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鐘技怪異談W❷巻【完結】
111話「吸穴(きゅうけつ)」
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「1」
ーー「????」ーー
灰色の曇り空。
ジメジメとした地面のぬかるみ。
そこに黒のレインコートを身につけた若い女性がスコップで地面を掘り出している。
目的意図は不明だが掘らなきゃいけないと使命感があった。
そして大人1人分サイズの穴まで掘り出すとそこでやめて女はそこに座り込む。
女の表情はどこか安らかであり、ずっと空き腹が空いてもそこに座り続ける。まるで取り憑かれるように穴にハマるまでーー。
ーーーーーー
ポツポツと降ってくる雨音。
カエルの合唱団が騒がしい。
そんな中、草壁草美は機嫌がよかった。
そう、雨は彼女の好きな雑草の生命の恵みである。
その濡れた雑草の感触は彼女自身しかわからないフィットした馴染みがある。
そんな彼女は休日の日曜日にいつものように黄緑のレインコートを身につけながらハンドスコップと軍手を持ち馴染みの公園に向かう。
そこでいくつか雑草の感触を楽しむのである。
そこで彼女は奇妙な恐怖体験をするのである。
「2」
ーー「野薔薇公園」ーー
ここの公園は旧野薔薇市が設置した公園であり、そこそこ野球場の広さを持つ。そんな中、草美は適度の雑草を見つけると軍手をはめてバンドスコップで根っこまで綺麗に地面掘って雑草を引き抜いて感触を確かめるのである。ふと、彼女の目線に黒のレインコート着た男性が穴にすっぽりハマってることに気がついた。草美はふと気になり、手にした雑草置いて彼に呼びかける。
「草おじさん。そこにいると風邪をひかない?」
「……」
その彼は何も答えない。
もっとも草美は親切に呼びかけただけであり、彼が何しようと勝手であるし、草美も勝手に雑草の感触を楽しんでるだけだ。しかし無視をしたのはいただけなかった彼女はそのまま無視して雑草を楽しむの再開するとドシャと崩れる音がしたので先程の黒のレインコート男性に振り返ると彼自身ミイラのように肉体ごと崩れかけていたからだ。
「あわわわわ!?」
彼女はそのまま怖くなって逃げ出した。
どこまでも遠くに逃げ続けていた。
そう、頭の中がパニックになり正常な反応が取れないほどだった。
そして公園が出た後で少し身体を休めた。
たしかに見たのはミイラだった。
しかし、最初見たのは普通の男性だったのだ。
しかし、一気にミイラになるのはどういうことだろうか?
そこで頭の中を整理してもう一度あの場所へ確認してみようと再び公園の中に入った。
「3」
草美が公園の中全体をくまなく探したがあの黒レインコートを着た男性おろか、先程すっぽりハマるほどの穴は見つからなかった。
見間違いだろうか?という疑念があるがたしかに穴は存在して先程の黒のレインコート着た男性は存在したのだ。なので見逃してないかくまなく探して数時間後、心配になった母親からの帰りを促すSNS通知で慌てて彼女はそのまま帰宅した。
ーー「草美の自宅」ーー
『クサイほどハマる草納豆発売』
実のお兄さんの芸人がやるCMに耳が入らないほどのぼんやりしてる草美。
食事中に、母親が苦言を申すと慌て食事再開するとき頭の中にあるのはあの穴だけが気になっていた。
「4」
次の日、登校しても草美はまだ穴のことが気になっていた。
クラスの友人達に話しかけても上の空であいまいに返事するだけだった。そんな中、友紀が彼女のもとにやってきた。
「どうした?草美。悪いもん食っただべか?」
「……ん。そうじゃないけど」
「何か気になる案件でも」
「い……や。ただ穴が」
「穴?」
友紀はそれ以上は追求しなかった。
今日は部活あるがその日、草美は欠席してそのまま帰宅した。
草美はもはやあの穴だけが頭の中になかったから。
「5」
日に日に経過するごとに穴に対する思いが強くなっていく。
そんな時に雨曇り日に草美はいつもの馴染みの公園で黒のレインコートの若い女性を目撃する。
その女性の手には業務用1メートル長さのスコップが握られていた。
彼女は気になり跡をつけてみた。
