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鐘技怪異談W❷巻【完結】
114話「開かずの蔵」
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「1」
「ここに反省しなさい!」
悪い事した幼い私はおばあさまに古い蔵へ閉じ込められた。
「開けてください。おばあさま暗いです」
中は薄暗かったし、誰かの気配を感じるように感じた。
そこに彼らがいたから。
彼らが私に寂しさを紛らわしてくれたのだった。
だから、そんな怪異談を披露するわね。
開かずの蔵ーー。
どうぞご静聴ください。
……関係ないけどおばあさまの悪口言ったら、実際に近くで雷落ちたのはキノセイではない。
ーーーーーー
「次はどこに持ち運べはいいですか?」
「ああ、洋間にお願いするよ」
わしは業者に指示する。
屋敷には跡継ぎがいない老年のわし1人で管理しきれないため業者を呼んで在庫整理をしていた。
そんな中、わしはこの屋敷にある古い蔵へ向かう。
生前幼い頃から祖父が死ぬ間際に蔵へ近づいて開けるなと言っていたがわしは無視してそこも在庫整理しなくてはと、わしは鍵業者を使って蔵を開けるとそこから勢いよく風が吹く。
祖父が開けるなという真意はわかった。
そこにあったのは大量のミイラの女性の遺体が溢れていたからだ。
警察が調べるとほとんどは若い女性たちが溢れており、生前から家族や友人さえも知らずに悪事染めていたようだ。
それから、わしの枕元には女性が毎晩立っていたり、息遣いするように聴こえていた。
「2」
「ねー。あなた最近蔵に何か物音しない?」
「そうかな?キノセイじゃない」
僕たち夫婦は田舎の村で古民家を借りた。
そこの古い蔵へ物音や人の気配がするようになったのである。
そこにガタガタ大きな物音がしたので妊婦の妻の代わりに僕は様子見に蔵へ向かった。
古い蔵は畑の近くにあった。
そこでライトを携えて中に入ると一瞬少女が見えた感じがしたがキノセイだろうか?
特に何もないことを確認するとそのまま中を閉じた。
しばらく戻ると妻が産気づいたので慌てて僕はこの近くの産婆さんを呼んだ。
無事出産して女の子だった。
僕の娘はすくすくと成長してたまに蔵の中でいなくなることがあったがもしかしてと僕は思った。
そして僕にももうすぐ孫ができる。蔵の中にはたまに少年の姿が見かけるようになったから、生まれてくる孫は男の子かなと思っていた。
「3」
私が怪異談を披露すると、帰宅してあらかじめ作っておいたぼた餅を用意して蔵へ向かうと彼らが待ち受けていた。
彼らは私しか見えないお友達である。
彼らはぼた餅が好きでよく話しかける。
彼らの姿は秘密ね。
私と彼らは怪異談によく鳴かせた仲だったから。
開かずの蔵 完
「ここに反省しなさい!」
悪い事した幼い私はおばあさまに古い蔵へ閉じ込められた。
「開けてください。おばあさま暗いです」
中は薄暗かったし、誰かの気配を感じるように感じた。
そこに彼らがいたから。
彼らが私に寂しさを紛らわしてくれたのだった。
だから、そんな怪異談を披露するわね。
開かずの蔵ーー。
どうぞご静聴ください。
……関係ないけどおばあさまの悪口言ったら、実際に近くで雷落ちたのはキノセイではない。
ーーーーーー
「次はどこに持ち運べはいいですか?」
「ああ、洋間にお願いするよ」
わしは業者に指示する。
屋敷には跡継ぎがいない老年のわし1人で管理しきれないため業者を呼んで在庫整理をしていた。
そんな中、わしはこの屋敷にある古い蔵へ向かう。
生前幼い頃から祖父が死ぬ間際に蔵へ近づいて開けるなと言っていたがわしは無視してそこも在庫整理しなくてはと、わしは鍵業者を使って蔵を開けるとそこから勢いよく風が吹く。
祖父が開けるなという真意はわかった。
そこにあったのは大量のミイラの女性の遺体が溢れていたからだ。
警察が調べるとほとんどは若い女性たちが溢れており、生前から家族や友人さえも知らずに悪事染めていたようだ。
それから、わしの枕元には女性が毎晩立っていたり、息遣いするように聴こえていた。
「2」
「ねー。あなた最近蔵に何か物音しない?」
「そうかな?キノセイじゃない」
僕たち夫婦は田舎の村で古民家を借りた。
そこの古い蔵へ物音や人の気配がするようになったのである。
そこにガタガタ大きな物音がしたので妊婦の妻の代わりに僕は様子見に蔵へ向かった。
古い蔵は畑の近くにあった。
そこでライトを携えて中に入ると一瞬少女が見えた感じがしたがキノセイだろうか?
特に何もないことを確認するとそのまま中を閉じた。
しばらく戻ると妻が産気づいたので慌てて僕はこの近くの産婆さんを呼んだ。
無事出産して女の子だった。
僕の娘はすくすくと成長してたまに蔵の中でいなくなることがあったがもしかしてと僕は思った。
そして僕にももうすぐ孫ができる。蔵の中にはたまに少年の姿が見かけるようになったから、生まれてくる孫は男の子かなと思っていた。
「3」
私が怪異談を披露すると、帰宅してあらかじめ作っておいたぼた餅を用意して蔵へ向かうと彼らが待ち受けていた。
彼らは私しか見えないお友達である。
彼らはぼた餅が好きでよく話しかける。
彼らの姿は秘密ね。
私と彼らは怪異談によく鳴かせた仲だったから。
開かずの蔵 完
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