるのはせいぜい1、2回だ。2回でも多いくらいだぞ?それ以上やると、晒し者させられるから注意しろ。あの監視カメラがそうだからな」
と、友人の指摘通りに監視カメラが設置されていた。
「おう、気をつけるよ。じゃあ早速やろうぜ」
「ああ」
俺たちはゴカイした。
最初はどこかの山奥だったが途中から寒くなったので断念して元の場所に戻った。そして次はどこかの水族館だった。優雅に泳ぐ魚達を鑑賞して充分堪能させてもらった。
「3」
俺はSNSの友人達にもゴカイエレベーター広めるとたちまちに火がついてトレンドになった。
しかし、そのおかげでゴカイエレベーターが有志の間で完全予約制になってしまった。
その時、彼らもゴカイしていたから……。
ーーーーーー
「クソッタレが!!誰だよ!?バラしたやつは!!見つけたらタダじゃおかねーぜ!!」
友人はキレていたが俺は黙っていた。
なぜならバレたら半ごろしされるからな。
「……じゃあ。そろそろいこうぜ」
「ああ!そのために入念入りに準備していたからな!!」
俺たちは防寒具などさまざま環境に対応できるモノを準備していた。
俺たちは早速ゴカイを押す。
「ゴカイシテマス」
そのアナウンスに奇妙な違和感が感じていたが俺たちだけでなく前の利用者もゴカイしていたようだ。
俺たちはゴカイしてしまった。なぜならそこは見慣れない墓地だったから。
その後、俺たちの行方を知る者はいない。
「4」
私がとある場所でエレベーターのボタンを開きボタン押すとそこに彼女がいた。
「ごきげんよう。友紀さん」
私はそのまま彼女とエレベーターに乗る。
彼女は何も語らないしそこまで親しくない。
私は彼女のことをゴカイしてるだろうか?と彼女はクスと笑った。
「私、あなたの事ゴカイしてるわね」
「え?」
そしてエレベーターは5階に着くと彼女はそのまま降りた。
「……」
彼女はそのまま最後まで私を見つめていた。
その時、私の背筋の肩がブルっと寒さで震えていた。
ゴカイエレベーター 完
ーー「カネワザショッピングモール店エレベーター内」ーー
「こらこら。エレベーターボタンいたずらしちゃダメでしょ!」
母親がエレベーターイタズラする子供に対して叱るのはよくあるあるだった。
でも、私は知っている。
エレベーター内でイタズラにボタンを押したらゴカイすることに……。
聴かせてもいいかしら?
そんなゴカイする恐ろしい怪異談に……ね。
俺はバイト終わりに友人と帰り道だった。
その間に俺と友人の間でガチャの話題で盛り上がっていた。
「やっぱり回すにはさー。単発が1番ええよなー」
「そうか?俺は石を貯め込んで一気に放出がええと思うがな」
他愛もないくだらないいつもの話題だったのだ。
しかし、俺が旅行したいという話題に移ると友人が薦めてくれた。
「それなら、いいのがあるぞ。おまえも来い」
と、友人に言われるがままについてくことにした。
ーー「とある廃墟のビル内」ーー
「ここだぜ」
そこは誰も使われてなさそうな廃墟のビルだった。
「おい?大丈夫なのかよ!?一気に崩れ落ちる心配ないのか?」
「ははは。大丈夫だぜ。お前も入れよ」
友人は蜘蛛の巣や埃などかき分けながら建物に入るとき俺も入る。
そこにポツンと佇むエレベーターが設置していた。
そして友人はエレベーターの足元に描かれてる赤い線を確認した後言った。
「うん。今日は1回やれるな。軽く説明するとな。このエレベーターはゴカイするんだよな」
「ゴカイ?……なんだよそれ」