そしてその女性は手頃な場所を見つけると地面を掘り出していく。
そして手頃なすっぽりの穴ができるとその女性はすっぽりハマって目を離した隙にそのまま姿を消した。
草美もその女性の後を追いかけるように先程と女性と同じようにその場にあったスコップで地面を掘っていく。1時間経過した頃でようやくそれらしい形が出来ていた。
満足感の笑みを浮かべた草美はそのまま穴に入ろうとした時に誰かに肩が掴まる。
そこに掴まれた相手は灰色のレインコートを着たミイラ姿の男性だった。
「あわわわわわ!?」
草美はパニックなり必死に逃げようとするが肩はがっしりと捕まれて身動きは取れず逃げられることはできなかった。
その時、必死に呼びかける男性の馴染みの声がした。
「草美くん!草美くん僕だよ!」
「え……猿谷さん?」
以前、友紀の家にお会いした顔見知りの猿谷だった。
ふと、草美は掘った穴を再度見ると完全に閉じていつのまにか塞がれていた。
「6」
「そうか。君はどうやら体質のようだ。ここの公園にはしばらく近づかないように。いいね」
「……はい」
草美の様子で心配していた友紀達が猿谷さんに頼んで彼女の後をつけていたのこと。案の定、草美は穴にハマる所を救い出した所である。この後猿谷はオカルトや悪霊犯罪など取り締まるオカルト専門の礼察に通報してここの公園を封鎖した。
「7」
しばらくして草美は以前のような振る舞いを取り戻した。後日分かっていたがあの彼らが着込んでいた黒のレインコートはいわくつきのモノであり、回収騒ぎが起きていた。実際草美が着ていたレインコートにもあの黒のレインコートがあったから着なくてよかったと安堵していた。
ーー「????」ーー
とある空き地にすっぽり穴にハマるほどの深みがある場所にそこにリードが引きずる子犬が魅入られて穴にハマる。そこに飼い主が後を追いかけてその場所に向かう時魅入られてーー。
吸穴(きゅうけつ) 完
ーー「????」ーー
灰色の曇り空。
ジメジメとした地面のぬかるみ。
そこに黒のレインコートを身につけた若い女性がスコップで地面を掘り出している。
目的意図は不明だが掘らなきゃいけないと使命感があった。
そして大人1人分サイズの穴まで掘り出すとそこでやめて女はそこに座り込む。
女の表情はどこか安らかであり、ずっと空き腹が空いてもそこに座り続ける。まるで取り憑かれるように穴にハマるまでーー。
ーーーーーー
ポツポツと降ってくる雨音。
カエルの合唱団が騒がしい。
そんな中、草壁草美は機嫌がよかった。
そう、雨は彼女の好きな雑草の生命の恵みである。
その濡れた雑草の感触は彼女自身しかわからないフィットした馴染みがある。
そんな彼女は休日の日曜日にいつものように黄緑のレインコートを身につけながらハンドスコップと軍手を持ち馴染みの公園に向かう。
そこでいくつか雑草の感触を楽しむのである。
そこで彼女は奇妙な恐怖体験をするのである。
「2」
ーー「野薔薇公園」ーー
ここの公園は旧野薔薇市が設置した公園であり、そこそこ野球場の広さを持つ。そんな中、草美は適度の雑草を見つけると軍手をはめてバンドスコップで根っこまで綺麗に地面掘って雑草を引き抜いて感触を確かめるのである。ふと、彼女の目線に黒のレインコート着た男性が穴にすっぽりハマってることに気がついた。草美はふと気になり、手にした雑草置いて彼に呼びかける。
「草おじさん。そこにいると風邪をひかない?」
「……」
その彼は何も答えない。
もっとも草美は親切に呼びかけただけであり、彼が何しようと勝手であるし、草美も勝手に雑草の感触を楽しんでるだけだ。しかし無視をしたのはいただけなかった彼女はそのまま無視して雑草を楽しむの再開するとドシャと崩れる音がしたので先程の黒のレインコート男性に振り返ると彼自身ミイラのように肉体ごと崩れかけていたからだ。
「あわわわわ!?」
彼女はそのまま怖くなって逃げ出した。
どこまでも遠くに逃げ続けていた。
そう、頭の中がパニックになり正常な反応が取れないほどだった。
そして公園が出た後で少し身体を休めた。
たしかに見たのはミイラだった。
しかし、最初見たのは普通の男性だったのだ。
しかし、一気にミイラになるのはどういうことだろうか?