「まーやればわかるだろう」と友人は早速エレベーターのボタンを開けてそこに見慣れない「回転」というボタンを押すと電光表示階数がバグりランダムの数式に変化して「ゴカイです」とアナウンスされてどこかの階数にたどり着くとそこは熱気に包まれるアマゾン熱帯雨林ついたのだ。
「こ、これは!?一体なんだ?」
「驚いたか?これはなゴカイしたから俺たちはワープしたんだよな」
「ふむ。異世界転移みたいなものか」
「違うぞ。このゴカイは俺たちの世界にある場所に転移したすぎない。スマホ見ろよ。ちゃんと表示されてるだろ?」
ふむ。たしかにそうだな。
「なー?元の場所に戻る時どうすればいいんだ?」
「それなら普通に5階ボタンで戻れるぞ」
と、友人が5階押すとそのエレベーターが閉じて元の場所に戻った。
「へー。じゃあ旅行し放題だな」
俺が回転ボタンを押そうとすると友人が遮る。
「待て!今日はゴカイしてるようだ。見ろよ赤い線が4つ線引かれてるだろ?ゴカイ以上するとわけがわからない世界に迷い込むからな。1日ゴカイまでなら大丈夫だからな。このエレベーターは」
「そうなんだ。じゃあ来週の日曜日俺休みだから。そこまで我慢するよ」
「俺も行くぜ。来週の日曜日の早朝になるべく早い時間に来いよな」
「ああ。わかった」
俺たちはその場でお開きした。
「2」
ーー「当日」ーー
早朝早い時間帯に来た俺は待ち伏せしてる友人とエレベーター内に入った。
「今日は何名きた?」
「一名だな。その方は管理者だから、早めに来て赤い線を消していくんだぜ」
「お?じゃあ4回もやれるな」
「アホ。後の利用者も考えろよな。俺たちが利用できるのはせいぜい1、2回だ。2回でも多いくらいだぞ?それ以上やると、晒し者させられるから注意しろ。あの監視カメラがそうだからな」
と、友人の指摘通りに監視カメラが設置されていた。
「おう、気をつけるよ。じゃあ早速やろうぜ」
「ああ」
俺たちはゴカイした。
最初はどこかの山奥だったが途中から寒くなったので断念して元の場所に戻った。そして次はどこかの水族館だった。優雅に泳ぐ魚達を鑑賞して充分堪能させてもらった。
「3」
俺はSNSの友人達にもゴカイエレベーター広めるとたちまちに火がついてトレンドになった。
しかし、そのおかげでゴカイエレベーターが有志の間で完全予約制になってしまった。
その時、彼らもゴカイしていたから……。
ーーーーーー
「クソッタレが!!誰だよ!?バラしたやつは!!見つけたらタダじゃおかねーぜ!!」
友人はキレていたが俺は黙っていた。
なぜならバレたら半ごろしされるからな。
「……じゃあ。そろそろいこうぜ」
「ああ!そのために入念入りに準備していたからな!!」
俺たちは防寒具などさまざま環境に対応できるモノを準備していた。
俺たちは早速ゴカイを押す。
「ゴカイシテマス」
そのアナウンスに奇妙な違和感が感じていたが俺たちだけでなく前の利用者もゴカイしていたようだ。
俺たちはゴカイしてしまった。なぜならそこは見慣れない墓地だったから。
その後、俺たちの行方を知る者はいない。
「4」
私がとある場所でエレベーターのボタンを開きボタン押すとそこに彼女がいた。
「ごきげんよう。友紀さん」
私はそのまま彼女とエレベーターに乗る。
彼女は何も語らないしそこまで親しくない。
私は彼女のことをゴカイしてるだろうか?と彼女はクスと笑った。
「私、あなたの事ゴカイしてるわね」
「え?」
そしてエレベーターは5階に着くと彼女はそのまま降りた。
「……」
彼女はそのまま最後まで私を見つめていた。
その時、私の背筋の肩がブルっと寒さで震えていた。
ゴカイエレベーター 完
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