そこで頭の中を整理してもう一度あの場所へ確認してみようと再び公園の中に入った。
「3」
草美が公園の中全体をくまなく探したがあの黒レインコートを着た男性おろか、先程すっぽりハマるほどの穴は見つからなかった。
見間違いだろうか?という疑念があるがたしかに穴は存在して先程の黒のレインコート着た男性は存在したのだ。なので見逃してないかくまなく探して数時間後、心配になった母親からの帰りを促すSNS通知で慌てて彼女はそのまま帰宅した。
ーー「草美の自宅」ーー
『クサイほどハマる草納豆発売』
実のお兄さんの芸人がやるCMに耳が入らないほどのぼんやりしてる草美。
食事中に、母親が苦言を申すと慌て食事再開するとき頭の中にあるのはあの穴だけが気になっていた。
「4」
次の日、登校しても草美はまだ穴のことが気になっていた。
クラスの友人達に話しかけても上の空であいまいに返事するだけだった。そんな中、友紀が彼女のもとにやってきた。
「どうした?草美。悪いもん食っただべか?」
「……ん。そうじゃないけど」
「何か気になる案件でも」
「い……や。ただ穴が」
「穴?」
友紀はそれ以上は追求しなかった。
今日は部活あるがその日、草美は欠席してそのまま帰宅した。
草美はもはやあの穴だけが頭の中になかったから。
「5」
日に日に経過するごとに穴に対する思いが強くなっていく。
そんな時に雨曇り日に草美はいつもの馴染みの公園で黒のレインコートの若い女性を目撃する。
その女性の手には業務用1メートル長さのスコップが握られていた。
彼女は気になり跡をつけてみた。
そしてその女性は手頃な場所を見つけると地面を掘り出していく。
そして手頃なすっぽりの穴ができるとその女性はすっぽりハマって目を離した隙にそのまま姿を消した。
草美もその女性の後を追いかけるように先程と女性と同じようにその場にあったスコップで地面を掘っていく。1時間経過した頃でようやくそれらしい形が出来ていた。
満足感の笑みを浮かべた草美はそのまま穴に入ろうとした時に誰かに肩が掴まる。
そこに掴まれた相手は灰色のレインコートを着たミイラ姿の男性だった。
「あわわわわわ!?」
草美はパニックなり必死に逃げようとするが肩はがっしりと捕まれて身動きは取れず逃げられることはできなかった。
その時、必死に呼びかける男性の馴染みの声がした。
「草美くん!草美くん僕だよ!」
「え……猿谷さん?」
以前、友紀の家にお会いした顔見知りの猿谷だった。
ふと、草美は掘った穴を再度見ると完全に閉じていつのまにか塞がれていた。
「6」
「そうか。君はどうやら体質のようだ。ここの公園にはしばらく近づかないように。いいね」
「……はい」
草美の様子で心配していた友紀達が猿谷さんに頼んで彼女の後をつけていたのこと。案の定、草美は穴にハマる所を救い出した所である。この後猿谷はオカルトや悪霊犯罪など取り締まるオカルト専門の礼察に通報してここの公園を封鎖した。
「7」
しばらくして草美は以前のような振る舞いを取り戻した。後日分かっていたがあの彼らが着込んでいた黒のレインコートはいわくつきのモノであり、回収騒ぎが起きていた。実際草美が着ていたレインコートにもあの黒のレインコートがあったから着なくてよかったと安堵していた。
ーー「????」ーー
とある空き地にすっぽり穴にハマるほどの深みがある場所にそこにリードが引きずる子犬が魅入られて穴にハマる。そこに飼い主が後を追いかけてその場所に向かう時魅入られてーー。
吸穴(きゅうけつ) 完
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